アエル (仙台市)
テンプレート:基礎情報 超高層ビル アエル (AER) は、仙台市青葉区の東日本旅客鉄道(JR東日本)仙台駅西口北側に立つ地上31階 (145.5m) の再開発ビルである。
1998年(平成10年)の完成時点では東北地方で最高層のビルであり、仙台市都心部のランドマークとなっている。しかし2010年(平成22年)、青葉区一番町に地上37階(約180m)の「仙台トラストタワー」が竣工したため、東北地方では第5位の高さである。
目次
概要
1階から4階までが商業施設。5階から7階が仙台市の施設。8階から30階がオフィスビルとなっている。商業フロアには丸善、ユニクロなどのテナントが入居する。最上階の31階には、無料の展望テラス(開放時間10:30 - 20:00)がある。
完成時期が失われた10年といわれる不況期であったことから、入居企業に就労支援・労働者派遣が多いのが特色である[† 1]。また、交通の便が良いため、一般的な学校より通学範囲が広い資格取得予備校などの教育機関も入居している。
「ネット!U」にある多目的ホールは、仙台駅周辺に数少ないイベントスペースであるため、様々なイベントが開かれている。そのほか祭事シーズンには1階の入口付近(交差点側)に露店が出店したり、ステージイベントが開催されることもある。
建設には全天候型ビル自動建設システムが用いられ、当時としては最も高い建物への適用例であった[1]。また、居住性向上のため、制振装置が設置されている[2]。
郵便番号は、住友生命仙台中央ビル (SS30) と同様に、980-61xxという専用番号が付番される(xxは階番号だが、32より大きな数字の場合は特定のテナント専用となる)。
沿革
1988年(昭和63年)に仙台市によって中心部再開発事業[3][4]として事業化され、1998年(平成10年)に完成。総事業費は約746億円であったが不況のため売却先が見つからず、市が保有したままテナントを貸して賃料を債務返済にまわしていた。2007年(平成19年)3月の時点で借入金は約276億円残っていたが、同年10月に外資系投資ファンド「セキュアード・キャピタル・ジャパン」を中心とする特定目的会社に287億7,800万円で売却された。これは完成前の1995年(平成7年)に売り出した際の公募価格と同額であった。
年表
- 1984年(昭和59年)12月4日 - 高度利用地区告示、および、都市計画の告示
- 1986年(昭和61年)10月7日 - 高度利用地区変更の告示
- 1987年(昭和62年)6月19日 - 仙塩広域都市計画事業仙台駅北部第一南地区第二種市街地再開発事業施行規程[5]を制定
- 1988年(昭和63年)5月6日 - 事業計画決定の公告
- 1992年(平成4年)2月28日 - 都市計画変更の告示
- 1994年(平成6年)11月1日 - 事業計画変更の公告
- 1995年(平成7年)3月17日 - 建築工事着工
- 1998年(平成10年)
受賞歴
- 1998年 全日本建設技術協会『21世紀の「人と建設技術」賞』
- 1999年
- 日本鋼構造協会『鋼構造優秀作品』
- 日本消防設備安全センター『優良消防防災システム表彰』
- 照明学会『照明普及賞優秀施設賞』
主なテナント
展望フロア
31階は、展望テラスと結婚披露宴会場で構成される。
- ザ・オリエンタルスィートヴィラ(エムジェイキュー)
- 展望テラス:東西1か所ずつ
オフィスフロア
9階 - 30階は賃貸オフィスとなっている。
エル・ソーラ仙台
28階 - 29階に入居する仙台市の男女共同参画施設で、みやぎ子育て・女性健康支援センター、せんだいファミリーサポート・ネットワーク、ウイメンズサポートセンターなどの機能を持つ。同様な市の施設に、141ビルにあるエル・パーク仙台がある。
- 29階:図書資料ラウンジ、市民交流スペース・キッズコーナー、活動ブース
- 28階:大研修室、研修室1、研修室2、ミーティング室、託児室
就労支援・人材派遣
- 26階:NEO STAFF仙台本社
- 23階:スタッフサービス エンジニアリング事業本部仙台テクニカルセンター
- 20階:アデコ東北支社[† 2]・仙台支社[† 3]
- 19階:アロービジネスメイツ東北支店
教育・研究
- 27階 - 26階:東京アカデミー仙台校
- 26階:JSコーポレーション、グロービス経営大学院大学仙台校
- 24-25階:TAC
医療
- 20階:宮城県赤十字血液センター、献血ルームAER20
- 18階:
- 15階:
- 12階:宮城県成人病予防協会中央診療所
- 11階:
- LCクリニック仙台
- 仙台駅前クリニック
- 10階:
- かねとう腎泌尿器科クリニック
- エイブル調剤薬局(サンライフコミュニティ)
- アエル斎藤整骨院
金融
- 22階:アメリカンファミリー生命保険会社
- 9階:日専連ライフサービス
一般企業・その他
- 30階:有限責任あずさ監査法人仙台事務所
- 26階:シスコシステムズ
- 22階:日本信号東北支店
- 16階:クロップス
公共フロア
5階 - 7階は、財団法人仙台市産業振興事業団が入居する。5階の多目的ホールでは、立地のよさを反映した講演会・展示会・イベントなどが行われている。8階は、仙台市教育委員会が運営する「仙台子ども体験プラザ」(平成26年夏開館予定)がある。他の仙台市の機関として、オフィスフロアの28階 - 29階にエル・ソーラ仙台がある。
- 8階:
- 仙台子ども体験プラザ[7]
- 6階:
- 仙台市情報・産業プラザ「ネ!っとU[9]」
- 特別会議室、セミナールーム1・2、講師控室1・2
- 仙台市情報・産業プラザ「ネ!っとU[9]」
- 5階:
- 仙台市情報・産業プラザ「ネ!っとU」
- 多目的ホール(椅子のみ使用850名、机・椅子使用351名)、情報化研修室、主催者・来賓控室
- 仙台市青葉区役所戸籍住民課仙台駅前サービスセンター
- 仙台市情報・産業プラザ「ネ!っとU」
商業フロア
商業エリアは「Shop & Wonder AER」と呼ばれる。店舗面積は8,125m2[6]。1階 - 2階にはアトリウムがある。出店テナントの詳細については公式サイト「ショップインデックス」を参照。
- 4階:フロアのほぼ全体をオフィスベンダーと3つのインショップからなる『文具の杜』として、2007年(平成19年)10月19日に改装オープンした。
- オフィスベンダー(文房具店)
- 日専連カウンター(クレジット業務他)
- 3階:ユニクロがフロアの4分の3程度を占めており、他に小規模のアパレルや雑貨店が出店している。
- ユニクロ(アパレル)
- ローラ・アシュレイ(レディース・ホームファニシング)
- スルバスルビ(雑貨・アクセサリー)
- ポケモンセンタートウホク
- 2階:婦人服や雑貨類の店舗が多数出店している。スターバックスコーヒーは吹き抜けに面している。
- スターバックスコーヒー(喫茶店)
- ファンケルハウス(サプリメント・化粧品店)
- ラコステ(アパレル)
- 1階:大部分は丸善で占められており、ファミリーマート、不動産店は建物の外側からのみ入店可能である。
駐車場
- 駐車場:311台収容、100円/15分
- 駐輪場:約450台
周辺
AERは、仙台駅北側の徒歩移動の集約地である駅前通りと名掛丁の交差点に建ち、仙台駅と中心部商店街の中央通り(ハピナ名掛丁)との動線、および、オフィスビルが建ち並ぶ花京院や本町との動線が集まる。
AERが面するもう一つの交差点の駅前通り・広瀬通りの四隅には、既に「Azur仙台」(地上19階、87m)と宮交仙台高速バスセンターを併設する「東京建物仙台ビル」(地上20階、97m)が建っているが、将来的には、花京院一丁目第一地区再開発による2棟のビル[10]が建設される予定で、これらもAERと同様に仙台駅西口ペデストリアンデッキで繋がり、地上のほかに2階の高さでも歩行者が行き交う多層的な地区となる。
2008年(平成20年)4月1日より、正面に「仙台駅北口」バス停が設置され、混雑時や当地周辺への用途の際のアクセスが向上している。かつて、この位置は仙台ヒルサイドアウトレットを結ぶ無料シャトルバスの仙台駅側の乗降拠点となっていた[† 4]。
AERの南側では、低層部分に仙台パルコが入るオフィス・商業複合ビル「仙台マークワン」(地上19階、高さ98m)があり、その建設に合わせて両ビルの間には新たにペデストリアンデッキが設置され、線路を跨いで仙台駅東口との東西連絡デッキも設けられた。
また、広瀬通りは駅前通りより東のAERの北面で宮城野橋(X橋)に接続しているが、将来的にはこれが架け替えられ、現在進行中の仙台駅東第二土地区画整理事業[11]と多層的に接続される予定である(都市計画道路元寺小路福室線[12])。
AER周囲では徒歩移動の多層性の拡充が進み、AERはその集約地の一つとなると見られている。
その他
- 「ネット!U」の多目的ホール(AER多目的ホール)は、仙台港の夢メッセみやぎと並び、仙台市で同人誌即売会およびコスプレイベントが開かれる場所としてその筋では著名。夢メッセみやぎ(最寄り駅:JR仙石線・中野栄駅)が自動車でのアクセス中心なのに対し、AER多目的ホールは、仙台駅に隣接することから鉄道・バスでのアクセス中心であり、ある意味棲み分けがなされている。仙台の萌え系ビジネスの集積地は、以前は仙台駅西口南西部の仙台朝市周辺であったが、現在は新学生街のクリスロードに集積する傾向があり、「AER多目的ホール」はその点でも直近に位置する。なお、八木山ベニーランドでも定期的にコスプレイベントが行われている。
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク
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タグがありません- ↑ 東北一の超高層建物 仙台「アエル」を全天候型のビル自動建設システムで施工(フジタ)
- ↑ 強風時の居住性を向上させる 制振装置を東北地方一の超高層ビルに設置(フジタ)
- ↑ テンプレート:PDFlink(仙台市)
- ↑ 仙台駅北部第一南地区(仙台市)
- ↑ 仙塩広域都市計画事業仙台駅北部第一南地区第二種市街地再開発事業施行規程(仙台市)
- ↑ 6.0 6.1 全国都道府県別SC一覧 宮城県(一般社団法人日本ショッピングセンター協会)
- ↑ 仙台子ども体験プラザ(仙台市教育委員会)
- ↑ 財団法人仙台市産業振興事業団
- ↑ 仙台市情報・産業プラザ「ネ!っとU」
- ↑ B1 中央一丁目第二地区
- ↑ 仙台駅東第二土地区画整理事業
- ↑ テンプレート:PDFlink(宮城県「仙塩広域都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」付図)