ニナ・パープルトン
ニナ・パープルトン (Nina Purpleton) は、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する架空の人物。本作品のヒロイン(声:佐久間レイ)。
人物
アナハイム・エレクトロニクス社フォン・ブラウン支社の社員。21歳(U.C.0062年生まれ)。月出身(フォン・ブラウン市との説あり)、アメリカ系という説があるが定かではない。
ガンダム開発計画の中で製造されたガンダム試作1号機、ガンダム試作2号機を担当する専属のシステムエンジニア[1]で、自分が担当するガンダムに対して一種フェティシズム的な強い思い入れを持つ[1]。1号機および2号機の重力下実動試験の現場指揮者として強襲揚陸艦アルビオンに搭乗し、トリントン基地に降り立った。デラーズ・フリートの一員であるアナベル・ガトーによる2号機強奪後も、追撃任務に加わった1号機のサポートとしてアルビオンに留まった。
コウ・ウラキとは後に親密な関係となったが、才媛ゆえの気の強さがたたってか、出会った当初の仲は険悪だった。女たらしであるベルナルド・モンシアから言い寄られることもしばしばあり、コウを交えた三角関係が幾つかの事件を引き起こした。またコウとは別の意味でマイペースな性格であり、相手の感情・事情をおもんぱからない言動が周囲とのトラブルを引き起こすこともあった。
ガトーと交際していた過去があり、それに起因する煩悶が、ガトーへの敵愾心に燃えるコウと仲が進展するに従ってより彼女を苦しめることとなる。そして物語終盤におけるコロニー落としの最中に、撃たれたガトーをかばってコウに銃口を向け、さらに発砲まで行い、2人の関係を知らなかったコウに大きな衝撃を与えた。ただし作中前半では「元恋人」という事実が伏線が無く、後半で唐突に発覚している。第1話ではガンダム試作2号機に乗り込もうとするガトーの姿を発見しているが、この時は無反応だった上に「誰よ!?」とまで発言している。距離が離れていたため、ガトーと認識できなかったか、もしくはあえて他人のふりをしたとも解釈できなくもないが、これは物語後半から監督が交代した影響によるもので、打ち合わせの際、カトキハジメらがこの点を指摘したものの「監督の大人な意見で通されてしまった」とのことである。漫画版では2号機強奪の際にガトーだと気づいていた、小説版ではガトーがヘルメットを着用していたため気づかなかった、という設定が取られている。
OVAシリーズ終了後に刊行された小説版『機動戦士ガンダム0083』(下巻・終章「濁流」)では、コウはあの日以来、なぜニナの真意を察することが出来なかったのかと悔やんでおり、もし彼女があのとき制止してくれなければ、自分は無抵抗のガトーを撃ち殺した罪悪感と、後味の悪さを一生引きずっていただろうと述べ、彼女は、コウにそんな思いをさせたくなかったから銃を向けたのであって、決して裏切りたかった訳ではなかった、というその時の心情の詳細が語られている。