ヒガンバナ

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テンプレート:Redirectlist テンプレート:Redirect テンプレート:生物分類表 ヒガンバナ(彼岸花、学名 : テンプレート:Snamei[1])は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属多年草である。クロンキスト体系ではユリ科リコリス曼珠沙華(マンジュシャゲ、またはマンジュシャカ サンスクリット語 manjusaka の音写)とも呼ばれる。学名の種小名 テンプレート:Snamei は「放射状」の意味。

特徴

全草有毒多年生球根性植物。散形花序で6枚の花弁が放射状につく。

道端などに群生し、9月中旬に赤いをつけるが、稀に白いものもある。その姿は独特で、の終わりからの初めにかけて、高さ30 - 50cmのもない花茎が地上に突出し、その先端に包に包まれた花序が一つだけ付く。が破れると5 - 7個前後の花が顔を出す。花は短いがあって横を向いて開き、全体としてはすべての花が輪生状に外向きに並ぶ。花弁は長さ40mm、幅約5mmと細長く、大きく反り返る。

開花終了の後、晩秋に長さ30 - 50cmの線形の細い葉をロゼット状に出す。葉は深緑でつやがある。葉は中は姿が見られるが、翌になると枯れてしまい、秋が近づくまで地表には何も生えてこない。

欧米では園芸品種が多く開発されている。園芸品種には赤のほか白、黄色の花弁をもつものがある。

日本での分布

日本には北海道から琉球列島まで見られるが、自生ではなく、中国から帰化したものと考えられる。その経緯については、稲作の伝来時に土と共に鱗茎が混入してきて広まったといわれているが、を掘る小動物を避けるために有毒な鱗茎をあえて持ち込み、土手に植えたとも考えられる。また鱗茎はになり、救荒食でもある。そのような有用植物としての働きを熟知して運び込まれた可能性もある。

人里に生育し、田畑の周辺や堤防墓地などに見られることが多い。特に田畑の縁に沿って列をなすときには花時に見事な景観をなす。湿った場所を好み、時に水で洗われて球根が露出するのが見られる。なお、山間部森林内でも見られる場合があるが、これはむしろそのような場所がかつては人里であった可能性を示す。

日本に存在するヒガンバナは全て遺伝的に同一であり、中国から伝わった1株の球根から日本各地に株分けの形で広まったと考えられる。また三倍体であるため種子で増えることができない。

有毒性

全草有毒で、特に鱗茎にアルカロイドリコリンガランタミンセキサニンホモリコリンなど)を多く含む有毒植物。経口摂取すると吐き気下痢を起こし、ひどい場合には中枢神経麻痺を起こして死に至ることもある。

日本では水田の畦や墓地に多く見られるが、人為的に植えられたものと考えられている。その目的は、畦の場合はネズミモグラなど田を荒らす動物がその鱗茎の毒を嫌って避ける(忌避)ように、墓地の場合は虫除け及び土葬後、死体が動物によって掘り荒されるのを防ぐため[2]とされる。モグラは肉食のためヒガンバナに無縁という見解もあるが、エサのミミズがヒガンバナを嫌って土中に住まないためにこの草の近くにはモグラが来ないともいう。

有毒なので農産物ではなく年貢の対象外とされたため、救荒作物として田畑や墓の草取りのついでに栽培された。

鱗茎はデンプンに富む。有毒成分であるリコリンは水溶性で、長時間水に曝せば無害化が可能であるため、救飢植物として第二次世界大戦中などの戦時や非常時において食用とされたこともある[3]。また、花が終わった秋から春先にかけては葉だけになり、その姿が食用のノビルアサツキに似ているため、誤食してしまうケースもある。

鱗茎は石蒜(せきさん)という名の生薬であり、利尿去痰作用があるが、有毒であるため素人が民間療法として利用するのは危険である。毒成分の一つであるガランタミンはアルツハイマー病の治療薬として利用されている。

名前

彼岸花の名は秋の彼岸ごろから開花することに由来する。別の説には、これを食べた後は「彼岸(死)」しかない、というものもある。別名の曼珠沙華は、法華経などの仏典に由来する。また、「天上の花」という意味も持っており、相反するものがある(仏教経典より)。ただし、仏教でいう曼珠沙華は「白くやわらかな花」であり、ヒガンバナの外観とは似ても似つかぬものである(近縁種ナツズイセンの花は白い)。『万葉集』にみえる「いちしの花」を彼岸花とする説もある(「路のべの壱師の花の灼然く人皆知りぬ我が恋妻は」、11・2480)。また、毒を抜いて非常食とすることもあるので悲願の花という解釈もある(ただし、食用は一般的には危険である)。

異名が多く、死人花(しびとばな)、地獄花(じごくばな)、幽霊花(ゆうれいばな)、剃刀花(かみそりばな)、狐花(きつねばな)、捨子花(すてごばな)、はっかけばばあと呼んで、日本では不吉であると忌み嫌われることもあるが、反対に「赤い花・天上の花」の意味で、めでたい兆しとされることもある。日本での別名・方言は千以上が知られている[4]

テンプレート:要出典範囲

学名のテンプレート:Snamei(リコリス)は、ギリシャ神話女神・海の精であるネレイドの一人 Lycorias からとられた。

その他

季語花言葉
秋の季語。
花言葉は「情熱」「独立」「再会」「あきらめ」。
「悲しい思い出」[5]「想うはあなた一人」「また会う日を楽しみに」。
迷信
花の形が燃え盛る炎のように見えることから、家に持って帰ると火事になると言われる。

日本におけるヒガンバナの名所

ギャラリー

近縁種

ショウキズイセン(鍾馗水仙、テンプレート:Snamei テンプレート:AU[1]
ヒガンバナに似た別種で、葉の幅が広い点などに違いがある。またこの種は結実する。
シロバナマンジュシャゲLycoris ×albiflora テンプレート:AU [1]
ヒガンバナの白花に似ているが、花弁がさほど反り返らず、またやや黄色みを帯びる。葉もやや幅広い。一説にはショウキズイセンとヒガンバナの雑種であるとも。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

参考文献

関連項目

外部リンク

テンプレート:Sister テンプレート:Sister

  • 1.0 1.1 1.2 テンプレート:Cite web
  • かつては多くが土葬であり、掘った墓穴棺桶を埋め上から土をかぶせるものだったため、キツネなどの動物が掘り返しねぐらとするなど荒らされることがあったための処置。
  • 日本テレビの『所さんの目がテン』(2005年9月25日放送)では当時のレシピを使用しての食用実験をしたことがある。ただし、万全な準備の上、専門家の指導の下で行われた実験であり、救餓植物として利用する際も厳重に注意して無害化している。実際に同様のことを行った場合、毒抜きの時間が不十分であったり、長期間食して有毒成分が体内に蓄積したために中毒を起こす危険がある。
  • テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite book
  • 紅い花ではあるが、地元は彼岸=死のイメージを嫌いあえて曼珠沙華と呼ぶ。
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