クロジ
テンプレート:生物分類表 クロジ(黒鵐、学名:Emberiza variabilis テンプレート:Taxonomist, 1835 )は、スズメ目ホオジロ科ホオジロ属に分類される鳥類の一種[1][2]。和名の由来は、雄の体色が黒っぽいことによる。
分布
カムチャツカ半島南部から千島列島、サハリンで繁殖し[3]、冬季は中国東部へ渡る。
日本では、本州中部以北に留鳥として生息し繁殖する。冬季は南方や平地に移動する個体も多い(漂鳥)。北海道には夏鳥として渡来し、本州中部以西には、冬鳥として渡来する。日本においては比較的普通種であったが、日本以外の地域での生息は長く確認されていなかったため、一時期日本固有種とされていたこともある。
形態
全長は16-17.5 cm。翼開長は約26 cm[4]。体重20-30 g。雄は全体に灰黒色。雌は灰褐色。冬羽は全体に淡くなる[4]。一般にホオジロ科の鳥の尾羽の一番外側は白いが、本種では白くない。嘴は肉色で上面が黒っぽい[3]。
- Emberiza variabilis wing.JPG
翼を広げたオス
- Emberiza variabilis beak.JPG
オス(正面)、嘴は肉色で上面が黒っぽい
- クロジ メス Emberiza variabilis (0s7).JPG
メス
- Emberiza variabilis (0s6).JPG
メス(正面)
生態
繁殖期は落葉広葉樹林や亜高山帯の針葉樹林に生息する。非繁殖期は、平地から山地の森林の林床部に単独で生活していることが多い。繁殖期には樹上で昆虫類やクモ類を捕食し、それ以外の時期は地上で植物の種子を食べる[4]。草薮の中に枯れ枝などを用いて椀状の巣を作り、1腹4-5個の卵を産む。抱卵期間は約11日で、雌雄協同で抱卵する。雛は孵化後約11日で巣立ちする。警戒心が強く人などが近付くとすぐにやぶの中に逃げるため、観察しにくい鳥である[3][4]。
- Emberiza variabilis (0s4).JPG
やぶの中から姿を現したオス
- Emberiza variabilis MHNT.ZOO.2011.11.219 Sibérie HdB RdN.jpg
亜種
- E. variabilis variabilis Temminck, 1836 - サハリン、千島列島、日本の北部と中部に分布する。
- E. variabilis musica テンプレート:AU, 1858 - カムチャッカ半島中央部分布する。
種の保全状況評価
国際自然保護連合(IUCN)により、軽度懸念(LC)の指定を受けている[5]。
日本の以下の都道府県でレッドリストの指定を受けている[6]。
- 絶滅危惧I類 - 神奈川県(繁殖期が絶滅危惧I類、非繁殖期が減少種)
- 絶滅危惧種 - 京都府[7]、奈良県
- 準絶滅危惧 - 栃木県、東京都、大阪府[8]、鳥取県[9]、山口県[10]、高知県
- その他 - 岩手県(Dランク)、群馬県(注目)、山梨県(情報不足)、岐阜県(情報不足)[13]
脚注
参考文献
- 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科9 鳥III』、平凡社、1986年、160頁。
- テンプレート:Cite book
- 五百沢日丸 『日本の鳥550 山野の鳥 増補改訂版』、文一総合出版、2004年、293頁。
- テンプレート:Cite book
関連項目
テンプレート:Sister テンプレート:Commons&cat
外部リンク
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