中沙諸島
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中沙諸島(ちゅうさしょとう、中国語:中沙群島、Zhōngshā Qúndǎo、越:Quần đảo Trung Sa)は、南シナ海にある諸島の一つ。西沙諸島の東南、東沙諸島の西南、南沙諸島の北方にかけて、南北約740km、東西約430kmの広大な範囲に含まれる複数の岩礁及び環礁である。岩礁や環礁は大きく四つエリアにわかれ、パラセル諸島(西沙諸島)に近いエリアはマックルズフィールド堆(英語:Macclesfield Bank)と呼ばれる。唯一満潮時にも海面上に露出している岩礁は、フィリピンに近いスカボロー礁(黄岩島)のみであり、国連海洋法条約上の「島」に該当するか否かについては疑義を示される場合がある。
中沙諸島が存在する範囲は、南シナ海の他の海域と同様、漁業資源が豊富で石油や天然ガスが眠っている可能性がある。また、中沙諸島と称されるエリアは広大で、その一部を占めるマックルズフィールド堆を除いた、ほとんどのエリアは水深4000m以上の深海である。
中華人民共和国、中華民国(台湾)、フィリピン、ベトナムテンプレート:要出典が主権を主張している。人が居住できるほどの面積を有する陸地が無いため、物理的に軍隊が占拠するといった事ができない。フィリピンは一時的にスカボロー礁に座礁した艦船を利用し実効支配しようとしたが、中国政府のクレームにより座礁した艦船をすぐに撤去した。島の周囲の領海、経済水域はフィリピンが監視、取締を行っている。2012年4月、スカボロー礁周囲の領海に中華人民共和国の漁船が侵犯し停泊、密漁が露見し漁船はフィリピン艦船によりだ捕された。中華人民共和国側は、自国漁民の保護を理由に漁業監視船をスカボロー礁領海に侵出させ、フィリピンの巡視船と対峙した。
ファイル:Schina sea 88.png
南シナ海 中沙諸島を構成する地形には、図中の上部四角枠の右下隅「Macclesfield Bank」およびその右にある「Scarborough Reef」をはじめとして、アンダーラインで示されている。
- マックルズフィールド堆(Macclesfield Bank)を構成する岩礁
- 魯班暗灘(Carpenter Shoal)
- 立父暗沙(Oliver Shoal)
- 本固暗沙(Bangkok Shoal)
- 西門暗沙(Siamese Shoal)
- 華夏暗沙(Cathay Shoal)
- 排洪灘(Penguin Shoal)
- 伏洑暗沙/波洑暗沙(Balfour Shoal)
- 比微暗沙(Pigmy Shoal)
- 隠磯灘(Egeria Shoal)
- 武勇暗沙(Howard Shoal)
- 楽西暗沙(Philips Shoal)
- 済猛暗沙(Learmonth Shoal)
- 海鳩暗沙(Plover Shoal)
- 美渓暗沙(Smith Shoal)
- ヘレン礁を中心とした北の東沙諸島に近いエリア
- 一統暗沙(Helen Shoal)
- 管事暗灘(Stewart Shoal)
- 黃岩海山(Huangyan Seamount)
- 石星海山(Shixing Seamount)
- 憲北海山(Xianbei Seamount)
- 憲南海山(Xiannan Seamount)
- 漲中海山(Zhangzhong Seamount)
- 珍貝海山(Zhenbei Seamount)
- トゥルロ礁、スカボロー礁が含まれるフィリピンに近いエリア
- 特魯暗沙(Truro Shoal)
- 管事暗灘(Stewart Shoal)
- 南巌島/黄岩島(Scarborough Shoal/Nanyan Dao/Huangyan Dao)中沙諸島唯一満潮時にも海面上に露出している岩礁。
- 黄岩海山(Huangyan Seamount)
- 石星海山(Shixing Seamount)
- 憲北海山(Xianbei Seamount)
- 憲南海山(Xiannan Seamount)
- 漲中海山(Zhangzhong Seamount)
- 珍貝海山(Zhenbei Seamount)
- 南の南沙諸島に近いエリア
- 中南暗沙(Zhongnan Shoal)
- 中南海山(Zhongnan Seamount)
- 龍南海山(Longnan Seamount)
- 長龍海山(Changlong Seamount)