ゆうパック
ゆうパックは、日本郵便が提供する荷物のサービスのひとつで、他社が提供する宅配便に相当するサービスである。旧一般小包郵便物が前身である。
目次
概説
ゆうパックの運賃はサイズと運送距離で決まる。他社の宅配便と異なり、重量は運賃に影響しない。
普通郵便とは異なる輸送体系を使用しており、送達速度は普通郵便よりも比較的早い。また、休日も配達する。
サイズと重さの制限は、長さ・幅・厚さの合計が1.7m以内、重量30kg以内。
発送は集荷、郵便局の郵便窓口やコンビニエンスストアなどの取扱所で受け付ける。引き受け可能なコンビニエンスストアについては、2014年4月現在、ローソンブランド店舗、ミニストップ、セイコーマートであれば、原則全店舗で可能としている。
詳細
運賃は発送時に現金(ゆうゆう窓口ないしは郵便局の郵便窓口での差出は金額が印字された証紙を帖付欄[1]に貼付、コンビニを含む取扱店での差出の場合は料金別納の扱いとなる)または郵便切手で支払うか、あるいは着払が利用できる。かつては、料金後納扱や受取人払が利用できた。
損害賠償の限度は30万円までの実損額、それ以上の金額は最大で50万円までセキュリティゆうパック扱いとし運賃を加算することで補償される。現金(現行日本紙貨幣)を送る際は郵便物のひとつである現金書留[2]、貴金属・宝石等を送る際や配達証明等の扱いとする場合は、郵便物なおかつ一般書留としての送付が必要であり、ゆうパックでは扱えない。
「ゆうパック」はもともと郵便局で販売する包装用品の名称だったが、1987年に「郵便小包」の愛称としてロゴマークとともに制定。ゆうパックの「ゆう」は郵便や郵政の意味であるが、英字表記でのゆうパックは、“Yu Pack”ではなく“You Pack”になっている。2004年10月に、ロゴマークならびに料金制度を一新。コンビニでも取り扱いやすいよう、小口一般料金は従来の重量距離制から他社に近似したサイズ[3]距離制となり、料金割引が新設された。なお、事前に届け出た大口利用者等は重量距離制に基づいた料金も利用できる。
民営化前より、速達扱いでの発送(速達料が別途加算される)が可能であった(2010年7月1日のサービス改訂により廃止)。また、郵便物同様、本人限定受取ゆうパックが利用可能であり、セキュリティゆうパック(2010年6月までは、書留ゆうパック)を利用した場合に利用可能となる(ただし、特定事項伝達型は、郵便物の場合と同じく、事前契約が必要)。
基本的に集荷や配達は日本郵便の社員が行うが、地域の軽運送事業者や日本通運、赤帽など他運送会社に配達を委託している支店もある。
「荷物」扱いのサービスのため、郵便物とは違い、信書の送達に利用することは出来ない。なお、荷物を送る場合に添付できる信書については手紙#郵便法における信書を参照。
また、危険物などの禁制品は送付できない(なお、禁制品ではないがリチウムイオン電池(あるいはそれが組み込まれている製品等)を航空機により国内地域に送付する場合は、「リチウム電池取扱ラベル」を貼付する必要がある)[4]。
都道府県によっては、セイノーホールディングス傘下の各社が手掛けるカンガルーミニ便の個人向け配達において、日本郵便が受託の上で「ゆうパック」として配達するケースがある(秋田県など[5])。ただし、後述する「カンガルーチルド便」は、相手や送り先に関わらずすべて日本郵便が配達を受託し、チルドゆうパックとして配達される。
料金関連
現在の小口利用者の運賃割引は以下のとおり。
- 持込割引
- 基本運賃より1個100円引。窓口・コンビニ等に持ち込んだ際に適用。
- 同一あて先割引
- 基本運賃より1個50円引。前回と同じあて先へ荷物を送る際に、差出日より1年以内に差し出した控の提示で適用。複数口割引とは併用不可。受取人払や着払時は適用されない。一度提示した控は再使用できないので(使用済印が押される)、常に最新の控を持参しなければならない。また、同じ場所なら宛名は同一人でなくても良いが、同一人であっても転居して場所が変わった場合は適用されない。
- 複数口割引
- 基本運賃より1個50円引。同時に同じあて先へ2個以上荷物を送る際に適用。同一あて先割引とは併用不可。受取人払や着払時は適用されない。
- ただし、コンビニ差出の場合は、POS端末処理の関係上、専用ラベルが必要(郵便局の郵便窓口、ゆうゆう窓口、日本郵便による集荷、コンビニ以外の取扱店では、一般の送り状の複数枚利用で対応可能だが、複数口用の送り状も利用可能)[6]。
- 数量割引
- 基本運賃より20%以上、個数に応じて割引。同時に10個以上荷物を送る際に適用。他の運賃割引とは併用不可。別納または計器別納とするものに限られる。
従来は、着払の場合は20円の手数料が受け取り側に運賃に加算される形で課されていたが、2009年4月1日より、ゆうパックに関わる着払手数料が廃止された。
大口利用者の運賃割引は以下の通り。
- 大口割引
- 大口割引にはいくつかの種類があるが、いずれも料金を直接支払うのではなく後納または別納としなければならない。
- 料金別納
- 同時に500個以上など大量個数を発送する場合に運賃が割安となる。
- 料金別納
- 料金後納
- 一般の宅配業者における月締や売掛に類似する。
- 料金後納とした際の割引がある。
- 大口小包
- 旧ゆうパック・小包時代からの割引制度を継承したもの。ゆうびんビズカードを使用する
- ペリカンモード
- 旧日本通運のペリカン便から移行したもので、運賃体系やオプションの取扱などが個別に異なる。ペリカン専用の顧客コードを使用するため、ビズカードは使用しない。
- ゆうパック後納
- ペリカン移行後に契約したゆうパックに適用される。運賃体系などは出荷個数に応じて集配郵便局の営業担当が決定する。
- ペリカン便モードについて
- ペリカン便時代には郵便局と違い厳密な特約規定が存在しなかったため、曖昧な運賃契約が少なくなく統合時のリスクとなったが、統合側の日本郵便ではそれらをペリカンモードとして当面残すこととなった。ペリカンモードは日本郵便内部での呼称であるため一般に案内はされない。
- 料金後納
付加サービス
以下の主なサービスが追加料金なしで利用できる。
- 配達日の希望
- 配達予定日(送付先や差出時間にも拠るが、概ね、差出日の翌日か翌々日)より10日以内の日で希望できる。
- 配達時間帯の希望
- 午前・12 - 14時・14 - 16時・16 - 18時・18 - 20時・20 - 21時の中から希望できる(2010年7月より。以前は、郵便物の再配達と同じ時間帯設定となっており、午前・午後1・午後2・夕方・夜間の中から選択する形となっていた。郵便物の再配達希望時間帯指定については、2010年7月以降も旧前どおり)。なお、2010年6月以前に発行されたラベルで、午前・12 - 14時ないしは、希望なしを指定する場合は、本来の欄に記載するが、14 - 16時・16 - 18時・18 - 20時・20 - 21時を指定する場合は、2010年7月より枠が変更されたことに伴って本来の欄には記載できないため、摘要欄に希望時間帯を記載するかたちになる。
- 差出当日中の配達(当日配達ゆうパック)
- 配達先が引受支店自体の配達区域内である場合等、集配体制上可能である場合は、概ね午前中の差出分について当日中に配達する。引受支店の配達区域内あての場合のほか、統括支店引受で管内支店の配達区域あてに配達される場合、東京都23区内と近隣地域内で引受、配達される場合及び大阪府内で引受、配達される場合についても、それぞれ当日配達可能区域の設定がある(全域ではない)。
- お届け済み通知
- 通信事務郵便による通知で配達されたことが分かる。差出時に通知が必要か不要かを選択できる。ただし、JPEXから継承した仕様のラベルと複数口用ラベルを使用した場合は、希望できない。
- 不在時転送
- 不在票にて示された中から、希望する最寄の場所や勤務場所、窓口での受取りが可能。
- 追跡サービス
- 配達状況をインターネット(ゆうびんホームページ)、電話(フリーコール)で確認できる。
歴史と年表
テンプレート:節stub 前身の小包郵便物は、1892年(明治25年)10月1日に逓信省により取扱いが開始された。1871年の郵便創業から20年以上遅れたのは、民間の運送業を圧迫するという意見などが強かったためとされる[8]。
1983年(昭和58年)6月1日から、東京都及び千葉県の郵便局約980局で郵便小包用段ボール箱の販売を試行した[9]のに続き、同年11月10日、全国の郵便局で小包包装用品「ゆうパック」の販売を開始した[10][11]。すなわち、当初「ゆうパック」は郵政省が販売する包装用品の愛称であったが、1987年6月1日からは郵便小包そのものの愛称となった[12]。郵政省が毎年発行していた『通信白書』(『情報通信白書』の前身)資料編に掲載された統計表では、平成5年(1993年)版まで「小包郵便物取次所」の名称が用いられていたが、平成6年(1994年)版からは「ゆうパック取次所」に改められている。
郵便が国の直轄事業から日本郵政公社(日本郵政グループの前身)に移行後、2004年10月より一般小包郵便物である「ゆうパック」の料金が他社に近似したサイズ距離制となり、損害賠償額が30万円までに拡大。料金割引が新設され、リニューアルをアピールするためロゴが改訂された。同年11月からは大手コンビニエンスストアチェーンの「ローソン」を窓口として取り込んだ。その結果、2005年2月16日の生田正治総裁(当時)の発表によると、この時点でのシェアは6%となった。『情報通信白書』平成17年(2005年)版に掲載された同年3月末時点の統計表から、「ゆうパック取次所」は「ゆうパック取扱所」に改められた。
- 2004年10月1日 - ゆうパックリニューアル。小口一般料金が改定。ロゴが改訂。テンプレート:要出典範囲(ただし、コンビニ差し出し時を除き、お問い合わせ番号11桁の送り状は、2010年6月までは利用可能であった)。これに併せて、着払用の送り状を新設(従前は、発払用で兼用。書留ゆうパック用は民営化後にいたるまで発払用で兼用していたが、2010年7月にセキュリティゆうパックの登場により、一般着払い用の送り状の利用に変更された)。また、カバン等の箱以外の取り扱いも開始。補償額も、それまでの0.6万円までの実損額から、30万円までの実損額に引き上げとなった。これに併せる形で書留ゆうパックは、最低10万円までの実損額から最低35万円までの実損額に引き上げられた(追加料金により、いずれも最高50万円までの実損額補償である点は変更なし)。
- 2004年11月18日 - コンビニチェーンのローソン全店舗からのゆうパックの受付を開始。
- 2005年6月1日 - コンビニチェーンのミニストップ全店舗からのゆうパックの受付を開始テンプレート:要出典範囲
- 2005年6月1日 - デイリーヤマザキ、am/pm両コンビニチェーンが、ペリカン便との併売の形により東京都内全店舗からのゆうパックの受付を開始。両チェーンとも9月には全国の店舗でも受付開始。
- 2005年11月15日 - コンビニチェーンのサークルKサンクス全店舗からのゆうパックの受付を開始。
- 2007年10月1日 - 郵政事業が民営化。制度上、郵便物から宅配便貨物へと変更。
- 2007年10月5日 - 日本通運の宅配サービス「ペリカン便」との事業統合を発表。
- 2009年4月1日 - JPエクスプレスの事業開始(日本通運よりペリカン便ブランドおよび同事業を譲受したことに伴う)に伴い、ペリカン便とのサービスレベルを一部統一し、ゆうパックに於ける着払手数料を廃止
- 2010年7月1日 - JPエクスプレスより宅配便事業(ペリカン便)を譲受し、ゆうパックのサービスを改訂
- 2010年9月1日 - デイリーヤマザキが宅配荷物の取り扱いをヤマト運輸に変更したため、同チェーンでのゆうパックの受付を終了。
- 2011年3月1日 - エーエム・ピーエム・ジャパンが、ファミリーマートに吸収合併され、解散。これに伴い、am/pmブランド店舗を順次ファミリーマート店舗に転換するため、転換に伴う一時閉店を以って、当該店舗でのゆうパックの取り扱いを順次停止。転換に伴う一時閉店が行われていない店舗では、取り扱いを続行していた。
- 2012年6月27日 - サークルKおよびサンクスの店頭でのゆうパックの引き受けを終了
ゆうパックのオプションサービス等
セキュリティゆうパック
貴重品を送付するためのサービス。360円の追加料金がかかる[13]。差出時の申告額により、最大で50万円までの実損額を補償する[14]。
ラベルは、元払いの場合、従前のゆうパックから継承した仕様の場合は緑色の専用ラベル、JPEXから継承した仕様の場合は「セキュリティ」のチェック項目がある一般の元払いラベルを利用するが、着払いの場合は従前のゆうパックから継承した仕様の通常の着払い用ラベルを利用する。
本取り扱いは、ゆうゆう窓口ないしは郵便局の郵便窓口での差し出し、ないしは日本郵便の担当者による集荷でのみ取り扱い、コンビニエンスストアを含む取扱店への差出は受け付けていない。
一般書留郵便物同様、100円の追加で本人限定受取の扱いが可能(ただし、郵便物同様、特定事項伝達型のみ事前契約した法人のみ差出可能)。
代金引換ゆうパック
代金引換のサービスである。つまり、配達の際、郵便物または荷物と引き換えに、差出人の指定の代金を受取人が支払う。ゆうちょ銀行は、支払われた代金を、ゆうちょ銀行の通常貯金ないしは振替口座への送金または普通為替で差出人に送金する(なお、送金手数料や印紙税は、ゆうパック発送人が別途負担する)。代金引換料は260円[15]。
代引用のラベルは一般ゆうパック・セキュリティゆうパック兼用だが、依頼人が代金を受け取る方法により、2種類のラベルが用意されており、電信振替専用と通常振替・払込用が用意されている。ただし、両ラベルの大きさは、組み込まれているゆうちょ銀行が設定するフォーマットである電信振替請求書払込取扱票の大きさの関係上、電信振替専用ラベルが大型となっており、電信振替での代金受け取りを希望する際に、ラベルが荷物に貼り付けられない場合は、通常払込用のラベルを使用してもよい仕組みとなっている。
「代引ゆうパック」の個人事業主・法人向けサービスとして、「代金引換まとめ送金サービス」[16]があり、事前の申し込み等が必要だが、入金先はゆうちょ銀行以外の金融機関あて振込にも対応している。これは、日通キャピタルとの業務提携により実現したもの。
なお、2014年4月の改正印紙税法施行に伴い、印紙貼付が必要になる額が3万円以上から5万円以上に引き上げとなっているが、同年3月までの送り状に記載の内容は読替で対応の上で継続利用可能とし、今後、順次新料金・印紙税対応の送り状を導入する方針としている。
ゴルフ・スキーゆうパック/空港ゆうパック
その名のとおり、ゴルフ場・スキー場・空港気付で荷物を送ることができるサービス。実際はそれ以外の住所にも送ることができる。本サービスに限り、往復扱いが可能(送り状も、専用のものを利用する形になっており、片道用と往復用とがある)。ゴルフ場あてであってもゴルフ用品以外の発送は不可である。スノーボードやその関係の用品についても送ることができる。空港気付の場合は、郵便事業が指定した空港以外へは送付できない。
2010年7月からは、ホテル気付で自己宛送付の場合は、本サービスを利用し、種類欄に「ホテル等」の記載を行う形に変更されているが、上述の条件は必ずしも満たさなくとも可である。
サイズは、60サイズ/80サイズ/100サイズ/120サイズ/120サイズ超の5段階であり、一般の体系とは異なり、本来のゆうパックでは送付できない170サイズ超にも対応可能。
チルドゆうパック(旧称 : 冷蔵型保冷郵便)
オプション料金 (190円[4kgまで]・340円[8kgまで]・640円[30kgまで])の追加で、発送から配達まで0 - 5度の温度を保って輸送する。
長さ1m以内かつ長さ・幅・厚さの合計が1.5m以内、重量30kg以内。
差出取扱いは日本郵便の集配郵便局および、ごく一部の郵便局となる。
2010年7月1日以降、セイノーホールディングスの傘下企業が提供する「カンガルーチルド便」は、当サービスの内容に準じて、郵便事業の配達員が配達することになった。
冷凍ゆうパック(旧称 : 冷凍型保冷郵便)
発送から配達まで-18度以下標準の温度を保って輸送する。
長さ80cm以内かつ長さ・幅・厚さの合計が1.2m以内、重量21kg以内。
差出取扱いは日本郵便の集配郵便局となり、最初の差し出しの10日以上前に支店等へ届出が必要となる(実態は、郵便局等に届出書を提出し、本社のゆうパック事業部の審査を受けて認可がないと発送できない。)。また、継続的な利用が必要なため、主に法人向け商品となる。
聴覚障害者用ゆうパック(旧聴覚障害者用小包郵便物)
図書館や福祉団体など日本郵便が指定する施設と聴覚障害者との間で、ビデオテープを貸出しまたは返却のために発送する際に低料金で利用できる。重量3kg以内。
外装には表面に「聴覚障害者用ゆうパック」または「聴覚障害者用小包」と明記し、内容物が容易に認定できるように包装しなければならない。
点字ゆうパック(旧称 : 点字小包郵便物)
図書館や福祉団体など日本郵便が指定する施設と視覚障害者との間で、大型の点字図書等を貸出しまたは返却のために発送する際に低料金で利用できる。
外装には表面に「点字ゆうパック」または「点字小包」と明記し、内容物が確認できるように封筒や袋の一部を切り欠くか、一部に透明な部分を設け内容品の大部分を透視できるようにしなければならない。
ふるさと小包
郵便局にカタログやチラシを設置して、郵便局を窓口に日本郵便が取次ぎを行っている通信販売サービス。ゆうちょ銀行の振替を利用して支払うと、ゆうパック(またはエクスパック)を使って1週間程度で配達される。商品は各地の名産品である農産物・水産物・畜産物、これらを加工した食品(漬物・辛子明太子・ハムなど)、菓子・麺類などがある。
従来は財団法人であるポスタルサービスセンター (PSC) が取次ぎを行ってきたが、郵政民営化と同時に郵便局会社がPSCより運営を引継いだ(郵便局株式会社カタログ販売センター)。
郵便局の窓口・渉外員や日本郵便の社員への申し込みの他、インターネットで会員登録を行えば、日本郵便のショッピングサイトでの注文も可能である(支払いはクレジットカードまたはゆうちょダイレクト)。
オークションゆうパック
特定のオークションサイト等で規定の手続きにより発送すると割引やポイントバックが受けられるサービス。2012年8月現在、楽天市場、楽天オークション、モバオクで利用できる[17]。楽天のポイントサービスは2011年9月16日から[18]、楽天オークションでのローソンLoppi利用による発送サービスは2011年11月16日から[19]、オークションユーザー以外の楽天会員への開放は2012年7月18日[20]から開始された。モバオクでは2012年1月24日から開始された[21]。
楽天オークションの場合
- パターン1 郵便局で発送
- パターン2 ローソンで発送
- 楽天オークションの専用サイトで配送手続きをしローソンで発送すると、あとから楽天スーパーポイントが10ポイントがバックされる。送料は、規定料金から130円を引いた額。ローソンで印字された専用用紙を伝票として使うため手書きの必要がない。
- パターン1とは異なり、楽天オークションで落札された商品でなくても楽天会員IDさえ登録すれば利用可能。
かつてあった商品
書留ゆうパック・現金書留ゆうパック
2010年6月まで提供されていた商品で、360円の追加によって、荷物の申告額35万円(現金が同封されている場合は1万円)までを損害補償するサービス。さらに、オプション扱いで20円毎の追加で5万円(現金同封の場合5千円単位)で補償額の上限を上げることが可能であり、最大50万円までの損害要償額の設定が可能で、唯一現金の送付が可能あった(2004年9月までは、一般のゆうパックが6千円までしか補償していなかったこともあり、一般の書留郵便物同様、最低の要償額10万円までの補償となっていた。それ以上の損害要償額の設定を要する場合は、一般の書留郵便物の追加額に準じていた)。JPEXとの統合によるサービス改定で、セキュリティゆうパックが設定されたことに伴い取り扱いが停止されたが、書留ゆうパック用のラベル(元払い・着払い兼用であった)は、元払いでの利用時に限り、2004年10月以降に配布されているものであれば、現在はセキュリティゆうパック用に流用可能となっている(ただし、時間帯指定が14時以降の枠の場合は、摘要欄に記載するかシールの貼り付けを別途依頼するかのいずれかの方法が必要)。
ちなみに、現金が同封されていた場合は、封印は上下すべて(一般的な段ボール箱の場合は14カ所)に必要。すべてのゆうパックラベルが使用不可で、追跡番号も現金書留郵便物用ではなく一般書留郵便物用のラベルを使用することになっていた。
Yahoo!ゆうパック
伊藤忠商事とヤフーとの提携により、コンビニのファミリーマートやローソンにて発送する「Yahoo!ゆうパック」を取り扱っていた。発送については自分で計量し手続きしなければならないが、運賃体系の違いによりゆうパックよりも安く発送することができた。類似のサービスは他社でも行っている(システムは後述)が、小口客が対する間口が一番広いサービスであるため、一例として掲げる。
長さ・幅・厚さの合計が1.5m以内、重量21kg以内。取扱いはゆうパックに準ずるが、配達時間帯の希望は可能であるが配達日の希望はできない、食料品や飲料品は発送できない、などの制限があった。
インターネットオークション落札品の送付用として開始されたため、Yahoo! JAPAN ID取得と利用登録を行い、専用ページから事前に受取人情報を入力し、取扱いコンビニのマルチメディア端末(FamiポートまたはLoppi)への受付番号等の入力をして、申込券と引換に送り状およびビニール封筒を受け取り貼付する。サービス終了時にはクレジットカード決済・銀行ネットバンキング決済の他、コンビニ店頭での現金支払も可能だった。また、落札品でなくても利用できた。
運賃は、サイズ距離制を採用する小口のゆうパックと異なり、伊藤忠商事が料金後納の他店差出制度を利用しているため、重量距離制の大口運賃1個あたりの金額で決定される(2003年のリニューアル以前の運賃体系)。したがって、地域区分も市内、市内を除く地域内などサイズ距離制とは違っていた。大きく軽い荷物を発送する場合は、おおむねゆうパックより安価になり、反対に小さく重い荷物の場合は、高価になる場合もあった。
損害賠償の限度は50万円までの実損額であり、コンビニへの集荷前および集荷後にゆうパックの賠償限度30万円を超える部分は独自補償制度となる。特殊取扱の利用はできない。よって、現金(現行日本紙貨幣)や貴金属等は送ることができなかった。
2009年7月1日14時をもって、サービス完全終了となった[22]。しかし、その後2011年後半から類似サービスとしてオークションゆうパックが登場しており、利用方法も似ている[19]。
なお、2010年3月3日より伊藤忠商事とヤフーは類似のサービス「はこBOON」を行っている。
コレクトゆうパック
代金引換サービスの一種で、JPEXを継承した2010年7月1日からサービス開始された。2010年6月まで日通キャピタルの(JPEXのコレクトペリカン便)コレクトサービスを利用していた法人向けサービスの後継であり、新たな利用にあたっては、郵便事業ではなく、提供元である日通キャピタルとの事前の契約が必要である。上述の「代引ゆうパック」の個人事業主・法人向けサービスである「代金引換まとめ送金サービス」とは別の商品となる。
「コレクトゆうパック」は、ゆうゆう窓口の設置のない郵便局(2012年9月までは、郵便事業の支店・支店分室が併設されていない拠点)で受け取ることはできない。つまり、再配達先をゆうゆう窓口のない郵便局にしたり、ゆうゆう窓口のない郵便局留とすることはできない。受け取るには、配達またはゆうゆう窓口を有する郵便局留となる。
2013年3月31日を以って終了したため、既存の利用者は、「代金引換まとめ送金サービス」へ自動移行され、約款等も「代金引換まとめ送金サービス」のものへ読替されることになった。提供元も、日通キャピタルから日本郵便へ移行する形となった(「代金引換まとめ送金サービス」における、日通キャピタルとの資金移動の業務提携自体は継続)。
民営化後の取り扱い
- 郵便法は適用されなくなり郵便物ではなくなったが、これまで通り全国に配達する。お届け済み通知、転送サービスなども引き続き利用できる。
- 紛失や破損した場合の損害賠償に加えて、新たに配達が遅れた場合の損害賠償(ただし運賃等の範囲内)が加わった。
- 代金引換とする荷物の送金手数料が変わり、3万円以上(2014年4月以降は5万円以上)の引換金額の場合は印紙代が徴収される。また、代金引換に限り送り状が従来のものは利用できなくなった(2014年4月の改正印紙税法施行については、従来の送り状の読替で対応)。
取り扱いコンビニの拡大と他社の主張
ゆうパックリニューアル以前、ほとんどのコンビニチェーンの宅配便商品は最大手のヤマト運輸の宅急便であったが、2004年に公社のローソンに対する委託を前に、ヤマトが公社に対してローソンへの委託の撤回と不当廉売(税制面での優遇、小包の赤字を独占事業である信書の黒字で補填、小包と信書を同じ輸送便で配送してコスト計算を行っているなど)を主張し、独占禁止法第24条に基づき差止請求を提訴した。しかしローソンの受託を皮切りに、ミニストップ、デイリーヤマザキ、am/pm、サークルKサンクス、セイコーマートなど各チェーンもこれに続いた(一部は、日本通運とのデュアル対応から、ペリカン便のJPEX移行時にゆうパックに統一)。訴訟については郵政民営化に伴い、旧公社より郵便事業→日本郵便が承継した。
ヤマトの一連の動きは以下の通り。
- 2004年9月28日 - ヤマト、公社に対し独禁法第24条に基づき差止請求を東京地方裁判所に提訴。
- 2006年1月19日 - 東京地裁、公社による不当廉売の立証が不十分などの理由で請求を棄却。
- 2006年2月1日 - ヤマト、一審判決を不服として東京高等裁判所に控訴。ヤマトは差止請求に加え、損害賠償も請求。
- 2006年9月11日 - ヤマト、公社を独禁法第45条に基づき違反被疑者として公正取引委員会に申告。
- 2007年11月28日 - 東京高裁、旧公社による不当廉売とはいえないなどの理由で控訴を棄却。
- ヤマトは判決に対し、内容を十分に検討した上で判断するとしている。
なお、ヤマトは公社発足と同じ2003年4月1日より「クロネコメール便」の運賃を第一種定形郵便物の料金を意識した80円からとし、その後セブン-イレブンやファミリーマートを窓口として受け付けている。後に、2010年9月よりデイリーヤマザキが、ゆうパックから宅急便に切り替えたことに伴って、デイリーヤマザキでも「クロネコメール便」の受付を開始している。
ペリカン便との統合
2007年10月5日、日本郵政と日本通運両社の宅配便事業を統合することを目的に、合弁会社を2008年10月1日をめどに設立し、ゆうパックが日本通運の宅配サービス「ペリカン便」と事業統合することが発表された[23]。
その後、2008年6月に統合準備会社JPエクスプレス株式会社が設立され(設立当初は出資比率は50%ずつ、2008年8月に日本郵便66%、日本通運34%に変更)、2008年8月末までに合弁会社の事業の詳細、新ブランドや新サービスの内容を公表、宅配便事業の統合は2009年4月に行うと発表された(実際には、JPEXの出資比率は2009年4月に変更され、この時点ではペリカン便のみを譲受することになった。ゆうパックの割譲は同年10月に予定された。)。システム・運送体制は「ペリカン便」、運送料金体系は「ゆうパック」をベースとし、新しいブランド名を発表する予定としていた。また、料金後納扱いのゆうパックは、「JPEX掛売」(即ち、ペリカン便扱い)へ移行するようアナウンスを開始することになった。
しかし、2009年9月11日付で、予定されていたゆうパックの割譲(JPEXへの完全統合)は延期されることが発表された。同年10月1日時点では、既に廃止準備に入っていた一部地域のペリカン便事業所の集配業務を、郵便事業の一部支店が代行することになり、さらに2009年12月24日には、2010年7月1日付で郵便事業がJPEXからペリカン便(JPエクスプレス宅配便)事業を譲受することが発表された。同日以降の郵便事業が手がける荷物のブランド名は「ゆうパック」に統一され、システム・運送体制は従来のゆうパックをベースとするが、サービスレベルはJPEXを継承し、その後速やかにJPEXを清算させることが明らかになった。
統合は予定通り2010年7月1日に実施されたが、準備不足と荷物の急増(従来の2つのブランドの荷物を扱うことになった上、中元シーズンの開始時期であった)が原因で、荷物を集積する各ターミナルはパンク状態に陥り、全国的に大規模な遅配問題が発生した。15日には正常化宣言が出されているが、このように事業統合に相応しくない時期を選ばざるを得なかったのは、荷物取扱量の減少により、最終的な累積赤字が約1000億円に達したJPEX事業の清算を早期に行わざるを得なくなったという背景があった[24]。
この遅配問題との直接の関連は不明だが、これまでゆうパックを取り扱っていたデイリーヤマザキが2010年9月1日よりヤマト運輸へ提携先を切り替えると発表した。
なお、統合の2010年7月1日以降、配達日数に若干の変更があった。これは以下の要因による。
- 運送経路は従来のゆうパックのものをベースとしつつ、JPEXから継承したターミナル施設、自動仕分機を活用して荷物の仕分作業を行うこととした。
- ゆうパック事業が荷物専用のサービスという位置づけになったため、従来は郵便物とともに搭載・運送されていたゆうパックは、新たに荷物専用便が仕立てられ運送されることとなった(荷物専用便数は郵便物便数に比べて少ない)。また、ゆうパックの航空機積載は離島等を除いて行われないこととなった。
配達日数はJPEXのものがベース[25]となったため、One DayサービスやOne Nightサービスなどで統合後のサービス縮小がみられた。
従来、郵便関連のコールセンターは日本郵政グループ共通の番号を使用しており、従来のラベルにもこの番号が表示されてきたが、2010年7月以降に配布された現行のラベルには、ゆうパック専用コールセンター番号の表示に変更されており、番号自体は、JPEXから継承した番号が表示されている。なお、従前より支店単位で設置していた集荷専用フリーアクセス[26]も、継続して利用可能となっている。2004年のリニューアル以前より稼動し、支店ごとのフリーアクセスが設置される前から運用されていた、一部地域で利用可能な0120-950-333(東京23区内は0120-950-489)のフリーダイヤルもいまだに利用可能となっている。
このほか、2004年9月以前に発行されたお問い合わせ番号11桁の送り状ラベル(一般元払い用と書留用)が、今般の統合を以って日本通運名のペリカン便ラベルとともに使用停止となった(現在は、民営化以前を含め、2004年10月以降に発行されたもののうち、民営化前の代引ゆうパック用ラベルや2010年6月以前に発行されたゴルフ・スキーゆうパック/空港ゆうパック用ラベルなどのような一部を除くラベルと、JPエクスプレス名の送り状であれば原則利用可能である)。なお、統合前に発行されたラベルにはない、現行の時間帯指定(のうち、14時以降枠での指定)を希望する場合や、輸送中の下積厳禁の取り扱いを希望する場合は、摘要欄に記載することで対応可能となっている(いずれも、受付担当者に口頭で伝え、その場でシールの貼り付けを行うことでも対処可能)。
以上の体制による事業統合後も取扱個数は減少を続け、郵便事業会社の2010年度(平成22年度)営業損失1612億円のうちJPEX継承に関するものが1066億円を占めるに至る程に経営状況が悪化した[27]ことから、収支改善のために輸送体制の効率化を図る目的で、2011年度(平成23年度)からはゆうパックの専用輸送便を廃止し、郵便物との混載に戻すこととなった[27]。これにより、2011年8月28日以降、ゆうパックは郵便物との混載による輸送体制に戻った他、旧日本通運・JPEXのターミナル施設を継承したターミナル支店のほとんども廃止され、これらの拠点に移されていた区分・仕分け作業も統括支店に戻ることとなった[28]。また、輸送体制変更に伴う送達日数への影響を緩和するため、長距離区間でのゆうパックの航空機積載も復活した[28]。
2012年10月1日の日本郵便株式会社発足に伴い、企業名を変更したラベル(ロゴマークは、新設されたJP POST郵便局に変更)が新調されるが、当面は、従来の「郵便事業株式会社」名のラベルも並行して配布する形となり、1年以内に差し替えを順次行うとしている(2012年現在)。なお、郵便事業名ラベルの配布完了後も、当面は利用可能としている。
JPエクスプレスとの統合
2010年7月1日、JPエクスプレス(JPEX)から宅配便事業を譲受されることに伴い、ゆうパックのサービスが、一部従来のペリカン便ベースのものに変更された。なお、これに先行して6月24日には「ゆうパック.jp」のウェブサイトが公開された。サービスの変更点については同ウェブサイトで詳しく記載されている。「ゆうパック.jp」の公開は、2011年3月31日を以って終了。
諸問題
ゆうパックが誤配され、中に入れられていた貴重なクワガタムシなどがすべて死滅した例があり、この件では、受け取る予定だった男性が日本郵便を相手取り、損害賠償を求める訴訟を起こしている。日本郵便側は、「ゆうパックには動物が死亡した時の取り決めはない」などとして反論している[29]。