奥武蔵
奥武蔵(おくむさし)とは、登山・ハイキングにおいて、埼玉県西部・武蔵野台地の奥に位置する、田園・丘陵・山岳地帯・地域を指す地名である。
概要
具体的には、東は関東平野西縁の八王子構造線、北西は荒川・秩父鉄道秩父本線・秩父盆地、南は奥多摩地域に囲まれる外秩父山地(秩父山地の一部)のうち、南部の地域を指す。中心部を東南から北西に向かって国道299号と西武鉄道の池袋線・西武秩父線が通る。
高くて険しい山は余りなく、低山が多いためハイキングに適している。都心から近いため、行楽シーズンにはハイキングのほか多くの観光客が訪れる。道路が山頂近くまである山も存在しており、マイカーでの登山も便利であり、また公園のように整備された山もある。
高低差があるが標高が低い為、冬でも登れる山が多い。
地域
東部
黒山三滝(男滝・女滝・天狗滝)、顔振峠(500m)、傘杉峠(550m)、関八州見晴台(770m)、高山不動(千葉の成田不動、東京の高幡不動と並ぶ、関東三大不動のひとつ。推定樹齢800年の銀杏の大木がある)などがあり、奥武蔵グリーンラインが尾根上に通じている。
東南部
飯能駅・東飯能駅から行くことのできる能仁寺と天覧山(195m)、多峰主山(271m)、ボートやヘラブナ・ワカサギ釣りやサイクリングが楽しめる宮沢湖(灌漑用水。1941年(昭和16年)に造られた人造湖)、高麗駅から行ける日和田山(305m)・物見山(375m)、“500万本の曼珠沙華”[1]で有名な巾着田、鎌北湖、北向地蔵、駒高集落、高麗神社などがある。標高が低いので軽装でも登れ、ハイキングや登山の入門コースともいえる。また、低山なので冬がベストシーズンであろう。
南部
山王峠(250m)・大仁田山(506m)・小沢峠(380m)、やや高度のある棒ノ折山(棒ノ嶺、969m)と夏季にキャンプで賑わう名栗湖・名栗渓谷、手軽にモータースポーツを楽しめるカート場がある。
中央部
伊豆ヶ岳(851m)、正丸峠(636m)などがあり、旧名栗村と飯能市の境界の尾根である。伊豆ヶ岳は奥武蔵でも屈指の登山者が多い山である。
西部
シバザクラの名所羊山公園、本格的な山登りコースになる武甲山(1304m)、小持山(1273m)・大持山(1294m)、武川岳(1052m)・二子山(883m)などがある。公共交通機関のアプローチは若干不便。
北西部
秩父盆地と小鹿野・両神の境近辺には、観音めぐりの地秩父三十四箇所がある。また、秩父ミューズパークなどのレジャースポットも多い。この緩やかな丘陵は長尾根と呼ばれ、標高は高くても400m前後と低いのでハイキングに適している。美の山公園は桜やツツジの名所として知られており、秩父市・皆野町の市街を見渡せる夜景スポットでもある。
北部
北武蔵とも呼ばれる。大霧山(767m)、笠山(837m)・堂平山(876m)・定峰峠(620m)・白石峠(700m)・丸山(960m)・宝登山(497m)などがあり、最北部には景勝地長瀞渓谷がある。頂上の近くまで車道が通じている山が多い。また、レジャースポットとしてもひらけている。
交通
西武鉄道の各駅(飯能駅・高麗駅・武蔵横手駅・東吾野駅・吾野駅・西吾野駅・正丸駅・芦ヶ久保駅・横瀬駅)を拠点に、ハイキング・ルートがよく設定・開拓されている。北部は、秩父鉄道、JR八高線、東武東上線利用。