岡村製作所
テンプレート:Infobox 株式会社 岡村製作所(おかむらせいさくしょ、英称:OKAMURA CORPORATION)は、日本の家具・産業用機器等の製造を主な業務とする企業である。
「オカムラ」の略称で知られる。本社は神奈川県横浜市(横浜駅西口前の天理ビル19階)に所在。東京都港区赤坂にも事業拠点がある。コーポレートスローガンは「よい品は結局おトクです」。
オフィス用の家具・収納・アクセサリーなどを扱っている国内企業の一つである。
かつてはシステムキッチンも作られていたが、現在は撤退している。
概要
太平洋戦争敗北によって業務を失った航空機メーカー・日本飛行機の旧社員であった吉原謙二郎(創業者)たちによって横浜市磯子区岡村町に1945年10月に創業され(会社設立は1946年)、金属加工技術を活かしたアメリカ軍向けのスチール家具納入で業績を高めた。社名は創業の地から取られた。
事務用椅子をはじめとするオフィス向け家具類では高いシェアを持つ。店舗陳列什器の分野においても高いシェアを持ち、国内唯一のフルラインメーカーである。また、建具の製造や設置工事も行っている。
1949年からは、日本で最も早い時期にトルクコンバーターの開発に取り組み、これを素地として産業用機器の開発でも地歩を固めた。
1957年から1960年にかけては、トルクコンバーター搭載の前輪駆動小型自動車「ミカサ」を生産した。これは、日本初の自動変速機搭載車として注目される存在であったが、自動車の販売力が弱かった上に、メインバンク(旧三菱銀行)がホンダを優先し、岡村にはオフィス家具に専念するようすすめたため、サービスカー(ライトバン)仕様を500台強、オープン2座のツーリング仕様を10台ほど販売し終了している。
1953年に、日本大学と共同で、日大/岡村N-52という「並列複座の軽飛行機」を製作している。開発には旧海軍航空技術廠の技師山名正夫も参加している。
2009年には東京・虎ノ門に「オカムラいすの博物館」をオープンさせ、前述の「ミカサツーリング」も展示している。現存する唯一の車両とされ、かつては大阪市内の御堂筋に面した大阪ショールームに展示されていた。
同社はかつて松下電工(現・パナソニック)と親密だったが、その後は新日本製鐵(現・新日鐵住金)と親密である。また三菱東京UFJ銀行(旧・東京三菱銀行)がメインバンクであり、三菱商事と取引関係にあるなど、三菱グループとも近しい関係にある。なお同じ鉄加工品メーカーでオウム真理教によって買収工作が行われた「オカムラ鉄工」(のちのヴァジラ・アヌッタラ・ヒタ・アビブッディ精密機器工業)とは関連は一切ない。
主要な製品
デスクチェア
- コンテッサ
- 世界中で高い評価を受けているアーロンチェアに対抗すべく製作された多機能デスクチェア。ジョルジェット・ジウジアーロによりデザインされた。流線型を主体としたデザインを採用している。
- バロン
- 同じくジョルジェット・ジウジアーロによりデザインされた多機能デスクチェア。コンテッサの弟分として位置づけられている。コンテッサと比べ、価格も比較的手頃になり、ヘッドレストも大きく柔らかく、ゆったりとリラックスできるため、コンテッサよりもバロンを評価する者も多い。
鉄道車両用座席
同社は鉄道車両用座席も手がけるようになり、小田急電鉄ロマンスカー・50000形(VSE)及び60000形(MSE)の座席を製造(ただし、回転部脚台は天龍工業製)している。座席のデザインは、同車両の総合デザインを担当した建築家・岡部憲明の監修を受けている。
また、京成電鉄スカイライナー・新AE形の座席も製造(同じく、回転部脚台は天龍工業製)している。この座席のデザインもデザイナー・山本寛斎の監修を受けている。
参考図書
カタログで見る日本車なつかし物語 P94-95 三十九話ミカサ・サービスカー ISBN 4-89522-236-5
関連項目
- 電車でGO! プロフェッショナル2 - 鶴見線・海芝浦支線の風景(新芝浦駅付近)に同社横浜物流センターが登場する。ただし、作中では看板は「オカモト」となっている。
テレビスポンサード番組
かつては『関口宏のサンデーモーニング』(TBS系列)や『さんまのまんま』(関西テレビ)に提供していた。