ユーフラテス川
テンプレート:Redirect テンプレート:Infobox 河川 ユーフラテス川(Euphrates)は、トルコ北東部の山地を源流としてシリアを通過し、イラクでチグリス川と合流してシャットゥルアラブ川となり、最終的にペルシア湾に注ぐ国際河川である(河口付近はイランとイラクの国境になっているが、国境線の位置をめぐって紛争になっている)。全長2780キロメートル。ただし「ユーフラテス川水系本流の全長」ということであれば、シャットゥルアラブ川と併せた2980kmということになる。
日本語名のユーフラテスはギリシア語の Ευφράτης Euphrátēs に由来するラテン語名の Euphrates にちなみ、アラビア語ではフラート الفراتal-Furāt 、トルコ語ではフラト Fırat という。
流域人口500万人。沿岸地域では農業・遊牧が多く営まれている。イラク国内では非常にゆるやかに流れ、いかだのような原始的な船でもかなり上流まで航行できる。
数千年前、この川と隣のチグリス川の水は、いわゆる「肥沃な三日月地帯」を形成し、中東最初の文明を構築することに貢献した。下流域は古代メソポタミア文明の発祥地として知られ、古代ローマとパルティア及びサーサーン朝の境界線(リメス)としての役割も果たした川である。 これらの2つの川は、イラク国内では隣同士を流れており、遠く離れることがない。
この川はイラク国内では湿原をつくっていたが、1990年代に、当時の大統領サダム・フセインに非協力的な民族(テンプレート:仮リンク)を排斥するために、湿原を干拓してしまった。排水装置は2003年のイラク戦争で破壊されたが、湿原帯が復活するかどうかは不明である。
伝説
『旧約聖書』にも פְּרָת Pĕrāṯ の名が出ており、その源はエデンの園であるとされる。
古代ローマの詩人マルクス・マニリウスは、愛の女神ウェヌスが怪物テュポンから逃れるためこの川に身を投じ、魚に変身したと伝えている。この伝説には飛び込んだ川をナイル川やエリダヌス川(テンプレート:Lang-grc - テンプレート:Lang-la)とする異伝もあるが、いずれにせようお座と結び付けて考えられている。
参考文献
- マルクス・マニリウス 有田忠郎訳『占星術または天の聖なる学』 白水社(ISBN 4-560-02288-7)テンプレート:Turkey-stub