べにばな (列車)
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べにばなは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が米沢駅 - 新潟駅間を米坂線・羽越本線・白新線経由で運行する快速列車。
概要
かつての急行「あさひ」が前身で、仙台と山形、新潟とを結ぶ都市間連絡急行として重要な役割を果たしていた。特に急行列車が主流だった頃は、多層建て列車として、新潟 - 坂町で急行「羽越」と併結、仙台 - 山形で急行「月山」と併結、山形 - 米沢で急行「もがみ」・「千秋」と併結して運行していた。
1982年11月15日に上越新幹線が開業した際、「あさひ」は速達タイプの列車愛称として採用され、現名称に改称された。山形県特産のベニバナ(同県の県花でもある)に由来する。
その後は米坂線と併走する国道113号の高規格化、山形新幹線工事に伴う奥羽本線の標準軌化、そして高速道路網の整備などで都市間輸送列車としての役目をほぼ終え、現在では米坂線内が各駅停車となるなど、上越新幹線への接続列車と米坂線内のローカル輸送に役割を変えている。
なお、現在では鉄道での仙台 - 新潟間は大宮乗換で東北・上越新幹線を利用するルートが最速となっている。また、仙台 - 新潟間には磐越自動車道・東北自動車道を経由する高速バス(WEライナー)が、山形 - 新潟間には国道113号・日本海東北自動車道を経由する特急バス(Zao号)が、それぞれ運行されている。
使用車両
新津運輸区所属のキハE120形・キハ110形の2両編成で運用される。全車普通車自由席。なお、全区間でワンマン運転が実施される。
停車駅
沿革
- 1960年 - 仙台駅 - 新潟駅間を仙山線・奥羽本線・米坂線・羽越本線経由で運行される準急列車「あさひ」として2両で運行開始。
- その名前は、米坂線沿線にある朝日連山に因むものである。
- 1962年 - 「あさひ」1往復増発。「あさひ」2往復体制となる(1往復2両、1往復3両)。
- 1966年 - 「あさひ」、急行列車に昇格(1往復3両、1往復5両)。
- このころ、「あさひ」が都市間連絡急行として重要な役割を果たしていた。端的な例として、新潟駅より急行列車を使って盛岡駅以外の東北5県の県庁所在地駅に乗り換えなしで行く事が出来た。この当時いかに急行列車が都市間移動に重宝されていたかがよく分かる。ちなみに末期ではあるが時刻表昭和51年(1976年)10月号から抜き出すと以下のようになる。
- 秋田駅・青森駅
- 福島駅・山形駅・仙台駅
- 「あさひ1号」612D 新潟発 7時19分→山形着10時55分→仙台着12時30分(羽越・米坂・奥羽・仙山線経由)
- 「あがの1号」913D 新潟発 8時20分→福島着13時15分→仙台着15時24分(磐越西線・東北本線経由)
- 「あさひ2号」614D 新潟発15時33分→山形着19時17分→仙台着20時50分(羽越・米坂・奥羽・仙山線経由)
- 「あがの2号」915D 新潟発16時14分→福島着20時55分→仙台着23時13分(磐越西線・東北本線経由)
- 1978年 - 2往復とも、6両化。
- 1982年 - 上越新幹線開業を前に「あさひ」の名称は「べにばな」に改称。
- 1985年 -「べにばな」、快速「仙山」と系統を分離し、運行区間を山形駅発着に変更。同時に2往復とも3両化。
- 1991年 - 「べにばな」、山形新幹線工事の進捗に伴い、米沢駅発着の快速列車に格下げ。
- 廃止時停車駅(「あさひ」時代を含めて)
- 2001年 - 夜の時間帯の快速「べにばな4号」を廃止、新津(水原経由) - 坂町 - 米沢間の普通列車に格下げ。
- 2002年 - 昼の時間帯の快速「べにばな1号」を坂町駅止まりとする(坂町で普通・新潟行に接続)。
- 2007年3月18日 - 昼の時間帯の快速「べにばな1号」が各駅停車に格下げ。(号数自体は3月15日に廃止)その為、「べにばな」の愛称を持つ列車は、『1往復のみ』となる。
- 2008年6月28日-29日 - 団体臨時列車として、新潟 - 米沢間で急行「あさひ」がリバイバル運転運行された。
- 運行車両はキハ58新津車、国鉄急行色2両。
- 2009年3月14日 - 車両をキハE120形・キハ110形気動車に置き換え。同時に新潟 - 米沢の全区間でワンマン運転開始。