アフターコロニーの艦船及びその他の兵器
アフターコロニーの艦船及びその他の兵器(-かんせんおよびそのたのへいき)はテレビアニメ『新機動戦記ガンダムW』をはじめとするアフターコロニーの作品に登場する艦船及びその他の兵器を記述する。
目次
コロニー側反連合
ピースミリオン
テンプレート:機動兵器 ピースミリオンは、テレビアニメ『新機動戦記ガンダムW』に登場する、架空の超大型宇宙戦艦であり、ピースミリオン級宇宙戦艦のネームシップ。ピースミリオン級は分類こそ「宇宙戦艦」に属するが、実際には移動能力を持った宇宙要塞的な存在である。初登場はTVシリーズ第33話。
全長約3000m、全高約1000mという[1]全ガンダムシリーズにおいても数少ない超大型戦艦。白い扇のような形をしている。ハワードとプロフェッサーGにより開発されたが、長きに渡り月の裏側に隠されていた。宇宙に上がったハワードがゼクス・マーキスの支援のために起動させ、後半はガンダムパイロット達の母艦として活躍。最終決戦時はリーブラの侵攻を止める為、主砲に特攻し機能停止に陥る。
通常対象を光点でしか表示しないウイングゼロのモニターに、全身像が描画される程の巨大さを誇る。特筆点は専門家・プロフェッサーGの手による強力なステルス機能で、一旦ステルス状態に入るとガンダムですらこの巨体を至近距離まで補足できなくなる。デスサイズヘルと同様に光学的迷彩機能も持つため、補足時は突如闇の中から巨艦が出現するような印象を受ける。劇中ではまったくといっていいほど戦闘に参加しないが、ビーム砲などで武装している(使用するシーンは無し)。とはいえ艦単独の戦闘能力はさほど高くなく、強力な火力もないので、戦力は艦載機に大きく依存している。
高速戦闘艦
高速戦闘艦は、テレビアニメ『新機動戦記ガンダムW』に登場する、架空の乗物の名称である。物語中盤、ピースミリオンを拠点に対OZ破壊工作を行っていたゼクス・マーキスが、ピースミリオンから攻撃目標地点への移動手段として主に使用した。
全長約300m。MS2機を格納でき、MSが使用可能な電磁カタパルトを備える。艦上面に対MS用ビーム砲を2基、艦首に大口径のビーム砲を備える。MS輸送が主目的の艦ではないので格納MS数は2機のみ、着艦も並のパイロットが気絶するほどの急減速を要するなどMS運用性は一般的な輸送艇より悪い。
劇中この艦が直接戦闘に参加するシーンはなく、また艦載MSパイロットであるゼクス以外の乗組員は不明。作戦終了後は至近にピースミリオンが出現し直接この艦を回収している。
OZ(旧スペシャルズ)
宇宙要塞バルジ
宇宙要塞「バルジ」は、テレビアニメ『新機動戦記ガンダムW』に登場する軍事コロニー、架空の宇宙要塞である。オペレーション・デイブレイクにより歴史の表舞台に姿を現したOZが、宇宙における戦略の拠点として擁していた。TVシリーズ第10話で初めてその存在が明らかになった。主な要塞司令官はレディ・アン(留守時はニコル)、ツバロフなど。デルマイユ侯も司令官として赴く予定だった。
構成は完全な人工物である。構造は厚みのある円盤型の重力ブロックと、中心軸を同じにするそれより直径の短い円柱状のエンジンブロック、更に重力ブロック前面の中央を横切って細い矩形の非回転部分が存在、回転軸中心に宇宙港が存在する。重力ブロックだけでなく農業プラントも有し、居住性は高い。
また矩形の非回転部分両端には巨大な口径のビーム砲(劇中「バルジのビーム砲」と呼ばれるが「バルジ砲」とは別物)の砲口が各1ずつ(計2)配されており、その威力の前には通常のMSは勿論、ガンダニュウム合金製のガンダムタイプや、8基のプラネイトディフェンサーを有するモビルドール ビルゴIIですらも耐えることは出来ず、命中時には一撃で宇宙コロニー動力部を完全破壊しその機能を奪うことが可能であった。 なお砲の角度は固定されているため、照準は要塞本体の向きをバーニアで制御することで設定する。
OZ宇宙軍全体の司令部であり、地上のOZ上層部から宇宙軍への指令もほぼすべてここを経由して送られる他、大規模な戦闘時には本陣として戦場まで移動し、MS・MDの展開や支援だけでなく自らもビーム砲で敵拠点への攻撃や威嚇などを行う。
MS・MDの支援・整備が可能で大量のMSを内部に収容している。主な機種はリーオー、トーラス およびその各種兵装や輸送艇である。バルジ、後のバルジ改ともにビルゴシリーズは無い、あるいは戦力たる数を有さない。
- バルジの参加した主な戦闘
- 旧連合のミサイル衛星を用いた宇宙コロニーへの攻撃(TV第10話)
- シェンロンガンダムのバルジ襲撃(TV第19話)
- 旧連合宇宙軍残党が篭城中のコロニーに対する攻略作戦(TV第22話)
- レディ・アンの叛乱(TV第25話)
宇宙要塞バルジ改
アルテミス・レヴォリューションで蜂起したコロニー市民の革命組織「ホワイトファング」により月面基地、および建造中の宇宙戦艦リーブラを占拠され、宇宙要塞バルジが最後の拠点となったOZ宇宙軍が、来たるべきホワイトファングのバルジ攻略作戦に備えてバルジに大幅な改修を行い、新たに「バルジのビーム砲」を上回る要塞砲「バルジ砲」を増築した姿が宇宙要塞「バルジ改」である。 「バルジ砲」は旧バルジにおいて宇宙港があった要塞正面・回転軸中心からバルジ本体全長の半分の長さにも及ぶ長大な構造物を砲身とし、動力にバルジのメインエンジンを直結して使用する巨大なビーム砲である。チャージに時間は要するものの、口径も射程も「バルジのビーム砲」を遥かに上回り、発射されたビームの光条は、ホワイトファング軍の無数のMD・MSや艦艇を消滅させただけでなく、戦場から離れたコロニーをも掠めて大被害を与えた。
戦力として保有するMS・MD戦力は改装前のバルジと同様であるが、プラネイトディフェンサーで身を固め対ビーム防御に秀でるホワイトファング軍の主力ビルゴIIに対抗するため、急遽トーラス用レーザーガンが用意された。またバルジ砲チャージの時間を稼ぐため、MS同士の戦闘に先んじて宇宙機雷による防衛線も敷かれ、MS-MS戦闘時には従来装備の「バルジのビーム砲」も支援に動員された。
バルジ砲の第二射を撃とうとした際に、ホワイトファング司令ミリアルド・ピースクラフトの搭乗するガンダムエピオンにより一刀両断され、大爆発を発生させ消滅した。
- バルジ改の参加した主な戦闘
- ホワイトファング軍によるOZ宇宙要塞バルジ攻略戦(第41話)
トーラスクルーザー
テンプレート:機動兵器 トーラスクルーザー(別名「トーラスキャリアー」)は、テレビアニメ『新機動戦記ガンダムW』に登場する架空の兵器である。
OZが宇宙用モビルスーツトーラス輸送用に開発した、トーラス専用の宇宙用高速輸送艇である。初登場はTVシリーズ第34話。「トーラスクルーザー」の呼称の初出は第45話。
外観はキノコや傘に似ており、傘の柄にあたる柱状部に巡航形態のトーラスが1機 - 3機、各120°の向かい合わせでコクピット側で係留される。 トーラスのコクピットと本機は気密的に接続されるので、輸送中はMS乗員は宇宙空間を介さずに本機機内との行き来が可能となっている。 武装は特に無いが、搭載しているトーラスのビームライフルやビームキャノン(トーラスカノン)を輸送状態のまま本機の武装として使用できる。 搭載トーラスの分離後は後方に下がるが、MDトーラスやMS部隊全体の作戦指揮もしばしばここから行われた。 巡航速度、機動性は輸送機としては高い方だがMSを相手に出来るものではない。しかしガンダムパイロットの様に凄まじい技量を持つ者ならば劇場版でデュオが見せた様に戦場を突破出来る事が可能。前面(傘部分)の装甲は堅固で、それなりの被弾にも耐え得る。劇中に該当シーンは無いが、大気圏突入も可能である。
トーラスクルーザーはOZにより、L5潜伏中のガンダム05(アルトロンガンダム)や、トールギスでゲリラ活動を行うゼクス・マーキスの討伐作戦などに多数が投入されたが、ホワイトファング蜂起後はOZの他の兵器同様に接収され、使用された。
本機の主な使用者としては、ヒルデ・シュバイカーがMSトーラスでのリーブラ脱走時に使用した他、OVA『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』でもヒイロ・ユイとデュオ・マックスウェルがX18999コロニー侵入の際、デュオ操縦によるトーラスクルーザーを使用している。小説版では、デュオがどこからか調達したものを資源衛星に隠していたと語られており、それを見せられたヒイロはデュオが戦艦を調達していた事に呆れていた。
カラーリングはOZ・ホワイトファングともに灰色。
グランシャリオ
グランシャリオは、漫画『新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT』に登場する架空の宇宙戦艦。OZプライズが資源衛星MO-Vを攻撃する際の拠点となった。MSを多数搭載し、改造も船内で可能である上、グランノヴァ砲を初めとした多くの火力兵器を武装している。最終決戦でドクター・ペルゲが戦死した際、ペルゲが生前組み込んでおいた自動操縦プログラムが起動。乗組員は自動防衛システムの餌食になる前に全員が退艦。無人となったグランシャリオはプログラム通り、地球に進行しながら、進路上のコロニーを破壊し、最終的には地球に落下して大爆発を起こし、地球に壊滅的な被害を与えようとする。MO-Vに迫る直前、G-UNIT最終型のハイパーメガ粒子ランチャーの一撃を受けて撃沈された。
ホワイトファング
リーブラ
テンプレート:機動兵器 リーブラは、テレビアニメ『新機動戦記ガンダムW』に登場する、架空の超大型宇宙戦艦であり、ピースミリオン級宇宙戦艦。ピースミリオン級は分類こそ「宇宙戦艦」に属するが、実際には移動能力を持った宇宙要塞的な存在である。
全長3500m、全高1500mという[1]、ピースミリオンよりも巨大な超大型戦艦である。「リーブラ」は、地球圏をほぼ統一し終えたOZ(ロームフェラ財団派)がその力の象徴、および宇宙政策の要としてOZ宇宙軍司令官ツバロフ指揮の下で建造が進められていたが、完成直前に革命組織ホワイトファングが蜂起、リーブラ建造の現地指揮官でホワイトファングの内通者でもあったセディッチの手引きによりリーブラはホワイトファングに奪われ、最終的には同組織によって完成された。
構造はほぼ正八面体型のメインブロックと、その同一平面状の4頂点に菱形のエンジンブロック4つを水平に組み合わせた形がベースとなっている。メインブロック下部に砲口を開く「主砲」は、宇宙空間から地球上を狙撃し、島をひとつ消す威力を発揮してみせた。ただし、設計者である5人の科学者による意図的な構造欠陥のため、発射毎に艦全体への異常の発生が絶えなかった。
主砲の他、艦体表面に無数のビーム砲(副砲)が配されており、張五飛のアルトロンガンダムが完成前のリーブラを襲撃した際も、稼動可能であった副砲の一斉射撃によりこれを撃退している。
最終回、ピースミリオンの特攻により主砲を失ったリーブラは、その質量とジェネレータの爆発により核の冬を起こそうとするホワイトファング指導者ミリアルド(ゼクス)により地球に落下させられようとしたが、5人の科学者の機転により再起動したピースミリオンによって大部分の降下を阻止することに成功。依然降下を続けるリーブラの一部も、内部からのエンジンの破壊、およびウイングガンダムゼロのツインバスターライフルの直撃によってその艦体は落下直前に完全に破壊された(関連項目・コロニー落とし)。
地球圏統一連合軍
宇宙機雷
宇宙機雷(うちゅうきらい) は、『新機動戦記ガンダムW』に登場する架空の兵器。
主に地球圏統一連合が宇宙コロニーの制圧・支配に使用した無人兵器。直径0.75m・高さ2mの円筒に大小ロケットノズルが計6基配された形状をしている。
特定宙域に数百 - 数千基単位で静止的に設置され、敵性目標が有効圏内に侵入すると付属のロケットエンジンで対象に向かって自走し衝突。運動エネルギーと爆発により対象を破壊する。コロニーや航路の封鎖の他、宇宙要塞の防御などにも用いられた。また、連合衰退後はOZもこの兵器を使用した。
- 劇中での動向
- 地球圏統一連合は全宇宙コロニーを武力制圧した後、コロニー同士やコロニーと地球間の往来を厳しく制限し、主要コロニーの周辺や重要航路に、監視衛星や通信妨害装置などと共にこの宇宙機雷を大量に設置した。その効果は絶大であり、事実ガンダムを開発した5人の技師たちですら各コロニーにいる互いの動向を知ることができなくなっていた。この兵器の存在により地球圏統一連合は長きにわたってコロニーの支配権を保持した。
- 対象を感知・追尾・衝突するだけの極めて単純な無人兵器である。が、比較的高速で非直線的に運動し、かつ一目標に対し大量の機雷が同時に追尾を開始するため、艦船より機動に優れるMSですら回避困難な代物であった。これを回避や撃墜が可能なレベルのパイロットにも一定量の消耗を強いることができるため、有人機に対し安定して有効な兵器と言え、劇中でもヒイロの「モビルドール(MD)よりも宇宙機雷の方が手を焼く」という言がある。
- その単純さゆえに同じ無人兵器のMDに対しては効果が低く、劇中ではMDトーラスが僅か2機で数十基の宇宙機雷を回避運動すらせずに撃墜している。しかし言い換えればOZの本格的な宇宙進出はMDシステムの完成を以って開始されたのであり、それ以前の宇宙機雷の厄介さが伺える「宇宙の掃除も楽になったものだ」というつぶやきを上記2機を監督していたニコルがもらしている。通常兵器としての運用の他、MSパイロットの採用試験や新型MSの性能試験などで模擬目標としても用いられた。