双葉電子工業
双葉電子工業株式会社(ふたばでんしこうぎょう、テンプレート:Lang-en-short)は、国内大手の蛍光表示管(VFD)製造会社。また、「ラジコンのFutaba」としても有名。ラジコンのプロポは自社で製造・販売されているが、他社にOEM供給も行っている。本社は千葉県茂原市にある。社名の由来は「二(双)人で千葉の地で起業しよう」という、創業者の思いからきている。創業者が日立製作所の出身であるため、日立グループとの係わりも深いが、双葉電子工業は日立グループではない。
国内の主要生産拠点は千葉県長生郡長生村の長生工場群で、電子管工場、モジュール工場、無線機器工場、精機工場(金型部品)がある。その他に金型部品工場として、睦沢工場(長生郡睦沢町)、長南工場・長南第2工場(長生郡長南町)、明石工場(兵庫県明石市)がある。
歴史
戦時中に理研真空工業茂原工場(後に日立製作所と合併、現在の日立ディスプレイズ)にて知り合った衛藤五郎と細谷礼二が、ラジオ受信用真空管の製造・販売を目的に1948年に設立した。その後、社内で使用していた自社製金型の販売やラジコン送受信機の製造も開始する。1970年には真空管の製造を中止するが、ノウハウを生かし、電子管(蛍光表示管、VFD)の製造・販売を開始する。
1972年には台湾に電子管の製造を目的とした現地法人「台湾双葉電子股份有限公司」と、韓国にモールド金型部品の製造を目的とした現地法人「韓国双葉精密工業株式会社」(2008年解散[1])を設立する。その後も、アジアを中心に電子管、ラジコン、金型の製造工場(現地法人)を設立し、特に電子管は国内生産から海外生産にシフトしている。1986年に東証一部上場。
また、1972年からデジタル位置読取装置の製造・販売を行っていたが、2004年10月に基幹業務への経営資源集中のため、サムタク株式会社へ営業譲渡した。
2004年には「FED(電界放出ディスプレイ)」の生産ライン構築が発表され[2]、のちに生産を開始したが、2009年10月に新規開発・新規受注の中止を発表した[3]。
製品
- 電子管
- 蛍光表示管、大型管がソニーのジャンボトロンに使用された。
- 蛍光表示管モジュール
- 蛍光発光プリントヘッド
- ラジコン
- ホビー用ラジコン
- 産業用ラジコン
- 金型用部品
- プレス金型用部品
- モールド金型用部品
- プレジションプレート
- 省力機器
- その他
- 有機EL用透明膜捕水剤
グループ企業
子会社
- 日本国内
- 日本国外
- 台湾双葉電子股份有限公司 (台湾)
- 双葉開発科技股份有限公司 (台湾)
- 双葉電子部品韓国株式会社 (韓国)
- 起信精機株式会社 (韓国)
- 双葉電子科技開発(北京)有限公司 (中国北京市)
- 双葉電子部品(恵州)有限公司 (中国恵州市)
- 富得巴(香港)有限公司 (中国香港特別行政区)
- 富得巴精模(深圳)有限公司 (中国深圳市)
- 富得巴国際貿易(上海)有限公司 (中国上海市)
- 双葉精密模具(中国)有限公司 (中国昆山市)
- 起信精密模具(天津)有限公司 (中国天津市)
- FUTABA JTW(Thailand) Limited (タイ)
- FUTABA Corporation of the Philippines (フィリピン)
- FUTABA(Vietnam) Corporation, Limited (ベトナム)
- FUTABA Denshi Corporation(Singapore) Private Limited (シンガポール)
- FUTABA Corporation of America (米国イリノイ州)
- FUTABA(Europe) GmbH (ドイツヴィーリッヒ)
関連会社
- 日本国外
- 三一メガテック株式会社 (韓国)
- FHP Corporation (フィリピン)
その他
- 1985年公開の米国映画バック・トゥ・ザ・フューチャー (Back to the Future) で、デロリアン・タイムマシンの無人(有犬?)テスト時に、科学者のドクがタイムマシンを操縦していたプロポは同社製。
- 1990年代前半、本社と同じ千葉県に所在するラジオ局、bayfmで提供番組「FUTABA DACING HOT SHOT」を持っていたことがあった。