村山貯水池
村山貯水池(むらやまちょすいち、英称:Murayama Reservoir)は、多摩湖(たまこ、英称:Tama Lake)の通称で呼ばれる、東大和市の狭山丘陵の渓谷に造られた1927年完成の東京都水道局水源管理事務所村山・山口貯水池管理事務所が管理する人造湖である。
概要
歴史・経緯
東京市の人口増加に対応した水源確保のため、多摩川の水を羽村取水堰で取り入れ、導水管にて村山貯水池に導いて貯水し、ここから境浄水場へ導水して浄水処理を行い、和田堀浄水池を経て市内へ給水する目的で、東京都北多摩郡大和村(現:東大和市)に1916年から1927年まで10年の歳月をかけ建設された。工事にあたり、資材運搬と導水管(羽村村山線)工事のために羽村-山口間に軽便鉄道を敷設した。この鉄道は完成後に廃止となったが、山口貯水池建設工事の際に復活し、資材運搬に利用された。廃線跡の一部は東京都道253号保谷狭山自然公園自転車道線などのサイクリングロードとして整備されている。
村山貯水池は東京都水道局の水源のひとつ。西の村山上貯水池と東の村山下貯水池に分かれている。また、東京都内の他県にまたがらない湖の中では最大である。
村山貯水池というものの、現在の武蔵村山市からも東村山市からも外れおり現在は東大和市にあるが、これは付近の旧地名である「村山郷」から来ているためである。
貯水池の堤体(堤防)は、太平洋戦争中に爆撃対策としてコンクリートで強化された。
2003年(平成15年)からは堤体の耐震補強工事が実施されていたが2009年(平成21年)3月に完成した。工事中は堤体付近への立ち入りが出来なくなっていたが、完成に伴い一般市民へと開放された。その工事の状況などを説明している「村山下貯水池工事インフォメーションセンター」、工事の状況が見られる「見晴台」が堤体の南側に設置されていた。
第一村山線と第二村山線で東村山浄水場及び境浄水場に原水を送水するが、バックアップ用として東村山浄水場経由で朝霞浄水場及び三園浄水場にも送水することがある。
施設
村山上引入れ水門 羽村線出口に設置された幅4.000m、開度3.900mの水門
村山上取水塔 ダム南岸に設置された、内径7.879m高さ27.511mの取水塔で、取水口4個を有し、それぞれの取水口のゲートの名称は、最下段を一号ゲート、以降、上段に向かって二号ゲート、三号ゲート及び四号ゲートと呼称する。
村山下第一取水塔 ダム南岸に設置された、内径7.879m高さ27.061mの取水塔で、取水口7個(最下段は2個)を有し、それぞれの取水口のゲートの名称は、最下段の左を一号ゲート、右を二号ゲート、以降、上段に向かって三号ゲート、四号ゲート、五号ゲート、六号ゲート及び七号ゲートと呼称する。
村山下第二取水塔 ダム南岸に設置された、内径7.000m高さ27.400mの取水塔で、取水口7個(最下段は2個)を有し、それぞれの取水口のゲートの名称は、最下段の左を一号ゲート、右を二号ゲート、以降、上段に向かって三号ゲート、四号ゲート、五号ゲート、六号ゲート及び七号ゲートと呼称する。
村山貯水池を舞台にした作品
- 「多摩湖小唄」
- 機動警察パトレイバー(漫画版)
- 作中では「浦山貯水池」という架空の名称になっている。
周辺
- 村山貯水池から境浄水場までの水道管を敷設した道路は緑化され、「狭山・境緑道」(緑地帯)となっており、幅4mの遊歩道が設けられている。
- 山口貯水池(狭山湖) - 上貯水池に隣接している
- 西武園ゆうえんち
- 西武ドーム
- ゆり園(旧ユネスコ村) - 通年5~7月のみ営業
- 東大和緑地
交通アクセス
- 西武多摩湖線武蔵大和駅下車。徒歩10分。
- 西武多摩湖線・西武山口線西武遊園地駅下車。徒歩3分。なお同駅は1933年から1941年まで「村山貯水池際駅」だった。
- 西武山口線遊園地西駅下車。徒歩1分。(東京都立狭山自然公園へは不便)