トイ・ストーリー2
テンプレート:Portal ディズニー テンプレート:Infobox Film 『トイ・ストーリー2』(原題:Toy Story 2)は、1999年のアメリカ映画。ディズニー&ピクサー製作の長編CGアニメーション映画。日本での公開日は2000年3月11日。
概要
『トイ・ストーリー』の続編であり、ピクサーの長編アニメーションとしては第3作目となる。監督は前作に引き続きジョン・ラセターが務めた。ゴールデングローブ賞 作品賞を受賞している。
パート2物という事で、当初はディズニーの慣習に倣ってビデオソフト用作品としてラセター抜きで制作が進められたが、出来の良さから劇場公開作品に昇格した逸話を持つ(しかしピクサー内部ではクオリティを危惧する声が挙がり、ラセター主導で急遽全面的に作り直されている)。しかしこの事で契約上の問題が生じ、一時ディズニーとピクサーとの関係が悪化した一因となった。
劇中、日本の有名コレクター「Mr.KONISHI」が電話の相手として登場するが、「KONISHI」とは、ピクサーに実在する日本人の女性社員「小西さん」(Sonoko Konishi)から名付けられた。 その「Mr.KONISHI」や、おもちゃ屋の「アル」はラセターとも面識がある世界的おもちゃコレクター(「ブリキのおもちゃ博物館」館長の北原照久)がモデルとなっている。
日本ではじめてデジタル上映方式DLP(映画専用)にて公開された映画である。
2009年10月2日には、前作『トイ・ストーリー』とともにデジタル3D版として、2本立てで2週間限定で全米公開。日本では2010年2月6日に公開。
ストーリー
※( )内は備考及び声優名(原語版/日本語吹き替え版)。日本語吹き替え版の声優名が書かれていないものは原語版流用
前作の冒険で、共に危機を脱して「アンディのお気に入りのおもちゃ」として固い友情を誓ったウッディ(トム・ハンクス/唐沢寿明)とバズ・ライトイヤー(以下「バズ」と表記、ティム・アレン/所ジョージ)は、いつものようにアンディ少年(ジョン・モリス/北尾亘)に楽しく遊んでもらっていた。今ではアンディ少年の利口な飼い犬バスター(フランク・ウェルカー)も、おもちゃたちの良い友達だ。
だが、そんなおもちゃたちには実は秘密があり、本当は人間が見ていないときは自由に歩き回ったりおもちゃ同士でおしゃべりしたりする。これは「絶対に人間に知られてはいけないおもちゃたちのルール」なのだ。
そんなある日、重大な問題が発生した。なんとウッディの右肩の糸がほつれて綿がはみ出してしまったのだ。カウボーイ・キャンプにウッディを連れて行こうとしていたアンディは落胆し、ひとりでキャンプに出かけるが、ウッディは連れていってもらえなかったことを深く落ち込む。そんな矢先にガレージセールで不要品を売る事になり、アンディの部屋からは長らく棚の上に忘れられ、その上ホコリを被ってしまい鳴けなくなっていたペンギン人形ウィージー(ジョー・ランフト/佐古正人)が売りに出される事に…。
おもちゃ仲間が売りに出されたウィージーを心配する中、ウッディはほつれた体をおしてバスターを駆り、ウィージーを救出する作戦を決行する。だが入れ違いにウッディがガレージセールの列に取り残されてしまった。おまけにたまたまガレージセールを見に来ていたおもちゃマニアで玩具量販店「トイ・バーン」経営者アル(ウェイン・ナイト/樋浦勉)に見つけられ、ウッディを譲ってほしいとママ(ローリー・メトカーフ/小宮和枝)に交渉する。ママは売るのを拒否したが、アルは隙を突き、ウッディを強奪してしまう。このままではウッディが日本のおもちゃ博物館に売り飛ばされてしまう!バズたちアンディのおもちゃは、盗まれてしまったウッディを救出するべく行動を開始した。
一方のウッディだが、アルの手配した職人によって丁寧に修復され、長い間に落ちた塗装は塗りなおされ、汚れはきれいにされて、ピカピカの新品同様になっていた。しかもなんと、彼は白黒テレビの時代には絶大な人気を誇りながら、スプートニク・ショックのあおりを受けて打ち切りとなったカウボーイ・ドタバタ人形劇『ウッディのラウンドアップ』の主役で、今では数少ないキャラクターグッズだったのだ。
往年の人気番組だけあって、ランチボックスやレコード・ラジオといった様々な関連グッズが揃い、また同じ人形劇内に登場していた人形仲間であるお転婆カウガール人形ジェシー(ジョーン・キューザック/日下由美)や、ちょっとそそっかしい金鉱掘りプロスペクター(ケルシー・グラマー/小林修)、そしてウッディ、ジェシーの愛馬であるブルズアイ(フランク・ウェルカー)とも出会ったウッディは、ただただ呆然と自分の「レアグッズ」としての価値を認識する。そしてウッディを加えた「ラウンドアップの仲間」は、近い内に日本のおもちゃ博物館に売却され、永久保存されるのだという。
そんな中、助けにやってきたバズやアンディのおもちゃたちを前に帰りたいと言い始めたウッディを、ラウンドアップの他の仲間たちは猛反対する。カウガールのジェシーは、ウッディと同じように持ち主に大切にされたが、やがて持ち主が成長してベッドの下に忘れ去られ、そのまま捨てられた後、ガレージセールで売りに出された過去を述べ、プロスペクターに至ってはおもちゃ屋の棚で売れ残ってしまった事からすっかり心を閉ざしてしまっていたのだ。日本の博物館に行けば、ラウンドアップの仲間たちは永遠に一緒だとウッディを説得する。
登場キャラクター
主要キャラクター
- ウッディ
- アンディのお気に入りのカウボーイ人形。実はプレミアものの人形であることが判明し、おもちゃ屋の経営者アルに誘拐されてしまう。連れて行かれた先で往年のTV人形劇『ウッディのラウンドアップ』のキャラクターであるジェシー、ブルズアイらと出会い、日本にある博物館に保存されるか、アンディのオモチャのままでいるかの板挟みとなる。NGシーンでは主にバズのイタズラ役を務める(バズの箱の群れのひとつに入ったり、バズのヘルメットなどに落書きをしたりなど)。
- バズ・ライトイヤー
- 最新のおもちゃであるスペース・レンジャー。ポテトヘッド夫妻、ハム、レックス、スリンキーらと共に誘拐されたウッディを救出しにいく。
- ニューアクションベルト付きバズ・ライトイヤー
- 「トイバーン」のショーケースに飾れていたところをバズに起こされた、ニューアクションベルトが装備されているバズ。自分がスペース・レンジャーであると信じて疑わない姿はまさに前作のバズそのものである。一時期アンディ所有のバズと入れ替わり、そのせいで仲間たちが混乱する場面もあった。
- ジェシー
- 『ウッディのラウンドアップ』に登場していたカウガール人形。ヨーデルが得意。以前は「エミリー」という女の子のお気に入りのおもちゃとして大切にされていたが、エミリーの成長と共にベッドの下に忘れられ捨てられてしまった過去があり、深いトラウマとなっており、そのためアンディの元へ帰りたがるウッディとはよく揉める。怒ったとき喧嘩は意外と強く、大抵の場合ウッディに勝っている。
声の出演
役名 | 原語版声優 | 日本語吹替 |
---|---|---|
ウッディ | トム・ハンクス | 唐沢寿明 |
バズ・ライトイヤー | ティム・アレン | 所ジョージ |
ジェシー | ジョーン・キューザック | 日下由美 |
ヨーデル部分: メアリー・ケイ・バーグマン | ||
プロスペクター (スティンキー・ピート) |
ケルシー・グラマー | 小林修 |
ミスター・ポテトヘッド | ドン・リックルズ | 名古屋章 |
スリンキー・ドッグ | ジム・ヴァーニー | 永井一郎 |
レックス | ウォーレス・ショーン | 三ツ矢雄二 |
ハム | ジョン・ラッツェンバーガー | 大塚周夫 |
ボー・ピープ | アニー・ポッツ | 戸田恵子 |
アンディ | ジョン・モリス | 北尾亘 |
アル | ウェイン・ナイト | 樋浦勉 |
アンディのママ (デイビス夫人) |
ローリー・メトカーフ | 小宮和枝 |
ミセス・ポテトヘッド | エステル・ハリス | 楠トシエ |
軍曹 (グリーン・アーミーメン) |
R・リー・アーメイ | 谷口節 |
ウィージー | 台詞:ジョー・ランフト 歌:ロバート・グーレ |
台詞:佐古正人 歌:鈴木康夫 |
エイリアンたち (リトル・グリーン・メン) |
ジェフ・ピジョン | 桜井敏治ほか |
ミスター・スペル | 石井隆夫 | |
ザーグ | アンドリュー・スタントン | 佐々木梅治 |
修理屋 | ジョナサン・ハリス | |
バービー | ジョディ・ベンソン | 高橋理恵子 |
ロッキー | ジャック・エンジェル | 小池浩司 |
ヤードセールでの母親 | ミッキー・マッゴーワン | 田辺静恵 |
モリー | ハンナ・アンクリッチ | 原語版流用 |
ブルズアイ | フランク・ウェルカー (ノンクレジット) | |
バスター | ||
つなぐでござる | ||
フリック | デイブ・フォーリー (ノンクレジット) |
宮本充 |
ハイムリック | ジョー・ランフト | 島香裕 |
ミスター・コニシ | フィル・プロクター | |
店員 | 竹若琢磨 | |
女の子 | 石川悦子 | |
その他の声の出演 | ボブ・バーゲン ジェス・ハーネル、他 |
スタッフ
- 監督:ジョン・ラセター
- 原案:ジョン・ラセター、ピート・ドクター、アッシュ・ブラノン、アンドリュー・スタントン
- 脚本:アンドリュー・スタントン、リタ・シャオ、ダグ・チャンバーリン、クリス・ウェッブ
- 音楽:ランディ・ニューマン
- 製作:ヘレン・プロトキン、カレン・ロバート・ジャクソン
- 製作総指揮:サラ・マカーサー
- ストーリー・スーパーバイザー:ダン・ジェップ、ジョー・ランフト
- 編集:エディ・ブレイマン、デヴィッド・イアン・ソルター、リー・アンクリッチ
- プロダクション・デザイン:ウィリアム・コーン、ジム・ピアソン
- スーパーバイジング・テクニカル・ディレクター:ギャリン・サスマン
- スーパーバイジング・アニメーター:グレン・マックィーン
- 撮影監督:シャロン・カラハン
日本語版制作スタッフ
- 演出:松岡裕紀
- 吹替翻訳:いずみつかさ
- 音楽演出:深澤茂行
- 録音:伊藤恭介、久連石良文
- 調整:井上秀司
- 録音制作:スタジオ・エコー
- 日本語版制作:DISNEY CHARACTER VOICES INTERNATIONAL, INC.
トリビア
- 本作の序盤とラストシーンでレックスとハムが遊んでゲーム機は任天堂から発売された北米輸出仕様の「スーパーファミコン」である。
- 当初、本作はディズニーの続編作品の慣例に従いビデオ&DVDでの発売のみの計画だったが、その出来の素晴らしさに、ディズニー側を説得して劇場公開へと計画変更された。そのため、後に本作をディズニーとピクサーとの映画製作契約本数に含めるか否かで揉める事となった。
- 冒頭のバズの飛行シーン、あの舞台の惑星は実はバグズ・ライフのアントアイランドのデータを本作用にリメイクしたものだった。また、最初の星空をよく目をこらして見ると、ルクソーJr.の星座が見える。
- ハムが超高速でテレビチャンネルを変えている際、短編『ティン・トイ』が一瞬映る。
- ウッディの帽子を探すシーンで、おもちゃ箱の中からソルジャーが運び出しているおもちゃの中に、後にアルの店でバービーが運転する車が映る。
- アルの店「AL'S TOY BARN(アルのトイバーン)」の店内はバグズ・ライフのディムやタックとロール、ハイムリックがいる他、バケット/ソルジャー、前作でアンディの部屋の天井からぶら下がっていた飛行機など、見覚えのあるおもちゃが随所に見られる。
- バズ達がウッディ救出をする為に空港に向かったが、その為に使ったのはピクサーで御馴染みのピザプラネットの車である。その際、メタ的な要素として「またピザか」というセリフも存在する。
- アンディの部屋にかかっている8月のカレンダーの絵は、バグズ・ライフのものである。
- 本作のDVDには、エミリーの乗った車が暴走して大破する未公開シーン(スタッフがお遊び目的で作ったもの)がある。
- 空港のアナウンスにて"LassetAir Flight A113"とアナウンスされている。LassetAirは監督のジョン・ラセターにかけられている。
- ヤードセールのシーンでは、前作でシドの部屋にあった机や鍵、バグズ・ライフで使われた首輪などが映っている。
- バズがもう一人のバズに言う「コード546」とは、脚本家のアンドリュー・スタントンの市街局番からきている。
- ウッディのほつれた腕を直すため呼ばれた修理屋は、本作と同じくピクサー・アニメーション・スタジオ製作の短編映画『ゲーリーじいさんのチェス』の主人公、ゲーリーと同一人物である。
- 『ラウンドアップ』でウッディ、本作のエンディングでウィージーが本シリーズの主題歌「君はともだち」を歌っている。
- 前作と同じく随所に『スター・ウォーズ』、『2001年宇宙の旅』、『ジュラシック・パーク』、『ゴジラ』などのパロディが見られる。
- 『バグズ・ライフ』のプロモーションで日本に来ていたピクサーのスタッフが、日本でエイリアンたち(リトル・グリーン・メン)がものすごい人気だという事を知り、当時製作中だった本作での露出を増やすようにした。
- エンディングのNGシーン集ではバグズ・ライフのフリックとハイムリックが登場する。
- 同じくNGシーン集ではプロスペクターが続編を匂わせる発言をしている。
- 『カーズ』のジョー・ランフト追悼シーンでは、エンディング直前にウィージーが歌うシーンが存在する。
- 英語版と海外(アメリカ以外)版とで、看板などの表記や表現を変える試みがされている。
- 中盤のテレビ番組の終了シーンでは英語版ではバズの背景に星条旗が、海外版では地球儀と花火が映し出される。
- 最後のシーンでウィージーが歌う台に使っている木製のブロック、英語版ではブロックでW.H.E.E.Z.Yとなっているが、海外版ではアルファベットが☆に置き換えられている。
- 最初のオープニングでは、海外版では『TOY STORY 2』の英語のロゴが出た後、海外版(各国の言語)のロゴがそれに重なるのに対し、英語版では『TOY STORY』のロゴの後、『2』が後から重なるオープニングだった。
- これらはDVDの言語設定を英語にすれば表示されるようになる。
- 「スタッフのヒューマンエラーによって、本作のデータがほとんど消えてしまったことがある」と言われているが、これは勿論劇場公開に伴い全面的に作り直すための口実である。
- 2010年7月25日、テレビ朝日系の『日曜洋画劇場』で「番組史上初のアニメ映画」として放送された。設定上ノーカットの地上波初放送であるが、実際は変更点が多く存在する。
- オープニング前のディズニークレジットが『ウォーリー』から採用されるパターンになっている。
- エンディングのNGシーン後はピクサークレジットまで全てカットされてある。
- 登場する一部の広告の文が日本語に置き換えられている。
- その他多数
- 公開当時、スタジオジブリの宮崎駿監督のコメントが広告に大きく掲載されたが、アニメ製作者としてのジョン・ラセターに対する賛辞に終始しており、作品の内容、出来にはまったく触れられていない。
脚注
関連項目
- Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ - ウッディ、バズ・ライトイヤー、ジェシー、プロスペクター、エイリアン等も登場するゲーム。
外部リンク
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- テンプレート:Movielink
- テンプレート:Movielink
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