勝手にしやがれヘイ!ブラザー
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 テンプレート:Sidebar with collapsible lists 勝手にしやがれヘイ!ブラザー(かってにしやがれヘイ!ブラザー)は、日本のテレビドラマ。
1989年10月13日~1990年3月23日まで、日本テレビ系列で毎週金曜日20:00~20:54の放送枠で放送された。全22話。
概要
横浜市中区山手にある北村法律事務所の代表・北村敬太郎弁護士(中条静夫)の事務所兼自宅に住む異母兄弟、フリージャーナリストの岸田法眼(柴田恭兵)と大学生の北村則規(仲村トオル)が遭遇する様々な事件や騒動をコミカルに描いたソフトアクション。制作が『あぶない刑事』と同じセントラル・アーツ、脚本・監督陣も引き継がれているため、各所に『あぶない刑事』のセルフパロディが散りばめられている。別作品とはなっているが、「港署」や「近藤課長・大下刑事・ナカさん・パパ(吉井刑事)」などの名称も登場し、『あぶない刑事』の番外編ともスピンオフ(スピンアウト)作品とも言える作りになっている。
横浜市中区を舞台として柴田・仲村・中条の共演という点もやはり『あぶない刑事』と同様である。ただしメインキャラクターが刑事ではなく一般市民として設定されており、ストーリーもハードボイルド色を抑え、コミカルな部分を強調したため、さらに破天荒な展開の話が多い。
主な出演者と役名
(レギュラー)
- 岸田法眼(ホーガン):柴田恭兵
- フリージャーナリスト。33歳。
- あぶない刑事での大下勇次に近いキャラクターではあるが、彼よりウエットで情に流されやすい。一方で、ジャーナリストの客観性も持つ。腕っ節はさほど強くはない。
- 大下と面識があるそうで、第2話で港警察署に連行された際、調べ室から大声で大下に助けを求めるシーンがある。
- 2歳の時に両親が離婚し、母親に引き取られた。そのため岸田姓となっている。
- 司法試験には合格しているものの、弁護士にはならずに、10年間ジャーナリストをしている。現在は銀座に編集部がある夕刊紙の契約記者をしている。
- 第1話で横浜に取材に訪れた際、30年ぶりに父親・敬太郎と再会。なりゆきで父親宅に同居することになる。
- 名前の法眼は法の眼と言う意味で名付けられたが、幼少期は睾丸とからかわれトラウマになったと語っている。
- 閉所恐怖症であり、留置所に留置された際ガタガタ震えていた。
- 頭を振るとチャッポンチャッポンと音が鳴る。
- 品川ナンバーのアルファ・ロメオ・スパイダー・クワドリファリオのシルバーに乗っており、劇中自分の愛車に対し、ロミオとジュリエットのセリフのパロディを言い何気なく自分の車を紹介していた。
- エンドロールには、そのアルファロメオで放送当時開通したばかりの横浜ベイブリッジを則規のバイク、ゼファーと共に疾走するシーンが流れている。
- 柴田自身の自虐ネタとして自分の似顔絵を見せられた時に、「老けたユン・ピョウ」などと言うセリフがあった。
- 北村則規(ノリキ):仲村トオル
- 司法浪人。23歳
- あぶない刑事の町田透に近いキャラクターではあるが、彼よりも熱い直情タイプ。少々考えなしで無鉄砲なところもあり、物語前半ではそのせいで事件に巻き込まれることも多々あった。
- 本人による町田のセルフパロディーもかなりの頻度で多発し、本人によると、港警察署でもっとも優秀な刑事は町田刑事とのこと。
- 仲村自身の主演作『ビー・バップ・ハイスクール』のパロディも行っており、中学生のケンカを仲裁する時にすごんでいた。
- 司法試験を目指しているが、あまり熱心に勉強していない。フリーアルバイターという名刺を持ち歩き、私立探偵まがいの仕事をしている。ナンパもしょっちゅう行い、自宅の電話番の時も居留守を使う。
- 当初は法眼のことを兄として認めていなかったが、一緒に生活していくうちに打ち解けて行く。
- 名前の由来は、規則を逆に読んだだけ。
- 頭を振るとカランカランと音が鳴る。始が「仮面ライダーBLACK」に変身しようとすると、自身は「仮面ノリダー」に変身しようとする場面もある。
- カワサキ・ゼファー400cc限定モデルに乗る。
- 依頼人に騙され、ブレーキが故障した日産・スカイラインジャパンGTを運転し片輪走行をしたこともあった。
- 女性への口説き文句として「子供の頃、アカフン一丁で横浜港付近を泳いでいた」と言う自慢があるらしく、法眼にもそれを見透かされている。
- 水上始(ハジメ):倉田てつを
- 則規の大学の後輩。
- のちの「あぶない刑事リターンズ」の虎井刑事を思わせる軟派なキャラクターで、いつも則規の後をコシギンチャクのようにくっついて来る。自転車を愛用している。
- 本人が演じた出世作「仮面ライダーBLACK」のセルフパロディネタが好きで、ピンチになると変身ポーズを取る(そして敵に殴られてしまう)。
- 頭を叩かれると、中身の詰まっていそうないい音がする(第20話では法眼、則規と頭の音でセッションもあった)。
- 未熟者あるいは足手纏いとして扱われ、則規からも「ハジメじゃなあ」などとたびたび言われていた。
- 吉野くるみ:森恵
- ハウスキーパー。
- 昼は北村家でハウスキーパー、夜は洋裁学校に通う。
- 熱血のあぶない刑事のファンで、仕事も忘れ、時に夜更をしてあぶない刑事のビデオを3本まとめて見たりもする。性格を一言で言えば「プッツン系」または「不思議ちゃん」。
- 演じる森も始役の倉田と同じく、特撮ものに出演していた(テレビ朝日スーパー戦隊シリーズ「超獣戦隊ライブマン」ブルードルフィン / 岬めぐみ役)。
- 津曲洋子:名取裕子
- 北村法律事務所・北村敬太郎の秘書。
- 実はひそかに法眼に恋心を抱いている。北村家を影で支えるいなくてはならない存在。北村家は全員ボケキャラな為、唯一のツッコミ役となっている。
- ワインレッドのマツダペルソナ に乗る。
- 北村敬太郎:中条静夫
- 弁護士・北村法律事務所代表、法眼と則規の父親。62歳。
- 横浜では名の通った弁護士だが、金に困っている依頼人からは報酬を受け取らないなど、人情派の一面もある。
- 一方で、普段は金にも目ざとい。
- 歳相応にしては、かなりの軟派で女好きで、時に病院の看護婦さんに手を出したり、則規の女友達を紹介しろとの発言もある。
- 港警察署の近藤課長(あぶない刑事にて中条が演じた役)と懇意である。劇中たまに近藤課長のセルフパロディーを見せることもある。近藤課長の時は完全に押さえ役に回っていたが、今作では押さえ役には回らず自らハネる役になる。
- 持病で心臓が弱いと口にするが、仮病であることもある。
- 柴田と仲村が担当する次回予告篇ナレーションにおいて「昔、ガードマンに出ていた」などと言うネタもあった。
(準レギュラー)
- 上島多門:峰岸徹
- 夕刊イブ・編集長。
- 法眼が契約記者をしている夕刊紙の編集長。
- 法眼のことを当てにしており、危険な仕事は全て法眼にまかせる。
- 普段は銀座にある編集部に法眼を呼び出すが、神出鬼没な一面があり、ちょくちょく横浜にも現れる。
- 星川誠:石井愃一
- 横浜港警察署・捜査係長。
- 港警察署の捜査係長。洋子に気があり、洋子の頼みは何でも聞く。その結果、毎回目の敵にしている法眼達に協力してしまうことになる。
- マツダルーチェHTの覆面パトカーを使用する。
- 丸岡刑事:山西道広
- 横浜港警察署・捜査課刑事。(第19話のゲスト)。
- 星川の部下。法眼達を目の敵にしているが当の法眼には「パパ」と呼ばれている(あぶない刑事のパロディ)。
- 髭を生やしており、似合わないと言われたりしてからかわれてしまう。
- 刑事A:滝川昌良
- 横浜港警察署・捜査課刑事。
- 同じく星川の部下として数回登場する。
- 尾張一雄:内田稔
- 医師。
- 北村敬太郎の主治医として第1話、第13話に出演。
- ボーイ:浦野真彦
- 則規らがよく通うバーのボーイ。
- 則規らが行きつけのバーで働くボーイ。接客がいい普通の青年。
主題歌
- 「横浜DAYBREAK」柴田恭兵(フォーライフレコード)
なお番組のOPテーマ曲「ヘイ!ブラザー」が放送中の1989年にリリースされた柴田のオリジナルアルバム「AGAIN~そしてこの夜に~」に収録されているが(「横浜DAYBREAK」も収録されている)、この曲はR&B調のリズムに乗せて外国人歌手が英語の歌詞で歌っており、柴田はラスト直前で入る「勝手にしやがれ…」というセリフを呟くのみという珍しい構成となっている。
スタッフ
- 企画:初川則夫、黒澤満、伊地智啓
- 脚本:丸山昇一、柏原寛司、田部俊行、岡芳郎、古内一成、佐治乾、新井光、峯尾基三、枝元正吾、五味三太郎、五味友郎
- 監督:成田裕介、鹿島勤、一倉治雄、原隆仁、手銭弘喜
- 音楽プロデュース:志熊研三
- 音楽:宮城純子
- 音楽監督:鈴木清司
- 録音:秋山一三(宮永サウンド)
- 編集:山田真司
- 効果:渡部健一(東洋音響カモメ)
- 録音スタジオ:にっかつスタジオセンター
- 現像:東映化学
- 技斗:高瀬将嗣
- カースタント:カースタントTAKA
- 撮影協力:マイカル本牧(現:イオン本牧SC)、4℃元町店、SEGA(旧セガ・エンタープライゼス)、NAC、Odd Man Out、KADOYA、サマンサ、PARSON'S(荻原株式会社)、ローラ・ローラ、J&R ほか
- 協力:大沢商会アルファ・ロメオ事業部、マツダ、マルイチセーリング、メイセイ(明星電気)
- 製作著作:セントラル・アーツ
放映リスト
話数 | 放映日 | 小説版サブタイトル | 脚本 | 監督 | ゲスト | 撮影順(DVD収録順) |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1989年 10月13日 |
再会 | 丸山昇一 | 成田裕介 | 高樹澪 | 1 |
2 | 10月20日 | 失恋 | 柏原寛司 | 水島かおり 山口粧太 下塚誠 | 2 | |
3 | 10月27日 | 化身 | 丸山昇一 岡芳郎 |
一倉治雄 | 屋敷かおり 井上高志 中島陽典 石山雄大 衣笠健二 林ゆりや | 3 |
4 | 11月3日 | ビッグスクープ | 田部俊行 | 比嘉ひとみ 小谷ゆみ | 4 | |
5 | 11月10日 | やっかいなお荷物 | 新井光 | 手銭弘喜 | 池田純子 遠藤憲一 小川依子 アントリン・麻里 | 5 |
6 | 11月17日 | 孤独な殺人者 | 岡芳郎 | 葉山レイコ | 6 | |
7 | 11月24日 | 愛のインサイドキック | 鹿島勤 | 金沢碧 河合美智子 飯山弘章 海一生 | 10 | |
8 | 12月1日 | ダイヤモンド・ラブ | 佐治乾 | 清水めぐみ 広田玲央名 青木義朗 影山英俊 | 9 | |
9 | 12月8日 | 悪夢のディアフレンド | 柏原寛司 | 原隆仁 | 香川照之 黒部進 又野誠治 阿部祐二 福家美峰 上田耕一 ストロング金剛 | 7 |
10 | 12月15日 | 暗闇からレインボー | 新井光 | 井浦秀智 新田まゆみ 大林丈史 加藤由美子 | 8 | |
11 | 12月22日 | 偽りのナイトゲーム | 田部俊行 | 手銭弘喜 | 引田智子 渥美国泰 ただのあつ子 | 11 |
12 | 1990年 1月12日 |
あぶないストリートホリデイ | 古内一成 | 森山祐子 小鹿番 加藤和夫 掛田誠 森聖二 | 12 | |
13 | 1月19日 | 栄光へのシンフォニー | 丸山昇一 | 成田裕介 | 内藤剛志 草薙幸二郎 世利ゆかり 清水宏 内田稔 | 13 |
14 | 1月26日 | したたかな時間 | 柏原寛司 | 田辺美佐子 南条弘二 今井雅之 | 14 | |
15 | 2月2日 | 危険な瞳でテル ミー! | 枝元正吾 五味三太郎 |
鹿島勤 | 高山典子 菅田俊 荒井乃梨子 冨家規政 江崎和代 朝比奈順子 | 15 |
16 | 2月9日 | ロマンはミステリアスな終り | 古内一成 | 風祭ゆき 富士原恭平 | 16 | |
17 | 2月16日 | 遅れてきた電話 | 岡芳郎 | 手銭弘喜 | 結城しのぶ 久富惟晴 | 17 |
18 | 2月23日 | さそって さそわれて 殺意! | 田部俊行 | 内田勝正 高品剛 中島陽典 ヨコスカ潮也 河相我聞 | 18 | |
19 | 3月2日 | バーボンは殺しのささやき | 峯尾基三 | 一倉治雄 | 橋本実加子 山西道広 長谷部香苗 | 19 |
20 | 3月9日 | 盗みのトライアングル | 田部俊行 | 鹿島勤 | 戸川京子 井田弘樹 衣笠健二 榎木兵衛 | 21(鹿児島ロケ) |
21 | 3月16日 | 救え!愛のファインダー | 五味友郎 | 一倉治雄 | 鈴木亜希子 有川博 渡辺哲 | 20 |
22 | 3月23日 | ピラミッドは危険のサイン | 岡芳郎 | 鹿島勤 | 彩木美来 岡本佳織 | 22(鹿児島ロケ) |
関連商品
サウンドトラック
- 勝手にしやがれヘイ!ブラザー オリジナルサウンドトラック(1990年2月7日発売、フォーライフレコード、全11曲収録)
小説本
- 勝手にしやがれヘイ!ブラザー (日本テレビ編、全6巻)
DVD
本放送以来、数少ない再放送のみでビデオ、LDなどソフト化は長らくされていなかったが、2007年にDVD化された。
- 勝手にしやがれヘイ!ブラザー DVD-BOX ※初回限定生産(2007年9月21日発売、東映ビデオ、全22話収録)
- 撮影順の収録となっており、放送順とは多少異なっている。
- 解説書付きで仲村トオルのインタビューも収録。
2009年10月9日、レンタル開始。全5巻。セル版同様、収録順は制作順(放映順ではない)となっていることに注意。
脚注