大念仏寺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:日本の寺院 大念仏寺(だいねんぶつじ)は、大阪府大阪市平野区にある寺院。融通念仏宗総本山。山号は、諸仏護念院大源山。創建は大治2年(1127年)とされ、日本最初の念仏道場である。本尊十一尊天得如来(絵像)。「十一尊天得如来」とは融通念仏宗特有の呼称で、阿弥陀如来と十菩薩の絵像である。

歴史

比叡山天台宗の僧の良忍が、大治2年(1127年)鳥羽上皇の勅願により開創した。

摂津国住吉郡平野庄(現・大阪市平野区)の領主の平野殿坂上広野の私邸内に建立した融通念仏の道場の菩提所・修楽寺の別院が前身。

その後、寺勢は振るわなかった。永享元年(1321年)に第7世・法明が中興して寺域を拡大して、伽藍を整備したが、度重なる兵火に遭い荒廃した。

第43世・舜空が大堂を建立した。元禄年間(江戸時代前期)には、第46世・大通が諸堂を再建するとともに、法儀の用具を完備して、融通念仏宗の本山として現在に至っている。

境内地は24000m²(約7300坪)、30余りの堂宇がある。

本堂は、大阪府下最大の木造建築である。

開祖である良忍上人が京都の大原で修行中、唱える念仏が美しすぎるため近くの滝の轟音がかき消されてしまうといったエピソードがある。 現在でもその滝は“音無の滝”として広く知られる。

行事

融通念仏宗の寺院・壇信徒の自宅などに、本尊(十一尊天得如来(掛け軸))を奉持して先祖供養を行い、家内安全・身体堅固の祈祷をする本尊(如来)御回在が行われる。

毎年5月1日〜5日に行われる「万部おねり」は大阪市指定無形民俗文化財に指定されている。 25人の菩薩が娑婆(外側)から極楽浄土(本堂)に練り歩き、絢爛豪華な来迎の世界を体現している。

  • 1月1日 修正会
  • 1月16日 百万遍会(大数珠繰り・御札授与)
  • 2月節分 毘沙門天護摩供・大般若転読法会・寒行
  • 2月26日~3月5日 元祖聖応大師御忌法要・納骨諸霊追善法要
  • 3月2日 河内御回在ご出光
  • 3月5日 再興大通上人御忌法要・納骨諸霊追善法要
  • 3月21日 春季彼岸
  • 3月31日 写経奉納供養・筆供養
  • 5月1日~5日 万部法要
  • 5月16日 百万遍会(大数珠繰り・御札授与)
  • 5月29日 河内御回在ご帰院
  • 7月7日 中祖法明上人御忌法要
  • 8月15日 盂蘭盆会・法界大施餓鬼
  • 8月16日 万灯会
  • 9月9日 大和御回在ご出光(山中入りの年は3日)
  • 9月16日 百万遍会(大数珠繰り・御札授与)
  • 9月23日 秋季彼岸会
  • 11月3日 胎内仏納骨法要
  • 11月14日 十夜会(甘酒・厄除け施与)
  • 12月17日 大和御回在ご帰院
  • 12月31日 除夜法要(除夜の鐘つき・升酒施与)
  • 毎月26日 定例布教(日曜のときは、27日)護摩供
  • 毎月26日 護摩

札所

境内

  • 本堂 - 昭和13年(1938年)に再建。総欅(けやき)造り・銅板葺きである。大阪府下最大の木造建築。2003年に国の登録有形文化財に登録[1]
  • 霊明殿 - 後鳥羽上皇を奉安する権現造りの社殿。
  • 鐘楼
  • 楽邦殿 - 納骨堂
  • 宝物館 - 著名な幽霊掛軸を所蔵。
  • 円通殿(観音堂)-扁額「圓通殿」は大通上人の直筆による。本尊は五尺五寸の聖観世音菩薩(立像)で最澄の作と伝承される。
  • 山門 - 江戸時代前期(元禄)建立。 霊元天皇皇女・法鏡寺宮御親筆の勅額「大源山」を掲げている。
  • 白雲閣
  • 瑞祥閣
  • 梁松院 - 総本山に残る唯一の塔頭(昭和47年・1972年に再建)
  • 毘沙門堂 - 行基作の伝承がある毘沙門天を祀る。脇壇には十六羅漢・閻魔十王を祀る。
  • 南門 - 旧古河藩陣屋門
  • 地蔵堂
  • 経蔵
  • 斉堂
  • 延喜殿 - 管長・法主の公舎。昭和49年(1974年)に完成。
  • 尚光殿
  • 大俊亭
  • 宝蔵庫
  • 大念佛寺会館

文化財

国宝
  • 毛詩鄭箋残巻 1巻
重要文化財
  • 明徳版本融通念仏縁起 2巻
  • 浄土論 1巻
  • 後小松天皇宸翰融通念仏勧進帳 1巻
その他
  • 亀鉦
  • 亡女の片袖

アクセス

所在地
大阪府大阪市平野区平野上町1丁目7
鉄道

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

参考文献

関連項目

テンプレート:Sister

周辺情報

外部リンク

テンプレート:浄土教2

  1. 平成15年12月1日文部科学省告示第172号(登録は12月25日付)