柏原正樹
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柏原 正樹(かしわら まさき、1947年1月30日 - )は数学者である。京都大学名誉教授。京都大学数理解析研究所元所長。IMU (International Mathematical Union) 元副総裁。理学博士(京都大学、1974年)。
略歴
- 1969年5月 東京大学理学部数学科卒業
- 1971年3月 東京大学大学院理学系研究科数学専門課程修士課程修了
- 1971年4月 京都大学数理解析研究所助手
- 1974年4月 名古屋大学理学部助教授
- 1978年9月 京都大学数理解析研究所助教授
- 1984年4月 京都大学数理解析研究所教授
- 2001年4月 京都大学数理解析研究所所長(2003年3月まで)
- 2007年4月 京都大学数理解析研究所所長(2009年3月まで)
活動
東大在学中に数学者、佐藤幹夫に認められる。佐藤が京都大学数理解析研究所に移るのに伴い京大へ。佐藤幹夫の弟子として、佐藤の代数解析学を供に建設、発展に尽力している。
主な業績として超局所解析学、極大過剰決定系の理論、量子群の結晶基底、大域基底の理論、D-加群、柏原-MalgrangeのV-filtrationなど。Helgason 予想、 Lusztig 予想の解決に貢献。Kazhdan-Lusztig 予想、一般次元Riemann-Hilbert 問題(Hilbert第21問題の一般化、特異点問題も含んだ形で)の解決、 層Cにおける佐藤定理への貢献。
受賞・講演歴
- 1978年 - ICM全体講演(ヘルシンキ)
- 1981年 - 日本数学会彌永賞:偏及び擬微分方程式系の代数的研究
- 1987年 - 朝日新聞社朝日賞:代数解析学の研究 (河合隆裕とともに)
- 1988年 - 日本学士院日本学士院賞:代数解析学の研究
- 1990年 - ICM招待講演(京都)
- 2002年 - フランス学士院科学アカデミー外国人会員
- 2007年 - 日本学士院会員
- 2008年 - 藤原科学財団藤原賞:D加群の理論の構築とその応用
日本語著作
欧文主要著作
- Microfunctions and pseudo-differential eauations, Lecture Notes in Math. 287, Springer, 265-529, (1973). (with M. Sato and T. Kawai)
- Masaki Kahashiwara: Introduction to Microlocal Analysis. L'Enseignement Mathématique. 32, Université de Genève. 1986.
- Masaki Kashiwara: Algebraic Study of Systems of Partial Differential Equations,
(Master's Thesis, Tokyo University, December 1970) Mémoires 63, translated by Andrea D'Agnolo and Jean-Pierre Schneiders, Société Mathématique de France 1995: ISBN 2-85629-046-9
- Masaki Kashiwara and Pierre Schapira: Sheaves on Manifolds.Springer-Verlag. Berlin Heidelberg New York.1990: ISBN 3-540-51861-4.
- Masaki Kashiwara and Pierre Schapira: Categories and Sheaves.Springer-Verlag. Berlin Heidelberg New York.2005: ISBN 3540279490