フジテレビヤングシナリオ大賞
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フジテレビヤングシナリオ大賞(フジテレビヤングシナリオたいしょう)は、フジテレビが、主として、自社のテレビドラマで活躍する若手のシナリオ作家を募集・育成するために設立した公募である。
概要
創設は1987年。年1回(ただし、1992年は行われなかった)の募集で、現在では、その年の9月か10月に締め切り、翌年の6月か7月に大賞決定というパターンが定着している。原則として大賞作品1編に賞金500万円、佳作3編に賞金各100万円が贈呈される。審査にはフジテレビの現場のプロデューサー、ディレクター、仲間のライターがあたる。応募資格は「自称35歳以下」でプロのシナリオ作家を目指す者であるが、自称なので実際は何歳でも応募できる。
大賞作品は1時間ドラマとして映像化される。ただし、放送時間帯は土日の午後である場合が多く、系列局では放送しないところが少なくない。また、第14回からP&Gの協賛により「P&Gパンテーン特別賞」が設けられ、毎年2月11日に「P&Gパンテーンドラマスペシャル」が放送されている。審査経過はフジテレビのホームページや月刊「ドラマ」(映人社)誌上で確認できる。
実力のある者には受賞後すぐに連続ドラマが任されることもある。これまで、野島伸司、坂元裕二、信本敬子、橋部敦子、尾崎将也、浅野妙子らを輩出してきた。また、最終審査まで残り選には漏れたものの、その後頭角を現した水橋文美江(代表作『いつかまた逢える』(1995年)、『ビギナー』(2003年))や吉田智子(代表作『美女か野獣』(2007年)、『キイナ〜不可能犯罪捜査官〜』(2009年))のような例もある。
受賞者・受賞作品一覧
年 | 回 | 応募総数 | 大賞 | 佳作など | その後の活躍 |
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1987 | 1 | 1974 | 深谷仁一「パンダ、誘拐される」 坂元裕二「GIRL-LONG-SKIRT〜嫌いになってもいいですか?」 |
深谷仁一「世にも奇妙な物語」(1990-) 坂元裕二「東京ラブストーリー」(1991)、「わたしたちの教科書」(2007)、「Mother」(2010) | |
1988 | 2 | 803 | 野島伸司「時には母のない子のように」 | 山中圭一「ダチ」 鈴木優子「街の景色 〜東京タワーで逢いましょう〜」 大江いくの「金愚」 |
野島伸司「101回目のプロポーズ」(1991)、「高校教師」(1993)、「ひとつ屋根の下」(1993) |
1989 | 3 | 1069 | 信本敬子「ハートにブルーのワクチン」 | 池田龍弥「パパが先生」 中山典子(中山乃莉子)「トランスファー」 山根由美子「わらしべOL」 |
信本敬子「白線流し」シリーズ(1996 - 2005) 中山乃莉子「キモチいい恋したい!」(1990))、「やんちゃくれ」(1999) |
1990 | 4 | 1215 | 山崎淳也「サラリーマン でんがなまんがな節」 | 桑原真理子「ラヴ・シミュレーション」 池田起教「陣場山の底無し沼」 斎藤徹也「あなたに恋して」 |
山崎淳也「続・星の金貨」(1996) |
1991 | 5 | 1214 | 尾崎将也「屋根の上の花火」 | 早野清治「七衛門の首」(特別賞) 佐賀充「墓を買いに行く」 国分久美子「デヴィル」 |
尾崎将也「アットホーム・ダッド」(2004)、「梅ちゃん先生」(2012) |
1993 | 6 | 1849 | 村井貞之(村井さだゆき)「飛べないオトメの授業中」 | 宮川哲伸「十二歳〜Twelve〜」 鈴木辰明「学園天国と地獄」 橋部敦子「喜びの葡萄」 |
村井さだゆき「千年女優」(アニメ映画、2002)、「ウルトラマンネクサス」(特撮、2004-2005)、「蟲師」(映画、2006)※共同脚本 橋部敦子「僕の生きる道」(2003)、「ファイト 」(2005)、「フリーター、家を買う。」(2010) |
1994 | 7 | 2294 | 大間茜(原田裕樹)「剣道少女」 | 浅野妙子「無言電話」 水山冬子「檸檬」 栗原達矢「やさしく殺す」 (受賞作の盗作が発覚し剥奪、繰上げ) |
原田裕樹「白線流し」(1996)※脚本協力 浅野妙子「神様、もう少しだけ」(1998)、純情きらり」(2006)、ラスト・フレンズ」(2008) |
1995 | 8 | 2298 | 金子ありさ「ときわ菜園の冬」 | 板垣幸高「骨まで愛してくれないの?」 滝田和人「大阪ひまわり」 |
金子ありさ「Stand Up!!」(2003) |
1996 | 9 | 3069 | 該当作品なし *佳作本数を増やす |
坂東賢治「スタミナランチ」 大里正人「マスク・ド・ママ」(映像化) 牟田桂子「陸の魚」 小滝三郎「ツチノコ探検隊」 米道智浩「殺したいほどに……」 |
坂東賢治「新・俺たちの旅 Ver.1999」(1999) |
1997 | 10 | 2389 | 加藤美知代「すばらしい日々」 | 濱崎剛志「突っ込む男」 今井明弘「ハッスルボーイズ」 吉田裕一「オートマ限定殺人事件」 |
加藤美知代「美少女H2」(1998) |
1998 | 11 | 2513 | 大竹研「離婚疎開」 | 高木登「ストーカーズ・ア・ゴーゴー」 いずみ吉紘「ミサイルに翼はない」 ※他に奨励賞3作あり |
大竹研「HERO」(2001) 高木登「予言」(2002) いずみ吉紘「バスストップ」(2000)、「ムコ殿」(2001)、「ROOKIES」(2008) |
1999 | 12 | 2621 | 池田晴海「桜の花の咲く頃」 武井彩「御就職」 |
加藤公平「新大久保盗品買取所」 | 池田晴海「非婚家族」(2001) 武井彩「家族の裏事情」(2013) |
2000 | 13 | 1970 | 永田優子「ほたるのゆき」 橋口俊貴「非政府組織モグラ団」 |
中間真紀「マンション・ラプソディ」 吉村奈央子「空の蒼さが目にしみる」 上坂浩彦「空飛ぶニワトリ」 |
永田優子「みんな昔は子供だった」(2005) 上坂浩彦「ONE PIECE」(テレビアニメ、1999-) |
2001 | 14 | 1835 | 山浦雅大「オカンは宇宙を支配する」 | 亀田裕一「そんなの、解っているよ」 山口佳子「セーラー服の賞味期限」 中村直美「笑顔セラピー」(P&Gパンテーン特別賞) |
山浦雅大「世にも奇妙な物語」(2003-) |
2002 | 15 | 1908 | 安達奈緒子「僕らの未来に子供たちはイエスと言うか」 金子真弓「琉球偉人伝説」 |
清水達也「グリーティングメール」(佳作兼P&Gパンテーン特別賞) 鬼塚岳人「微熱」 武藤大助(武藤将吾)「野球狂の親父」 |
安達奈緒子「大切なことはすべて君が教えてくれた」(2011)、「リッチマン、プアウーマン」(2012) 清水達也「ほんとにあった怖い話」(2003-) 武藤将吾「電車男」(2005-2006) |
2003 | 16 | 2422 | 金子茂樹「初仕事納め」 | 大島里美「HEAR」 石川学「ドメスティックスイーパー風間」 植村裕子「いつか河馬になる日まで」 |
金子茂樹「危険なアネキ」(2005)、「プロポーズ大作戦」(2007) 大島里美「1リットルの涙」(2005)、「働きマン」(テレビアニメ、2006) 石川学「モノノ怪」(テレビアニメ、2007)「空中ブランコ」(テレビアニメ、2009) |
2004 | 17 | 1889 | 門間宣裕「unplugged」 古家和尚「超能力戦隊エスパーズ」 |
宮崎直樹「ミラクルイエロー」 佐藤弘幸「サラリーマンはドロボウのはじまり?」 松尾美喜子「逢月の森」 |
門間宣裕「パコと魔法の絵本」(映画、2008)※共同脚本 古家和尚「LIAR GAME」・「ガリレオ」(2007) 佐藤弘幸「一瞬の風になれ」(2008) |
2005 | 18 | 1650 | 根津理香「ブロッコリー」 | 山本あかり「空を泳ぐ蛇」 山崎愛里幸「戸塚過ぎまで」 小澤政行「玉、抜いときました。」 |
根津理香「ライフ」(2007)、「絶対彼氏〜完全無欠の恋人ロボット〜」(2008) 山崎愛里幸「BOYSエステ」(2007) |
2006 | 19 | 1359 | 熊谷純「今日は渋谷で6時」 | 太田真理子(小鳥遊まり)「埋み火-うずみび-」 鹿目啓子(鹿目けい子)「永遠のはかなさ」 加藤由紀子「春を待つ家」 |
熊谷純「Persona4 the ANINATION」(テレビアニメ、2011) 鹿目けい子「世界の終わりに咲く花」(BeeTV 2010) |
2007 | 20 | 1312 | 高橋幹子「戦士の資格」 | 黒岩勉「パーフェクトゲーム」 持地佑季子「アカッパラ島」 西田充晴「ママと彼女」 |
高橋幹子「万葉ラブストーリー夏」(2008) 持地佑季子「イロドリヒムラ」(2012) 黒岩勉「LIAR GAME Season2」(2009-2010) |
2008 | 21 | 1450 | 桑村さや香「輪廻の雨」 | 臼田素子「クラゲマリッジ」 真野勝成「コミック原作なんかいらない!」 中澤香織「風船はアメリカを見たか」 |
桑村さや香「ブリザード」(2011) 臼井素子「流れ星」(2010) 真野勝成「新参者」(2010)※共同脚本、「モメる門には福きたる」(2013) |
2009 | 22 | 2286 | 野木亜紀子「さよならロビンソンクルーソー」 | 小山悦子「心臓部まで道連れ」 荻田美加「ギネスにかんぱい!」 松浦真史「対策室~アンダーサバイバル」 |
野木亜紀子「ラッキーセブン」(2012) |
2010 | 23 | 1715 | 宮本陽介「君は空を見てるか」 | 寺田大作「うなぎを拾ったら」 折笠雄一「彼女は私たちの親友」 岡田道尚「欠陥住宅」 |
岡田道尚「ビブリア古書堂の事件手帖」(2013) |
2011 | 24 | 1541 | 阿久津朋子「Dear ママ」 | 今尾真理子「かのじょのなかみ」 岡田幸男「神の壊れた秤〜17 and pain〜」 髙井光「盲点」 |
阿久津朋子「サザエさん4」フジテレビ開局55周年記念(2013) |
2012 | 25 | 1628 | 小山正太「人生ごっこ」 | 小山正太「オナラまで、愛して欲しくて、三千里」 櫻井秀樹「イエローダイアリー狂想曲」 本田隆朗「駒田准教授とモンキー画伯」 |
小山正太「ビター・ブラッド 」(2014) |
参考資料
- 月刊「ドラマ」(映人社)