ワシントン・ポスト
ワシントン・ポスト(英語:The Washington Post)は、1877年創刊のアメリカ合衆国・ワシントンD.C.の新聞である。米国内での発行部数は66万部で、USAトゥデイ(211万部 本紙のみ全国紙)、ウォール・ストリート・ジャーナル(208万部)、ニューヨーク・タイムズ(103万部)、ロサンゼルス・タイムズ(72万部)に次いで第5位[1][2]。
概要
二世代にわたってワシントン・ポスト社を所有していたマクリーン家の破産後に、ユージン・メイヤー(1875年 - 1959年)が同社を買収し、その娘のキャサリン・グレアムが夫のフィリップ・グレアムの自殺以降、同社を支配管理した。彼女は、この新聞の発行人を1969年から1979年まで務め、1973年から1991年まで社長を、1999年から亡くなる2001年まで会長を歴任した。
息子のドナルド・グレアムも1979年から2000年まで発行人を務めた。彼に引継ぎ、ボイスヒューレット・ジョーンズ・ジュニアがワシントン・ポストの発行人及びCEOを務めている。2013年8月5日、ワシントン・ポスト・カンパニー(テンプレート:NYSE)は、ワシントン・ポストを含む同社の新聞事業を2億5千万ドルでジェフ・ベゾス(Amazon.com創業者・会長兼CEO兼社長)に売却すると発表した[3]。ポスト・カンパニーの放送・ケーブルテレビ事業、一部の出版事業、医療事業は本取引には含まれない。Amazon.comは本取引には関与しておらず、ワシントン・ポストはベゾスがオーナーとなる非公開企業の下で発行されることになる[4]。2013年10月1日に取り引きが完了し、ワシントン・ポスト(WP Company LLC)はベゾスの個人投資会社であるナッシュ・ホールディングスLLCの傘下になった。新聞事業を売却したワシントン・ポスト・カンパニーは、同年11月29日付でグレアム・ホールディングス・カンパニー(テンプレート:NYSE)に改名した。
テンプレート:Sound 1889年にジョン・フィリップ・スーザがこの新聞の発行人に依頼され、同タイトルの行進曲「ワシントン・ポスト (行進曲)」を作曲した。この曲はスーザにとって初の大ヒット曲となり、米国内だけでなく、国際的にも流行した。
容共・リベラルな編集方針が(特に冷戦中)政権から敵視され、保守派からは「ポトマック河畔のプラウダ」と揶揄される。
記事
- 1970年代初頭のボブ・ウッドワード及びカール・バーンスタインによるウォーターゲート事件の追及で国際的な名声を獲得した。
- 1980年に報じられた「ジミーの世界」は取材記者の虚偽報道であることが明らかになり、ピューリッツァー賞を返上する事態に至った[5]。
- 報道協定に縛られない外国報道機関であったため、記者東郷茂彦が皇太子徳仁親王と小和田雅子の結婚決定をスクープした。
- 2007年、従軍慰安婦問題について、日本政府の責任を否定しアメリカ合衆国下院121号決議の全面撤回を要求する意見広告"THE FACTS"が掲載された。日本の保守派の主張を広めることができたとする意見や、かえってアメリカ下院の同決議を早める結果となったという意見があるなどと評価は分かれている。
- 2013年6月より元CIA職員のエドワード・スノーデンから託されたNSAの機密資料に基づき多数の記事を掲載している。2014年4月、NSAの極秘情報収集活動「PRISM」の告発報道が評価され、ピューリッツァー賞の公益部門金賞を受賞した[6]。
脚注
関連項目
- ニューズウィーク
- ニューヨーク・タイムズ
- ウォール・ストリート・ジャーナル
- バークシャー・ハサウェイ - グレアムに次ぐワシントン・ポスト・カンパニーの第二位の大株主
- ウォーレン・バフェット - バークシャー・ハサウェイのCEOである関係から、以前ワシントン・ポスト・カンパニーの役員を務めていた
- 読売新聞(提携先)
外部リンク
- ↑ テンプレート:Cite journal
- ↑ 部数は平日版、2008年10月 - 2009年3月平均
- ↑ Jeffrey P. Bezos to Purchase The Washington Post The Washington Post Company、2013年8月5日
- ↑ ベゾスによる買収後、Amazon.com, Inc.を取り上げた記事には、"Amazon.com chief executive Jeffrey P. Bezos owns The Washington Post."(「Amazon.com最高経営責任者のジェフリー・P・ベゾスは、ワシントン・ポストを所有する。」)との説明が入るようになっている。
- ↑ 埼玉県立久喜図書館、2005、「ジャネット・クックが「ジミーの世界」でピューリツァー賞を受賞した。受賞した年と、この受賞作の正確な題名を知りたい。」『レファレンス協同データベース』登録番号1000019073、2005年2月11日登録、2008年2月15日更新、(2013年5月11日取得、http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000019073 )。
- ↑ テンプレート:Cite news