メトロクロス
テンプレート:Infobox 『メトロクロス』(METRO-CROSS)は、ナムコ(現バンダイナムコゲームス)が1985年5月に発表したアーケードゲーム。
1986年12月16日にファミリーコンピュータに移植されたほか、1997年2月28日発売のプレイステーション版『ナムコミュージアム Vol.5』、2009年11月5日発売のXbox 360版『ナムコミュージアム バーチャルアーケード』にも収録されている。他にも、MZ-700のほか、海外ではAtari ST、コモドール64、Amstrad CPC、ZX Spectrumにも移植されている。
ゲーム内容
傷だらけのランナー(プレイヤー、通称「オレ」)[1]を操作し、謎の地下通路に仕掛けられた様々なトラップ、障害物を乗り越えてスタート地点からゴール地点まで時間内に走破するのが目的。
全32ラウンド(4ラウンド×8ステージ)で構成され、1ラウンド毎の制限時間内にクリア(走破)することが要求される。1ステージ中、1~3ラウンドのクリア時の残り時間は4ラウンド(ステージ内の最後のラウンド)に合算され、4ラウンドに設定された残り時間が無くなった後にそれが減少する仕様となっている。それぞれのラウンドの残り時間(4ラウンド目では残り時間と前ラウンドまでの残り時間との合計)が0'10"0を切ると警告表示としてスパークが発生、時間内にゴール出来なければプレイヤーは感電してしまい、ゲームオーバーとなる。プレイヤーの行く手を阻む障害物や有利になるアイテムが存在するものの、時間切れ以外にゲームオーバーとなることは無い。全32ラウンドの障害物やアイテムの配置は常に同じなので、このマップ(配置)を記憶することがオールクリアの基本となる。ラウンド32をクリアするとエンディングが流れゲーム終了、FC版では周クリアデモの後、制限時間が1秒減となったラウンド1に戻るという難度上昇型ループ制(4ラウンド目は前ラウンドまでのタイムを含め、実質4秒少なくなる)となっており、5周目の9面が物理的にクリア不可能な最終面(1周目はジャスト3秒(万が一コンマ以下のタイムを残せても1秒以内は周回による切捨ての扱いになるので注意)が知られている限りのベストタイムで、4周目になると時間の余裕が全くない。これとは別に4周目の25面はアイテムの裏技を使わないとクリア不可能である(一度コンティニューを利用した裏技を使う必要がある)。一方、9面は裏技の鍵となるアイテムがないのでそのような手段は使えず、実質1周するごとに1秒ずつの脚きりになっている)。なお、アーケード版のラウンド30の制限時間は5秒しかない(その代わりコース自体は短い)。
8方向レバーとジャンプボタン(FC版では十字キーとAボタン)でプレイヤーを操作する。ジャンプすると障害物を飛び越えることができるが、同じ距離を走って移動した時に比べてジャンプ1回につき0.1秒タイムロスをする。任意横スクロール画面であり、レバーを左右に入れることで加速と減速をおこなうが、後退はできない。
プレイヤーの「オレ」は、ヘルメットとサングラスに、全身黄色のウェットスーツのような服を着て、赤いブーツを履いた独特の風貌で正式名称は設定されていない。本ゲームのデザイナーである岡本達郎がモデルとなっており、特徴のあるアゴ周りなどに同氏の風貌が反映されている。アーケード版インストではゲーム画面と同じ全身黄色のデザインで描かれている物と黄色ヘルメット+全身青で描かれている2バージョンがあり、アーケード版ポスターもまた全身が青、ファミコン版パッケージではゲーム画面とは異なる長くないアゴの顔で描かれている。
障害物
スリップゾーン及びキューブやナイトなどの「画面の上下方向へ移動できるもの」以外の障害物には、当たり判定の存在しない部分がある(逆にこれを利用したライン合わせの技として攻略に活用できる)。これはインストラクションカードやゲーム中で説明されていない。
- ハードル
- 通路上に存在する障害物。ジャンプして飛び越えることができる。
- スリップゾーン
- 緑色の床障害。この上をプレイヤーが走ると遅くなる。
- キューブ
- 通路上を画面に対して上下に移動する障害物。接触すると潰されてしまう。ジャンプしてもかわすことは難しい。
- ジャンボ缶
- 通路上を画面に対して左右に移動する障害物。ジャンプしてかわすことができるが失敗すると躓いたり潰されたりする。後半になるとフェイントをかける缶も出てくる。
- 落とし穴
- 床障害。通過しようとするとプレイヤーが穴に落ちる。ファミコン版では1ラウンド内に4回落ちると、スタート地点に戻される。
- 壁(ウォール)
- 移動せず、上下に伸縮する。完全に縮んでいる場合はそのまま通過できる。ある程度の高さまではジャンプで飛び越えることができるが、伸びているとぶつかって進行を止められたり、ジャンプして避けるタイミングをミスすると、躓いてバランスを崩す。
- ジャンプ台
- 通過時にジャンプボタンを押す(押し続けていればOK)と長距離ジャンプができる。
- クラッカー
- 床障害。通過するとクラッカーが爆発し、上に弾れる。うまく飛び乗ると、ジャンプ台以上の長距離ジャンプが可能な「クラッカージャンプ」を行える。クラッカージャンプでゲートを超えると5,000点のボーナスが入る。
- ネズミ
- 前方から走って噛み付いて来る。アーケード版では緑色でFC版は黒。噛み付かれると動きが遅くなるが、レバー操作で振り払うことができる。複数のネズミに噛み付かれると、さらに遅くなり、動けなくなることもある。
- タイヤ
- 前方から飛び跳ねて来る。下をくぐることも可能。ファミコン版はアーケード版より動きが遅くなっている。
- ナイト・キング
- 通路上をチェスのナイト・キングと同じ動きで跳ねて来る。ナイトの方が厄介な動きをする。
- 角行(ファミリーコンピュータ版のみ)・飛車(ファミリーコンピュータ版のみ)
- 通路上を将棋の角行・飛車と同じ動きで飛んでくる。プレイヤーがぶつかると成り駒になる。
- コンベアー(ファミリーコンピュータ版のみ)
- 床障害。緑色の中心に白い線が入っている。上に乗ると、前に進めず、ジャンプもできなくなる。左右に移動するしかない。
アイテム
- アルミ缶
- 通路に置いてある青い缶。踏むと2秒間、制限時間が停止する。
- これを蹴る(体当たりする)と得点が入る。同じ缶を続けて蹴ると100→500→1000→2000→5000と得点が上がっていき、5000点の後は画面下へ消える。蹴った缶が連続で同じコースに着地することはなく、途中で画面下へ消えることも多い。
- スペシャルドリンク缶
- 通路に置いてある黄色い缶。これを飲む(通過する)とプレイヤーが5秒間、スピードアップする(終盤の面では2秒間)。しかしスリップゾーンに入ったり、ネズミに捕まったりした場合は効果がほとんど無い。これも踏むと2秒間、制限時間が停止する。ファミコン版ではストックアイテムに変更されており、Bボタンを押すとストックを減らしてスピードアップするがスリップゾーン内で使用すると普通の床でもスリップしたままのスピードアップ状態になるバグが発生する。スピードアップ中にゲームオーバーになると、コンティニュー後でも効果が継続する。
- スケボー
- 通路に置いてあるスケートボード。これに乗るとスリップゾーンでもスピードが落ちなくなる。
- 障害物にぶつかったり、ジャンプしたりすると離れてしまう。障害物をレバー操作のみでかわすことになり、アルミ缶を踏んで制限時間を止めることもできなくなる。スペシャルドリンク缶でのスピードアップは可能である。スケボーに乗ったまま別のスケボーに乗り換えたり、乗ったままゴールするとボーナス得点が得られる。
- 障害物にぶつからずに進めるライン合わせは、スケボーのタイヤの軸(ファミコン版ではタイヤの縁)に合わせて行う(むろん、前述で示したようにキューブ等には効果はない)。
- スペシャルブーツ(ファミリーコンピュータ版のみ)
- アルミ缶を10個つぶす毎に出現。赤いブーツにSの文字が描かれている。一定時間無敵になり、スピードが速くなる。但し、スリップゾーンで取った場合は逆に動きが鈍り、役に立たない。
- スペシャルドリンクパック(ファミリーコンピュータ版のみ)
- 同じアルミ缶を5回けり続けると出現。黄色い箱にDの文字が描かれている。スペシャルドリンク2つ分ストックされる。
隠れキャラ
ファミコン版では一定条件を満たすと、ナムコゲームに登場したキャラクターが登場する。出現させるだけでスコア加算され、取る必要はない。
- 女性
- 加算タイムを使わずに4の倍数(8の倍数では出現しない)のスペシャルラウンドをクリアするとキスで祝福してくれる。
- ソルバルウ
- 『ゼビウス』のプレイヤー機。残り時間が0'05"0ジャストでゴールインすると、7650点のボーナスと共に登場。
- ディグダグ
- 『ディグダグ』のプレイヤーキャラ。1ラウンド内で5回連続でクラッカージャンプに成功すると、1000点のボーナスと共に登場。
- プーカ
- 同じく『ディグダグ』に登場した敵キャラクターで、スケボーに乗ったまま落とし穴に落ちると、1000点ボーナスと共に出現。
- パックマン
- 『パックマン』のプレイヤーキャラで、1ラウンド内に20回連続でジャンプ台ジャンプに成功すれば登場。『パックランド』での姿で、2000点ボーナス。
ファミコン版の裏技
- ゲームオーバー後のタイトル画面でAボタンを押したままスタートを押すとコンティニュー可能。ただしコンティニューポイントは4の倍数ごとに区切られている(例:5~8面でゲームオーバーになると5面から再開)。スコアならびにスペシャルドリンクのストックも0。一方、ゲームオーバーになる直前のスペシャルドリンクのスピードアップは、ある程度継続する。
関連項目
- 放送第154、155回で「有野の挑戦」に採用。
- さくら荘のペットな彼女 - 19話で登場
脚注
外部リンク
テンプレート:ナムコット- ↑ 『namco名作ゲーム集』(電波新聞社)218ページ。
- ↑ テンプレート:Cite news テンプレート:Cite news