ホンダ・アヴァンシア

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テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 アヴァンシア(Avancier)は、本田技研工業がかつて生産、販売していたステーションワゴン型の普通乗用車である。

概要

北米仕様アコードを基に開発された国内専売車種で、外観やコンセプトは、かつてのアコードエアロデッキを彷彿とさせるものである。このスタイリングはアーチキャビンフォルムと呼ばれ、車種においてもワゴンとは呼ばず4ドアクラブデッキと呼んでいた。また、この独特なスタイルは、オペル・シグナムに影響を与えたといわれている。前席をウォークスルーとし、隣席や後席とのアクセスを容易にする一方、後席には専用の送風口や天井のボックスが装備された。さらにはメーカーオプションの「Gパッケージ」を選択すると、リヤ座面格納式センターテーブル&リヤシートスライド(スライド量70mm)と同時に角度が変化するシートバック&リヤプライバシーガラスなどの装備が備わり、後席主体のリムジンライクなパッケージとなっていた。モノボリューム風ワゴンボディによる広い室内を、実用ではなく高級に振ったコンセプトは、発表当時 斬新だった。

さらに4WD仕様は、大型化された前後バンパー&オーバーフェンダー、車高が上げられたサスペンション、大径タイヤ、ルーフレール等を装備してクロスオーバーSUVのような外観とし、エンブレムも4WDを強調する「Avancier4(数字のみ赤字)」となっていた。

エンジンは、オデッセイに搭載されていた直列4気筒 2.3L VTECV型6気筒 3.0L VTECとで、FFと4WDがラインナップされた。このデザインとIHCC(インテリジェントハイウェイクルーズコントロール)、ゲート式インパネシフト、5速ATの搭載など、ホンダ初の技術が搭載されていた。これらは、後に登場するホンダ車にも搭載されていった。

製造は、埼玉製作所(埼玉県狭山市)でおこなわれた。 テンプレート:-

搭載エンジン

初代 TA1/2/3/4型(1999-2003年)

  • 1999年
    • 9月13日に発表された(発売は9月15日)。当初はF23A型(直列4気筒 SOHC VTEC 2.3L)搭載のFF「L」/4WD「L-4」とJ30A型(V型6気筒 SOHC VTEC 3.0L)搭載のFF「V」との3バリエーションがクリオ店で発売された。
  • 2000年
    • 2月3日にV6エンジンの4WD「V-4」が追加された。
    • 9月28日に「L」と「L-4」をベースに専用プレミアムサウンドシステムや、本革巻ステアリングホイール、ボディ同色フロントグリル、専用車体色などを設定した「フリーウェイ」が追加された。
  • 2001年
    • 9月2日にマイナーチェンジが行われ、専用チューニングのサスペンションにより車高を15mm下げサーキット走行にも対応できるほどコーナリング性能を大幅に進化させ、専用16インチアルミやブラックインテリアなどを装備した「ヨーロピアンスポーツ&プレミアム」をコンセプトとした2.3Lの「ヌーベルバーグ」(Nouvelle Vague )が追加された。車両価格は215万円で、ヌーベルバーグ専用色として「ミラノレッド」と「レイズンモーブパール」も選択可能だった。同時に、シリーズ全体にリアシートに読書灯を標準装着して後席の快適性の向上を強調した。なお、「ヌーベルバーグ」以外のFFモデルにも同様のアンダースカートが装着され、空力性能が向上している。
  • 2003年
    • 2月6日に「ヌーベルバーグ」、「L-4」にプライバシーガラスを装備し、ベース車に対して20万円値下げした特別仕様車「プライベートスタイル」が追加された。
    • 10月に、商業的には成功しなかった事と、オデッセイのフルモデルチェンジに伴う車種整理・統合の対象となり、生産を終了した。

車名の由来

  • アヴァンシア - フランス語で「前進する」という意味を持った「avancer」からの造語である。なおトヨタ・アベンシスも同じ「avancer」に由来している。
  • ヌーベルバーグ - フランス語で「新しい波」という意味である。

キャッチコピー

  • 前期 ‐ 「エゴイストの資格」「4ドアクラブデッキ」
  • 後期 ‐ 「Hondaはワゴンに何をしたか。」

関連項目

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外部リンク

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