ねじめ正一
ねじめ 正一(ねじめ しょういち、男性、1948年6月16日 - )は日本の詩人、小説家。本名は禰寝 正一(読みは同じ)。東京都杉並区生まれ。杉並区立杉並第四小学校→杉並区立高円寺中学校→日本大学第二高等学校卒業。青山学院大学経済学部中退。父は俳人のねじめ正也。長男は俳優のねじめ宗吾(ねじめ そうご、本名:禰寝宗吾、1975年5月4日 - )。長女は脚本家の禰寝彩木(ねじめ さえき、1979年2月11日 - )。
人物
高円寺北口商店街の乾物屋の長男として生まれる。1966年に乾物屋を廃業、父正也が美術・骨董を趣味としていたことから民芸店「ねじめ民芸店」を開店する。1972年に区画整理による立ち退きに遭い、阿佐ヶ谷・パール商店街に移転。現在もオーナーとして経営している。日本文学学校にて鈴木志郎康に学び、実験的で暴力性の高い詩を発表する詩人としてデビュー。朗読パフォーマンスなども積極的に行う。高橋敏夫や絓秀実らとともに『季刊 現代批評』編集発行人。自身の少年期の経験をもとにした『高円寺純情商店街』をはじめ、小説・エッセイの著書も多い。TBS番組審議会委員などを経験。
元草野球チーム「ファウルズ」に所属し、年間数十試合をこなすほどの野球好き。熱狂的な長嶋茂雄、巨人ファンとしても有名である。2007年頃からは落合博満のファンであると公言。きっかけは、第2次長嶋政権下の巨人時代に落合が移籍してきた際の「長嶋監督を胴上げするためにやってきました」のひとこと・顔の表情を見ているうちに、ねじめ自身と落合が重なる部分が出てきたことにより、より興味が湧いたという[1]。また、2004年に落合が中日ドラゴンズの監督に就任してからは、他球団もバランスよく試合を見るようになったと同時に、2002年オフにニューヨーク・ヤンキースへ移籍した松井秀喜の代わりの選手を育成しようとせず、ヤクルトスワローズから安易にロベルト・ペタジーニを獲得した巨人のやり方を疑問視し、自然と自分の好きな巨人を厳しい目で見るようになったという。
まだ知名度が高く無かった頃、「スーパー写真塾」と言う写真投稿系エロ雑誌に、連載(出演?)コーナーを持っていた。 内容は写真を使った数ページのエロ漫画のような物で、ねじめ本人が主人公で出演。 海岸の砂浜ですれ違った女性たちを追いかけて水着を脱がして全裸にした上で股間にスイカを押し当てたり、 妻役の女性にストリップが見たいからやってみせてと懇願したりと、現在の状況からは想像もつかぬほど低劣であった。
経歴
- 1981年 - 詩集『ふ』により、第31回H氏賞を受賞。
- 1989年 - 『高円寺純情商店街』により、第101回直木賞を受賞。
- 1994年 - 『ひゃくえんだま』により、第4回けんぶち絵本の里大賞びばからす賞を受賞。
- 1997年 - 詩のボクシング初代チャンピオン。
- 1998年 - 課外授業ようこそ先輩に出演。
- 2001年 - NHK人間講座で「言葉の力・詩の力」を担当。
- 2004年 - 『まいごのことり』により、第15回ひろすけ童話賞を受賞。
- 2008年 - 『荒地』の詩人たち、田村隆一・北村太郎・鮎川信夫を描いた『荒地の恋』で中央公論文芸賞を受賞。
- 2009年 - 『商人(あきんど)』により、第3回舟橋聖一文学賞を受賞。
作品リスト
小説
- 高円寺純情商店街 新潮社、1989、のち文庫。主に乾物屋を営んでいた実家のエピソード描いたもので教科書にも後に掲載された。(1994年光村図書 中学校国語2年にて「六月の蠅取り紙」が取り上げられる。)
- 高円寺純情商店街-本日開店 新潮社、1990 のち文庫
- 恋愛さがし 講談社 1991 のち文庫
- 恋愛伝説1997 集英社 1991 「香港ラプソディ」文庫
- かなしい恋愛 文藝春秋 1991 のち文庫
- そこまでやらなくてもいいのに物語 角川書店 1991 「熱血じじいが行く」文庫
- 赤チンの町 新潮社 1993 のち文庫
- おしっこと神様 文藝春秋 1993 「鳩を飛ばす日」文庫
- 昼間のパパと夜明けの息子 日本経済新聞社 1994
- こちら駅前探偵局 読売新聞社 1995 のち光文社文庫
- 熊谷突撃商店 文藝春秋 1996 のち文庫(当時、実家の高円寺商店街にいた洋服屋の女主人・熊谷清子さんを主人公にした小説で、少年ねじめ正一が心ときめかしていた清子さんの人生の物語である。清子さんは、女優熊谷真実・松田美由紀の母である。清子さんが亡くなった後に実の娘熊谷真実の一人芝居として舞台化される。
- 風の棲む町 日本放送出版協会 1996 「青春ぐんぐん書店」新潮文庫
- アーケード殺人事件 こちら駅前探偵局 光文社 1997 「こちら子連れ探偵局」文庫
- 高円寺純情商店街 哀惜篇 新潮社 1998
- 熊谷キヨ子最後の旅 文藝春秋 1999
- 眼鏡屋直次郎 集英社 1999 のち文庫
- 出もどり家族 光文社 2002 のち文庫
- 焼け跡のナポレオン 文藝春秋 2002
- 万引き変愛記 集英社 2003 「万引き天女」文庫
- シーボルトの眼 出島絵師川原慶賀 集英社 2004
- 荒地の恋 文藝春秋 2007
- 商人(あきんど) 集英社 2008
詩集
- ふ 櫓人出版会、1980
- 脳膜メンマ 弓立社、1983
- ねじめ正一詩集 思潮社、1985
- いきなり、愛の実況放送 思潮社 1985
- ニヒャクロクが上がらない 思潮社 1995
- ひとりぼっち爆弾 思潮社 2005
- あーちゃん ねじめ正一詩集 理論社 2006
エッセイ
- これからのねじめ民芸店ヒント 書肆山田 1983
- ねじめの歯ぎしり リブロポート、1984
- 咲いたわ咲いたわ男でござる 朝日出版社 1985
- 長嶋茂雄デラックス JICC出版局 1988
- プロ野球大放言!! ぱる出版 1990
- どれみても純情 集英社文庫 1990
- ご近所パラダイス 読売新聞社 1990 のち新潮文庫
- 輝け!ご近所の星 角川文庫 1991
- 今日もトットと陽はのぼる PHP研究所 1991
- 新ねじめのバカ 集英社文庫 1991
- 人呼んで純情正ちゃん 集英社文庫 1992
- ご近所ルネッサンス 読売新聞社 1992
- こいつらが日本語をダメにした 赤瀬川原平・南伸坊共著 東京書籍 1992 のちちくま文庫
- 長嶋茂雄ルネッサンス JICC出版局 1993
- ご近所エンジェルス 読売新聞社 1993
- それでも男と暮らしたいのか PHP研究所 1994
- 「ことば」を生きる 私の日本語修業 講談社現代新書 1994
- 純情ねじり鉢巻 マガジンハウス 1994
- ねじめの長嶋茂雄日記 東京新聞出版局 1997
- 長嶋さんへの二〇〇通の手紙 二宮清純共編 ザ・マサダ 1998
- 読むところ敵なし 言葉のボクシング ハルキ文庫 1998
- 長嶋家の謎 茂雄・亜希子夫妻&一茂&三奈 長嶋家研究会共著 光文社 1999
- 昭和少年図鑑 峰岸達共著 白泉社 1999
- 二十三年介護 新潮社 2000 のち文庫
- 言葉の力を贈りたい 日本放送出版協会 2002
- 天使の相棒 杉浦忠と長嶋茂雄 ホーム社 2003
- ニッポン商人語録 青春出版社 2003
- 老後は夫婦の壁のぼり 清流出版 2006
- とはいえ、熟年離婚に物申す 工藤美代子共著 メディアパル 2008
- 落合博満 変人の研究 新潮社、2008
児童書
- そうじき 飯野和好絵 鈴木出版 1991 (たんぽぽえほんシリーズ)
- そっくりで 尾崎真吾絵 鈴木出版 1993 (たんぽぽえほんシリーズ)
- ひゃくえんだま 荒井良二絵 鈴木出版 1994 (たんぽぽえほんシリーズ)
- かあさんになったあーちゃん 偕成社 1997
- そーくん 南伸坊絵 佼成出版社 2000 (きらきらジュニアライブシリーズ)
- しゃくしゃくけむしくん 福音館書店 2001 (福音館創作童話シリーズ)
- ピーコポンチャン 鈴木出版 2001 (ひまわりえほんシリーズ)
- あいうえおにぎり 大きな声で読む詩の絵本 偕成社 2001
- ぎゅうぎゅうかぞく 鈴木出版 2002 (ひまわりえほんシリーズ)
- がっこうのうた 大きな声で読む詩の絵本 偕成社 2004
- そらとぶこくばん 福音館書店 2004
- まいごのことり 佼成出版社 2004 (おはなしドロップシリーズ)
- さんぽうた ポプラ社 2005 (ママとパパとわたしの本)
- わがままいもうと 教育画劇 2005
- きぜつライオン 教育画劇 2007
- はなやのおばさん 童心社 2008 (絵本・こどものひろば)
作詞
- 花と一緒(平成17年度NHK全国学校音楽コンクール中学校の部課題曲。作曲は横山潤子)
テレビ出演
脚注
- ↑ 「落合博満 変人の研究」より