ブラキオサウルス

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ファイル:Brachiosaurus DB.jpg
B. altithorax の生態復元想像図(一例)

ブラキオサウルス学名genus Brachiosaurus)は、約1億5000万年前(中生代ジュラ紀後期[マルムチトニアンen])から約1億4500万年前もしくは約1億1200万年前(白亜紀前期初頭のベリアシアンen]もしくは終盤のアプチアンen])までの期間、当時のローラシア大陸西部およびゴンドワナ大陸の一部に棲息していた、巨大な草食性恐竜の一種(1)。竜盤目- 竜脚形亜目- 竜脚下目- ブラキオサウルス科に分類される。

呼称

属名 Brachiosaurusテンプレート:Lang-grc (brachion) 「腕」 + σαυρος (sauros) 「とかげ」との合成語。

和名は標準和名ブラキオサウルス」。「ブラキオザウルス」と呼ぶこともあるが、英語では濁らない。 中国語名は「腕龍」(wànlóng; ワンロン)。

生物的特徴

分布・発見

化石は、当時ローラシア大陸西部地域の一角であった現在のアメリカ合衆国や、当時ゴンドワナ大陸南部地域の一角であった現在のアフリカ大陸タンザニアにある、中生代ジュラ紀後期および白亜紀前期の地層から発掘されている。最初の発見は、アメリカ人古生物学者エルマー・S・リッグス (en) によってなされた。

形態・生態

ファイル:Human-brachiosaurus size comparison.png
ヒトとの大きさの比較(ただし、この種は別属ギラッファティタンen]とされることが多い B. brancai である)
ファイル:Brachiosaurus leg bone.jpg
前肢骨(cf. 上腕骨)の化石標本(米国ワシントンD.C.国立自然史博物館

体長(全長)は約25m体高(頭頂高)は約16mに及び、近年まで最も背の高い恐竜とされていた。かつては「体重は80t(以上)と最も重い恐竜であり、その体重を支えるために池や湖など水の中で暮らした」と推測されたこともあったが、横隔膜を持っていなかったため水圧が押し潰され、呼吸ができなくなるということが判明し、この説は否定された。竜脚類等の大型恐竜には鳥類が具えるのと同じように気嚢によって体を軽くする仕組みがあったと考えられ、現在では23t程度[1]という説もあり、大きく見積もっても50t程と推定されている。

近年同系統と思われるさらに巨大な頚椎がいくつか発見されており、サウロポセイドンと命名された。最も高く最も重いと言われたブラキオサウルスの記録は、今後の研究によって塗り替えられる可能性がある。

竜脚類の他の種とは異なり、前肢は後肢よりも長く、肩は後方に向かって傾斜していたため、より高い場所の植物を食べることが可能であった(最近の研究ではキリンのように垂直に近い角度で(くび)を持ち上げることはできず、肩の傾斜の延長線上、斜め前方程度の角度だったのではないかとの見解もある)。このプロポーションから、映画『ジュラシック・パーク』にあったように後肢と尾だけで立ち上がることは無かったと考えられている。頭部も特徴的で膨らんだ鼻面を持ち、頭の最も高い位置に鼻腔が見られる(この鼻腔の位置もかつては前述の水中生活説の根拠の一つとされていた)。

分類

下位分類

表記内容は左から順に、学名仮名転写(ラテン語読み準拠と言語的揺らぎによる別の読み)、特記事項。 略号の意味は、la=ラテン語による別音、en=英語に見られる発音。jc=日本語による別言語風の混合読み。? は異説あって不特定の意。

ブラキオサウルス・アルティトラクス(jc: アルティトラックス、en: ブラキアソーラス・アルティソラックス) :模式種
ブラキオサウルス・アタライエンシス
ブラキオサウルス・ブランカイ :ただし、近縁の別属・ギラッファティタン (テンプレート:Snamei) である可能性が大きい。
ブラキオサウルス・ノウガレディ

上位分類

脚注・出典

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関連項目

  • 2億年前の大型恐竜、本当は重くなかった 英米研究