中越信号場
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中越信号場(なかこししんごうじょう)は、北海道上川郡上川町字中越にある北海道旅客鉄道(JR北海道)石北本線の信号場である。電報略号はナコ。かつては駅として設置されたが、現在は信号場として運用される。
構造
3線あり列車交換が可能。かつては中越駅として営業していたが、付近の住民がすべていなくなったため、2001年(平成13年)7月1日に廃駅となり、信号場となった。石北本線と国道273号が並走する区間にあり、国道から徒歩でアプローチすることができる。
信号場となった今でも特急オホーツクの行き違いなどに使用され、そのための運転停車の際には「ただ今中越です。列車行き違いのためしばらく停車します」というに車内アナウンスで「中越」の名が放送されることがある。また、旅客案内上は客扱いを行わない信号場であるが、当信号場への保線職員の輸送のため、上川 - 白滝間を走行する普通列車が停車し、職員の乗降を行うことがある。
駅(信号場)名の由来
北海道の各地に同じ音の言葉が残されているが、上川から石狩川支流のルベシベ川に沿って、アイヌ語でル・ペシュ・ペ(路・それに沿って下っている・所)「路が下っている所」あるいは「路が峠を越える所」と呼ばれていて、それが転訛してルベシベあるいは漢字を当てられて「留辺志部」となった。ルベシベ川流域の地区は明治の開拓時代にさらに意訳した「越路」の字名に変わった。明治29年、越路地区と北見峠の中間に当たるこの地に官設の中越駅逓所が設けられたのが「中越」の地区名の始まりと言われており、当駅もその地区名から採られている。
周辺
峠の上川側の入り口である。道路と川と森林のみである。
歴史
- 1929年(昭和4年)11月20日 - 国有鉄道の中越駅として開業。一般駅。
- 1975年(昭和50年)12月25日 - 旅客無人化・貨物・荷物取扱い廃止。
- 1983年(昭和58年)1月10日 - CTC導入により運転無人化。
- 1986年(昭和61年)11月1日 - この日のダイヤ改正より1日1往復の停車となる。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化によりJR北海道に継承。
- 2001年(平成13年)7月1日 - 駅業務廃止。信号所として運用開始。
隣の施設
中越駅が信号場化されたのと同日に、上川駅との間の天幕駅が廃止となった。
トピック
- 日本一乗下車の難しい駅だといわれていた。一日一往復しか列車の止まらない駅だった。