日立マクセル
テンプレート:Infobox 日立マクセル株式会社(ひたちマクセル、Hitachi Maxell, Ltd.)は電池、磁気テープ、光学部品などの製造・販売、CD、DVDなどの光ディスクを販売する日立製作所の関連会社である。
概要
記録メディアと電池を中心とした電気器機メーカーで、大阪府を発祥の地とする。微粒子材料をセパレータやフィルムに付着させる技術から、乾電池や磁気テープが生まれたといわれる。音楽用カセットテープが有名だが、もともとフィリップスの音楽テープ規格であるカセットテープを日本初で製品化したことから始まる。電池ではアルカリ乾電池や酸化銀電池を日本初で製品化している。過去には、記憶メディア部門はTDK、乾電池部門はパナソニック エナジー社とのシェア争いが熾烈を極めた時期もあったが、現在の部門別売上高ではそれぞれ後塵を拝している。
社名の「マクセル」は乾電池のブランド名「MAXELL」(Maximum Capacity Dry Cell=最高の性能を持った乾電池)から。
1980年代から1999年までは、個人用途(民生品)のカセットテープやミニディスクのブランクメディア商品のテレビCMで、ミリオンセラーを達成した有名アーティストの楽曲をタイアップにした作品が放送されていた事でも知られる。
資本面では日立製作所の子会社であった時期もあり、共同で材料の調達や、日立製作所へOEMにて製品の供給も行っている。しかし、営業面では、マクセルの主力分野が乾電池や磁気テープ、光ディスクであることからも判るように、他の日立グループの企業と距離を置いて独自の活動を行っている面があった(「企業集団の状況」)。
当社は委員会等設置会社だったが、上場廃止および100%子会社化の際に監査役設置会社に戻っている。また、2011年4月に事業再編により電池事業を日立製作所完全子会社の日立マクセルエナジーに移管したため、当社の社名の由来である電池事業は一部の製品の販売が残るのみとなっていたが、2013年1月に吸収合併したため、両社で一時期分担して手掛けていた電池事業に関する一切の事業を再び担うこととなった。
日立製作所による完全子会社化
2009年(平成21年)7月に日立製作所が「社会イノベーション事業の強化」と称して、上場している日立グループ5社を順次株式公開買付け(TOB)と株式交換方式で完全子会社化させる方針を決定。このうちマクセルについては電池事業などで日立製作所の社会インフラ部門とのシナジー効果を期待する点が挙げられた。2009年(平成21年)8月から10月上旬にかけてTOBが実施されたが全株取得には至らなかったため、2010年(平成22年)4月1日に簡易方式での株式交換を実施し、完全子会社化される事が2010年(平成22年)1月に発表された。これに伴い、株式交換の効力発生日前の2010年(平成22年)3月29日に上場廃止され、一般株主が保有する日立マクセル株は日立製作所の株式に1:5.66の比率で交換された。
再上場と日立グループからの離脱
日立グループから独立し、迅速な経営判断を行えるようにするため、2014年3月18日に東京証券取引所に再上場した。再上場と同時に、日立製作所は保有株の大半を売却、出資比率を33.3%に引き下げた[1][2][3]。
沿革
- 1961年(昭和36年) - 日東電工の乾電池、磁気テープ事業を分離し、「マクセル電気工業」を設立。
- 1963年(昭和38年) - 国産として初めてアルカリ乾電池を製造。
- 1964年(昭和39年) - 日立製作所の子会社となり、日立マクセル株式会社と改称。営業本部を東京に設置。
- 1966年(昭和41年) - 国産として初めてカセットテープを商品化。
- 1973年(昭和48年) - 高性能マンガン乾電池「塩化亜鉛形乾電池」を商品化。
- 1976年(昭和51年) - 国産として初めてフロッピーディスク「FD-3200S」(8インチ型)を商品化。日本初の酸化銀電池を商品化。
- 1977年(昭和52年)11月1日 - 東京証券取引所・大阪証券取引所市場第2部に上場。
- 1978年(昭和53年) - VHS方式ホームビデオカセットを商品化。
- 1980年(昭和55年) - 東京・大阪証券取引所市場第1部に指定。
- 1981年(昭和56年) - コイン形二酸化マンガンリチウム(CR)電池を商品化。
- 1984年(昭和59年) - 12型追記型光ディスクカートリッジを商品化。ICカード、メモリカードを製造。
- 1987年(昭和62年) - DAT用テープを商品化。
- 1989年(平成元年) - BETACAM SP・B-MBQシリーズ発売、放送局むけ業務用テープ市場に本格参入。
- 1991年(平成3年) - 3.5型光磁気ディスク(MO)を商品化。
- 1995年(平成7年) - 書き込み可能なコンパクトディスクCD-Rを商品化。世界初の光変調オーバーライト方式MO(RD-M230)を商品化。
- 1996年(平成8年) - リチウムイオン電池を製造。ニッケル水素電池を商品化。
- 1998年(平成10年) - 世界初のDVD-RAMを商品化。本社機能を東京に移転。
- 1999年(平成11年) - メディア(エンターテインメント)事業への参入とアニメ映画「風を見た少年」の製作を発表。
- 2000年(平成12年)
- 2003年(平成15年)
- 2006年(平成18年) - 世界初のHD DVD-Rを商品化。BD-R、BD-REを商品化。
- 2007年(平成19年) - 日立製作所が、薄型テレビ「Wooo」に着脱可能なHDD「iVDR」搭載機を加えたのに合わせ、160GBと80GBのiVDR「アイヴィ」を発売。世界初のBDビデオカメラ用BD-R、BD-RE(8cm)を商品化。
- 2008年(平成20年) - 本社機能を大阪府茨木市に移転。
- 2009年(平成21年)10月 - 親会社の日立製作所が、完全子会社化を目的として株式公開買い付けを実施し、94.27%の株式を取得。
- 2010年(平成22年)4月 - 日立製作所が、株式交換を実施し完全子会社化。
- 2011年(平成23年)4月 - 日立マクセルエナジーを設立し、同社が電池事業を承継(同社は日立製作所の完全子会社となる)。本社機能を東京都千代田区に移転。
- 2012年(平成24年)
- 4月 - マクセルファインテック、マクセルスリオンテック、九州日立マクセル、マクセル精器、マクセル商事を吸収合併
- 10月 - 日立マクセルエナジーとの経営統合を発表。
- 2013年(平成25年)1月1日 - 日立マクセルエナジーを吸収合併
- 2014年(平成26年)3月18日 - 東京証券取引所市場第1部に再上場。日立製作所が親会社でなくなり「その他の関係会社」となる。
主な製品
一般の目に触れることはないが、他社へのOEM用として、コンピュータテープ、光学レンズ、磁気カード、ICカードの製造を行っている。
個人向け商品としては、乾電池と磁気テープ(VHS・オーディオカセット「UR」)や追記型DVD(DVD-R・DVD-RAM)など等のデータメディアが特に知られている。このうち、DATやDDS等のデジタルデータ記録用磁気テープメディアからは既に完全撤退。また、CD-R/CD-RW、追記型DVD・BD-Rやミニディスク等、光ディスクの自社生産からは撤退しており、台湾メーカなどに生産委託を行ったOEM製品を「Maxell」ブランドで発売している。
また、主に日立製作所製の薄型テレビWoooに搭載されるデジタルテレビ放送番組の録画再生機能の記録媒体用途として扱われる、日立製作所が開発したリムーバブルハードディスクメディア「iVDR」の発売元であることでも知られる。但し、内部のHDDは日立グローバルストレージテクノロジーズ(日立と米IBMのHDD部門を統合)のOEM製品である。
かつては、「XLシリーズ」や「響」など高級オーディオカセットテープを数多く発売していて、国内大手メーカーとしては最後までオープンリールテープも手がけていたが、2000年代に入ると高級テープやリールテープは販売終了された。
広告宣伝関係
- maxell エピタキシャル ビデオカセット キャンペーンソング
- maxell カセット UDシリーズ・キャンペーンソング
- maxell カセット XLシリーズ・キャンペーンソング
- maxell カセット CD-XL
- maxell カセット UR-Fシリーズ・ラジオCM
- maxell MDシリーズ
- maxell MD pureシリーズ
- 米村でんじろう 超長持ち乾電池ボルテージイメージキャラクター(2008年 - 2009年)広告・ポスターのみ。CM展開はしていない。
関連項目
脚注
- ↑ 子会社の東京証券取引所上場およびそれに伴う所有株式の売却について日立製作所ニュースリリース2014年2月14日
- ↑ 親会社及びその他関係会社の異動に関するお知らせ日立マクセルニュースリリース2014年3月18日
- ↑ 新規上場承認に関するお知らせ日立マクセルニュースリリース2014年2月14日
外部リンク
- 日立マクセル株式会社 - 公式サイト
- テンプレート:Twitter
- テンプレート:Facebook
- マクセル公式チャンネル - Maxell Channel - - YouTubeに開設されているマクセル公式チャンネル