マヨネーズ
項目 | 分量 (g) |
---|---|
脂肪総量 | 72.3 |
脂肪酸総量 | 66.3 |
飽和脂肪酸 | 6.8 |
一価不飽和脂肪酸 | 36.5 |
多価不飽和脂肪酸 | 22.9 |
リノール酸 | 17.8 |
α-リノレン酸 | 5.0 |
マヨネーズ(テンプレート:Lang-fr-short)は、食用油・酢・卵を主材料とした半固体状ドレッシング。卵は卵黄のみ使用するものと全卵を使用するものがある。
当初はフランス料理の肉用のソースの一種であったが、サラダなどの料理における調味料として利用されている。
「マヨ」と略されて呼ばれることもあり、フランス語でもmayo「マヨ」と略される。
概要
日本農林規格(JAS)には「ドレッシング及びドレッシングタイプ調味料品質表示基準」が定められており、マヨネーズとは「半固体状ドレッシングのうち、卵黄又は全卵を使用し、かつ、必須原材料、卵黄、卵白、タンパク加水分解物、食塩、砂糖類、香辛料、調味料(アミノ酸等)及び酸味料以外の原材料を使用していないものをいう。」となっている[3]。このため海外産のマヨネーズの多くは日本の基準ではマヨネーズに該当せず、マヨネーズという商品名にも拘らず「半固体状ドレッシング」という分類で販売されている。
日本のメーカーが販売しているマヨネーズは全卵タイプのものも存在するが、最もシェアの高いキユーピーの製品は卵黄タイプである。一方、世界では全卵タイプのものが主流である。また日本人の好みに合うよう菜種油、大豆油等のくせのない植物油と米酢を主原料にしており、この点でも欧米のものとは風味が異なる。欧米の人々には日本でマヨネーズを使用したピザが売られていることや何にでもマヨネーズを使用するマヨラーの存在は奇異に映るが、日本製のものを使用すると理解を示すという[4]。
油分を少なくしてカロリーやコレステロールを抑え「肥満防止」を謳った製品や、アレルギーへの配慮から卵を使用せずに大豆など植物性原料のみで作った「大豆マヨネーズ」あるいは「豆腐マヨネーズ」も販売されている。アメリカでは、Nayonaise が良く知られる。ただし卵を使わない製法ではJAS基準から外れるためJASマークの表示および「マヨネーズ」としての販売はできず、「半固体状ドレッシング」や「マヨネーズ風ドレッシング」などの品名で販売されている。
マヨネーズには多くの食用油と不飽和脂肪酸や酸が含まれている。卵や酢の影響で油臭さを感じないように工夫されているが、約70%が脂肪であって、カロリーが高く1日あたり大さじ1杯以上のマヨネーズを食べることは、摂取者の体質にもよるが一般的にはカロリー過多となり栄養学上好ましくないとされる。これは登山中の遭難や大地震で倒壊した建物内に閉じ込められるなどの非常事態から生還した人の中にマヨネーズを摂取し続けて飢えをしのいだという証言があるなど、マヨネーズのカロリーは非常に高く、通常状態の人にとっては摂取量を考慮しなければならないレベルの高エネルギー食品である。
だが糖質制限という立場から考えると、糖質が含まれておらず脂質が多いため、非常に扱いやすい調味料・食品となる。
また極度のマヨネーズ好きのことをマヨラーといい、あらゆる食品にマヨネーズを使用する人もいる。詳しくはマヨラーを参照。
製法
マヨネーズには様々な製法があるが、基本マヨネーズ350mlの製法は以下の通り。
- 卵黄1個に対し、酢を大さじ1程度(ワインビネガー)、水小さじ1、塩、胡椒を少々。
- 好みによりマスタード大さじ1。
- それをボウルにいれ十分にまぜあわす。
- 卵黄1個に対し300cc程度までの食用油を少しずつ加えながら、好みのマヨネーズの食感にまで攪拌する。途中分離しそうになったら酢やワインビネガーを足すこと。
- 料理に合う塩と胡椒を加え完成させる。
保存は1月程度まで冷蔵庫で可能[5]
容器
ソフトチューブ入り、瓶入り、個包装のパックなどの形で販売されている。ソフトチューブ入りのものはスプーンなどの器具を使わずに搾り出すことができる、中の空気を追い出してから蓋を閉めることで空気に触れると変質が進むマヨネーズの鮮度を保てるなどの特徴がある。また搾り出しノズルが星型になっているものが多く、料理の飾り付けなどに便利になっている。一方瓶入りのものは密閉性が高く外気圧に影響されない点が特徴である。日本ではソフトチューブ入りのものが多く出回っているのに対して、欧米では瓶入りのものが普及している。
語源・歴史
Mayonnaise はフランス語であるが、語源に関しては多くの説がある。
地名由来とするものだけでも、メノルカ島のマオン、マヨルカ島などいくつもの説が存在する。マオン説では、18世紀半ばに小説三銃士でも知られるフランス宰相リシュリューの甥の息子ルイ・フランソワ・アルマン・ド・ヴィニュロー・デュ・プレシが七年戦争の際に名付けたとされている。『世界ウルルン滞在記』(毎日放送)ではマヨルカ島がマヨネーズの語源として紹介されていた。
当初、マヨネーズに使われる油はオリーブオイルが一般的だったが、マヨネーズがヨーロッパ全体に広まるに伴って、オリーブオイル以外の油も利用されるようになった。また、製造過程で卵黄・酢・油を完全に混ぜ合わせて乳化させるのに手間がかかるため、マヨネーズはもともとは高価なソースであった。しかし電動ミキサーが発明され、完全に乳化させたマヨネーズが容易に製造できるようになったため、マヨネーズは安価なものとなり、一気に普及した。
日本では1925年(大正14年)3月9日にキユーピーが発売した、キユーピーマヨネーズが日本におけるマヨネーズの元祖とされる[6]。1923年(大正12年)の関東大震災からの復興後における生活の洋風化の中で発売したものの、当初はマヨネーズの馴染みのなさや価格の高さから売れ行きは芳しくなく、ポマードと間違えられることもあったという。しかし積極的な宣伝展開により売り上げを伸ばしていく。ただし第二次世界大戦による原材料不足で製造の一時停止を余儀なくされた時期もあった。
昭和30年代以降、キユーピー以外にもマヨネーズ製造へ参入するメーカーが現れる。撤退したメーカーもあったが、味の素は卵黄タイプのものを発売していたキユーピーに対抗して全卵タイプのマヨネーズを1968年(昭和43年)に発売する。味の素製品の発売はその後の日本のマヨネーズ市場が拡大する結果となった。
物性
マヨネーズは水分活性が低く、酸性度が高いため、細菌が生存できる環境ではない。市販のマヨネーズにサルモネラ菌などの食中毒菌を付着させても、1日〜数日で死滅する[7]。ただし、撹拌が十分でない、酢が少ない、水などで薄まっているといった場合には雑菌が繁殖する。
界面化学上はO/Wエマルションに分類されており、水の中に油が分散している状態である。水は卵の中のわずかな水分、界面活性剤は卵黄中のリン脂質である。マヨネーズを製造する際、O/WからW/Oに相転移すると、なめらかな食感は得られず、マーガリンのようなべたついた食感となる。
マヨネーズを使用する主な食べ物
元々は肉料理用のソースであるが、魚介類や野菜に使われることも多い。
- フライ、カツ、唐揚げ、コロッケなどの揚げ物 - タルタルソースより普及が早かったこともあり、定食や家庭料理でタルタルソースに代えて添えられる場合がある。
- ツナ(ツナにマヨネーズを和えたものは「ツナマヨ」とも呼ばれる)
- 海老(海老にマヨネーズを付けたものは「エビマヨ」とも呼ばれる)
- サラダ(「マヨネーズドレッシング」など)
- サンドイッチ
- お好み焼き
- たこ焼き
- 焼きそば
- 冷やし中華
- お寿司
- グラタン
主なメーカー
脚注
関連項目
外部リンク
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