闘士ゴーディアン
テンプレート:出典の明記 『闘士ゴーディアン』(とうしゴーディアン)は、タツノコプロ・読売広告社が制作し、1979年10月7日から1981年2月22日まで東京12チャンネル系列で放送されたロボットアニメ。全73話。西部劇調の雰囲気が特徴。再放映時にはOPが変更され『分身合体 闘士ゴーディアン』と改題された。
放送時間は第26話までは毎週日曜日10:00 - 10:30、第27話以降は毎週日曜日7:30 - 8:00。
目次
物語
彗星ソコネス、惑星ウカペ、惑星スカイルの異常接近により起きたビッグカタストロフは、地球に天変地異をもたらし、すべての文明を破壊した。復興をはじめた人々は各々の地に都市(タウン)を創り、そのタウンごとに暮らすことを余儀なくされる。その混乱に乗じて謎の毒魔大帝統率いる秘密結社、マドクター軍団は各タウンに侵略を開始した。アメリカ西部のヴィクトールタウンを守るメカニカル・コンバット部隊第18連隊に加入したダイゴは、父の遺したゴーディアンを駆使してマドクター軍団と戦う。
ゴーディアンの秘密、ヴィクトールタウンの秘密、ダイゴ自身に隠された秘密、そして「太陽のすかし」とは、一体何か?そして訪れる更なるビッグカタストロフから逃れる術は?ダイゴたちとマドクターは謎のエネルギー、イクストロンを巡る激闘を繰り広げる。
登場人物
ヴィクトールタウン(後にサントーレ砦)
- ダイゴ 大滝
- 声 - 安原義人
- ゴーディアンを作った大滝博士の息子。彼にしかゴーディアンを正常に扱うことができない。生まれ育ったカーペ・ヴィレッジで父の友人(母の兄)のゲン爺さんに育てられ、その後メカコンに入隊する。父や姉、ゴーディアンのことを知らずに育ったため、当初は戸惑うこともあり、サオリに対しても素直に姉と呼べず、機械に意識を移した父に対し反発することもあった。
- 当初はゴーディアン操縦者である事を隠しながらマドクターと戦うが、物語中盤正体を明かしてからはメカコン隊の中核として互いに助け合いながら激闘を続けていく。直情径行の持ち主で、すぐカッとなる。隊の規律を無視し個人行動を取ることが多かったが、マドクターとの激闘を通じて成長し、勝手な行動を取って皆に迷惑をかけたポールやメリー夫人たちを許す心の広さも持つようになる。
- 銃の名手であり、その腕は百発百中、トロスクルスをして「天性のガンマン」と言わしめるほど。エンディング映像にある電子ロープはマドピューターを破壊するほどの威力だが、あまり多用しなかった。
- クリント
- ダイゴとは幼いころから一緒だったメカ豹で、ダイゴとは家族同然。自意識を持ち戦闘時には自分の判断で戦う。主にダイゴの命令で動くが、サオリや他のメンバーの言うことを聞くこともある。
- エネルギー源はオイルで、動物のように口から摂取する。動物的な直感が働くのか、敵の気配を素早く察知する。戦闘能力は高く、単独でマドピューターを破壊することも可能であり、ゴーディアンをおびき出すための囮として捕らえられた時もメカコンの助けを借りず自力で牢を破り脱出した。またほとんど全ての環境にも対応可能で、最終回ではゴーディアンの肩に乗り宇宙空間にも出撃した。しかしその際に敵の直撃を受け、破壊されてしまう。
- ピーチィ
- 声 - 井上瑤
- メカコン隊員、後にサントーレ女子隊隊長。ダイゴとは池で水浴びしてるところを偶然見られてしまったのが初対面。気が強い性格で、ダイゴへの好意を素直に表せない。ホワイト・シティに両親が赴任しており、母への手紙にはダイゴのことを書いていたようだ。他の女子隊員がダイゴにチヤホヤするとやきもちを焼く。ロゼに対しても、その正体が分からないうちは対抗意識を持っていた。
- 人工衛星捜索時には指揮を執ったこともある。幼馴染のポールには好意を持っていたが敵に寝返ったと知ったとき、躊躇わずに銃を抜いた。母の勧めで負傷したマドクター兵士を解放したが、無残にも兵士は処刑され母も巻き添えで死んでしまう。しかしこの事件がきっかけでマドクター青年将校が反乱を起こすことになる。
- バリーホーク
- 声 - 納谷六朗
- 変わり者の集まりで知られる、メカコン18連隊の隊長、後にサントーレ隊隊長、アノー号艦長を務める。愛称はバリー。
- 常に前線で指揮を執りつつ、自らも銃を持ちマドクターと戦う。隊員たちには兄貴分として慕われている。部下思いの性格で、アンノンジーからダイゴをかばったり、同格のカスターに自分の隊を侮辱され激昂することもあった。その一方でダイゴの単独行動のせいで隊に犠牲者が出たとき、ダイゴを殴って除隊させたことから、公平を重んじる性格が見られる。
- 生真面目で沈着冷静な指揮官だが、ダイゴの規律違反を大目に見る懐の広さもある。サオリに好意を持ち、その前では骨抜きになってしまうが、仲は進展しなかったようだ。
- ダルフ
- 声 - 鈴木清信
- メカコン隊員、アノー号では通信を担当。おっとりした性格のダイゴの同僚。メカコンの時にはダイゴと同室だった。自分と同室になる奴は死ぬというジンクスを持っていることからダイゴを気づかう。ロス・シティにいる家族にいつも収入を仕送りに宛てていたが、マドクターの攻撃により全員死亡する[1]。
- 趣味は編み物。キャシーというガールフレンドがいて、後にサントーレで結婚する。この作品に出ているカップルの中で、劇中できちんと結ばれたのは彼らだけである。ヴィクトールタウン陥落時にはキャシーを助けようと一人隊を離れ、一時行方不明になるも最終的にキャシーとともにサントーレに合流する。サントーレでは何回か小隊を指揮したこともあり、アノー号にイクストロンを注入する際はハナマキ博士の助手をしていた。
- 純粋で気の弱いところがあるが、災害で壊滅したヨーク・タウンに救援を送る際に、渋る竜馬やダイゴに反発し強く支援を主張したことがある。
- アンノンジー
- 声 - 増岡弘
- メカコン隊長官、後にサントーレ砦司令官。風采の上がらない中年男性だが、頼れる司令官。主に作戦立案と総指揮を担当する。ダイゴに怪我をさせられたことを根に持ち、ダイゴを辞めさせるようバリーホークに命令したことがあるが、マドクターとの激闘を通じ、ダイゴを「最も信頼できる部下」と評価する。
- 軍人気質の持ち主で本来政治的なことは苦手。タウン会議を招集し、各タウンに救援を求めたが、マドクターの裏工作で失敗に終わる。サントーレへ移住する際には自ら先頭に立ち民間人を誘導している。アノー号出発の際には搭乗せず、サントーレ砦に残り地球に残った人類のために尽力する事を選んだ。
- サオリ
- 声 - 高島雅羅
- ダイゴの姉。ダイゴを待ちながらサントーレ砦をずっと守ってきた。ヴィクトールタウン陥落時には自ら先頭に立ちサントーレへの移住を受け入れている。その際は相談役としてバリーたちの補佐に回る。アノー号でも同様の役を担っていた。おそらく父から機械類の使い方を教わったと推測される。
- ダイゴを守るため第一話でゴーデイアンに乗り込み、無理に動かしたため全身に火傷を負う。後にダイゴと二人で砦地下の泉に行き火傷を治療した[2]。コンピューター「サントーレ」の在るゴーディアン基地からダイゴを支援する。
- 本来は父と二人でサントーレに住み、ダイゴを待つはずだったが、トロスクルスに父を撃たれてしまう。ロゼやチョコマを引き取り育てたのは寂しさを隠すためだったのかもしれない。争いを好まない性格であるが、父の仇トロスクルスがサントーレに来た際、ライフルで撃とうとし、ロゼに止められる。ダイゴと違い母の思い出があることから、ギャラクシーポートの支配者マダムクイーンが実母だと看破した。
- ロゼ
- 声 - 吉田理保子
- チョコマとともにサントーレに住んでいる勝気な女の子。 初期の頃はダイゴのために情報を仕入れてきたりして、ゴーディアンのサポートに尽力した。序盤ではエンジンつきのローラースケートを移動に使用していた。サントーレ内の機械類の操作を難なくこなすが、サオリに教わったからと推測される。サントーレ隊結成後も諜報活動などに活躍しており、ブラスターパック達と共に行動することも多くなった。
- その後、太陽のすかしを探すためにジェロニモ16世たちとともに行動することになる。その旅路の中、ジェロニモに恋心を抱き、彼とともに地球に残る事を選択、後に彼との子供を出産している。ちなみにピーチィはロゼがダイゴに好意を抱いていると思っていたが、本人はそんなことは考えていなかったようだ。また同性である女子部隊にはなぜか対抗意識を持ち喧嘩沙汰にまでなった。
- チョコマ
- 声 - 鈴木れい子
- ロゼの弟分。本当の家族とは死別しており、ロゼと共にサオリに引き取られた。 サントーレ隊結成後はサントーレ少年隊の実質上のリーダーとして、ダイゴたちのサポートに尽力した。チョコマもロゼと同様、サントーレ内の機械操作が可能であり、車の運転まで一人でこなす。ヴィクトールタウンの官僚であるアンナマリーと知り合い、まだ見ぬ母性を彼女に感じ、サントーレを出て彼女と同行しようとしたことがある。
- 出発の日、サオリたちと共にアノー号に乗り込むことになったチョコマは、地球に残る事を選んだロゼにサオリを守るように頼まれている。そしてそれは、今まで一緒に行動を共にしてきたロゼとの別れの時でもあった。
- 大滝 キョウタロウ[3]
- 声 - 増岡弘、北村弘一
- ダイゴとサオリの父であり、第2のビッグカタストロフを予言した科学者。その日のためにサントーレ砦内に様々な施設やゴーディアンの基地を建造した。しかし、決闘相手と誤認してしまったトロスクルスに撃たれてしまい、命を落としてしまう[4]。死ぬ直前にサントーレのコンピュータに記憶を移植し、それ以降はサオリと共にこの基地を守り続け、ダイゴが成長するのを待った。
- ビッグカタストロフについて全てを知っていたわけではなく、ジェロニモがもたらしたインディアンの言い伝えにより全ての事情を知る。多くの科学者や政治家に影響を与えた人物ではあったが、ダイゴには真実を告げず、サオリをサントーレに縛りつけ、妻のナオミとは別れてしまい、ビッグカタストロフ阻止のためとはいえ、結果的に自分の家族を犠牲にしてしまう。最後は自分を維持するためのエネルギーをイクストロン砲にまわし、毒魔殿を破壊した。
- ブラスターパック
- 声 - 黒部鉄(現・屋良有作)
- メカコン第一工作隊隊長、のちにサントーレ隊では小隊長、アノー号ではコンバット隊の隊長を務める。爆弾のプロフェッショナルで、トラップの扱い方については彼の右に出るものはいないと言われている。女子供との作戦を嫌がっていたが、結局そうは言っていられなくなり受け入れざるを得なくなる。
- 銃を取っての前線での戦いもするときもあるが、彼の本領が発揮されるのは潜入工作である。初登場時には怪我こそしたものの、バルバダスを指揮官機もろとも爆破し、奪われたアノー号に部下とともに残って妨害工作を行った後、補助エンジンを動かす技術者を脅しサントーレに誘導させる。さらに部下と二人で占領下のヴィクトールタウンに乗り込み、イクストロン発掘現場を破壊し無傷で帰還。その際エリアスが巻き添えになった。再度ダイゴと二人で潜入したときはドクマ殿に侵入、毒魔大帝統のホログラムを破壊し正体を暴いた。
- キッチリと成果を出すプロ軍人である。しかし顔に関してはお世辞にもよいとは言えず、好意を寄せているアンナに「あんなゴリラみたいな顔」と言われてしまった。性格が似ているのか、ダイゴと共に行動する事が多く、ダイゴが立てた作戦に付き合うときもあった。
- ポール
- 声 - 石丸博也
- ヴィクトールタウン青年隊隊長。ピーチィの幼馴染でもある。だが彼にはマドクターのスパイという裏の顔があった。その理由は陥落後のタウンにとり残された両親をマドクターに人質にされ、脅されていたためであった。結果的に彼の裏切りがヴィクトールタウン陥落を決定的なものにしてしまった。捕らえられている両親を救うために勝手な行動と規律違反を繰り返すも、結局目の前で父を殺されてしまう。ポールがスパイだと知ったダイゴだったが、みんなのために罪を償えと言い、自暴自棄になった彼を立ち直らせた。
- サントーレに拠点を移した後はサントーレ隊に協力をし、アノー号ではサブパイロットを努める。自分と境遇の似たアニタにシンパシーを感じ、アニタの特攻をあえて見逃した[5]。
- カドクラ博士
- 大滝博士と共に、彗星ソコネス、惑星ウカペ、惑星スカルプの異常接近により起きた異変後の世界を、第二の破局を、乗り切るために、ヴィクトールタウンと基地を造った。(第14話)
- ハナマキ博士
- 声 - 緒方堅一(現・緒方賢一)
- 第2 ビッグカタストロフ予言演説会のとき、偶然大滝博士と出会わせた人物。大滝博士の思想に共感し、マドクターに会場を襲撃された際にも彼の脱出の手助けをした。その後、トロスクルスを通してサントーレ基地の存在を知る。タウン会議の際にはウイングタウン市長とともに参加するも、マドクター襲撃により市長は死亡、以降ダイゴたちに協力するようになった。ヴィクトールタウンの地下にあるイクストロンの存在にいち早く気づき、マドクターにヴィクトールタウンを占拠された後もイクストロンの解明に全力を注いだ。
- 作業に夢中になると乱暴になる傾向がある。後半のキーパーソンの一人であり、それまで弱かった科学部門を一手に引き受ける。エンディング表記はなぜかあだ名の「チビヒゲ博士」。アノー号には乗らずに地球に残り、地下に残されたイクストロンを用いて地下都市を建造したり、地球製アノー号である「サントーレ号」を建造するなど、地球に残された人類の生存に全力を注いだ。
- アニタ
- 声 - 小宮和枝
- 反タウン組織「青シャツ党」リーダーであるゲバリスタの妹。兄とともにヴィクトールタウンで反乱を起こそうとしたが、それはマドクターの工作であり、利用されたと気付いたときは遅かった。兄は死に青シャツ党は壊滅、これ以降ヴィクトールタウン内にマドクターが侵攻し、やがては陥落してしまう。ダイゴに付いて行けという兄の遺言には従わなかった。
- サントーレ砦では青シャツ党員であったことから差別され、行き場を無くしてしまう。自殺覚悟でマドクターに単身乗り込むが、そこで偶然行方不明だったダルフとキャシーと合流する。結局ピーチィの副長として女子部隊に入り、衛星回収時にはピーチィと二人だけで衛星を発見、回収する。しかしマドクターに対する恨みは消えずアノー号運搬の際協力したマドクター青年将校のテウスを撃ち殺そうとしたこともある。最終決戦で戦闘機に乗り出撃するも敵に撃ち落とされ死亡する。
- ドブロフ医師
- 声 - 飯塚昭三
- ヴィクトールタウンの病院で働いていた医師。サントーレ砦、アノー号でも一貫して医療部門を担当していた。過去のマドクターとの戦闘で息子を失っており、そのために酒びたりになっていた。しかし病院が襲撃されたときに負傷したマドクター兵士を一度は殺そうとしたが、手術することで自らの因縁を断ち切り、見事医師としてのプライドを取り戻した。アンナのために腎臓を一つ移植している。エンディング表記では、「トブロフ」と誤植されている。
- アンナ
- 声 - 麻上洋子(現・一龍斎春水)
- ドブロフ医師の助手。過去に彼によって命を助けられたのをきっかけとなり、看護士になった。ドブロスが自暴自棄になってしまったときも彼のことを信じ続け、因縁を断ち切るきっかけをつくった。
- ジェロニモ16世
- 声 - 村山明
- 一族に伝えられているといわれている「太陽のすかし」を探すために旅をしているジェロニモ族のリーダー。後半のキーパーソンの一人。ダイゴはヘルロックで彼らに助けられている。彼らのもたらした情報によりビッグカタストロフの完全な情報が手に入る。戦闘能力は高く、原始的な武器でマドクター兵士を撃退するほか、銃も扱える。
- 目的遂行を第一とするあまり、ロゼと一時別れた事もあったが、その後仲直りした。アノー号を発見した後はサントーレ隊と共に戦ったが、アノー号には乗り込まずに地球に残りロゼと結婚、息子をもうけている。息子のジェロニモ17世はハナマキ博士の建造したサントーレ号に乗り、ダイゴたちの後を追うことになる。
- レッドノーズ
- 声 - 千葉順二
- 自称インディアンの大酋長。自分の土地に勝手にマドクターが基地を建造し、メカコンに助けを求めたことがきっかけでヴィクトールタウンに居つく。何故だか言葉がたどたどしい(インディアンだからではない)。
- 特技は動物の骨を焼いてそのひびから占う朴占術。出番の大半がボケをかますだけであったが、ジェロニモ16世と合流後はジェロニモに同行する。その際マドクター兵士を徒手空拳で倒したり、武器を使用するなど、実力はあると推測される。彼が覚えていた儀式の歌と踊りによって、アノー号に燃料のイクストロンを注入する方法が得られる。最後はアノー号を守って敵の弾丸に倒れる。
- キャシー
- 声 - 山田栄子
- ダルフのガールフレンド。ヴィクトールタウンから離れたところで父と二人で住んでいた。父はヴィクトールタウン建造に携わっていたため、タウン設計図を持っており、それをマドクターに狙われ死亡する。その後も一人で住み続け、タウン陥落時もダルフが迎えに来ることを信じ待ち続けた。
- 母方の祖父はヨーク・タウンの鬼将軍といわれたスミス将軍で、結婚が許されなかったため両親は駆け落ちしたらしい。無理やりヨーク・タウンに連れ帰られそうになるが、スミス隊の窮地をダルフたちが助けたことから仲を許される。この時、ダルフと結婚式を挙げる。しかし戦闘中であるため、ゆっくりとした新婚生活はおくれなかったようだ。非戦闘員であるためアンナの手助けをしており、アノー号ではシスターミッチェルとともに生活班に任命される。
- オカモト 竜馬
- 声 - 古谷徹
- 自称天才策士で坂本竜馬の子孫。和服を着て土佐弁を喋る。ダイゴとはカーペ・ヴィレッジで幼い頃からの親友で、後半のキーパーソンの一人。初登場時には巨岩戦艦の情報と兵士を手土産に、砦に合流。偽の衛星をつかませてヴィクトールタウンに潜り込もうとしたり、誰も気付かなかったイクストロン砲の存在に気付くなど頭の回転が早い。またエリアスを捕まえたのも竜馬とダイゴである。物資の買い付けの際、彼の口八丁で仕入値段を通常の半分にまで値切らせたこともある。
- ビッグカタストロフから人類を救うために世界各地のタウンを回りサントーレ同盟への加入を訴え、仕上げとしてジョージタウンにてマドクターの青年将校たちにも協力を要請する。この際にサクシダー率いるマドクター憲兵隊の急襲を受け銃撃戦となるが、将校たちを地下通路で逃がした後に単身立ち向かい、凶弾に倒れてしまう。最期は「竜が天に昇るのが見える」とダイゴに言い残し、サントーレ同盟の結成やアノー号を見ることも無く息を引き取った。死後ダイゴは竜馬のことを「男の中の男だった」と涙ながらに褒め称えた。この将校たちの尽力によりヴィクトールタウンにいた捕虜は解放され、アノー号の運搬も成功する。
- フェスター
- 声 - 福士秀樹(一般隊員役も兼任)
- アノー号のメインパイロット。メカコン隊員と推測される。
- ヨーロッパ共同体タウン(ECT)で助教授をしていたが、第53話でタウンが壊滅した際にゴーディアンに助けられ、サントーレに合流する。科学者としてビッグカタストロフに危機感を抱いていた。
- アダムⅢ(スリー)
- 声 - 伊武雅刀(ナレーターも兼任)
- 数千年前に地球に漂着したイクストローム星人で、アノー号のことを伝えるためにクローン体として長い間待ち続けていた。ダイゴたちがアノー号で旅立った時にはナビゲーターとして彼らの助言もしている。 しかし彼の身体は度重なるクローンコピーによって生命体としての寿命が尽きかけていた。他の惑星に移住した同胞に必要以上に肩入れしたり、サントーレ号に接触する事を止めたりと、彼のアドバイスは決して公平なものばかりではなかった。
マドクター
- 毒魔大帝統
- 声 - 村松康雄
- マドクター大総統。ホログラムの姿でサクシダーたちの指揮を執る。その正体は8人のドグマ星人トップメンバーたちの頭脳集合体であった。マドクターのルーツが外宇宙からきた異星人であることは毒魔大帝統しかしらない。実際に幹部たちからは「毒魔大帝統さま」と呼ばれている。選ばれし民たちによる統治を最善と考えており、そのためには他のタウンはおろかマドクター兵士たちを殺すこともいとわない。毎回の作戦を毒魔黙示録で指示する。
- バラス
- 声 - 西村知道
- 最初は戦闘隊長に過ぎなかったが、数々の策略によって総統の地位にのし上がった。しかしその実力は今ひとつで、自分で判断できないときは毒魔大帝統に相談していた。ヴィクトールタウン占領後は総指揮官として人質を使った作戦でサントーレを苦しめた。しかし奪ったアノー号を運搬する際、自ら指揮を取るもミスをしてサントーレに奪い返されてしまう。その失敗の責任を取るために、毒魔大帝統にゴーディアンとの一騎打ちを命ぜられ、イクストロンを使用した最強の闘銃士マドックス・ドッグマン[6]に乗りこむ破目になった。3体が分離する瞬間を狙いゴーディアンを苦しめたが、隙を付かれてドッグマンもろとも爆死した。第二話が初登場であるがその際の表記はなぜか「ドクターX」であった[7]。
- サクシダー
- 声 - 北村弘一
- マドクターの参謀兼諜報長。毒魔黙示録の内容を読み上げるのは主に彼の担当である。数々の策略でサントーレ軍を苦しめた。初期は、三巨頭の中でも総統の地位に最も近い場所にいると思っていた。実際毒魔大帝統と直接話ができるのは当初サクシダーだけであった。クロリアスらとの権力争いに際しバラスを取り込もうとするも失敗、総統の地位を奪われてしまう。だがその後何か策を弄する気は無かったようで、バラスに忠実に仕える。
- バラスの死を見て不安にかられてしまい、エリアスに自然に仕えるようになる。最終回直前で合流したトロピーヌにより劣性遺伝子の持ち主とされ、何も落ち度は無いのに投獄される。毒魔大帝統もそのことを承知していたのか、彼を助ける気は無かったようだ。
- バルバダス
- 声 - たてかべ和也
- マドクターの戦闘隊長。最初はクロリアス直属だったがバラス側に寝返った。豪快な性格の割には忠実に命令を守るタイプ。サントーレに逃げ込もうとした一般市民を追い込もうとしたが、ブラスターバック達の罠にかかり絶命する。兵士の信頼はあまりなかったようである。
- エリアス
- 声 - 加川三起(現・鳳芳野)
- マドクターの最高幹部の一人でイクストロンの研究・調査担当。初期は目立った行動を起こす事はなかったが、ヴィクトールタウン占領時から出番が増える。サントーレ隊に捕まった際に彼女の口からマドクター六千年の歴史が語られ、ダイゴたちを驚愕させた。
- エリアスの家柄は代々貴族の家系で、先祖にはクレオパトラがいる。そのためか、部下たちは命がけで彼女を守っている。内心ではバラスを成り上がりと蔑んでおり、その死後は事実上の総統の地位を継いだ。サントーレとの最終決戦時にツタンカーメンを思わせる兜を被り中世風?の侍女を2人従える。サオリと気が合うのか、サントーレにいるのには惜しい女、とまで言っている。しかし最後までマドクターを裏切る事はなかった。後半は同じ最高幹部のサクシダーを盟友として信頼しており、最終回前の理不尽な仕打ちには納得行かなかったようだ。
- クロリアス
- 声 - 黒部鉄(現・屋良有作)
- サクシダー、エリアスと共にマドクター三巨頭を名乗っていた戦闘隊長。サクシダーには対抗心を燃やしていた。バラスの台頭に脅威を感じ、ひそかに暗殺を試みるも逆に罠にかかり殺されてしまった。
- ホクマドック
- 声 - 屋良有作、他
- ナンマドック
- 声 - たてかべ和也、他
- トウマドック
- 声 - 増岡弘、他
- サイマドック
- 声 - 伊武雅刀、他
- ヴィクトールタウン陥落後、バルバダスの後任として四方の門を守るために配置された将軍達。主に行動隊長といった役割であったが、これといった活躍はなく4人集めても個性はバルバダス以下というかわいそうな扱いを受けていた。その上、スタッフのミスによるものなのか、回によっては違う名前で呼ばれることがある。サントーレとの最終決戦時に4名のうち2名が倒されたが、残り2名の生死は不明。おそらく毒魔殿崩壊時に死亡したと思われる。
- トロピーヌ
- 声 - 加川三起(現・鳳芳野)
- エリアスそっくりのマドクター宇宙軍の司令官。しかし性格はエリアスと違い、人の命を弄ぶ残酷な行為を繰り返していた。それは、兵士をクローンスリープで生産し続けたためにそうなったといわれている。彼女は遺伝子の良し悪しで地位を決めるため、サクシダーを劣性遺伝子と決め付け、投獄している。
名うてのガンマン、およびアウトローたち
ゴーディアンの西部劇的な側面を担っているのは、トロスクルスをはじめとする無法者達である。ホバーバイクを馬代わりに、彼らは荒野を舞台に無法の限りを尽くす。
- ミスターX
- 声 - 西村知道
- トロスクルス
- 声 - 伊武雅刀
- 酒と博打には滅法強いらしい歴戦のガンマン。金さえ払えばどちらにでも付き、そのため双方に顔が利くがどちらからも信用はされていない。相手の弱みに付け込み、足元を見て仕事を売り込むこともある。支払いは主に金貨。基本的に一匹狼ではあるものの、仕事の内容によっては部下を金で雇うこともある。
- 好物はミルクで、バーのマスターに必ずと言っていいほど「アイスミルクをダブルで」と注文している。ダイゴの父、大滝博士を誤って撃ち殺したことに責任を感じ、ダイゴにガンマンとしての心得を教える。
- ダイゴとの決闘の後、再度姿を現した際には胸を病んでおり、死に場所を求めて旅を続けていた。おそらく決闘のときの傷が元で胸を病んでしまったのではないかと推測される。また、ガンマンの命であるはずのマグナムもライターに代わっていた。マドクターやメカコンより早くダイゴの正体やサントーレの存在に気付いており、ハナマキ博士にそのことを教えている。
- 登場時にはマカロニウエスタン調の音楽が流れる。
設定
ゴーディアン
ダイゴ大滝の父、大滝博士によって開発されたロボットで、「乗る」というよりは「着る」感覚に近い特異なメカ。 単体の名称ではなく、3種類のロボットを合わせた呼称である。それぞれのロボットが収納されて完成する、マトリョーシカのようなギミックを持つ。番組内ではこれを分身合体と呼ぶ。なお、脚本上では「嵌入(かんにゅう)」と書かれていた。
ダイゴのために建造されたものであるため、存在するのは1セットのみである。
ゴーディアンの体内にはイクストロンを用いたシステムであるバイオメカフィルター[8]が装備されており、搭乗者の動きをトレースし、運動能力を増幅させる。しかしそれはダイゴにあわせて調整されているため、ダイゴ以外の人間が動かそうとするとメカに適応できず大火傷を負う。そのため、第1話でダイゴを救うためにダイゴの姉・サオリが無理にゴーディアンで出撃した際には重傷を負い、第2話で包帯姿で初登場することとなった。また、ダイゴが度重なる戦闘による疲労のために倒れてしまったときにも、ゴーディアンが健在な事をマドクターに示すために、サオリが乗り込んでいる。
当初は合体しなければ動かすことができなかったが、アラスカでの特訓により遠隔操作などができるようになった。ちなみに分身合体するときのコールは、「セットガードプロテクション」(初期から中盤にかけて呼んでいたが、後半は省略された)。又、メカの外見が当初は大河原邦男のデザインに準じていた[9]。
各ロボットのスペックは以下の通り。
プロテッサー
- 身長2.5m、カラーリングは青・赤・白がベース。形式としてはパワードスーツに近い。ダイゴが直接搭乗する。小柄な機体を利用して敵を翻弄したり、ダイゴの特技であるアメフトを活かし、タックルなどの体当たり攻撃を得意とする。
- そのサイズゆえに、劇中ではスープの順番待ちなど、生活の中に溶け込んだ印象も持っている。他の機体同様遠隔操作が可能だが、第8話でダイゴがゴーディアンを置いたままカーペヴィレッジを去ってしまったときに、ロゼとチョコマの誘導によってサオリが3体を運んだ時以外は行われていない。プロテッサーは基本的にダイゴが直接操縦するため、遠隔操作の必要がないからだろう。
- 武装
- ゴーディアンボム
- ラグビーボール型の爆弾だが、爆発はしない。ボムを投げて複数の敵を破壊する「ツンドラアタック」も使用する。
- ボムドリル
- ボムの先端からドリルを出現させた状態。ドリルの回転によって貫通力が倍加する。
- 緑光剣(りょっこうけん)
- ビーム剣。ボムが左右に分かれてグリップが出、先端から緑色の刀身が出現する。
デリンガー
- 身長5m、赤・白ベース。中型のロボットで、中にプロテッサーを収納する。主に格闘戦にすぐれ、起死回生に転じての攻撃や武器を利用した攻撃を仕掛ける。他の2体に比べると使用頻度はやや少ないが、活躍する場面は多い。
- 武装
- マグナムバンチ
- トマホーク状の武器。敵に投げ付けたり、ハンマー部で敵を叩き割る。必殺技「アバランチアタック」[10]は、大型のマドピューターを吹き飛ばすほどの威力を持つ。
- 赤光剣(しゃっこうけん)
- 専用の双節棍系の二連剣[11]。初期の頃から頻繁に使用している。
ガービン
- 身長15m(但しプラモデル等の説明には前設定の10mのままになっている)、青・白ベース。デリンガーを収納できる大型のロボット。サオリの操縦で初登場した。その巨体を利用して小型のマドピューターを踏み潰したり、大型のマドピューターや闘銃士マドックスを攻撃する。一番外側の機体であるため、防御力は桁外れに高い。
- 武装
- ガトリングアーム
- 両腕を飛ばして攻撃する。ガトリングという名称だが、回転して射出するわけではない。エネルギーを片腕に集中して発射する必殺技「ボーガンアタック」もある。
- フットミサイル
- 脛に内蔵されているミサイル。左右一発ずつ装備する。
- グレーシアー・クラッシュ
- 強固なボディを駆使し、旋回と体当たりを組み合わせた肉弾戦法。
- マイティライボー
- 棍棒状の打撃武器。先端にガービンのアンテナを取り付けることで槍状の武器になる。
- シャインシェルド
- ゲン爺さんの小屋に隠されていた防御と攻撃を併せ持つシールド。収納状態から傘のように展開してシールドに、さらに表面を展開すると5連装のビームガンが現れる。ゲン爺さんの形見となった武器でもある。
- デュークスクリュー
- シャインシェルドから突き出た刀身を回転させて敵を突き刺す[12]。シャインシェルドと分離して使用することも可能。
- 白光剣(びゃっこうけん)
- 白熱した剣で敵を両断する。
初期は頭部のアンテナを変形させてメリケンサック[13]や手裏剣として使用したときもあった。
合体技
- アバランチ・クラッシュ
- 3体がスクラムを組んで回転し、攻撃を仕掛ける[14]。ヴィクトールタウンがマドクターに総攻撃を受けたときに使用した。
- バキュームアタック
- プロテッサーが地上で走りながら周回することで発生させた竜巻と、デリンガーとガービンが空中でそれぞれ自らを回転して発生させた小規模な竜巻2つをあわせて巨大な竜巻にした技[15]。イクストロンから発生した竜巻をサントーレから遠ざけるために使用した。
イクストロン
彗星ソコネスとその衛星であるウカペに含まれている未知のエネルギー。それはビッグカタストロフを引き起こし、地球の文明を崩壊させた。ソコネスが地球と月の間を通り抜けた際、ウカペが地球の引力に引き寄せられ、衛星と化した。物語の時点でも、ウカペの影響で小規模な天変地異が起きている。
イクストロンはゲル状の液体で、まるで生きているかのごとく移動する能力がある。原生の状態では危険を伴うエネルギーであるが、長時間熟成させる事によって、人類にも扱うことが出来るようになる。ヴィクトールタウンの地下では熟成中のイクストロンが貯蔵されており、マドクターもそれを手に入れるためにヴィクトールタウンの占拠を狙っていた。ゴーディアンやサントーレのコンピュータにも使用されており、アノー号もまた、イクストロンをエネルギー源とする宇宙船であった。
なお、イクストロンは人体に注入すると肉体を強化できることが大滝博士の研究により実証されている。そしてその実験台になったのは、息子であるダイゴであった[16]。
マドクター
宇宙漂流の果てに地球にたどり着いたドクマ星人たちが結成した秘密結社、それがマドクターである。マドクターの歴史は古く、紀元前4000年頃にエジプトで発祥したと言われている。ドクマ星人は地球に生息していた原人に自らの遺伝子を移植し、己の手足になるように育成した。ツタンカーメンやクレオパトラといった歴史上の人物を使って文明を支配してきたマドクターは、エジプト文明が崩壊した後に世界中に散らばり、様々な歴史上の将軍・皇帝などを影で操り、裏で文明を支配していった。
時は流れ、ビッグカタストロフ後の混乱をきっかけに表舞台に躍り出たマドクターは当主である毒魔大帝統が全世界の支配を宣言、各国に対し攻撃を開始した。しかし、毒魔大帝統の真の目的は、地球上のどこかに存在すると伝えられている太陽のすかしを探し当て、解明する事だったのだ。
マドクターがかねてより進めていたプロジェクトXとは、太陽のすかしの謎を解明し、それを用いて選ばれしエリートのみの新世界を作り上げる計画だといわれている。
物語の序盤においては、マドクターは特定の領域を支配しており、そこからヴィクトールタウンなどに侵攻していった。毒魔殿は当初その領域内の湖に浮かんでいる状態であった。防衛要塞が配備されたヘル・ロックは一度ゴーディアンを撃退するほどの力を持っている。 情報収集や裏での取引のため、各タウンに自分たちのスパイや内通者を送り込んでいる。メカコン内部にまでスパイがおり、他の大陸(ヨーロッパ地方)にまでその範囲は広がっている。 主要な兵器はマドピューターと呼ばれる機械兵器である。マドピューターは主に、兵士の乗る多足式の戦車やそれより大きい指揮官機、そして対ゴーディアン用のゲストメカである[17]。後にエリアスは対ゴーディアン用にパワーアップさせた闘獣士マドックス[18]。 を開発する。エリアスによると闘獣士はシステムがマドピューターとは完全に異なるらしい。
ヴィクトールタウンを占領した後は巨岩戦車や戦闘用ヘリ、戦闘機などさらに兵器がパワーアップし、サントーレ砦を苦しめた。
悪の組織としては珍しく、士官が昇格する場面が見受けられる。空位だった総裁の地位についたバラスはもとより、前線での指揮をバルバダスの部下やバラスの部下が任される場面がある。
本拠地である毒魔殿は地中深くに存在していたが、ヴィクトールタウン占領時に姿を現し、タウンの中心部にその根を下ろす。イクストロン砲によって破壊されたが内部から本体と見られる宇宙船が出現し、宇宙へ一旦逃げることになる。
ヴィクトールタウン
ビッグカタストロフを生き延びた人々は、各地にタウンと呼ばれる都市を建造し、天災に悩まされながらも平穏な生活を送っていた。大滝博士が中心になって作られたヴィクトールタウンもそのタウンのひとつで、アメリカ西部に建造された。しかしそこにもマドクター軍が襲来、タウンは武装を余儀なくされる。アンノンジーはヴィクトールタウンを守る防衛隊・メカニカルコンバット部隊(通称メカコン隊)を結成、マドクターの襲撃に備えた。
タウンの構成としては、第1地区と呼ばれる中心部にヴィクトールハウス(市庁舎)があり、そこから放射状に道路が延び、さらに市庁舎を囲むように建物が立っている。
第2地区には報道局がありTV放送を行っていた。 第5地区にはドブロスやアンナが勤務していた病院がある医療地区であった。 ゲバリスタが反乱を起こしたのは南東の一番外側にある12地区、ポールの裏切りで堕ちたのはその西に隣接する13地区である。
メカコン隊員になるためヴィクトールタウンにやってきたダイゴは、バリーホークが隊長である「メカコン18連隊」に配属される。バリーたちと共に戦い、時にはケンカしながらも、ダイゴは隊員としての使命を少しずつ覚えていった。
しかしその日々も長くは続かなかった。マドクターはヴィクトールタウンを占領するため、内部から崩壊させるべくスパイを送り込んできたのだ。まずは手始めに反タウン組織である「青シャツ党」を利用し、反乱を起こさせた。そしてその反乱により手薄になった防衛ラインにマドクター兵を送り込み、少しずつタウンを占領するという行動に出た。最初は都市の一区画のみ占領されただけであったが、ポールの裏切りにより隣接する区画も占領されてしまう。メカコン隊は必死になって抵抗したものの、内と外からの攻撃によりタウン防衛網は少しずつ崩壊していき、ついにはヴィクトールタウン全域を占領される事態に陥った。一部の住民とメカコン隊はサントーレに避難したが、逃げ遅れた住民達が占領されたタウン内に残されてしまった。
マドクターがヴィクトールタウンをねらった理由は、地下にある超エネルギー物質、イクストロンにあった。それを利用する事でマドクターは全世界を手中に収めようとしているのだ。拠点をヴィクトールタウンの中心部に移したマドクターは東西南北に将軍を配置、サントーレを襲撃する。
補足
ビッグカタストロフの後にタウンが建造された事は前述のとおりであるが、政府は事実上崩壊してしまったものと推測される。現実では各タウンそれ自体が一つの国に相当し、統治の形状としては日本の戦国時代と同様であると考えられる。それゆえタウン会議は事実上の国連会議と同様の意味を成し、アンノンジーたちが会議で救援を求めたのは当然の成り行きであった。しかし、タウン同士でのいさかいも多く、資源をめぐっての争いも起こり、なおかつマドクターと手を結ぶタウンも存在するため足並みが揃わなかった。
文明が壊滅的な打撃を受けた後ではあったが、電気、水道、ガスといったライフラインは復興させている。また、ほとんどのタウンは独自の武装を持っている。移動は主にホバーを使った乗り物であるが、タウン会議の際には旅客機も登場している。
主に登場する「タウン」のほか、ダイゴの育った「ヴィレッジ」、ダルフやピーチィの親がいた「シティ」、ダイゴの実母が支配していた「ポート」も存在する。規模の大きさは、小さい順にヴィレッジ→タウン→シティ→ポート。シティは大規模な工業施設があるが、タウンにはそれに相当する施設はないようだ。なお、ポートは特殊な施設がある所に存在するため、その数は限られている。
サントーレ
ヴィクトールタウンの外れにそびえ立つ砦。外見はラシュモア山のような顔の彫刻が付いている山にしか見えないが、その内部には数々の施設が設置されている。大滝博士はヴィクトールタウンが襲撃される事を予測し、この施設を設置したと推測される。
サントーレはゴーディアンの基地でもある。基地内には大滝博士の記憶を移植したメインコンピュータが設置され、基地の管理、およびゴーディアンのメンテナンスなどを行なう。その秘密を守るため、大滝博士はこの基地の存在を隠し、ダイゴがこの基地に訪れるその日までサオリと共に待ち続けていた。
砦の頭頂部には司令塔が設置されており、展開することで様々な武器が使用できるようになる。特にイクストロン砲は強力で、一撃でタウン規模の都市を破壊することが可能な兵器である。しかしタウンには逃げ遅れた住民がいるため、うかつに攻撃する事が出来ない。さらにエネルギー源であるイクストロンはいまだに地底で熟成中のため、発射する事すらままならない状態にあった。その後、ドクマ青年団の反乱によって捕虜になっていた市民の救出が成功したため、大滝博士はメインコンピュータに使われているイクストロンを使用し、ドクマ殿を攻撃することを決断した。しかしそのエネルギーは5発分のみで、しかもすべて撃ちつくすとコンピュータは完全に停止し、大滝博士の記憶データも失われる事になる。地下に熟成イクストロンがあるのにも関わらず使用しなかったのは、これから氷河期になる地球を生き抜くにはイクストロンが必要になると大滝博士が判断したためと推測される。
ヴィクトールタウンから避難してきた住民達はサントーレ内に住むことになり、マドクターの攻撃に備えることになる。サントーレは彼らにとって、まさに「生命の砦」と言える。
イクストローム星人とアノー号
はるか昔、母星を追われたイクストローム星人はドクマ星人との星間戦争を繰り返していた。長い戦争の果て、一部のイクストローム星人は数千年前の地球にたどり着いた。そのときに乗り込んでいた宇宙船がアノー号である。地球に飛来してきた当時のアノー号は隕石のような外見をしており、それを利用してカモフラージュし、誰にも気付かれずに地中深く隠れた。アノー号にいたイクストローム星人は、そこから世界中に散らばって地球人に帰化したとされている。しかしイクストローム星人の中にはアノー号に残った者もおり、現地人に自らの遺伝子情報を埋め込み、人類の進化を促進させる実験を行っている。大滝博士が言っていた「人類の進化には大きな謎がある」という理由がそれだといわれている。
アノー号に残ったイクストローム星人アダムスリーは、自分の身体をクローンスリープシステムでクローンコピーし、自らの記憶をクローン体に移植し続けながら同胞である地球人がアノー号を見つけてくれるのを長い間待ち続けた。太陽のすかしはアノー号を導くための道しるべで、ジェロニモ達インディアンに伝わる伝説は、アダムスリーが遠い先祖に残した記憶だと推測される。
太陽のすかしを追い、北の地でついにアノー号が隠れている岩盤までたどり着いたジェロニモ一行は、内部に入ることに成功する。そこには操縦室で待ち続けていたアダムスリーがいた。そしてアノー号はその全貌を現し、驚異的な能力を披露した。だがそれは新たな苦難の道への始まりでもあった。
その後、サントーレ隊はアノー号に外付けのエンジンを取り付け、サントーレへ運ぶことになる。アノー号のエネルギー源はイクストロンであるため、熟成イクストロンが貯蔵されているサントーレ付近まで運ばなければいけないのだ。一度はマドクターにアノー号を奪われたサントーレ隊だったが、ある作戦により奪還する事に成功する。そしてマドクターの決戦を経て、ついに旅立ちのときを迎えた。
地球から発進したアノー号は、人類が移住可能な惑星を探すために果てなき旅路に出る。しかしその後をドクマ宇宙船が追ってくる。アノー号にはドクマ側にはない航行システム[19]が搭載されており、それを奪うために毒魔大帝統はアノー号を付けねらっている。
アノー号のデザインは、後に『超時空要塞マクロス』で脚光を浴びることになる河森正治が行なっている。
スタッフ
- 製作 - 吉田健二
- 企画 - 九里一平、宮田知行
- 原案 - 柳川茂
- シリーズ構成 - 山本優
- キャラクターデザイン - 九里一平
- 音楽 - 神保正明、山本正之、CBSソニー
- 連載 - テレビマガジン、たのしい幼稚園、冒険王
- チーフディレクター - 落合正宗(第35話まで)→岡崎邦彦(第36話から)
- 制作協力 - グリーンボックス
- 制作担当 - 内間稔、大野実(読売広告社)、横尾潔、由井正俊(タツノコプロ)
- プロデューサー - 永井昌嗣(第35話まで)→宮田知行(第36話から)
- 美術設定 - ムクオ・スタジオ(第4話まで)→新井寅雄(第5話から)
- メカニック設定 - 河森正治(スタジオぬえ)
- 原画 - 井口忠一、なかむらたかし、村中博美、星川信芳、福地信之、堀本喜法、叶内孝行、太田博光、小野茂、武田政夫、田辺由憲、木下ゆうき、ギディオン・アニメ、石井邦幸、今川よしみ、松村景子、加藤良子、清野浩美、野崎恒伸、スタジオ・コックピット、多田康之、椎谷繁、樹林動画、にしこプロ、ユニバーサル、丸井忠、スタープロダクション
- 動画 - 緒方泰彦、松田芳明、山沢実、保田康治、グリーンボックス、ワールドファンタジー、堀口広志、斎藤くに子、大空由美、鈴木伸一、山田弘明、土屋裕子、関美津子、ギディオン・アニメ、高橋弘、永井美恵子、陶山佳技、石井邦幸、今川よしみ、松村景子、加藤良子、清野浩美、アニメ・アール、小曽根考夫、斎木美恵子、井上弘子、南友子、鈴木弥生、樹林動画、にしこプロ、ユニバーサル、スタープロダクション
- 美術監督 - 加藤清
- 背景 - アニメランド、池田裕二、杉浦正一郞、金箱良成、田原優子、渡辺紀子、西浦雅裕、壇久美子、中山益男、鹿野良行、本間薫、安藤洋美、東潤一、飯島章嘉、高橋美智子、本田修、ユニサーバル
- 彩色 - 金原芳治、横尾清美、辻由美、鹿谷渥子、末広祐治、相馬一美、高橋由美子、佐藤万里子、イージーワールド、安済弘美、小野裕子、加藤和江、高瀬ひとみ、田代令子、松葉美沙子、中村陽子、水野美智子、藤岡美恵子、橋本しげる、勝連由基子、松葉令子、渡辺美幸、森平宏子、秋元幸代、田巻良恵、石田紀子、坪内卓子、長沢涉子、保戸塚洋子、宇野千秋、土屋裕子、松田美子、村上律子、スタジオ・ユニコーン、佐藤久美子、小沢広美、佐藤加代子、斉藤明美、橫山忍
- 色指定 - 高村美千子、池内道子、横尾清美、藤井武、及川あつ子、斉藤健、東知子
- 特殊効果 - 山崎雅典、前川孝、佐藤武、小川コウ、大川邦夫、田中孝夫、谷藤薫児
- 撮影 - ティニシムラ、福田岳志、石原清、スタジオウッド、スタジオコスモス
- 編集 - 西出栄子
- 進行 - 犬飼俊秀、町田明、浜田正紀、笠原達也、末広祐治、金原芳治、小浦英年、神崎潤二郞、日向正幸、山川順一、秋山勝仁、深見法弘、千原弘美、堤広司郎、宮本康弘
- 録音 - ザックプロモーション
- 録音監督 - 藤山房延
- スタジオ - シネビーム(第48話まで)→ニュージャパン・スタジオ(第49話から)
- 現像所 - 東京現像所
- 制作 - タツノコプロ[20]
主題歌
- オープニングテーマ「闘士ゴーディアン」
- エンディングテーマ「希望に向かって走れ」
- 作詞 - 松山貫之 / 作曲 - 山本正之 / 編曲 - 神保正明 / 歌 - 塩見大治郎
- (レーベル:CBS・ソニー)
各話リスト
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 作画監督 | 登場敵メカ |
---|---|---|---|---|---|---|
第1話 | 1979年 10月7日 |
荒野のナイスガイ | 山本優 | 落合正宗 | 宇田川一彦 | |
第2話 | 10月14日 | 出撃、かくし砦 | ||||
第3話 | 10月21日 | 絶叫、赤い砂漠 | 寺田憲史 | 小野茂 | ヘルアリゴン | |
第4話 | 10月28日 | よみがえれ生命 | 曽田博久 | 落合正宗 | 宇田川一彦 | サソリアーム |
第5話 | 11月2日 | デス・バレーの死闘 | 山崎晴哉 | 古川順康 | ||
第6話 | 11月11日 | ヴィクトールタウンの罠 | 松崎健一 | 寺田憲史 | デムーガ | |
第7話 | 11月18日 | 夕陽のカーペ・ヴィレッジ | 山本優 | 古川順康 | ||
第8話 | 11月25日 | 怒りの敵中突破 | 曽田博久 | 落合正宗 | 杜福安 | |
第9話 | 12月2日 | 恐るべしマドクター総統 | 山崎晴哉 | 寺田憲史 | 小野茂 | |
第10話 | 12月9日 | 赤い鼻の酋長 | 松崎健一 | 落合正宗 | 宇田川一彦 | サリュー |
第11話 | 12月16日 | 壮烈・第7連隊 | 山崎晴哉 | 時野昌平 | ||
第12話 | 12月23日 | 悲しみのロスシティ | 山本優 | 古川順康 | 村中博美 | |
第13話 | 12月30日 | ゴーディアンを捜せ | 曽田博久 | 林好蘭 | 杜福安 | |
第14話 | 1980年 1月6日 |
燃える巨星 | 松崎健一 | 古川順康 | なかむらたかし | デスバード |
第15話 | 1月13日 | 荒野の子守歌 | 山本優 | 山口秀憲 | 小野順三 | |
第16話 | 1月20日 | 激闘プロフェッショナル | 山崎晴哉 | 古川順康 | 宇田川一彦 | |
第17話 | 1月27日 | 闇に挑むガンマン | 曽田博久 | 林好蘭 | 杜福安 | |
第18話 | 2月3日 | 危機一髪ヘルロック | 山本優 | 落合正宗 | なかむらたかし | |
第19話 | 2月10日 | ヴィクトールタウン地底の謎 | 松崎健一 | 小鹿英吉 | 村中博美 | |
第20話 | 2月17日 | 星空の対決 | 山本優 | 古川順康 | 宇田川一彦 | |
第21話 | 2月24日 | 秘闘マウンティホーン | 小鹿英吉 | 杜福安 | ||
第22話 | 3月2日 | ヴィクトールタウンの反乱 | 曽田博久 | 古川順康 | サタンマウサー | |
第23話 | 3月9日 | 暁の出撃 | 山崎晴哉 | 川田武範 | 多田康之 | デビルザイ |
第24話 | 3月16日 | 自由と正義の旗の下に | 古川順康 | 杜福安 | コンドリアス | |
第25話 | 3月23日 | 危うし!ヴィクトールタウン | 曽田博久 | 落合正宗 | 村中博美 | |
第26話 | 3月30日 | 決戦、ヴィクトールタウン | 山本優 | 小鹿英吉 | 杜福安 | |
第27話 | 4月6日 | 生命の砦サントーレ | 小浦英年 | 松井栄 | ||
第28話 | 4月13日 | 遥かなる勝利への道 | 山崎晴哉[21] | 康村正一 | 多田康之 | |
第29話 | 4月20日 | 十字架を背負った少女 | 曽田博久 | 小浦英年 | 松井栄 | |
第30話 | 4月27日 | プロジェクトXの秘密 | 松崎健一 | 紀裕行 | 田辺由憲 | |
第31話 | 5月4日 | 明日なき戦い | 山崎晴哉 | 今井康雄 | 松井栄 | |
第32話 | 5月11日 | 吼えろクリント | 山本優 | 渡部英雄 | 村中博美 | |
第33話 | 5月18日 | 決死の大脱走 | 山崎晴哉 | 石川康夫 | 杜福安 | |
第34話 | 5月25日 | 裏切りの荒野 | 曽田博久 | 今井康雄 | 松井栄 | |
第35話 | 6月1日 | 孤塁サントーレ | 松崎健一 | 康村正一 | 小野順三 | |
第36話 | 6月8日 | 忍びよる巨岩戦隊 | 山本優 | 岡崎邦彦 秋山勝仁 |
松井栄 | |
第37話 | 6月15日 | マドクター六千年の謎 | 山崎晴哉 | 石川康夫 | 杜福安 | |
第38話 | 6月22日 | 墜落衛星の謎 | 曽田博久 | 渡部英雄 | 松井栄 | |
第39話 | 6月29日 | 流星群の来襲 | 松崎健一 | 紀裕行 | ||
第40話 | 7月6日 | 巨砲を叩きつぶせ | 山崎晴哉 | 秋山勝仁 | 杜福安 | |
第41話 | 7月13日 | 情無用の用心棒 | 山本優 | 岡崎邦彦 | 松井栄 | |
第42話 | 7月20日 | 面影のマダム・クィーン | 紀裕行 | |||
第43話 | 7月27日 | 陽はまた昇る | 秋山勝仁 | 杜福安 | ||
第44話 | 8月3日 | 戦火のなかのうぶ声 | 山崎晴哉 | 二階堂主水 | 松井栄 | |
第45話 | 8月10日 | イクストロン謎のパワー | 松崎健一 | 紀裕行 | 田辺由憲 | |
第46話 | 8月17日 | サントーレの花嫁 | [22]曽田博久 | 秋山勝仁 | 杜福安 | |
第47話 | 8月24日 | サントーレ包囲作戦を砕け | 山崎晴哉 | 紀裕行 | ||
第48話 | 8月31日 | 迫り来る大異変 | 山本優 | 石田昌平 | 松井栄 | |
第49話 | 9月7日 | 濁流を渡る密使 | 曽田博久 | 渡部英雄 | 杜福安 | |
第50話 | 9月14日 | 大洪水(秘)撃破作戦 | 山崎晴哉 | 石田昌平 | 松井栄 | |
第51話 | 9月21日 | ウカペ接近・怪竜巻 | 松崎健一 | 紀裕行 | 杜福安 | |
第52話 | 9月28日 | 太陽のすかし | 山本優 | 石田昌平 | 松井栄 | |
第53話 | 10月5日 | 巨大文明タウンの壊滅 | 山崎晴哉 | |||
第54話 | 10月12日 | 暴かれたドクマ星間戦争 | 松崎健一 | 渡部英雄 | 杜福安 | |
第55話 | 10月19日 | 大いなる遺産 | 山本優 | 紀裕行 | 村中博美 | |
第56話 | 10月26日 | 遥かなる旅路 | 曽田博久 | 秋山勝仁 | 杜福安 | |
第57話 | 11月2日 | 驚異の宇宙船アノー号 | 渡部英雄 | 松井栄 | ||
第58話 | 11月9日 | 虐殺の大氷原 | 山崎晴哉 | 石田昌平 | ||
第59話 | 11月16日 | 竜馬暗殺 | 山本優 | 伏見和 | 丸井忠 | |
第60話 | 11月23日 | 暁の誓い | 秋山勝仁 | 松井栄 | ||
第61話 | 11月30日 | アノー号を奪回せよ | 松崎健一 | 紀裕行 | 村中博美 | |
第62話 | 12月7日 | ダイゴ暗殺指令 | 曽田博久 | 石田昌平 | 松井栄 | |
第63話 | 12月14日 | 死闘ゴーディアン | 山崎晴哉 | 渡部英雄 | 杜福安 | |
第64話 | 12月21日 | 愛のブリザード | 山本優 | 秋山勝仁 | 松井栄 | |
第65話 | 12月28日 | 決戦前夜 | 紀裕行 | |||
第66話 | 1981年 1月4日 |
新たなる出発 | 渡部英雄 | |||
第67話 | 1月11日 | ドクマ円盤の逆襲 | 紀裕行 | |||
第68話 | 1月18日 | 異状生命体の接近 | 曽田博久 | 渡部英雄 | ||
第69話 | 1月25日 | 次元谷の怪物 | 山本優 | 秋山勝仁 | ||
第70話 | 2月1日 | 失なわれた希望惑星 | 松崎健一 | 石田昌平 | ||
第71話 | 2月8日 | 汚染惑星SOS | 曽田博久 | 紀裕行 | ||
第72話 | 2月15日 | 決戦・ゾーン9999 | 山本優 | 渡部英雄 | ||
第73話 | 2月22日 | 栄光の超宇宙 | 秋山勝仁 |
各種エピソード
玩具について
放送当時、(日本のキー局の放映では)日曜の朝に放送されるアニメは殆ど無く、その放送時間がたたり視聴率は芳しくなかった。しかし、ポピーから発売された玩具『DX超合金 分身合体ゴーディアン』が、作中の分身合体を見事に再現したことから評判となり、売れ行きも良かった。人間型のロボットが前後に割れ、肩部を蝶つがいの様にして上下に開き、操縦者や小型メカを前後から挟み込むようにして合体する作中の表現がほぼそのまま再現されていた。また、収納時に小型メカと大型メカの関節の位置を合わせる事で、合体状態でも腕・脚の関節を無理なく動かせた。
また、大型のメカが小型ロボを収納するように合体する方式は後に『マシンロボ クロノスの大逆襲』の主役メカ・バイカンフーに踏襲されているほか、『六神合体ゴッドマーズ』や『忍者戦士飛影』、『超新星フラッシュマン』のフラッシュタイタン、『勇者エクスカイザー』のキングエクスカイザー、ドラゴンカイザー、グレートエクスカイザー、『ヴァンドレッド』など、数々のアニメ・特撮ロボットに受け継がれており、本作はそのエポック的存在である。
2010年2月にシーエムズコーポレーションから「BREVE合金」ブランドでゴーディアンの分身合体を再現した合体セットが発売された。アニメ初期のデザインに忠実なもの[23]と、後期デザイン仕様バージョン[24]の二種が存在する。2014年にはアートストームから「ES合金」ブランドのSDタイプ玩具が発売予定。こちらも分身合体が再現されている。
主題歌について
主題歌には「シャークマン」という原曲があり、ゴーディアンのオリジナルサウンドトラックにデモテープが特別に収録されている。この「シャークマン』」は元々作詞の松山が『タイムボカンシリーズ』の仕事を通じて山本と個人的に親しくなり、その縁で詞を書いた松山に山本が曲を付けただけのもので、タイトルの通り鮫をモチーフにした戦士の歌だった。そして後に『ゴーディアン』のアニメ企画が立ち上がると、松山が「"シャークマン"を"ゴーディアン"に変えて主題歌にしないか」と提案し、そのまま採用された経緯がある。その結果できあがった主題歌「闘士ゴーディアン」は、「シャークマン」の歌詞の固有名詞部分等を本編に即した内容に変えただけのもので、曲調自体はほとんど同じである。しかしそのおかげで、ゴーディアンの特徴である「三種類のロボットを着込む」等は歌詞に無く、この時期のアニメ主題歌としては異色の仕上がりになっている(三種類のロボットは副主題歌である「希望に向かって走れ」で歌われている)。
なお主題歌を製作する段階で、「"ゴーディアン"が商標登録の関係で使えないかも知れない」という話があり、当初"ゴーディアン"の部分を"ガードン"や"ダンケルジャン"として製作・レコーディングされた。その後"ゴーディアン"で問題ないことがわかり、録りなおしを行った経緯があるという。その際の没テープは処分しなかったため、現在でもソニー・ミュージックエンタテインメント(当時CBSソニー)の倉庫にはマスターテープが存在しているかもしれないとの事である。
その他
- 本作は各種雑誌媒体に初公開された段階では、『ゴーディアン(仮)』の仮題で公開された。同じ事は、本作の次回作である、『黄金戦士ゴールドライタン』でも行われている。
- 桜多吾作によってコミカライズされているが、単行本化はなされていない模様。
脚注
- ↑ 劇中では死亡シーンは明確にされていなかったが、ダルフがヴィクトールタウンに帰ってきたときに握りしめていた母に送ったセーターの切れ端と、彼の台詞から亡くなったと推測される。
- ↑ 泉にイクストロンが溶け込んでいるために傷が完治したといわれている。その後、バリーの傷を治すため、再度その泉に赴いている。
- ↑ 漢字名は「京太郎」(近代映画社刊『ジ・アニメ』Vol.8P106参照)。
- ↑ 始めはそのことをサオリたちに黙っていたが、トロスクルスがサントーレに忍び込んだときに真相が発覚した。その後、トロスクルスと再会し、彼にすべてを話している。
- ↑ ただし、結果的には両者とも裏切り者であるがポールの場合は確信犯である。
- ↑ ドッグマンの表記はアニメージュ1981/11付録「スタジオぬえのデザイン・ノート」より。
- ↑ マドクター入隊後に改名したと思われるが詳細は不明。
- ↑ ポピーの取扱説明書には「メカニカル・バイオニクス・システム」と明記。
- ↑ が、ヴィクトールタウン陥落・サントーレへ避難以降、元々のデザインをしたバンダイの村上克司氏のデザインに準じ、合金アイテム『分身合体』をアニメーション用に作画した様な外見となった。
- ↑ バリエーションとして、「ブリザードアタック」も存在する。この技はガービンも使用している。
- ↑ この剣は柄の先が鎖でつながった一対のグラディウスタイプの中型剣である。
- ↑ シャインシェルドの展開前の状態で鍔部を回転させそれで斬り付ける「レザースクリュー」なる技も存在する。
- ↑ ポピーの取扱説明書では「ガービンフッカー」と明記されている。
- ↑ 「アバランチ・アタック」と「グレーシアー・クラッシュ」を組み合わせた攻撃技である。
- ↑ 「アバランチ・アタック」の応用技と思われる。
- ↑ ゴーディアンがダイゴに対応しているのは、彼の体内にイクストロンが含有しているからと言われている。
- ↑ 一度だけバトルピューターという呼称があったが、後にマドピューターで統一される。
- ↑ 「闘獣士」の表記は近代映画社刊『ジ・アニメ』Vol.12 P142参照。「マドックス」の表記は確認できず。ただし、実際のシナリオでは「マドクス」と表記されている。
- ↑ ワープ航法とは異なるシステム。発動時にはアノー号全体がワイヤーフレーム状になり、まるで別次元を航行するような描写が見られる。航行レベルは1から5まであり、レベル5では超空間をも突破する事が可能になる。
- ↑ EDは「タツノコプロダクション」表記。
- ↑ エンドテロップでは「曽田博久」と誤植。シナリオ及び『アニメージュ』vol.23('80/5)では正しく表記。
- ↑ エンドテロップでは「山崎晴哉」と誤植。『アニメージュ』vol.27('80/9)及びVOL.29('80/11)では正しく表記。
- ↑ 初期バージョンでの立体化は、放送当時に発売したプラモデルで再現されていた。
- ↑ 三月に発売された。変更されている箇所は、各ロボットの頭部、ガービンの腰部、デリンガーの膝形状、プロテッサーの膝塗装。カラーリングもメタリックタイプに変更されている。