オリオン座
テンプレート:Infobox Constellation オリオン座(Orion)は、トレミーの48星座の1つ。ギリシャ神話における登場人物オリオンを題材とした星座。
天の赤道上にあり、おうし座の東にある星座。中央に三つ星が並んでいるのが目印。明るい星が多いため、特に有名な星座であり、しばしば文学作品などにも登場。
オリオン座は他の星を見つける目印にもなる。シリウス(α Canis Majoris)はベルトのラインを南西へ拡張することによって見つかる。アルデバラン、プロキオン、ふたご座もオリオン座を基準にして見つけることができる。
α星は、全天21の1等星の1つであり、ベテルギウスと呼ばれる。ベテルギウスと、おおいぬ座のα星シリウス、こいぬ座のα星プロキオンの3つの1等星で、冬の大三角を形成する[1]。
β星も、全天21の1等星の1つであり、リゲルと呼ばれる。
目次
主な天体
恒星
テンプレート:See also 2つの1等星α星(ベテルギウス)とβ星(リゲル)以外に、γ星、δ星、ε星、ζ星、κ星の5つの2等星がある。
- α:ベテルギウス(Betelgeuse)は、オリオン座で2番目に明るい恒星で、全天21の1等星の1つ[2]。極大になると、リゲルより明るくなる。オリオンの右肩にあり、赤色超巨星である。その大きさはベテルギウスを現在の太陽の位置に持ってきたとき、木星の軌道を飲み込む程。ベテルギウスは周期2110日で変光するSRC型の脈動変光星である。
リゲル、ベテルギウスには和名が存在する。それぞれの和名については(リゲル#和名、ベテルギウス#和名の項を参照)。
δ星、ε星、ζ星は、3つ並んだ2等星で、オリオンの帯として知られる。日本では三つ星(みつぼし)と呼ばれる。三つ星だけでも、オリオン座をすぐ見つけることができる。
英語では三つ星を Tristar と呼ぶ。その他、日本各地にベテルギウスとリゲルをアステリズムとした方言や三つ星などの方言が多数見つかっている。詳細はオリオン座に関連する方言参考。
- λ星:メイサまたはヘカー(Heka)は、オリオンの頭である。
π3星とχ1星は、太陽によく似た黄色の主系列星で、遠い星の多いオリオン座ではもとより恒星全体の中でも太陽系に近い星である。
オリオン座の明るい星々は年齢や物理的特徴が非常に似ている。これはオリオン座付近に巨大分子雲が存在し、オリオン座を構成する星々の多くがこの同じ分子雲から生まれたためであると考えられている。散開星団よりは広がっているが同じ年齢と運動を持つこのような星の集団をアソシエーションと呼ぶ。オリオンアソシエーションはその代表的なもの。しかし、ベテルギウス、π3星、χ1星は例外である。
星団・星雲・銀河
- M42(オリオン大星雲/右写真):散光星雲。オリオンのベルトの3星の南に位置する星雲である。この星雲は、θ1星、θ2星などとともに、オリオンが腰につけた剣に見立てられ、日本ではθ星、M42、ι星を小三つ星(こみつぼし)と言う。肉眼でも見ることができ、双眼鏡ではこのM42の中に若い星や輝くガスおよび雲を見ることができる。
- 馬頭星雲:暗黒星雲。写真等で有名で、三つ星の東側にある。この付近は写真で撮影するとかなり明るく星雲が写る領域である。
- NGC 2024:馬頭星雲の左上に位置する。暗黒星雲が明るい星雲を隠している。
- バーナードループ:超新星残骸。オリオン座全体を大きな円弧状に取り巻くようにしている。
- M78:散光星雲。
その他
由来と歴史
オリオン座はさまざまな古代文明で特別に認識されていた。
古代エジプトは三ツ星とその南側をサフと呼び、オシリスと同一視した[9]。古代メソポタミアのシュメール人はより広い(現在のオリオン座に近い)星々を「アヌの真の羊飼い」と呼んだ。これがオリオン座の原型と考えられている[9]。
古代中国では、オリオン座は28の占星術の宿(二十八宿)のうちの1つで參(テンプレート:ピン音)と名付けられていた。
日本では、毛利氏の家紋である「一文字に三つ星」の三つ星が、このオリオン座の三つ星を表しているといわれている[10]。
オリオンの「ベルトおよび剣」は、古代・近代文学の中で頻繁に引用された。 テンプレート:-
神話
ギリシャ神話
ヒュギーヌスの伝えるところでは、巨人オーリーオーン(オリオン座)は海の神ポセイドーンの子で優れた猟師だったが、「この世に自分が倒せない獲物はいない」と驕ったため、地中から現れたさそり(さそり座)に毒針で刺し殺された[11]。その後オリオンとさそりはともに天にあげられ星座となった。ゲルマニクスは、オリオン座は冬の間、空高いところで威張っているが、さそり座が東の空から上るとこそこそと西の空に沈む、としている[11][12]。
またヒュギーヌスは、オーリーオーンの死について、月の女神アルテミスにまつわる別の神話も伝えている[11]。
中国の神話
また中国にも、オリオン座(参)とさそり座(商)が天球上でほぼ反対側に位置して同時には上らないことから、不仲や疎遠な人間関係を指して「参商の如し」という言葉がある。
日本の神話
日本では三つ星として知られるδ星、ε星、ζ星はそれぞれ、表筒男命、中筒男命、底筒男命という住吉三神とされることがある。 沖縄では、オリオンのベルト部分にあたる3つの星を「黄金三星」(こがねみつぼし、クガニミチブシ)と呼び、神が住む星とされている。
その他
オリオンの名は、アッカド語のUruアンナ(天の光)が由来であるという指摘がある。
このオリオンの名は、ホラティウスやホメロスの『オデュッセイア』や『イーリアス』、ウェルギリウスの『アエネイス』で言及される。ミルトンの『失楽園』や、テニスンの『ロックスレー・ホール』にも現れる。
しかし、別の説によれば、オリオンはウーロン(古代ギリシアの言語で尿の意)からきているともいわれる。
画像
- Leonids and Orion in Japan 01.jpg
オリオン座としし座流星群(2011年11月19日)
オリオン座に由来する事物
出典
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- ↑ 9.0 9.1 テンプレート:Cite book
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- ↑ 11.0 11.1 11.2 テンプレート:Cite web
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関連項目