スティーヴ・ハウ (ギタリスト)
テンプレート:Infobox Musician スティーヴ・ハウ(Steve Howe 本名:Stephen James Howe, 1947年4月8日 - )は、ロンドン出身のギタリスト。1960年代から様々なプロジェクトに参加、特にイエスやエイジアでの活動が有名である。
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において2003年は第69位だったが、2011年の改訂版では削除された。
目次
経歴
1964年にシンディキャッツというビート・バンドでプロ・デビュー。シングルを幾つか発表。1965年にキース・ウェスト等と共にジ・イン・クラウドを結成。1967年にグループ名をトゥモローと改め、サイケデリックなサウンドで注目を集めた(後にイギリスのサイケデリックロック界の大物となるトゥインクとともに活動した)。トゥモローではアルバム1枚と、キース・ウェストをメインに立てたロック・オペラ作品『A Teenage Opera』に関わる。その後はボダスト、P・P・アーノルドやデラニー&ボニーのツアー・バンドなどを経て、1970年にピーター・バンクスに替わってイエスに加入。「危機」や「海洋地形学の物語」などでの他の追随を許さない多彩なギター・サウンドと優れた作詞作曲の能力でバンドの躍進に大きく貢献し、黄金期の一翼を担った。
イエス脱退後の1980年代は、スーパーグループエイジアで大成功を収めた。その他にも、GTRやトレヴァー・ホーンの「ZTTレコーズ」関連に幾つかゲスト参加したり、I.R.S.レコーズのアニマル・ロジック(レーベル経営者の弟であり、ポリスのドラマーとして名を馳せた、スチュワート・コープランドとスタンリー・クラークのバンド)やI.R.S.傘下のインストゥルメンタル専門レーベル「ノー・スピーク」シリーズに関わったりと、様々なプロジェクトで精力的に活動した。
1988年にイエスの分家バンド、アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ結成に関わり、紆余曲折を経て1996年イエスに再加入、現在に至る。
また、2006年にはエイジアのオリジナル・メンバーによる再結成に参加、精力的にライヴツアーを行いながら2008年4月に新作アルバム「フェニックス」を発表。2008年夏にはイエス久々の再始動となるアメリカツアーを交え、エイジアとしても2009年以来活動を継続していたが、2013年始めに脱退したことが発表された。
ソロ活動は1970年代からやってはいるが、バンド活動と並行して精力的に開始したのは1990年代に入ってからである。
2007年にはドラマーである長男のディラン・ハウ、そしてハモンド・オルガン奏者のロス・スタンリーとスティーヴ・ハウ・トリオを結成して、2008年にかけてヨーロッパをツアーした(ディラン・ハウのドラムの先生はビル・ブラッフォード)。またキーボード奏者である次男ヴァージル・ハウ、それとディラン・ハウをメンバーに加えたファミリー・バンド「スティーヴ・ハウ・レメディ」としても活動を行なっている。ヴァージル・ハウはその後(2008年)に、ドラマーとしてリトル・バーリーのメンバーになっている。
2009年のイエスとエイジアの合同アメリカツアーでは、両バンド在籍者として全編の演奏を務めあげ、2010年はイエス、エイジア、スティーヴ・ハウ・トリオのツアーに参加して世界中を飛び回るなど、60歳を過ぎてなお精力的な活動を展開している。
奏法
プレイはロック・ギターの定石に捕われず(本人がいわゆるロック的なプレイを好まないという点も大きい)、カントリー、ジャズ、クラシック、フラメンコ、トラッドなどの手法をロック・ミュージックに溶け込ませるのが特徴。様々な種類の弦楽器をレコーディングで使用するだけでなく、ライヴでも1曲の中でさえ何度となく持ち替える。エレクトリック/アコースティック・ギターだけでも何種類となく用い、他にもエレクトリック・シタール、ペダル・スティール、リュート、マンドリンなどを巧みに弾きこなす。
ディスコグラフィ
ソロ
- 1975 ビギニングス Beginnings
- 1979 スティーヴ・ハウ・アルバム The Steve Howe Album
- 1991 Turbulence
- 1993 The Grand Scheme of Things
- 1994 Not Necessarily Acoustic
- 1994 Mothballs
- シンディキャッツでのデビューから、イエス加入以前までのコンピレーション。
- 1996 Homebrew
- 1998 Quantum Guitar
- 1999 Pulling Strings
- 1999 Portraits of Bob Dylan
- 2000 Homebrew 2
- 2001 Natural Timbre
- 2002 Skyline
- 2003 Elements with Remedy
- 2003 Guitar World
- 2005 Spectrum
- 2005 Remedy Live
- 2005 Homebrew 3
- 2008 Motif Vol.1
- 2008 The Haunted Melody with the Steve Howe Trio
- 2010 Travelling with the Steve Howe Trio
- 2010 Homebrew 4
- 2011 Time
コラボレーション
- 1988 ポール・スーティン - スティーヴ・ハウ/Seraphin
- 1988 ビリー・カーリー・ウィズ・ゲスト・スティーヴ・ハウ/Transportation
- 1995 ポール・スーティン - スティーヴ・ハウ/Voyagers
- 2001 オリヴァー・ウェイクマン/The 3 Ages of Magick
- 2003 スティーヴ・ハウ - マーティン・テイラー/Masterpiece Guitars
トゥモロー
- 1968 Tomorrow
- 1996 サウンドトラック:マーク・ワーツ/A Teenage Opera
ボダスト
- 1981 The Early Years : Steve Howe with Bodast
- レコーディング当時は未発表。後にハウ自身がリミックスを施し、1981年にインディ・レーベルから発表。
イエス
- 1971 『イエス・サード・アルバム』 The Yes Album
- 1972 『こわれもの』 Fragile
- 1972 『危機』 Close to the Edge
- 1973 『イエスソングス』 Yessongs
- 1973 『海洋地形学の物語』 Tales from Topographic Oceans
- 1974 『リレイヤー』 Relayer
- 1975 『イエスタデイズ』 Yesterdays
- 1977 『究極』 Going for the One
- 1978 『トーマト』 Tormato
- 1980 『ドラマ』 Drama
- 1980 『イエスショウズ』 Yesshows
- 1981 『クラシック・イエス』 Classic Yes
- 1991 『結晶』 Union
- 1991 『イエス・イヤーズ』 Yesyears
- 1996 『キーズ・トゥ・アセンション』 Keys to Ascension 1
- 1997 『キーズ・トゥ・アセンション2』 Keys to Ascension 2
- 1997 『オープン・ユア・アイズ』 Open Your Eyes
- 1999 『ラダー』 The Ladder
- 2000 『ハウス・オブ・イエス』 House of Yes - Live from House of Blues
- 2001 『マグニフィケイション』 Magnification
- 2002 『ヒストリー・ボックス』 In a Word
- 2004 『アルティメイト・イエス』 The Ultimate Yes
- 2005 『ライヴ・イヤーズ』 The Word is Live
- 2011 『フライ・フロム・ヒア』 Fly From Here
エイジア
- 1982 『詠時感〜時へのロマン』 Asia
- 1983 『アルファ』 Alpha
- 1992 『アクア』 Aqua
- 2008 『フェニックス』Phoenix
- 2010 『オメガ』Omega
- 2012 『XXX~ロマンへの回帰』XXX
GTR
- 1986 GTR
- 1997 King Biscuit Flower Hour
アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ
- 1989 Anderson Bruford Wakeman Howe
- 1993 An Evening of Yes Music Plus
セッション、ゲスト参加
- 1972 ルー・リード/Lou Reed
- 1973 リック・ウェイクマン/The Six Wives of Henry VIII
- 1982 ドレッグズ/Industry Standard
- 1984 フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド/Welcome to the Pleasure Dome
- 1988 V.A./Guitar Speak
- 1989 V.A./Night of the Guitar
- 1989 アニマル・ロジック/Animal Logic
- 1991 クイーン/Innuendo
- 1993 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団:アラン・パーソンズ/Symphonic Music of Yes
- 1995 V.A./Yes Tribute - Tales from Yesterday
関連項目
外部リンク
- オフィシャル・サイト - Guitar Rondo
- イエス・オフィシャル・サイト - Yesworld