ガルーダ・インドネシア航空
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ガルーダ・インドネシア航空(ガルーダ・インドネシアこうくう、テンプレート:Lang-id)は、1949年に設立されたインドネシアの国営航空会社。日本では「ガルーダ航空」とも、英語圏ではGaruda Indonesiaとも表記される。
目次
概要
社名の「ガルーダ」は、インドネシアの国章でもあるヒンドゥー教の神鳥ガルダから取られている。ガルダはヴィシュヌ神を乗せ、天空を駆け抜けたと言われており、機体の垂直尾翼に描かれているロゴには”安全で快適な空の旅を”との願いが込められている。当初は旧宗主国のKLMオランダ航空が運航していた諸島間運航を引き継ぐ形で運航を開始、1954年3月には100%国有化された。インドネシアのいわゆる「フラッグ・キャリア」である。
ハッジチャーター
イスラム教国のインドネシアの航空会社である為、時期によってはメッカ巡礼の為、他社から機材をリースしてチャーター便を運航(ハッジチャーター)したりするので、保有機材中にハイブリッド塗装の機体が見られることがよくあり、運航の合間に通常定期路線に同機材を投入することもある。
機内入国審査プログラム
一部の長距離便で、独自の入国審査プログラム「機内入国審査プログラム」が行われている[1][2]。これは、搭乗前にビザ代金を支払い、機内にて到着ビザの発給と入国審査を同乗する入国審査官が行い、到着後は専用ブースを通って入国ができる。
1990年代
創立時からほぼ全世界に等しいほど乗り入れていたが、1997年のアジア通貨危機によりマニラ・ホノルル経由ロサンゼルス便率いる北米線とと欧州線のほとんどが廃止された。
2001-2009年
EUが「安全性に問題がある」として、他の全てのインドネシアの航空会社とともに2007年7月6日からのEU域内への乗り入れ禁止を決定されていた[3]。
また、アメリカ連邦航空局(FAA)も、全てのインドネシアの航空会社は安全面の水準がICAOの基準に合わないとされ、ガルーダ・インドネシア航空の搭乗予定者(特にアメリカ人)に注意を呼びかけている(2007年4月現在)。スカイチーム加盟航空会社との提携も旅客・貨物ともすべて中止していた(2009年4月現在)。
ジャカルタまたはデンパサールを起点に、2009年をめどに再びロンドンやアムステルダム、フランクフルトへの3路線への就航を計画し、2008年2月にボーイング社に最新機材を大量発注した上、2007年以降に大きな事故がないことからEU域内への乗り入れ禁止解除を要望していた。しかし、2008年7月24日のリリースで「安全対策がまだ不十分」として却下されたが、一年後の2009年7月14日にリスト更新で同社の管理体制が国際基準の安全性を満たしているとして、他3社と同時に2年ぶりに禁止解除され、2010年6月よりジャカルタ/ドバイ/アムステルダム線の運航を再開した。
2009年-現在
EUの乗り入れ禁止解除を受け、2009年7月に「the Quantum Leap」という再建計画を発表した[4]。また同時にロゴ、制服、機体塗装、尾翼のデザインなどが一新された。このデザインはアメリカの大手デザイン事務所ランドーアソシエイツによるものである[5]。 2010年11月23日に航空連合・スカイチームに加盟する契約を締結し[6]、2014年3月5日に加盟した[7][8]。それに合わせて、スカイチーム塗装をまとったB737-800(機体番号:PK-GMH)もお披露目されている。
2012年3月13日に日本就航50周年を迎え、4月27日に東京国際空港へ乗り入れた[9][10]2013年10月16日に山梨県と相互協力協定を締結[11]。2014年3月30日からインドネシア - 日本路線とジャカルタ・デンパサール発着 国内線の一部で全日本空輸 (ANA) とコードシェアを開始した[12]。
2015年3月に「the Quantum Leap」の一環として廃止した中部国際空港への乗り入れを寄港地のデンパサールからジャカルタに変更される形で再開する予定。主な理由として愛知県からの自動車関係を中心とした企業がインドネシアへの進出が急増した事が挙げられる[13]。
就航都市
ガルーダインドネシア航空 就航都市 (2014年6月 現在) | ||||
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国 | 都市 | 空港 | 備考 | |
東南アジア | ||||
テンプレート:Flagicon インドネシア | ジャカルタ | スカルノ・ハッタ国際空港 | メインハブ空港 | |
バリ島 | ングラ・ライ国際空港 | ハブ空港 | ||
マカッサル | ハサヌディン国際空港 | 焦点都市 | ||
バリクパパン | スルターン・アジ・ムハンマド・スレイマン空港 | |||
スラバヤ | ジュアンダ国際空港 | |||
メダン | クアラナム国際空港 | |||
ジョグジャカルタ | アジスチプト国際空港 | |||
バンドン | フセイン・サストラネガラ空港 | |||
ロンボク島 | ロンボク国際空港 | |||
テンプレート:MAS | クアラルンプール | クアラルンプール国際空港 | ||
テンプレート:SIN | シンガポール | シンガポール・チャンギ国際空港 | ||
テンプレート:Flagicon タイ | バンコク | スワンナプーム国際空港 | ||
東アジア | ||||
テンプレート:Flagicon 日本 | 東京 | 成田国際空港 | ||
東京国際空港 (羽田空港) | ||||
大阪 | 関西国際空港 | |||
テンプレート:Flagicon 中国 | 北京 | 北京首都国際空港 | ||
上海 | 上海浦東国際空港 | |||
広州 | 広州白雲国際空港 | |||
テンプレート:Flagicon 香港 | 香港 | 香港国際空港 | ||
テンプレート:Flagicon 台湾 | 台北 | 台湾桃園国際空港 | ||
テンプレート:Flagicon 韓国 | ソウル | 仁川国際空港 | ||
西アジア | ||||
テンプレート:Flagicon サウジアラビア | ジェッダ | キング・アブドゥルアズィーズ国際空港 | ||
ヨーロッパ | ||||
テンプレート:NED | アムステルダム | スキポール空港 | ||
テンプレート:Flagicon イギリス | ロンドン | ロンドン・ガトウィック空港 | 2014年9月から就航開始予定[14] | |
オセアニア | ||||
テンプレート:Flagicon オーストラリア | シドニー | シドニー国際空港 | ||
メルボルン | メルボルン空港 | |||
パース | パース空港 | |||
ブリスベン | ブリスベン空港 | |||
休・廃止路線 | ||||
テンプレート:Flagicon 日本 | 名古屋 | 中部国際空港 | 2015年3月を目処に寄港地をデンパサールからジャカルタに変更する形で再開予定 | |
福岡 | 福岡空港 |
便名
- GA086-089: ヨーロッパ
- GA100-199: 国内線(スマトラ)
- GA200-299: 国内線(中部ジャワ、マラン)
- GA300-399: 国内線(スラバヤ)
- GA400-499: 国内線(バリ、ヌサ・トゥンガラ)
- GA500-599: 国内線(カリマンタン)
- GA600-699: 国内線(スラウェシ、マルク、パプア)
- GA700-799: オーストラリア
- GA800-899: アジア
- GA900-999: 中東
機内サービス
座席構成は、一部を除きビジネスクラスとエコノミークラスの2クラス制で、ボーイング777-300ERのみ機内Wi-Fiを搭載したファーストクラスの設定がある3クラス制となっている。中・長距離路線では、最新の機内エンターテイメントシステムが搭載されている。日本発着路線の機内食では、インドネシア料理のほか和食・洋食が提供され、ビジネスクラスを対象に事前予約も可能である。
機材
ガルーダ・インドネシア航空の機材は以下の航空機で構成される。(2014年6月現在)
機 種 | 保有数 | 発注数 | 座席数 | 備 考 | |||||
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F | C | Y | 計 | ||||||
エアバス A330-200 | 11 | 0 | — | 36 | 186 | 222 | |||
エアバス A330-300 | 6 | 17 | — | 42 | 215 | 257 | |||
1 | — | 36 | 215 | 251 | 新座席配置 | ||||
ボーイング 737-300 | 2 | — | — | 16 | 94 | 110 | 退役予定 | ||
ボーイング 737-500 | 3 | — | — | 12 | 84 | 96 | 退役予定 | ||
ボーイング 737-800 | 69 | 33 | — | 12 | 144 | 156 | |||
ボーイング 747-400 | 2 | — | — | 42 | 386 | 428 | 退役予定 | ||
ボーイング 777-300ER | 5 | 5 | 8 | 38 | 268 | 314 | |||
ボンバルディア CRJ1000 NextGen | 15 | 3 | — | 12 | 84 | 96 | サブブランド "Explore Jet" として運航 | ||
ATR 72-600 | 5 | 13 | — | — | 70 | 70 | サブブランド "Explore" として運航 | ||
計 | 119 | 71 |
なお、同社が自社発注したボーイング社製旅客機のカスタマーコード(顧客番号)はU3で、航空機の形式名は737-5U3、737-8U3、777-3U3などとなる。
過去に運航していた主な機材
- エアバス A300
- エアバス A300-600R
- ボーイング 737-200
- ボーイング 737-400
- ボーイング 747-200
- マクドネル・ダグラス DC-10
- マクドネル・ダグラス MD-11
- ダグラス DC-3
- ダグラス DC-8
- ダグラス DC-9
- コンベア240
- コンベア340
- コンベア440 メトロポリタン
- コンベア990 コロナード
- フォッカ-27 フレンドシップ
- フォッカー28 フェローシップ
- ロッキード L-188 エレクトラ
事故と事件
1950年の最初の事件以来、ガルーダ・インドネシア航空は14回の死亡事故が起きている。最近の主なものを挙げる。
- 福岡空港ガルーダ航空機離陸事故 - マクドネル・ダグラスDC-10は1996年6月13日に、福岡空港を離陸する時にエンジンに異常が起き、離陸スピードを上回る速度で滑走路をオーバーランした。 第三エンジン燃料管が断ち切れ炎上し機体は大破。275人の乗員・乗客の内3人が死亡した。[3]
- ガルーダ・インドネシア航空152便墜落事故 - ジャカルタから直行便のエアバスA300は1997年9月26日、視界不良の中、ポロニア国際空港の18マイル手前のシボランギットに墜落した。222人の乗客と12人の乗員の全員が死亡。[4]
- ガルーダ・インドネシア航空200便墜落事故 - ジャカルタから飛ぶボーイング737-400(機体記号:PK-GZC)は、2007年3月7日午前7時、ジョグジャカルタのアジスチプト国際空港に着陸時にオーバーランして、水田に突っ込み燃上した。 少なくとも21人が死亡。これにより、事故機の機長が業務上過失致死傷容疑でインドネシア警察当局に逮捕された。
出典
- ↑ 機内入国審査プログラム Garuda Indonesia
- ↑ Immigration on Board Garuda Indonesia
- ↑ List of airlines banned within the EU
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ Garuda Indonesia Introduces vibrant new brand identity by Landor Associates(ランドーアソシエイツ公式サイト)
- ↑ ガルーダ・インドネシア航空、スカイチームに加盟(ガルーダ・インドネシア航空日本語公式サイトより)
- ↑ http://response.jp/article/2013/12/17/213153.html ガルーダ・インドネシア航空、スカイチームに加盟…2014年3月5日から航空2013年12月17日(火) 10時05分 レスポンス
- ↑ ガルーダ・インドネシア航空がスカイチームに加盟
- ↑ [1]
- ↑ [2]
- ↑ ガルーダ・インドネシア航空 山梨県と相互協力に係る覚書を締結(2013年10月23日、朝日新聞)
- ↑ ANA、ガルーダ・インドネシア航空とコードシェア 3月30日から Traicy 2014年3月10日付
- ↑ 中日新聞 2014年7月1日 夕刊一面(中日新聞社)
- ↑ ガルーダ・インドネシア、ロンドン線の就航を延期 滑走路の強度足りず FlyTeam 2013年8月2日付