月山道路
テンプレート:Infobox road 月山道路(がっさんどうろ)は山形県西村山郡西川町月山沢の月山入口交差点から、同県鶴岡市田麦俣字清水尻に至る、全長21.3kmの国道112号のバイパス道路である。
月山IC付近(月山ICより約100m鶴岡市寄り) - 鶴岡市(旧:朝日村)中台付近(66.7キロポスト)は自動車専用道路であり、月山入口交差点 - 月山IC付近と鶴岡市中台付近 - 鶴岡市田麦俣字清水尻は一般道路である(ただし、一般道路の区間も歩道等が設置されておらず、自動車以外の利便には供されていない)。また、東北横断自動車道酒田線のうち、月山ICと湯殿山ICを結ぶ路線とされており、山形自動車道に並行する一般国道自動車専用道路に指定されている。
日本の道100選に選定されている。なお、当道路は高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路としては珍しく「青色」の案内標識が使用されている。
目次
概要
- 延長:21.3km
- 通行不能区間:全線(歩行者、軽車両、原付車、125cc以下の二輪車(迂回路:六十里越街道))
- 冬季閉鎖区間:なし
- 指定区間:全線
別称は「月山花笠ライン」。このほか、旧道(大越・六十里越)と区別するため「月山新道」と称されることがあるほか、「月山ハイウェイ」という呼称(年輩者に呼称する人がいるテンプレート:要出典)や、「月山道」と省略して呼称している報道機関(山形放送など)がある。
当道路が開通するまでは、山形 - 鶴岡間は「六十里越街道」と呼ばれる1.5車線の九十九折の峠道を通っていた。多くの犠牲者を出しながらも1981年7月に全線開通した。
日本有数の豪雪地帯である地域を横断するため、開通から1990年までは、冬季の夜間は通行止めとなっていた。しかし、交通量の増加や、山形自動車道に接続する高速ネットワークに組み込まれた道路となっていることもあって道路監視や除雪の体制が強化され、年間を通じて終日通行することができるようになっている[1]。
この道路は、単に山形県内陸部と庄内地方を結ぶ路線としてのみならず、高速道路で関東地方や仙台市方面から庄内地方との間を結ぶ重要な路線であり、ひとたび不通になればこれらの地域の生活に大きな支障をきたす。ただし豪雪地帯であるほか、なるべく直線化が図られてはいるもののテンプレート:要出典範囲。
この区間は山形自動車道の計画区間で唯一、基本計画のままとなっているが、仮にこの区間を更に高規格に改良する場合、10km程度の長大トンネルを中心とした大規模な工事が見込まれる。なお、周辺地域を含めて地盤が不安定な地域であり、当道路でも八紘沢橋が崩落する事故などが発生している(後述)[1]。
先述の通り、月山IC - 湯殿山ICは山形自動車道に並行する一般国道自動車専用道路に指定されているが、このうち月山IC付近と鶴岡市中台付近 - 湯殿山ICは一般道路であり、月山道路が山形自動車道と接続している箇所はいずれも一般道路の区間である。このため、湯殿山IC以西の山形自動車道と日本海東北自動車道は他の高速道路と一切接続しておらず、高速道路としては飛び地状態となっている[2]。
通過する自治体
接続高速道路
- 山形自動車道(月山ICで接続)
- 山形自動車道(湯殿山ICで接続)
インターチェンジなど
- IC番号欄の背景色が■である部分については道路が供用済みの区間を示している。また、施設名欄の背景色が■である部分は施設が供用されていない、または完成していないことを示す。
- 路線名の特記がないものは市町道。
- () は、他路線の番号。
- 英略字は以下の項目を示す。
- IC:インターチェンジ
IC番号 | 施設名 | 接続路線名 | 山形市から (km) |
備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|
国道112号 山形方面 | ||||||
- | 月山入口交差点 | 国道112号(旧道) | 49.16 | 山形県 | 西川町 | |
- | 月山沢交差点 | 山形県道27号大江西川線 | - | 立体交差 | ||
(9) | 月山IC | 山形自動車道 | 50.43 | |||
- | 湯殿山立体 | - | 鶴岡市 | |||
- | 中台立体 | 67.4 | ||||
(10) | 湯殿山IC | 山形自動車道 | 70.7 | 西川方面出入口 | ||
- | 田麦俣字清水尻 | 国道112号(旧道) | 71.4 | |||
国道112号 酒田方面 |
主なトンネルと橋
- 大暮橋(月山入口交差点-月山沢交差点)
- 志津トンネル(月山IC-湯殿山立体) : 535m
- 葦谷地橋(月山IC-湯殿山立体)
- 大越川橋(月山IC-湯殿山立体)
- 頭光滝沢橋(月山IC-湯殿山立体)
- 月山第一トンネル(月山IC-湯殿山立体) : 2620m
- 八紘沢橋(湯殿山立体-中台立体)
- 湯殿山トンネル(湯殿山立体-中台立体) : 665m
- 鍋倉沢橋(湯殿山立体-中台立体)
- 月山第二トンネル(湯殿山立体-中台立体) : 1530m
- 十座沢橋(湯殿山立体-中台立体)
- 岩菅沢橋(中台立体-湯殿山IC)
- 田麦川橋(中台立体-湯殿山IC)
トンネルの数
区間 | 数 |
---|---|
月山入口交差点-月山IC | 0 |
月山IC-湯殿山立体 | 2 |
湯殿山立体-中台立体 | 2 |
中台立体-鶴岡市田麦俣字清水尻 | 0 |
合計 | 4 |
歴史
- 1979年:湯殿山交差点 - 鶴岡市田麦俣字清水尻が開通。
- 1981年7月17日 : 月山入口交差点 - 湯殿山交差点が開通し、全線開通。
- 1991年 : 冬季夜間の通行止め規制が解除。
- 1995年11月30日 : 月山沢IC(現:月山IC) - 田麦俣IC(現:湯殿山IC)が山形自動車道に並行する一般国道自動車専用道路に指定。
- 1998年度 : 中台交差点が立体化。
- 1999年度 : 湯殿山交差点が立体化。
- 1999年10月29日 : 月山IC開通により山形自動車道と接続。
- 2000年9月30日 : 湯殿山IC開通により山形自動車道と接続。
- 2010年 : 月山入口交差点-月山IC付近、中台立体-鶴岡市田麦俣字清水尻の最高速度が50km/h→60km/hに引き上げ。
道路管理者
- 国土交通省
- 東北地方整備局 酒田河川国道事務所:全線
車線・最高速度
区間 | 車線 上下線=上り線+下り線 |
最高速度 |
---|---|---|
月山入口交差点-鶴岡市田麦俣字清水尻 | 2=1+1 | 60km/h |
交通量
2010年度(平成22年度道路交通センサスより)
平日24時間交通量(台)
- 月山IC-湯殿山立体 : 9,331
- 中台立体-湯殿山IC : 9,295
2005年度(平成17年度道路交通センサスより)
平日24時間交通量(台)
- 月山IC-湯殿山立体 : 8,429
- 中台立体-湯殿山IC : 8,429
交通障害
1996年(平成8年)6月に朝日村(現:鶴岡市)田麦俣にある八紘沢橋の橋脚にひびが見つかった影響で、当道路は3日間にわたって全面通行止めとなった。この影響により、物流や観光業など約1億2,000万円の経済損失があったとされ、地域経済は大きな打撃を受けた[1]。その後もしばらくは片側交互通行が続いたため、国道13号と国道47号を迂回する車両も少なくなかった。
2004年(平成16年)5月16日、湯殿山スキー場入り口付近の村道で地すべりの恐れがあるとして、当道路はこの付近の区間において全面通行止めになった。なお、通行止めになった当初は復旧の見込みが全く立たず、国道13号と国道47号(新庄市経由)へ、のちには国道7号と国道113号を迂回するように呼びかけていたテンプレート:誰。また、当道路を経由する高速バスが新庄経由となったほか、ほかにも影響を受けた業界は多かった。同年5月22日、湯殿山スキー場入口付近の約0.5km区間が終日片側交互通行になり、全面通行止めは解除された。同年6月2日、片側交互通行規制は解除され、18日間続いた通行規制は全て終了した。[3]
ただし、冬の気候の厳しさから路面や橋梁が傷みやすく、テンプレート:要出典範囲。ただし、テンプレート:要出典範囲。
隣
(月山道路経由)
関連項目
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 月山道路情報ターミナル -地域のITS-(全国地域のITS実践事例) - 国土技術研究センター
- ↑ ほかに一般道路が高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路に指定されている道路は、みちのく有料道路や志戸坂峠道路がある。
- ↑ 国道112号月山道路の全面通行止めによる影響(ニュースリリース) - 国土交通省 東北地方整備局