フィリップ・ド・ブロカ
テンプレート:ActorActress フィリップ・ド・ブロカ (Philippe de Broca、1933年3月15日 - 2004年11月26日) はフランス、パリ生まれの映画監督。
来歴・人物
1933年3月15日、貴族出身の写真家の子息として生まれる。
高校時代からシネフィル(映画好きのフランス語における表現)であったド・ブロカは、写真・映画学校(エコール・ルイ=リュミエール École Louis-Lumière)で最初の短編映画を演出している。卒業するとアフリカ探検隊に加わり、短編ドキュメンタリを撮ることからはじめた。兵役年齢に達するとアルジェリア戦線の映画班に配属され、ニューズ・リポーターをつとめたあと映画界に入る。1950年代末のフランスはヌーヴェル・ヴァーグの誕生した時代であり、ド・ブロカはクロード・シャブロルの『美しきセルジュ』(1958年)、『いとこ同志』(1959年)、『二重の鍵』(1959年) やフランソワ・トリュフォーの『大人は判ってくれない』(1959年)などヌーヴェル・ヴァーグの中心人物のもとで助監督をつとめた。またジャン=リュック・ゴダールの『勝手にしやがれ』(1960年) には端役で出演している。
1960年、最初の長編劇映画『Les Jeux de l'amour』を監督。ジャン=ピエール・カッセル主演のこのコメディ映画の脚本家ダニエル・ブーランジェとはその後も数多くの作品でコンビを組むことになる。1962年の『大盗賊』は18世紀のパリを舞台にした冒険活劇だが、主演のジャン=ポール・ベルモンドのそれまでにないコミカルな役柄も評判となり、ド・ブロカ=ベルモンド・コンビの作品が次々と産み出されることになる。1963年の『リオの男』は世界的ヒットとなり、ニューヨーク映画批評家協会賞の外国語映画賞を受賞、またアカデミー賞でも最優秀脚本賞にノミネートされた。
ド・ブロカの作風はコミカルでウィットに富んだ軽妙なものであるが、物語のシチュエーションは奇想天外なものが多く、そこに風刺を読み取るファンも多い。なかでも『まぼろしの市街戦』(1967年) や『君に愛の月影を』(1969年) といった作品はカルト映画として人気が高い。1990年の『シェーラザード』(キャサリン・ゼタ=ジョーンズの初主演作)や1995年の『陽だまりの庭で』なども独特のファンタジーとして話題を呼んだ。
2004年には39作目の監督作品『Vipère au poing』を完成したが、同年11月26日、ヌイイ=シュル=セーヌのアメリカンホスピタル(L'Hôpital Américain de Paris)で肺癌のため死去した。
フィルモグラフィー
日本公開作品
(劇場公開作およびビデオ・リリース)
- 大盗賊 (1961年 Cartouche)
- 新・七つの大罪 (1962年)(オムニバス)
- リオの男 (1963年 L'Homme de Rio)
- ピストン野郎 (1964年 Un monsieur de compagnie)
- カトマンズの男 (1965年 Les Tribulations d'un chinois en Chine)
- まぼろしの市街戦 (1967年 Le Roi de cœur)
- 愛すべき女・女たち (1969年)(オムニバス)
- 君に愛の月影を (1969年 Les Caprices de Marie)
- 悪党 (1969年 Le Diable par la queue)
- おかしなおかしな大冒険 (1973年 Le Magnifique)
- ベルモンドの怪盗二十面相 (1975年 L'Incorrigible)
- 彼女はジタン (1986年 La Gitane)
- ソフィー・マルソーの愛、革命に生きて (1988年 Chouans!)
- シェーラザード 新・千夜一夜物語 (1990年 Sheherazade - Les Mille et une nuits)
- 陽だまりの庭で (1995年 Le Jardin des plantes)
- 愛と復讐の騎士 (1997年 Le Bossu)
外部リンク
- テンプレート:Imdb
- Philippe de Broca BiFi - 仏語