メロンパン
メロンパンは、日本発祥の菓子パンの一種。
パン生地の上に甘いビスケット生地(クッキー生地)をのせて焼くのが特徴である。主に紡錘形のタイプと円形のタイプとそれ以外の形のタイプに分かれる。関西地方と四国地方の一部、中国地方の一部では円形のメロンパンをサンライズと呼称する習慣がある[1]。
名称の由来
名前の由来は以下のとおりいくつか説があり、どれが正しいのかは不明。のちにメロンを原材料に加えた商品も登場しているが、これは命名された理由とは無関係で、スタイルに実際が追いついた例である。
- 表面のビスケット生地に数本の筋や格子状の溝が入れてある様がマスクメロンの模様に似ているため 現在はこれが主流。
- 「メレンゲパン」が訛ってメロンパンになった
- 生地の中にメロンフレーバーが加えられていたためそう呼ばれるようになった
歴史
起源
メロンパンの原型はアメリカ経由で日本に入ってきたメキシコの菓子『コンチャ』とも、ドイツの菓子『ストロイゼルクーヘン』とも言われているが、資料に乏しいため明確には分かっていない。
紡錘形のメロンパン
メロンパンは、明治時代後半から第一次世界大戦後の日本で作られ始めたとされている。広島の田中屋と言うパン屋が始まりと言われている。[2]洋食店などで使われるライスを成型するのに用いる食型で成型して焼き上げていたため、この当時のメロンパンはアーモンドを縦に割ったような紡錘形をしていた。上に乗ったビスケット生地の表面には数本の溝が付き、この形が、メロンの亜種であり、当時「メロン」として売られていたマクワウリに似ていることからメロンパンという名で呼ばれるようになった。神戸や京都などで売られているものは、中には白餡が入っている[3]。後に広島県呉市などで、これを模倣する形でカスタードクリーム入りのものも作られた。
円形のメロンパン
その後テンプレート:いつ、日の出の形を真似て、円形で上にビスケット生地を乗せたパン、サンライズが誕生した。神戸に本店のある金生堂の呉支店が軍艦旗の放射状の線を付けていたからサンライズと呼んだが、放射状の線より格子状の線が付けやすいので、現在の形になった。[4]それが一般化するにつれ、旧来の紡錘形のメロンパンは次第に姿を消していった。また、大正時代に入りマスクメロンが日本に輸入されてくるようになると、「メロン」という言葉で丸いマスクメロンが連想されるようになる。サンライズと上記のメロンパンは別物だったが、マスクメロンに形が似ているサンライズも混同されてメロンパンと呼ばれるようになった。大手の製パン業者もこれに倣い、それまでサンライズという名で製造していたものをメロンパンと改めた。近年テンプレート:いつでは、自動車を使っての屋台方式で円形のメロンパンのみを実演販売する専門店が増えている。
関西(大阪地域は含まず)の一部店舗では、現在でも円形のサンライズと紡錘形のメロンパンの両方が製造・販売されている。また、神戸や京都などではサンライズを「サンライス」と呼ぶ人も少なくない。また、地方でも、アンデルセンやリトルマーメイドは本社を広島県に持つため、「サンライズ」が販売されているのを見ることが出来る。
近年のメロンパン(その他の形)
近年テンプレート:いつ、円形のものを中心としたメロンパンの変種が次々と作られる中で、中にはメロンの形とは全く無関係の長方形や楕円形などの形をしたメロンパンも登場している。また、表面にビスケット生地が乗せられてはいるものの、平行線が付けられているなどメロンの表面の模様を全くイメージしていないものも多い。