ホンダ・アコードエアロデッキ

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テンプレート:Pathnav テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 アコードエアロデッキ (Accord aerodeck) は、本田技研工業がかつて生産、販売していたハッチバック型の小型乗用車である。

概要

3代目アコードの3ドアモデルとして日本および欧州市場で販売され、ワゴン風の個性的なスタイルを特徴とした。仕向け地の嗜好を配慮し、北米およびオーストラリアなどへは、先代同様、オーソドックスなファストバックの3ドアハッチバックが用意され、北米では、さらに2ドアクーペが独自に開発・生産され、追加されている。

2ドアクーペは1988年から日本へも導入されるが、その影響を受けず、エアロデッキの国内販売は1989年に4代目へモデルチェンジされるまで継続されている。なお、当時アコードの姉妹車として併売されていたビガーは4ドアセダンのみであった。

エアロデッキの名は、日本市場ではこの一代限りで消滅したが、欧州ではその後アコードワゴンや、6代目シビックエステートモデル(英国生産の欧州向け)に継続使用された。

スタイリング

セダンと同様にリトラクタブル・ヘッドライトを採用し、窓周りのフラッシュサーフェス化によりCd値は当時としては良好な0.34を達成している。セダン同寸の2,600mmというロングホイールベースや、ワンダーシビックの流れを汲むワゴンタイプのシルエットにより、3ドアハッチバックながら中型セダン並みの後席スペースを確保した。

長く伸びたルーフ後端を少し下げ気味に傾斜させ、リアハッチ(バックドア)につながる荷室後部の屋根もガラス張りとした独特の外観は、当時の日本市場では受け入れられず、国内販売は不振であった[1]。一方、英国市場では、すでにシューティングブレークen:Shooting-brake)などで2ドアのスポーツエステートというジャンル[2]が確立していたこと、欧州でもワンダーシビックの影響で、比較的好評であった。

機構

FF車世界初の、4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションを搭載し、コーナーリング性能と乗り心地が両立されている。また、車速感応パワーステアリングが採用され、40km/h以下になるとハンドルが軽くなり、駐車などの際に運転を補助した。なお日本国内トップモデル「2.0Si」には4w-A.L.B.(4輪ABS)が標準装備されている(他グレードにもオプションにて設定あり)。

「2.0Si」には、B20A型 DOHC 16バルブ 2.0L PGM-FI 160PS(グロス値、ネット値では145PS)のエンジンを搭載している。当時はまだ珍しいアルミブロックを採用しており、DOHCにもかかわらずエンジン重量が軽く、当時の市販車ではエンジン重量当たりの出力が世界一であった。このエンジンは、無限によってレース用に改造され、F3用エンジン(MF204)のベースとなった。他に、B18A型 DOHC 16バルブ 1.8L CVデュアルキャブ・130PS[3]A18A型 SOHC 12バルブ 1.8L シングルキャブ・110PS、そして欧州市場向けにA20A4型 SOHC 12バルブ 2.0L PGM-FI・130PS、A20A2型 SOHC 12バルブ 2.0L シングルキャブ・105PSのエンジンがあった。

使い勝手

運転席および助手席からの視界は、大きなフロントウィンドウスクリーンや低く抑えられたインパネのデザインにより良好であった。スイッチ類は効率よく配置され、当時としてはきめ細かなドライビングポジションの調整も可能であった。

リアハッチはルーフ後端の一部までを含む形状のため、オープン時の上方開放部は大きく、また後方が狭い場所でもハッチが開けられる一方、下端はテールライトの上までしか開かず、一般のステーションワゴンに比べると大きい荷物の出し入れには適さない。

また、後席への乗降性を重視したため、ドアは大きく重く、パワーウインドー未装着車の「LX」、「LX-S」ではウインドーレギュレーターでの窓の開閉が重く感じられる。

初代 CA1/2/3/5型(1985-1989年)

  • 1985年6月4日に、アコードが3代目にモデルチェンジされた際に発表され、約1ヵ月後の7月20日に販売を開始された。
  • 1986年5月に、ATのロックアップ機構を向上した。
  • 1987年6月にマイナーチェンジが行なわれ、エンジンでは「2.0Si」に可変管長インマニが採用され、4w-A.L.B.の機能向上も図られた。装備の充実では、電動格納式ミラーやキーレスエントリーなどが採用された。
  • 1988年9月に、ATにシフトロック機構が追加された。

グレード体系

  • 日本国内向け
トップモデルのB20A型搭載車はセダン同様「2.0Si」と呼ばれたが、他グレードは頭文字がセダンのEに対してL、豪華版を意味する末尾がLに対してRとされた。B18A型搭載車は「LXR-S」(セダン「EXL-S」相当)と「LX-S」(セダン「EX-S」相当)、A18A型は「LXR」(セダン「EXL」相当)と「LX」(セダン「EX」相当)であった。
いずれのモデルにも4w-A.L.B.と電動サンルーフがオプション装着可能であったが、「2.0Si」以外は両者を同時装着出来なかった。電動格納式ミラー・パワーウインドー・4スピーカーオーディオは「2.0Si」またはRが付くグレードのみの装備で、これらグレードのみオートエアコンのオプション装備も可能だった。
  • 欧州市場向け
欧州モデルにはB20Aは投入されず、シングルカムのA20Aのみの設定である。また、車体色は日本国内モデルのツートーンカラーは採用されず、単色である。
トップモデルの「EXi」(E-CA5:A20A4型)には、4w-A.L.B.と電動サンルーフ、ヘッドライトウォッシャーなどが標準装備。「EX」(E-CA5:A20A2型)には電動サンルーフが標準装備。外観上の違いは、「EXi」がボディー同色バンパーの他は大きな違いはない。
欧州モデルには、日本国内モデルのいわゆる後期型は存在しないが、1989年以降「EXi」のフロントブレーキが見直され、大径ディスクと大型キャリパーに変更された。
ドイツでは1988年頃、限定モデルとしてスペシャルエディションが販売された。スペシャルエディションは、「EXi」モデルに、黒革張りの内装、シートヒーターを追加した豪華版であり、欧州ではそれまで設定の無かったブラックの車体色となる。
日本国内で販売されたアクセサリーオプションパーツ(ホンダアクセス製)は、ヨーロッパには輸出されなかった。

脚注

  1. 同様のデザインは1990年代後半のアヴァンシア(こちらは5ドア)でも試みられたが、こちらも成功作とはならなかった。
  2. クーペに荷室を加えたスタイリング。
  3. コールドスタート直後にエンストする傾向があった。

関連項目

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外部リンク

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