デラーズ紛争
| colspan="2" テンプレート:WPMILHIST Infobox style | デラーズ紛争 | |
|---|---|
| 戦争：デラーズ・フリートによる騒乱 | |
| 年月日：宇宙世紀0083年10月13日から11月13日 | |
| 場所：オーストラリア、アフリカ、コンペイ島、他 | |
| 結果：コロニーが北米の穀倉地帯に落下し壊滅、デラーズ・フリート壊滅 | |
| 交戦勢力 | |
| width="50%" style="border-right: テンプレート:WPMILHIST Infobox style" | 地球連邦軍 | デラーズ・フリート |
| colspan="2" テンプレート:WPMILHIST Infobox style | 指揮官 | |
| width="50%" style="border-right: テンプレート:WPMILHIST Infobox style" | ジョン・コーウェン ステファン・ヘボン ジーン・コリニー バスク・オム |
エギーユ・デラーズ シーマ・ガラハウ |
| colspan="2" テンプレート:WPMILHIST Infobox style | 損害 | |
| width="50%" style="border-right: テンプレート:WPMILHIST Infobox style" | | |
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デラーズ紛争（デラーズふんそう）は、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』において描かれた架空の紛争の名称。地球連邦軍とジオン公国軍の残党であるデラーズ・フリートによって戦われた。
目次
背景
全ての始まりは一年戦争後の宇宙世紀0081年10月20日に極秘に開発がスタートした「ガンダム開発計画」である。この計画がいかなる経路によりジオン公国軍残党であるデラーズ・フリート側に漏洩したかは不明であるが、[1] 一年戦争時の南極条約に明白に違反するモビルスーツの核武装という脅威も引き金の一つと考えられる。なお、ガンダム開発計画の実質的な主任だったニナ・パープルトンと、デラーズ・フリートのアナベル・ガトーには交際事実はあったものの、ガトー自身が本計画をデラーズから聞かされたのはガトーがデラーズ・フリートに復帰した後である。[2]
経過
星の屑作戦発動
宇宙世紀0083年7月30日、エギーユ・デラーズは核兵器を搭載した新型ガンダムの奪取、それによる観艦式襲撃、北米穀倉地帯へのコロニー落としからなる「星の屑作戦」を立案する。
宇宙世紀0083年10月13日、ガンダムの試作機2機を搭載した強襲揚陸艦アルビオンが連邦軍トリントン基地に到着。翌日の運用試験のためガンダム試作2号機に核弾頭が搭載される。これらの情報は筒抜けとなっており、アナハイムの社員として潜入させていたスパイの手引きによってアナベル・ガトーがガンダム試作2号機を強奪する。強奪の現場に居合わせたテストパイロットのコウ・ウラキはガンダム試作1号機で阻止しようとするが、ガトーの技量の前には及ばず基地の脱出を許してしまう。
試作2号機追撃
ガンダム強奪の際に行われた奇襲攻撃には正規兵も多く失われていたため、テストパイロットのコウ達もサウス・バニング率いる追撃部隊に加えられた。追撃部隊は海岸で試作2号機を搭載したコムサイを発見し撃破するが、爆発寸前に試作2号機は脱出していた。部隊はさらに追撃を行ったが、試作2号機は友軍の潜水艦の回収艇により逃亡に成功する。
10月14日、ガンダム開発計画の最高責任者であるジョン・コーウェン中将からアルビオンに対し試作2号機の奪還命令が下される。補給物資と補充人員を受領したアルビオンは試作2号機が逃亡したアフリカ大陸へと進路を取るが、有力な手がかりは得られないままであった。一方、ガトーと試作2号機は公国軍残党の拠点であるキンバライド基地へ到着し、HLVによって宇宙へ脱出する準備を整えていた。
キンバライド基地戦
10月23日、アルビオンにスパイが潜入していたことが発覚する。艦長のエイパー・シナプスはあえてスパイを脱出させ、その進路を追跡することで敵の基地を探ろうとした。基地ではHLV打ち上げの時間が迫っており、基地司令のノイエン・ビッター少将は基地の発見を防ぐためにスパイの乗機の撃墜と陽動を指示、アルビオンの攻撃部隊は陽動に引っ掛かり包囲されたものの、コウの活躍により突破に成功する。敵の攻撃に耐えてキンバライド基地を射程内に捉えたアルビオンは、打ち上げられたHLVを狙撃するが失敗に終わる。防御が手薄になっていたアルビオンはビッターらのザクによる攻撃を受け艦橋を狙われるが、間一髪のところでコウがビッター機の狙撃に成功する。持てるMSと司令を一挙に失ったキンバライド基地は事前のビッターの指示により降伏した。 軌道上に到達したHLVはデラーズ・フリートの巡洋艦ペール・ギュントに回収され、拠点である「茨の園」へ向かった。
アルビオン、宇宙へ移動
試作2号機が宇宙に上がったことでジャブローへの脅威が減ったと認識した軍司令部は、途端に追撃の手を緩めてしまう。アルビオンは暗礁宙域の探索を開始するが、増援要請に対し送られたのはサラミス改級巡洋艦2隻のみであった。茨の園ではアルビオン艦隊の捜索活動を察知しており、デラーズは迎撃を指示した。デラーズ・フリートに合流して間もないシーマ・ガラハウ中佐の申し出によりシーマ艦隊が迎撃を担当した。シーマはサラミス改級巡洋艦2隻を撃沈、試作1号機も大破させたところで怪我を押して出撃したバニングの攻撃により撤退する。
デラーズ・フリートの宣戦布告
アルビオン艦隊とシーマ艦隊の交戦の最中にデラーズは地球圏全域に電波ジャックを行い、核兵器を搭載した試作2号機の存在を暴露、一年戦争の終戦協定は売国奴による偽りのものであるとして改めて地球連邦に対して宣戦を布告した。
フォン・ブラウン
補給および大破した試作1号機の修理と換装を行うためアルビオンは月面都市フォン・ブラウンへ入港する。試作1号機を大破させた責任を感じたコウは艦から離れてしまう。街をさまよっていたコウは元ジオンの兵士ケリィ・レズナーと出会い、彼のMAヴァル・ヴァロの修理を手伝うこととなった。 同じ頃シーマもフォン・ブラウンに潜入し、かねてから裏取引を行っていたアナハイムのオサリバンと密談した。 続いてシーマはケリィとも接触しMAと共にデラーズ・フリートへの参加を持ちかけるが、後にケリィの元を訪れたシーマの部下の失言によってMAだけを必要とされていることを知ったケリィは単独で出撃する。 ケリィとの出会いで立ち直ったコウは部隊に復帰、改修を終えた試作1号機とヴァル・ヴァロは月面で交戦し、ヴァル・ヴァロを撃破する。
ルンガ沖砲撃戦
11月4日、アルビオンはフォン・ブラウンを出港し、次の攻撃目標と予想される観艦式が行われるコンペイトウへ向かった。 11月5日、コンペイトウヘ向かうアルビオン艦隊は所属不明のパプア級補給艦を発見し臨検を行おうとするが、後方から現れたチベ級重巡洋艦の攻撃を受ける。 攻撃の影響で一時的にモビルスーツの出撃ができなくなったアルビオンは砲撃戦を行い、敵艦を撃沈した。
ワイアットとシーマの接触
11月8日、グリーン・ワイアット大将が座乗する戦艦バーミンガムはシーマ艦隊と極秘に接触を図っていた。ワイアットはシーマとの裏取引で星の屑作戦の全容が書かれた機密文書を入手しようとしていたが、付近を索敵していたアルビオンがMS部隊を発進させたことにより取引は中止、交戦状態となる。バニングはシーマのMS部隊の戦闘中に機密文書を発見し、戦闘後に内容を読み上げようとした瞬間、戦闘中で受けた小さな損傷が原因で機体が爆発する。
観艦式襲撃
11月10日、試作2号機がコンペイトウ宙域にて挙行された観艦式を襲撃、アトミック・バズーカによる核攻撃で、連邦軍宇宙艦隊は3分の2以上が航行不能以上となる未曾有の被害を受けることになる。宙域を離脱しようとした試作2号機を試作1号機が発見し交戦、相打ちとなり双方の機体が大破する。双方のパイロットは脱出したのち機体は2機とも爆発し失われる。
コロニー強奪
観艦式襲撃とほぼ同じ頃、シーマ艦隊が移送中のコロニー2基を襲撃しこれを強奪する。シーマ艦隊は事前の作戦計画通り、コロニー同士を激突させて１基を月への落下軌道へ入らせた。連邦軍は残存艦艇を再編し、コロニー迎撃に向かった。デラーズ・フリートは月へのコロニー落としを示唆して連邦に要求の履行を迫ったが、コロニー落としの阻止は可能と判断した連邦上層部により要求は拒否されるが、アクシズ先遣艦隊の滞在については中立を前提として期限付きで容認された。
コロニーの軌道変更
試作1号機を失ったアルビオンは試作3号機を受領すべくラビアンローズへ向かうが、到着先でコロニー追撃任務を解任されてしまう。 月への落下コースを取るコロニーであったが、事前の裏取引によりアナハイムから推進用レーザーが照射されて推進剤を点火させたため、コロニーは軌道を地球へと変える。追撃していた地球連邦のヘボン艦隊はほとんどの艦で推進剤不足に陥って航行不能となった。 現状で事態に対処できるのはアルビオン以外にないと判断したシナプスは独断で試作3号機の接収を行い、コロニー落下阻止へ向かった。
コロニー攻防戦開始
11月12日、試作3号機はコロニーへの突破口を開くべく単機でデラーズ・フリートと交戦、さらにアクシズ先遣艦隊より譲渡されたMAノイエ・ジールとも交戦するが、両者とも攻め手を欠いたため後退した。コロニーの地球落下が迫る中、シーマとの裏取引により星の屑作戦の目標がジャブローでないことを知ったコリニー派は事態を利用してコーウェンを更迭、切り札のソーラ・システムⅡでコロニーを破壊することで自らの発言力を高めようとした。 一方、シーマはデラーズ・フリートの旗艦グワデンのブリッジを占拠し、デラーズの身柄を手土産にすることで艦隊ごと連邦へ寝返ろうとしていた。 連邦、デラーズ・フリートの双方で停戦命令が出され戦闘が中止されるが、グワデンに駆けつけたガトーに対してデラーズは作戦続行を命令、激怒したシーマはデラーズを射殺し、グワデンから脱出する。ガトーは残存勢力を率いてソーラ・システムⅡの破壊に向かい、太陽光線の照射直後にコントロール艦の破壊に成功する。このため十分な熱量を与えることができず、コロニーはほぼ原型を保ったまま落下を続け、進路上にあったソーラ・システムⅡと激突し大破させる。 ガトーを追うコウは連邦軍艦隊とシーマ艦隊、デラーズ・フリートが入り乱れる宙域に突入し、シーマ艦隊と交戦、シーマ艦隊の艦船とシーマ機を撃破する。
3人の対峙
コウの追跡を無視して落下するコロニーに到着したガトーはコロニーのコントロール室に向かい、最終的な軌道調整を行った。そこにアルビオンから抜け出していたニナが現れ、ガトーを説得し推進剤の点火を止めようとする。実はニナとガトーは月で交際していた過去があった。遅れて到着したコウがガトーに発砲するが、点火するレバーは引かれた後だった。傷を負ったガトーにとどめを刺そうとするコウに対し、ニナが発砲してこれを止めさせガトーを連れてその場を立ち去った。コロニーを脱出したガトーはニナを気絶させると彼女を部下のカリウスに托し、自身はコウとの決着をつけるため彼の元に向かった。
コウとガトーの対決
アルビオンに帰還しようとしていたコウの前にガトーが現れ交戦する。戦いは格闘戦となり、ノイエ・ジールがアームで試作3号機を拘束してとどめを刺そうとした瞬間、バスク・オムが味方艦隊が射線上に存在するにもかかわらず敵残存艦隊に対してソーラ・システムⅡの第二射を強行した。照射に巻き込まれた双方の機体は大破したが、ガトーはコロニーの北米大陸への落下を見届けると試作3号機を見逃して撤退、友軍の脱出路を開くために連邦軍の戦艦に特攻した。 11月13日午前1時19分、戦闘は終結した。
紛争終結後
デラーズ・フリート残党の行方
アクシズ先遣艦隊に回収されたデラーズ・フリート残党はハマーン・カーン指揮下のアクシズへ合流している。
軍事裁判
11月23日、デラーズ紛争に関する軍事裁判が開廷し、アルビオン艦長シナプス大佐はラビアンローズでの抗命・ガンダム試作3号機強奪と独断行動について、コウ・ウラキ少尉は3号機の無断出撃について追及された。事件の全責任を押しつけられる形で処罰が下され、シナプスには極刑、コウには懲役1年が宣告された。
ティターンズ結成
12月4日、ジャミトフ・ハイマン准将の提唱によるジオン公国軍の残党狩りを目的とした特殊部隊ティターンズが結成された。アルビオン隊のクルーの多くもティターンズに配属されている。
アナハイムのオサリバン常務の死
ティターンズ結成後、アナハイムのオサリバン常務の変死体が発見される。頭部を拳銃で撃ち抜いていることから自殺として処理されたが、口封じのため殺害されたとも言われている。
ガンダム開発計画抹消
事件の発端を辿ると南極条約で禁止されている核兵器を搭載していた試作2号機を地球連邦軍が開発していた事が原因であるという結論に行き着くため、公表を恐れた地球連邦軍は0084年3月10日に試作1号機から3号機までの存在自体を公式記録から完全に抹消、歴史の事実を隠蔽した。さらにコロニー落としの件はコロニー輸送中の“事故”として処理されることとなった。これによりコウの罪状も抹消されることとなった。 事件は巧妙に隠蔽されたが連邦軍も完全に情報を抹消できず、この一連の騒動で得られたMSのノウハウは後のΖ系列のMSに生かされることになる。
