写ルンです

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ファイル:FUJIFILM Utsurundesu Series.jpg
「写ルンです」の初期の製品群。右一番上と二つ目が初代、その左隣が二代目の「写ルンですHi」

写ルンです(うつるんです)は、富士フイルムから発売されているレンズ付きフィルムで、同ジャンルのパイオニア的製品である。名称は同社の登録商標(第2110978号ほか)である。日本国外ではQuickSnapの商品名(登録商標第2236896号)で販売されている。

1986年から発売されている。初代モデルはISO感度100の110フィルムとカートリッジを使用していたが、2代目に当たる「写ルンですHi」からはISO400の135フィルムに変更、画質が向上した。現在はISO感度が800・1600といった高感度のものや、APSフィルムを使用したものも発売された。

2012年11月、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話の普及などにより、大幅な生産縮小が行われた。2014年現在継続して販売する製品は3タイプとなっている(ラインナップを参照)。

ラインナップ

  • スタンダード
    • シンプルエース(ISO400フィルム使用。27/39枚撮り)
    • 400extra(生産完了、2013年9月頃に最終出荷見込み)
    • 800premium(生産完了)
    • スリムエースU(生産完了)
    • 写ルンです COLORS(生産完了、ラインナップ非掲載。ISO400。2013年10月に出荷終了)
  • 高機能
    • slim1000(生産完了)
    • 1600 Hi・Speed(2014年2月現在27/39枚撮りのみ)
    • 3ways,同BABY・PET(生産完了)
    • Night&Day Super(生産完了、2013年9月頃に最終出荷見込み)
    • Room&Day Super(生産完了)
    • エクセレント(生産完了)
    • デート1000(生産完了)
    • new望遠(生産完了)
    • 水に強い写ルンです new waterproof
  • キャラクターデザイン
    • super-eye800(ディズニー)(生産完了)
    • シンプルエース スティッチ(生産完了)
    • シンプルエース ハローキティ レッド(生産完了)

逸話

開発当初、ネーミング案として「パッ撮りくん」(忍者ハットリくんのもじり)という名前が候補に挙がっていたが、チーム内での評判は芳しくなかった。しかしそれに代わる新たな名前が思いつかずに上層部へのプレゼンの日を迎え、その席で上司に「本当に写るのか」と問いただされたときに、開発責任者はとっさに「写るんです」と返答した。その語感の軽快さと、説明いらずの明快さに気づいた責任者の機転によって名前が決定。その後「ルンルン気分で撮れる」との意味を合わせ、正式に「写ルンです」という名前に決定した。

1980年代まで、常用されるカラーネガフィルムの感度は400までで、800は通常のラインナップにはなく、1600は粒子が荒い特殊用途用といった位置付けであった。富士フイルムは、写ルンですで撮影された写真から失敗写真の原因を調査し、感度800のフィルムで撮影されていたなら救えたであろうコマが一定の割合で存在することを把握、400のフィルムと比べて遜色なく、写ルンですの固定露出にも堪えるラティテュードの広い、感度800のフィルムを写ルンです専用として開発し、1993年4月にそれを装填した「写ルンですスーパー800」として発売した。

スーパー800は発売されるやいなや、業界誌でフィルム新開発の情報を知ったプロカメラマンたちにより、解体してフィルムを巻き取り、パトローネを取り出して通常のカメラに詰める、という買われ方をした。1993年後半 - 1994年前半の報道写真にはそうやって撮られた写真がある(皇太子殿下ご婚礼など)[1]。これを見て富士フイルムは単体で商品化することに踏み切り、1994年9月、スーパーG ACE800として発売した[2]。このフィルムはその後も、日本雑誌協会の大相撲取材の指定フィルムとしてなど(土俵上の光量で、F2.8の望遠レンズで撮影時、動きを止めるぎりぎりの1/500秒で撮影できる[1])人知れず活躍した。その後も、写ルンですでの使用を念頭に置いた、常用を前提とした粒子感の感度1600のフィルムを開発するなどしている。

オリオンから、「写ルンです」をもじったラムネ菓子「食ベルンですHi」が発売されている(1990年発売開始)。「写ルンです」の景品に採用されたこともある[3]

その他パロディ的名称は数多い。

テレビCM出演者

幼い娘を持つ父親という設定のデーモンが娘を前に乗せて歌いながら土手沿い自転車を走らせる「いい日旅立ち編」などの、コミカルな演技が話題となった。聖飢魔IIのビデオCD『SEIKIMANIA』(1995年)に「吊り橋編」「忘れ物編」「トンボ採り編」が収録されている。同タイトルは2003年にDVD化。
当時の聖飢魔IIメンバー全員が出演した戦国時代の合戦風のCMも存在する。内容は、本陣で待機する敗色濃厚な軍勢(軍旗は総赤、及び白地に赤い三日月)の総大将(演:稲垣吾郎)のもとに矢を受けた赤切裂指物使番が転げこんできて絶望的な戦局を報告、暗に引き上げを進言、総大将が聖飢魔IIの来援を信じてこれを却下、反論しかけた重臣を制してNAI NAI 16のサビを歌うとデーモン以下の聖飢魔IIが(前述のデーモン単独出演以来ということで)「久々!」と登場するというもの(後述の「NAI NAI 16篇」)。
なお、沢口と稲垣は、同年のドラマ『』で共演している。

脚注

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関連項目

外部リンク

  • 1.0 1.1 『撮るライカ 1』 (ISBN 4-7698-1165-9) p. 153 / 『写真工業』誌の連載では第24回、同誌 Vol. 61, No. 9(通巻653, 2003年9月号) pp. 95 - 99、該当の記述は p.96
  • 『カラーネガフィルムの技術系統化調査』§10.1.1
  • 激動の時代に 関西企業トップストーリー (52) オリオン社長 小西 靖介氏 子どもの「憧れ」形に/駄菓子にこだわり63年神戸新聞社、2011年10月2日。