エヴァンゲリオン (架空の兵器)
テンプレート:Pathnav エヴァンゲリオンは、テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する架空の兵器。正式名称は汎用人型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン(はんようひとがたけっせんへいき じんぞうにんげんエヴァンゲリオン)である。
アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の略称は「エヴァ」もしくは「EVA」であるが、本項で取り扱う兵器としての「汎用人型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン」の略称表記は公式の資料や関連書籍上ではアルファベットの「EVA」でほぼ統一されており、本記事でもそれに準ずることとする。
また、本記事では、テレビアニメ以外のメディア(ゲームや漫画作品など)において登場するEVAについても述べる。
機体解説
使徒と呼ばれる謎の生命体の殲滅を目的として製造された汎用人型決戦兵器である。ロボットのような機械ではなく人造人間と呼称され、アダムもしくはリリスと呼ばれる「生命の起源」を人類がコピーして作った巨大な生命体を、装甲板を兼ねた拘束具で人型になるように覆ったものである。A.T.フィールドを展開する使徒に対して、人類が保有する唯一の対抗手段とされる。
語源は「福音」を意味するギリシア語のエウアンゲリオン(εὐαγγέλιον, euangelion)に由来する[1]。またその頭3文字を取った略称Evaは、聖書の創世記に登場する最初の女性である「エバ(イヴ)」にもかけられている。
機体番号表記については日本国内で建造されたEVA零-弐号機(弐号機は、設計・部品建造を日本で行い、ドイツでは組み立てのみを行った)は漢数字で、日本国外で建造されたEVA3号機-13号機はアラビア数字で表記するという設定が存在しており、脚本や漫画版、スーパーロボット大戦シリーズなどでは一貫して、これに則した表記がなされている。一方、漫画『新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド2nd』やゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』、『スーパーロボット大戦F完結編』、バンダイから発売された「プラモデル」、「超合金魂」や、海洋堂から発売された「リボルテック」では「3号機」を「参号機」と表記している。
特徴
- 人間が愛情を抱くときに使うとされるA10神経[2]を介した神経接続によるコントロールシステムを採用している。稼働状況は機体とパイロットの「シンクロ率」により左右される。また、武器類を使う場合は「インダクションレバー」と呼ばれる操縦桿を用いて制御する「インダクションモード」で管制する。機体がダメージを受けるとそのダメージがそのままパイロットにフィードバックされ、自身も相当の痛みを感じるため、戦闘に著しく支障を来す場合は外部からシンクロ率をカットしてパイロットの負担を軽減することもある。実際に第13使徒バルディエルに浸食された3号機と初号機が交戦した際に冬月が「初号機とパイロットのシンクロ率を60%カットだ」と指示している。
- パイロットの搭乗は、「エントリープラグ」と呼ばれる円筒状のコクピット容器を、EVAの後頭部から脊髄に挿入することで行われる。パイロットはエントリープラグ内に浮かぶコクピット・インテリアである「魂の座」に搭乗するが、プラグ内はL.C.Lと呼ばれる液体で満たされており、パイロットはL.C.Lを肺に取り込むことで体に直接酸素を供給される(液体呼吸の項を参照)。なお凍結中の零号機には、巨大な十字架の付いた停止信号(凍結)プラグが挿入されていた。
- 操縦の際、パイロットは脳と機体を神経接続するインターフェース・ヘッドセットを頭部に装着する。さらに補助として「プラグスーツ」を着用する。これにはシンクロ補助や生命維持・救命などのシステムが内蔵されている。ただしプラグスーツは必須ではなく、劇中ではシンジが学生服のままで操縦するシーンも見受けられた。
- EVAは背部に接続された「アンビリカルケーブル」から電力を補給して稼働する。また予備に内部電源を保有しており、アンビリカルケーブルが断線・排除されると切り替わる。この場合の活動限界はフルで1分、ゲインを使った場合は5分であるが、これにはエヴァ暴走時の安全装置の意味もある(実際に零号機が起動実験で暴走した際は、内部電源は数十秒の活動分しかチャージされておらず、外部電源を切って消費させたことで停止した)。しかし初号機は最終的にS2機関を手に入れることによって、半永久的な活動時間を得た。また肩に外付けの大型バッテリーを使用することにより、稼働時間を30分までの延長が可能。
- 使徒と同様、「A.T.フィールド」を展開することができる。A.T.フィールドは機体周囲を取り巻くバリアの一種であり、機体への物理的攻撃を防ぐことが可能。強力なものになると第10使徒サハクィエルや第17使徒タブリスのように電磁波すら通さなくなる。至近距離ではA.T.フィールド同士を中和させることによって防御壁を無効化できるため、EVAが使徒に対して唯一有効な対抗策とされるのはこのためである。
- 以上のように物理面に影響を及ぼすA.T.フィールドは防御以外にも攻撃手段として用いられている描写もみられる。劇場版では弐号機が戦略自衛隊の航空機に対しての攻撃手段として衝撃波のように用いている。ゲームソフト『新世紀エヴァンゲリオン2』のF型装備では武装や推進部をA.T.フィールド自体を動力として活用している。新劇場版においては、初号機が第10の使徒に対し、A.T.フィールドを光のブロックへ変化させ、その衝撃で使徒を吹き飛ばした。『破』のDVD/BD版では第10の使徒も2号機の上からA.T.フィールドの塊を落として攻撃している。
- 人型の汎用機体なので、刀剣や銃火器など人間の使う武器と同様の武装を装備できる。(人型ではない仮設5号機は除く)
- 全身が装甲に覆われているが、この装甲の真の目的は防具ではなく拘束具としてEVAの暴走を阻止することである。新劇場版では、マリが「裏コード」を使い2号機の装甲を解除、EVAのベースとなる使徒本来の力を発揮した。
- 対使徒戦のみならず通常の人間同士の戦闘でも圧倒的な戦力であることに加え、その製造・運用には莫大な利権が生じることから、世界各国が製造権・保有権を巡って争っており、劇中で3号機・4号機は米国が製造権を主張して半ば強引に製造していたことが示されている。さらに新劇場版では「バチカン条約」により一国当たりのEVA保有数が3機に制限されている。
- 新劇場版ではEVAが覚醒し、頭上の光輪が出現した際に飛行能力を有している。(初号機、Mark.06、Mark.09、第13号機にて確認)
操縦系統
エヴァンゲリオンの箍ともいえる部分の一つ。神経接続や生命維持システムは外部からの干渉で切り替えが可能だが、機体の稼動に関してはこちらが優先される模様。
- エントリープラグ
- エヴァンゲリオンの操縦席(インテリア)を内包した挿入型容器。緊急脱出装置をも兼ねており、緊急時には挿入口から射出される。このときは小型のロケットモーターによって安全圏まで飛翔・パラシュートにより着地する。
- プラグの先端にはEVAの中枢神経に接続するための神経接続用深針があり、この探査針を介してEVAとパイロットの神経系の同調がなされる。パイロット搭乗時には内部はL.C.Lで満たされ、それが外部を映すスクリーン、および神経接続の媒介物質、また衝撃緩和液として作用する。
- インテリア
- エントリープラグ内に設置されているEVAの操縦を司るコントロール装置であり、別名「魂の座」。パイロットはインテリア中央にあるシートに座して操縦することになり、パイロットの両脇には2本のコントロールレバーが設けられ、これにより機体制御や射撃管制を行う。通常時のグリップはコンパクトにまとめられているが、緊急時には一部を展開することができ、機体を高機動モードに移行させることができる。
- シート後方には巨大なディスクドライブが搭載され、操縦に関するシステムや、自爆プログラムやダミーシステムも書き込まれている。シート前方の下部にはエントリープラグの内壁に接するような形状の安定フィンがあり、インテリアはシンクロ率に応じてプラグ内を前後するようになっている(プラグ深度と呼ばれるもの、新劇場版ではシンクロ率ではなくプラグ深度で表す。)。基本的には一人乗りだが、エントリープラグの容量上複数人を載せることは可能。ただしシンクロ率はその分落ちてしまう。
パイロット
- 搭乗者は、原則として「母親のいない(母親の魂もしくは肉体と魂がEVAのコアに同化している)14歳の子供」に限定して選出される。
- EVAにはそれぞれ固有パルスのパターン(パーソナルパターン)があり、パイロットもそれに似たパターンの保持者でなければならない。違うパターンの保持者が搭乗した場合、09システム(オーナインシステム)[3]と比喩される様に、起動確率は0.000000001%であるため、起動することはない(ただし、コミック版では渚カヲルはコアシステムの書き換えなしで、弐号機を起動させている)。
- EVAとパイロットのシンクロは通常、NERV本部内の発令所で制御される。シンクロの際にパイロットはEVAと神経接続され、シンクロ率の程度により機体に加えられたダメージを同様に知覚する。EVAからの影響によるパイロットの精神汚染の回避や生命維持のため、シンクロ率の調節や神経接続のカット、プラグの強制射出などの指示が発令所から可能となっている。また、ある程度は逆も可能な様で、パイロットの意思で発令所からの制御をブロックすることもできる(バルディエル戦後)。一方、EVAの意思によって発令所を介さず直接パイロットとのシンクロが行われる場合もある。この場合は神経接続に留まらず肉体までがEVAと接続され、シンクロ率が通常よりはるかに高い数値を示すとともにEVAは絶大な力を発揮する。しかし同時にパイロットへ及ぼす影響も通常より大きくなる。
- EVAのコア内には通常、パイロットとEVAをリンクさせるための介在としてパイロットの母親の魂が入っている。開発過程において、魂までコピーできなかったEVAを操縦するにあたり、パイロットが魂の役割となった。しかしながら通常パイロットだけでは、EVA=神の肉体と魂たる人間とでは格差がありすぎるために上手く動かせず、きちんとした性能を発揮できない。そして開発の初期段階にEVAと接触実験を行った碇ユイと惣流・キョウコ・ツェッペリンはいずれも事故を起こし、前者は肉体ごと初号機と同一化して消失、後者は魂の大部分を弐号機内に奪われ、魂が不完全になったキョウコは発狂・自殺してしまう。しかしながら、これらのEVAのコア内に残された魂を介在とし、彼女らの子をパイロットにすることで、EVAとパイロットとの「格差」はなくなり、初めて安定した接続が可能となった。EVAのパイロットが原則として1体につき1人しかいないのはこの事情による。
- シンジとレイは初号機と零号機を含めそれぞれのパターンが酷似しているためにある程度の互換性があり、劇中では相互互換起動実験を行っている(漫画版では序盤でレイが初号機に乗って使徒サキエルと一度戦闘している)。また、渚カヲルはコア内に魂がなく(またはそれに等しい状態)、かつアダムより作られたEVAならば自在にシンクロ率を設定してEVAを操ることができる。また、綾波レイも第拾話で弐号機に搭乗して出撃する意思を示していた(実際に搭乗してはいない)。
- 搭乗者の代わりに「ダミープラグ」を用いることでも稼動可能である。搭乗者がいる場合、「ダミーシステム」というもので優先的に稼動することもできる。劇中では何度も「ダミープラグ」の使用を危険とする発言がある。
EVAシリーズ(新世紀版)
零号機(EVA-00 PROTO TYPE)
- 搭乗者:
- 綾波レイ
- ※碇シンジ
- 搭乗者コード:
- ファースト・チルドレン
- ※サード・チルドレン
- 機体色:山吹色(零号機)→ブルー(零号機・改)
- 眼:単眼
- コア(魂):作中では言及無し
- 初登場話数:第壱話
最初に製作されたプロトタイプ(試作機)で実戦投入の予定もなく、そのため肩部ウェポンラックなどの装備もされていない。レイの起動実験中に暴走したため、十字架付きの停止信号プラグによって凍結されていた。第5使徒ラミエル襲来直前に凍結解除して起動に成功、「ヤシマ作戦」に投入され、大破。その後に弐号機と同じ形状の装甲板と肩部ウェポンラックを取り付け機体色も青に変更する改装を施され、第9使徒マトリエル戦から実戦配備された。この実戦用形態は商品化される際などは零号機・改と呼ばれ[4]、第壱話よりオープニングフィルムに登場している。肩部ウェポンラックにブースターが搭載されている(ただしこれは高所からのショック吸収用で、飛翔能力は無い)。第16使徒アルミサエル戦において、使徒もろとも自爆。第3新東京市と共に完全に破壊された。
制作元については、第弐拾壱話で赤木ナオコが「アダムより人の作り出したもの」としてプロトタイプで脊椎と頭部、腕部だけの零号機を紹介し、初号機が唯一リリスよりコピーされたものであることからアダムより作られたとする説と、アダムと呼ばれていたものが実はリリスであったことから、リリスより作られたとする説がある。
コアについては、現在までに公表された設定資料中には明言したものはない。ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』では、コアに魂が入っておらず、レイがシンクロに長期間を要したのはそれが理由であると解説されている。
- 頭部と脊椎のみの失敗作がNERV本部の地下(セントラルドグマ)に大量廃棄されている[5]。
- 改装前の山吹色の由来は、海軍飛行実験部所属機や東海道・山陽新幹線のドクターイエローなど、試作段階や試験用の機体、事業用車両などにこの色が多く使われることによる。
初号機(EVA-01 TEST TYPE)
EVAシリーズの中でリリスより製作された唯一の機体。EVAシリーズのテストタイプ(実験機)。搭乗者の生命に危機が迫ると、たとえバッテリー切れの状態であっても突如コアが反応して搭乗者の意思に関係無く暴走する。その際、自らの力で顎部ジョイントを破壊し口を開け、野獣のような咆哮を挙げる。第拾九話では第14使徒ゼルエルを捕食しS2機関を獲得した。以後、活動限界はほぼ無くなる。
初起動は第3使徒サキエル戦であるが、起動前にエントリープラグ未挿入の状態であるにもかかわらず、落下物からシンジを守るために腕が動いた。初シンクロ時にプラグスーツの補助なしに41.3%と高シンクロ率を示すも、左手首を折られ、右眼を光の槍に貫かれて中破する。だが、その後機体は暴走し(1度目の暴走)、左手首を自己再生して、使徒のA.T.フィールドを侵蝕・中和などの圧倒的戦闘力を見せつけて使徒を殲滅する。第4使徒シャムシエル戦では初のEVA専用火器を使用するも効果はなく、ミサトの制止を振り切って活動限界時間一杯までのプログ・ナイフでの接近戦闘にて辛くも殲滅する。第5使徒ラミエル戦は一度は敗北するものの、零号機と共にヤシマ作戦を行い殲滅する。旧東京市都心の第28放置區域でミサトの援護により、暴走したJA(ジェットアローン)を制止する。第7使徒イスラフェル戦は弐号機が作戦に加わり、両機体の動きを同調させるユニゾン特訓の末、使徒を殲滅する。第9使徒マトリエル、第10使徒サハクィエルは、戦列に復帰した零号機と3機で殲滅する。第12使徒レリエル戦で、敵の本体である影に取り込まれてディラックの海を彷徨ったが、シンジの生命維持に危険が迫ったときに碇ユイの魂が目覚め、2度目の暴走を起こして上空に浮かぶレリエルの影を引き裂いて殲滅し、帰還した。第13使徒バルディエル戦では、トウジの乗るエヴァとの戦闘を拒んだシンジに業を煮やしたゲンドウが彼のエントリープラグにダミーシステムを起動し、バルディエルを3号機ごと無惨に解体・殲滅する。その戦闘の後、ショックを受けたシンジが怒りのあまり初号機の機体内に篭城してゲンドウに謝罪を要求するも、ゲンドウの命令でL.C.Lの圧縮濃度を限界まで上昇させられて強制排除される。この事件以降、シンジが搭乗を拒否したため、第14使徒ゼルエル戦では代わりにレイが搭乗したが、ユイの魂がシンジ以外を拒絶。以前はシンクロ可能であったレイや、ダミープラグすらも受け付けなくなる。第14使徒ゼルエル戦での戦闘で弐号機、零号機の無惨な結果を目撃し、加持に諭されたシンジは再び初号機に搭乗し、左腕を失いつつも敵を追い込んだがついに電源が切れて停止する。その後シンジの声に反応するかの様に再起動し、3度目の暴走が起きる。再起動した初号機はシンクロ率が400%を超え、第14使徒ゼルエルの腕を引きちぎり、その腕を自らの左腕へ変換した後、ゼルエルのA.T.フィールドを破壊、ゼルエルを捕食しS2機関を獲得する。ここで初号機は覚醒を果たし、他のEVAとは一線を画す存在へと変化した。その後、ゼーレは再度の暴走を警戒し、命令により使用を凍結されたが、第16使徒アルミサエル戦で物理的融合されそうな零号機を救出するため、ゲンドウが独断で凍結解除を発令して戦闘へと復帰する。第17使徒タブリス戦では、タブリス(渚カヲル)が外部から操る弐号機と戦闘、撃退し、さらにタブリス(渚カヲル)を殺した。
劇場版第25話では戦略自衛隊がシンジと初号機との接触を絶つためにケージに注入した硬化ベークライトに拘束され搭乗できなくなっていたが、弐号機が量産機に捕食されているときに無人のまま起動し、ベークライトを破壊してシンジを搭乗させるとジオフロント内に出現した。劇場版第26話では、弐号機の無残な姿を見たシンジに触発され暴走(4度目の暴走)、背に四枚の十字翼型A.T.フィールドを展開する。A.T.フィールドを背負ったままシンジのデストロイドにより地球の衛星軌道上にあったロンギヌスの槍を召喚する。その状態をゼーレに利用されて人類補完計画(サードインパクト)を発現させてしまう。だが、シンジはその世界を望まず、初号機は同化したリリスから分離して地球を包み込むほどの巨大な12枚の赤い翼を展開する。そして、リリスと黒い月を崩壊させ、自らが持つロンギヌスの槍と量産機が持って共鳴させていたロンギヌスの槍のコピーをすべて破壊し、人類補完計画を破局させる。搭乗していたシンジを地球に残し宇宙へと旅立った。
ゼルエル戦において暴走し四つん這いになって瀕死のゼルエルに這い寄っていくシーンがあるが、これは監督が「餓鬼をイメージして描いて欲しい」とアドバイスしたためである。
アニメ版ではレイが搭乗したのは互換起動実験および対ゼルエル戦で出撃しようとした時のみだが(後者は初号機にシンクロを拒絶された)、貞本義行による漫画版では第1話でレイが搭乗して出撃、シンジとミサトを救うシーンがある。
弐号機(EVA-02 PRODUCTION MODEL)
- 搭乗者:
- 惣流・アスカ・ラングレー
- 渚カヲル(第弐拾四話のみ)
- 搭乗者コード:セカンド・チルドレン、フィフス・チルドレン
- 機体色:レッド
- 眼:四眼
- コア(魂):惣流・キョウコ・ツェッペリン
- 初登場話数:第八話
アダムより製作された、エヴァンゲリオンの量産化を前提として開発された、いわば先行量産機。アスカの言葉を借りるなら「本物のエヴァンゲリオン」と呼べる機体である。フルパワー時には頭部拘束具が一部展開、素体の4つ目を露わにする。
NERVドイツ第3支部で組み立てられ、第八話においてNERV日本本部に移送中、第6使徒ガギエルの攻撃を受けたためアスカの判断で起動。初戦を勝利で飾る。その後、他の2体と共に使徒殲滅に当たっていたが、第13使徒バルディエル戦で一瞬の躊躇をつかれ敗北、第14使徒ゼルエル戦においては一切の攻撃が通じず両腕、頭部を切断されて大破する。この連敗と、その両者を倒したのが双方とも初号機であったことにより、アスカのプライドに綻びが生じ、シンクロ率が下がり始める。その後、修理はされたものの、第15使徒アラエル戦においてアスカが精神的ダメージを受けたため、さらにシンクロ率が低下、第16使徒アルミサエル戦では起動すらできない状態となった。その後、廃人と化したアスカの代わりにやってきたフィフスチルドレンにして第17使徒タブリス=渚カヲルの力により無人で起動。彼に従いセントラルドグマへ侵入するが、追ってきた初号機と戦闘になり、初号機によって首筋と頭にプログ・ナイフを突き刺されて活動を停止させられる。
劇場版第25話ではアスカを保護するべくエントリープラグに載せてジオフロント内の地底湖底に配置される。そこに戦略自衛隊の爆雷攻撃が行われたことがアスカに死の恐怖からくる生への執着を蘇らせた。それに弐号機内のアスカの母の魂が呼応し、母の存在を感じたアスカは復活、周囲の戦略自衛隊を壊滅させたがアンビリカルケーブルは切断されてしまう。そのあと弐号機殱滅に投入されたS2機関搭載の量産型EVAシリーズ9機に対して内部電源の3分30秒でほぼ全てを撃破する活躍をみせたが、1機が放ったロンギヌスの槍(コピー版)がA.T.フィールドを貫通、頭部に直撃し同時に制限時間の活動限界を迎えてしまう。身動きの取れない弐号機は再起動したEVAシリーズに鳥葬のごとく内臓を食い尽くされ、アスカの「(量産機を)殺してやる・・・・!」という強烈な意思が暴走(覚醒)を引き起こしかけるも、最後は8本の槍によって串刺しにされ完全に沈黙した。
TVシリーズ第弐拾四話までと劇場版第25話とでは頭部や肘、肩および前腕と胴体の太さなどのバランスが異なる。これはTVシリーズの弐号機は山下いくと(零〜4号機)がデザインしたのに対し、劇場版の弐号機は本田雄(量産機)が再デザインしたためである。
漫画版では渚カヲルがアルミサエル戦で乗機とする(アスカの精神崩壊がアラエル戦直後にされたため)。レイの零号機と同様にアルミサエルの浸食を受けるが、カヲルの力により同化は免れる。この戦いでデュアルソーに物理融合したアルミサエルによって左足を切断されている。
デザインの着想はシューティングゲームのPCエンジン版『超兄貴』に登場する「エル&トポ」から得られている[6]。デザイナーは「常にEVAにはダイバーのようなイメージをもっている」とのこと。
3号機(EVA-03 PRODUCTION MODEL)
- 搭乗者:鈴原トウジ
- 搭乗者コード:フォース・チルドレン
- 機体色:ブラック
- 眼:双眼
- コア(魂):不明(だがトウジの母という説がある)
『新世紀エヴァンゲリオン2』の開発を担当したアルファシステム社の公式掲示板で開発担当者が3号機のコアにはトウジの母親の魂があると明言しており、またゲーム内でもそのように扱われている。
- 初登場話数:第拾八話
アダムより製作された。米国NERV第1支部製。 頭部以外は弐号機と同じで、頭部は角が無い以外は初号機と似ている(プラモデルの説明書にあるラフスケッチには、初号機の後頭部にある部分と似た物体が描かれている)。
米国支部から日本本部へ移送中に第13使徒バルディエルに寄生され(積乱雲に潜んでいたとされる)、松代で起動実験中に使徒として覚醒、第3新東京市に向けて活動を開始する。零号機、弐号機を活動不能に陥れるが、ダミープラグによって暴走した初号機との戦闘の末、原形を留めないほどに破壊される。最後にトウジが閉じ込められたエントリープラグは、初号機によって握り潰される。搭乗していたトウジの結末は、TVシリーズでは左脚切断の重傷、漫画では死亡と展開が異なるが、これはTVシリーズプロデューサーの大月俊倫(キングレコード/当時)が番組製作前に出した、「どんな内容でも構わないが、子供が死ぬようなアニメだけは見たくない」という要求を受けてのものである。
ただ、大月は3号機の登場シーンを、オンエアから2年経った1997年になっても見ておらず、存在も知らなかった。このため、新宿で打ち上げに参加した際、エヴァンゲリオンのプラモデルシリーズ(バンダイ)の中に見知らぬ「黒いエヴァンゲリオン」(=3号機)があるのに気付いた大月は、「誰が許可したんだ、こんなもの」「なんで、こんなのあるんだ」「メーカーが勝手にこんなん作りおって」と憤慨したという[7]。
『新世紀エヴァンゲリオン2』では条件を満たすことでトウジが3号機のパイロットとして戦列に加わる。その後も条件によっては使徒に寄生されずに最後まで運用される。またいくつかのシナリオではスタート時点から3号機パイロットとなっている。N64版では、ゲームモードによっては選択・使用が可能。スーパーロボット大戦シリーズに登場する場合は、イベントによってはバルディエルを浄化して正式運用される場合もある。ただし、初登場した『スーパーロボット大戦F完結編』ではバルディエルとしての3号機ではないが、敵として登場する。『スーパーロボット大戦α』での武装は後述のプラモデル化された際に付属した武器の数と種類が同一である。
なお、プラモデルでは、使徒侵食前の3号機と、使徒侵食後の3号機(第13使徒バルディエル)版がある。腕パーツと一部パーツ以外は共通となっている。
4号機(EVA-04 PRODUCTION MODEL)
アダムより製作された。米国NERV第2支部でのS2機関の暴走により、周りの関連研究施設と共に消滅してしまう。TVシリーズでは外観描写は無い。形状は3号機と同一であり、カラーリングのみシルバーと異なる[8]。ゲームなどで出現するが、それについては詳細の説明を参照。プラモデルやアクションフィギュアは発売されている。
量産機(5号機〜13号機)(EVA-05〜13 MASS PRODUCTION MODEL)
- 搭乗者:ダミープラグ(「システムタイプ:KAWORU」)
- 搭乗者コード:ダミーシステム
- 機体色:ホワイト
- 眼:無し(頭部)
- コア(魂):不明
- 初登場話数:劇場版第25話
アダムより製作された。9体の量産型機。カヲルがベースとなったダミープラグにより稼動する。S2機関を搭載。収納展開が自在な翼を背面に内蔵しており、自力飛行が可能。携帯武器は諸刃の剣(脚本では槍となっている)であるが、これはロンギヌスの槍(コピー)に変形する。ウェポンラックを装備していないのも特徴である。
眼の無いウナギのような頭部が特徴。また、エントリープラグ挿入口や全体的なデザインが他のEVAと異なっている。これは零〜4号機を山下いくとがデザインしたのに対し、量産機のデザインは本田雄が手掛けたことによる。再起動や捕食、再生など、EVA初号機の暴走状態と非常に酷似した行動パターンを持つ。
劇場版第25話では、ジオフロント内の戦略自衛隊を壊滅させた弐号機に対抗するために輸送機から投下され弐号機と交戦した。弐号機の圧倒的な戦闘力の前に終始不利な展開だったが弐号機の活動限界間際に9号機が放ったロンギヌスの槍によって弐号機の頭部を串刺しにする。動けない弐号機に対し全機再起動、再生した量産機は弐号機を鳥葬のごとく捕食した後、全機で上空からロンギヌスの槍を突き刺し葬った。第26話では、レイと同化したリリスからのアンチA.T.フィールドにより、リリス(=レイ)と同化、頭部にいびつに歪んだレイの顔が表出する。その後、初号機を依代にし、サードインパクトを誘発させ各機自らのコアにロンギヌスの槍を突き刺しS2機関を共鳴、およびアンチA.T.フィールドを展開。地球上の人間、全てのA.T.フィールドを無力化し、人類全てをL.C.Lへと還元させた。しかし初号機によって、量産機のロンギヌスの槍は全て破壊されてしまった。その後量産機は全て活動を停止、石化し地上へと降下した。
見た目での区別はつかないが、脚本や絵コンテでは9体の量産機はそれぞれ全て機体番号で区別されている。製作地は、5、6号機がドイツ、8号機が中国である。
弐号機によって破壊された順番は9号機(頭部を潰され背骨を折られる)、11号機(プログ・ナイフを頭部に突き刺される)、7号機(プログ・ナイフで右手を切断され首をへし折られる)、6号機(諸刃の剣で袈裟懸けに斬られる)、12号機(諸刃の剣で腹部から上下に切断される)、8号機(諸刃の剣で左足を切断される)、10号機(ニードルガンで頭部を刺される)、5号機(喉元を握りつぶされ13号機と同時にみぞおちを貫通される)、13号機(5号機越しにコアを鷲掴みにされる)である[9]。
漫画版にもジオフロント侵攻編より登場。復活したアスカの駆る弐号機と死闘を繰り広げる。しかし戦闘力は劇場版を上回っており、劇場版では全機とも一度撃破されているが、漫画版では弐号機を劣勢に追い込んだだけでなく弐号機の機能停止までに三機生き残っている。また再生能力も遥かに強力になっており、初号機と弐号機に与えられたダメージを短時間で完全に回復させている[10]。
量産型のプラモデルは2種類存在しており、通常版は頭部パーツが2種類の形状の交換式で武器は諸刃の剣、「最終戦仕様」版は頭部の口が開閉可能なギミックがあり武器がロンギヌスの槍(コピー)である、という違いがある。
新劇場版のEVAシリーズ
新劇場版3部作のタイトルは「ヱヴァンゲリヲン」であるが、作中における機体の正式名称は旧作同様「エヴァンゲリオン」である。また新劇場版では、局地仕様である封印監視特化型限定兵器の仮設5号機や、ヒト型ですらない円盤タイプのMark.04が存在し、EVANGELIONというカテゴリ自体には「汎用ヒト型決戦兵器」という意味合いは含まれておらず、一部の機体の仕様名称となっている。エヴァンゲリオンに乗る少年少女は『エヴァの呪縛』により成長が止まり、人間(リリン)が立ち入れないようなL結界密度の高い場所でも活動できるようになる。
零号機
- 正式名称:汎用ヒト型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン 試作零号機(EVANGELION PROTO TYPE-00)
- (改造後):同 試作零号機(改)(EVANGELION PROTO TYPE-00')
- 所属:特務機関NERV日本本部
- 搭乗者:綾波レイ
- 機体色:山吹色
- 眼:単眼
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』では改装後もヤシマ作戦前とカラーリングは変更されていない一方、2号機と同じ肩部ウェポンラックが追加され、胸部アーマーも2号機と同様のものになった。第10の使徒との戦闘ではN2弾頭装備のミサイルを抱えて特攻するも撃破出来ず、レイごと第10の使徒に捕食されて取り込まれてしまう。
初号機
- 正式名称:汎用ヒト型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン 試験初号機(EVANGELION TEST TYPE-01)
- 所属:特務機関NERV日本本部
- 搭乗者:碇シンジ
- 機体色:バイオレット
- 眼:双眼→三眼(擬似シン化第2覚醒形態)
細部のデザインやカラーが変更された以外は新世紀版と同じ。シンジの身に危険が迫ると暴走する。新武装としてガトリング砲を用いるが、第5の使徒に有効な打撃は与えられなかった。また第6の使徒戦のモニターから、固有波形パターンは「Blue**A」であることがわかる。『破』における第10の使徒との戦闘では、「世界がどうなっても綾波だけは助ける」というシンジの意志の下、「疑似シン化第1覚醒形態」へと変化。シンジにコントロールされた状態で秘めた能力を開放した。その際は拘束具の蛍光グリーンの部分が赤に変色し、頭上にエンジェル・ハイロゥのような光輪が出現。第10の使徒によって切断された左腕をA.T.フィールドで形成した上、その腕を光のブロックへと変化させ、それによる衝撃波で第10の使徒を吹き飛ばした。また、両目からは光線を放つなど使徒のような攻撃方法を見せたほか、第10の使徒に取り込まれたレイをコアから救出している。プラグ深度は180以上にも達しており、リツコをして「人の域を超えた」と言わしめた。まもなく、レイの姿を取った巨大なヒト型(サルベージされた零号機のコアを基点に、形象崩壊した使徒の体液が集まったもの)と融合し、セカンドインパクト時に出現した4体の光の巨人と酷似した三眼の光の巨人「疑似シン化第2形態」へ到達してサードインパクトを発生させかけたが、月面から降下してきたMark.6が投げた槍によって初期段階で阻止され、ニア・サードインパクトに留められた。その後シンジとレイをエントリープラグ内に取り込んだまま活動を停止、凍結される。
サードインパクト発生から14年後(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』)、十字架形のカプセルに入れられ大気圏外に封印されていたが、反NERV組織ヴィレが奪取作戦を展開。封印から14年が経過しても完全に覚醒状態が治まったわけではなく、作戦中のアスカの危機に際してMark.04コード4Bに向けて光線を発射・撃破し、改2号機を支援している。接収後はシンジをサルベージし、空中戦艦AAAヴンダーのメインエンジンとして組み込まれたが、作戦中の再起動を危惧したヴィレ上層部の判断により、シンジの首にはDSSチョーカー(EVAの覚醒を感知すると、パイロットを殺して覚醒状態を解除させる首輪)が付けられたうえ、検体としての扱いを受けることになった。
2号機
- 正式名称:汎用ヒト型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン 正規実用型 2号機(先行量産型)(EVANGELION PRODUCTION MODEL-02)
- (改造後):汎用ヒト型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン 正規実用型 改2号機(EVANGELION PRODUCTION MODEL-02')
- 所属:特務機関NERVユーロ支部→特務機関NERV日本本部(『破』)→ヴィレ(『Q』)
- 搭乗者:
- 機体色:レッド
- 眼:四眼(のち右上眼を喪失)
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』では初号機・零号機同様カラーリングが若干変更されると共に、額部に短い角飾りが追加されている。また、名称も漢数字からアラビア数字の「2号機」に改められている。さらに一介には告げられていない発動コードをプラグから詠唱することで、拘束具の一部および肩や脊椎に打ち込まれた制御棒が外され、ヒトとしての有様を捨て闘争に特化した獣化第2形態(ビーストモード)へ変形する機能を有する。この形態では文字通り身体能力が規格外に上昇するが、プラグ深度は汚染区域のマイナス値を記録するなどパイロットにも相応の負担を強いる。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』にて初登場。NERVユーロ支部で建造された後日本本部へ移送、その最中の第7使徒登場に伴い輸送機から即交戦に入り見事勝利。以来零号機・初号機と組んで使徒殲滅にあたるが、3号機の到着によって「各国はEVAを3体しか所有出来ない」というバチカン条約に抵触、ユーロ支部の命令で一度凍結された。新武器として超電磁洋弓銃、サンダースピアを使用したほか、左右両方のウェポンラック内部にナイフホルダー、および連装ニードルガンのペンシルロックを固定装備として格納してあり、劇中で最も多種多様な武装を使用した。第10使徒襲来においては、マリが凍結を無断解除してアスカの代わりに搭乗。裏コード「ザ・ビースト」により「獣化第2形態(第1種)」へと変形し、第10使徒のATフィールドを全て破壊するなど奮戦するも、第10使徒の圧倒的戦闘力には及ばず左腕と右顔面を失い中破。避難していたシンジをシェルターからジオフロントに連れ出した後、活動を停止した。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』では第10使徒戦で失った右顔面・左腕を機械パーツで補修した、サイボーグじみた外貌の「改2号機」として登場。8号機と共にヴィレ所有となり、戦況に応じて装甲・武装を換装する仕様が取られるなど、NERV所有のEVAと比較し汎用兵器としての側面が強くなっている。劇中冒頭では、左腕義手として巻き取り式ロープガン、本体の2.4倍以上の超巨大な背部ブースター[11]を装備し、宇宙空間での活動に特化した「改2号機β」として登場。宇宙空間でMark.04からの攻撃を躱し、8号機の支援も受けた末に初号機の奪還に成功する。水中でのヴンダー主機点火作業以降は、本物の腕より一回り太い形状(前腕部以降をガトリングガンへと換装可能)の左腕義手および、β仕様以前より堅牢な装甲を装備した「改2号機γ」として運用される。ヴィレの空中戦艦AAAヴンダーの動力炉を強制点火したり、新装備である双刃の薙刀を振るってMark.09や第13号機との戦闘を行なうなど奮闘する。暴走し「アダムスの器」としてヴンダー奪還を測ったMark.09を止めるべく、「コード777(トリプルセブン)」のモードチェンジにより、前作『破』での獣化第2形態(第1種)からさらに尾や猫科の獣のような牙が発生した獣化第2形態へと変形し奮戦。最終的にMark.09排除のために自爆し、機体の一部のみが8号機とともに回収された。
3号機
- 正式名称:汎用ヒト型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン 正規実用型3号機(EVANGELION PRODUCTION MODEL-03)
- 所属:特務機関NERV北米第3支部→特務機関NERV日本本部
- 搭乗者:式波・アスカ・ラングレー(テストパイロット)
- 機体色:ブラック
- 眼:双眼
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』に登場。フェイスマスクが赤色になっているなど、テレビ版とは細部カラーリングが異なる。テレビ版ではシンジの親友である鈴原トウジが搭乗したが、新劇場版ではアスカが搭乗する。テレビ版同様、初号機のダミープラグシステムにより機体はバラバラに引きちぎられるが、手で握りつぶす描写だったエントリープラグの破壊は、噛み潰される描写へと変わっている。新劇場版における各部の変更点については『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を参照。
4号機
- 正式名称:汎用ヒト型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン 次世代試験4号機(EVANGELION NEXT GEN TESTBED-04)
- 所属:特務機関NERV北米第2支部
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』に登場するが、テレビ版と同様に具体的な描写はない。稼働時間の限界を延長する(新劇場版ではS2機関という表現はされていない)試験機であったが、事故によって周辺施設と共に消滅した。試験内容の詳細はリツコですらほとんど知らされておらず、事故との見解にも加持が疑義を示している。
Mark.04
- 正式名称:EVANGELION Mark.04
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』に登場するEVA。先の消滅したとされる4号機との関連性は不明。コード4A、4B、4Cの3種類が存在し、いずれも従来のヒト型のEVAとは形状が全く異なり、コアブロックと呼ばれる弱点を持つ本体は円盤状となっている。また固有波形パターンは使徒と同じ青とされるが、モニター上ではニアリーイコールとなっている。
- コード4A
- US作戦時に改2号機を襲撃したEVA(数体)。モニター内の表示は「Mk.04A」だが、ヴィレからは「コード4A」と呼称された。散弾発射機構とアンチA.T.フィールドの効果を持つ四叉の槍を備え、A.T.フィールドを後方に多層構造の如く展開することで自在に飛行する。いずれも8号機の援護射撃で破壊された。コアブロックは黒い円盤状で、コアは2つ。
- コード4B
- US作戦時に改2号機を襲撃したEVA。初号機が封印されていた十字架状の棺に潜伏していた。折りたたみ式の長いフィールド反射膜と呼ばれる腕を4本持ち、リング状に展開し集光することでA.T.フィールドが中和しない謎の光を放つ。改2号機の左腕を破壊し追い込むが、覚醒した初号機の光線により殲滅される。コアブロックは黒い円盤状で、コアが1つ。破壊時には形象崩壊し、虹の輪が現れた。
- コード4C
- ヴンダーを襲撃した敵(計4体)。ネーメズィスシリーズとも呼ばれる。モニター内の表示は「Code 04c」。接触した巡洋艦が消滅する「光の柱」を複数出現させ艦隊を包囲し飽和攻撃をヴンダーにしかけるが、最終的には擬装コクーン内に潜伏していたコアブロックをヴンダーにより引きずり出され、エネルギー貫通弾の連射により破壊された。コアブロックは黒い円盤状で、コアが16個、帯状の腕を16本もつ。破壊時には形象崩壊し、虹の輪が現れた。
仮設5号機
- 正式名称:封印監視特化型限定兵器 人造人間エヴァンゲリオン 局地仕様仮設5号機(EVANGELION PROVISIONAL UNIT-05)
- 所属:特務機関NERV・ベタニアベース
- 搭乗者:真希波・マリ・イラストリアス
- 機体色:グリーン、シルバー
- 眼:ゴーグル型
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』に登場するEVA。名称が示す通り、汎用性に優れた他のEVAと大きく異なり、NERV・ベタニアベースに封印されている第3の使徒の封印監視を目的に、同施設内での戦闘に特化した特殊な形態・機能を持つ。急造品の機体であるためか、プラグスーツは旧式で、シンクロ開始時に苦痛を伴う。加えて、インテリアと腕部がケーブルでつながれていてパイロットの身体の動きが制限される、インダクションレバーのトリガーの数が多いなど、機体制御や操縦システムに粗が目立つ。
頭部と胴部は従来のEVAとほぼ同様の形状をしているが、下半身は4本足の多脚型で先端には車輪のようなものがあり、狭い空間でスムーズに旋回などを行うことが可能。脚部にはブースターノズルを装備している。また、胴体の下部にはドリルが二つ装備されており、急減速の際に地面に突き立ててブレーキ代わりに使用する。腕はヒジから先が義手として機械化されており、左腕は二本爪のマニピュレーター。右腕にはランス(対使徒専用殲滅兵器「簡易式ロンギヌスの槍(似非復元型)」)を装備しているが、ランスを排除すると左腕と同じ二本爪マニピュレーターになる。これらの仕様はマリに言わせると「鈍重」「パワー不足」とのこと。
機体の特性上アンビリカルケーブルは無く、代わりに肩部ウェポンラックの先端にあるパンタグラフによって電力を得ており、そこから背面へ伸びるケーブルによって本体に電力を供給している。背面には脱出ユニットを背負っている。エントリープラグが挿入口から射出され、ユニットと連結、その後にユニットに装備されているブースターが点火され機体から分離し飛行するというシークエンスで脱出が行われる。
『破』冒頭で、復活した第3の使徒と交戦。地下の「辺獄エリア」から「アケロンエリア」への侵入を許すも、マニピュレーターで使徒のコアを握り潰す。その際、稼動状態がフルパワーに達したためか初号機と同様の口を開く描写がある。マリはエントリープラグごと脱出し、自爆プログラムを起動。機体を道連れに使徒を殲滅した。劇中ではこの一件自体が5号機と第3の使徒を葬り去るためにゲンドウらの指示で加持リョウジが工作したものであることが示されている。
Mark.06
- 正式名称:EVANGELION Mark.06
- 搭乗者:渚カヲル
- 機体色:ネイビー
- 眼:バイザー型(双眼)
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』のラストシーンにおいて登場する月面の黒い巨人をベースに建造された。建造中の巨人の頭部の仮面は旧世紀版の第2使徒リリスのものと酷似している。ゲンドウ曰く「建造方式が他とは違う」エヴァンゲリオンである。『破』の序盤では月面のタブハベースにて建造中であり、建造現場上空をゲンドウと冬月が視察に訪れたが、ゼーレが上陸を拒否している。ゼーレが「真のエヴァンゲリオン」と呼称し、当初NERVに報告することなく建造が進められていた。終盤で完成、カヲルが搭乗してNERV本部上空に飛来。サードインパクトを起こしつつあった初号機を手にしたカシウスの槍で停止させた。『序』『破』の予告では「エヴァ6号機」と、劇中では「マークシックス」(Mark.06)と呼称されている。バイザー内部には初号機と似たような形状の双眼がある。また、覚醒した初号機と同様に頭上に光輪を持ち飛行能力を有する。通常のエヴァンゲリオンよりかなり大きい。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』から『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の空白の14年時に自律型に改造され、槍で貫かれリリスの胴体とともにセントラルドグマ最深部に放置されていた[12]。第13号機により槍を引き抜かれた際に、体内の第12使徒が活動を再開するが、アヤナミレイ(仮称)の乗るMark.09によって首を落とされ、Mark.06は活動を停止する。(体外に出た第12使徒は第13号機に吸収された上で、コアは噛み砕かれた)
『Q』本編後の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の予告ではMark.06を暗い緑色にした大量のEVAが8+2号機と戦っていたが、関連性は不明。
8号機
- 正式名称:汎用ヒト型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン 正規実用型(ヴィレカスタム) 8号機(EVANGELION PRODUCTION MODEL CUSTOM TYPE-08)
- 所属:ヴィレ
- 搭乗者:真希波・マリ・イラストリアス
- 機体色:ピンク
- 眼:複眼(8個)
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』に登場するヴィレ所属のEVA。2012年8月6日から、鎌倉市の鶴岡八幡宮にて開催される「ぼんぼり祭」にて初イラストが公開された。イラストには「evangelion 3.0 EVA:08α '12 8/2」の文字と庵野のサインが入っていた。
初号機の起こしたニア・サードインパクトから14年後、反NERV組織であるヴィレが運用するEVA。カラーリングはピンク。当初は14年前に運用されていた2号機と同じようなボディのα仕様だったが、後に改修を受けてβ仕様となる。こちらはボディが太くなったほか、手首から腕にかけて篭手のような防具が追加されている。劇中ではロングバレルの超長距離ライフルやハンドガンといった銃器を用いたほか、予備のバッテリーパックなどを運搬して2号機をバックアップした。
『新劇場版:破』の予告では本編と異なり、「胎動するエヴァ8号機とそのパイロット」とあり、特異な頭部デザイン(錨型のバイザー)の機体が一秒ほど表示されるのみで、詳細は不明。初号機・Mark.06同様の角らしき物、耳およびイヤリングのような意匠、初号機と同様の睫毛のような模様、巨大な光の輪が確認できる。
Mark.09
- 正式名称:EVANGELION Mark.09
- 所属:NERV
- 搭乗者:アヤナミレイ(仮称)
- 機体色:山吹色→グレー
- 眼:単眼→複眼(12個)
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』に登場するNERV所属のEVA。装甲の仕様・カラーリングは零号機に酷似している(シンジも初見時には零号機と誤認した)が、頭部のカメラアイが極端に大きく、可動式になっているのが特徴。ヴィレからはAAA ヴンダー本来の主たる「アダムスの器」と認識されている特殊な機体で、背部ユニットとして巨大な可変式ブースターパックが存在するなど汎用兵器としての用途も若干残されているが、電力供給を必要としないどころか、機体そのものがコアとなっていることから、全身を一度に殲滅されない限り頭を吹き飛ばされようが稼働に支障をきたさないなど、疑似シン化初号機や第13号機に近い人外の領域のエヴァンゲリオン。近接戦闘時は大型の鎌を武器とする。
発艦後のAAAヴンダーを急襲、8号機の銃撃による頭部欠損もものともせず、検体として監禁されていたシンジを鹵獲しNERV本部に連れ帰る。第13号機のセントラルドグマ降下時には、支援及び復活するであろうMark.06への対処のため同行、妨害に現れたヴィレ所有EVAを交えて奮闘する。
第13号機の覚醒に伴いアヤナミレイ(仮称)のコントロールを離れ、ゼーレのシステムを基に自律稼働を開始、頭上に光輪が出現し飛行能力を発揮、さらに光線を放つようになる。第13号機の鎮圧に現れたヴンダーに着艦後、その艦橋に同調した形状の12の眼をもつ頭部を再生し、機体色をヴンダーの艦橋色に変色、装甲が剥がれた腹部に仮面のような物体を出現するなど、ヴンダーの「本来の主」としての機能を遂行する異形の形態と化す。触手状に変異させた脚部でヴンダーを侵食し、主機に干渉してシステム奪還を図ったが、獣化形態となった改2号機に組み付かれ、アヤナミレイ(仮称)の脱出後、改2号機の自爆によって殲滅された。
第13号機
- 正式名称:エヴァンゲリオン第13号機(EVANGELION 13)
- 所属:NERV
- 搭乗者:碇シンジ・渚カヲル(2人乗り)
- 機体色:バイオレット
- 眼:四眼
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』に登場するNERV所属のEVA。NERV本部で建造されていた[13]。カラーリングなどは初号機に酷似しているが、8号機のような太い胴体、2段重ねになった眼などに違いがある。リリスの結界を突破するための機体でもあり、2人乗りの「ダブルエントリーシステム」となっているのは、セントラルドグマ最深部にあるロンギヌスの槍とカシウスの槍の2つを入手するために2つの魂=2人のパイロットが必要とされるためである。エントリープラグは肩甲骨の部分にある挿入口から挿入され、また、2本の槍を扱うため胸部にも1対の腕が隠されており、胸部展開時に4本腕の異形の姿となる。EVA本体はA.T.フィールドを発することは無く、機体の周囲に小型ユニット4基(モニターには「RS Hopper」と表示されている)を浮遊させ、この端末からA.T.フィールドを展開することで攻守に力を発揮する。
カシウスとロンギヌスの対の槍、そしてこの機体を使えば「世界の修復」も可能だとされ、それを望むシンジとカヲルはセントラルドグマ最深部に到達し、2号機を退けてロンギヌスの槍とカシウスの槍を手に取ろうとする。違和感を覚えたカヲルが制止するもシンジは聞かず、さらにカヲルのエントリープラグのみが管制システムを切断され(この時眼が赤色へと変化する)、シンジは一人で機体を操作して強引に2本の槍を引き抜いてしまう。それによりMark.06内に潜伏していた第12の使徒が復活し、侵食を受けたカヲルが第13の使徒へと堕とされる。そして最終的には第12の使徒を吸収し、初号機の擬似シン化形態をも超えた形態に変化し、フォース・インパクトを起こしてしまう。これを止めるため、カヲルは機体に2本のロンギヌスを刺し、シンジから引き取っていたDSSチョーカーの作動により死亡。それでもガフの扉は閉じず、マリが強制的にシンジのエントリープラグで射出させたことで、フォース・インパクトは初期段階で抑えられた。
8+2号機
- 正式名称 :不明
- 所属:不明
- 搭乗者:不明
- 機体色:右半身がピンク、左半身は赤
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』に登場する(と思われる)EVA。『Q』本編後の次回予告内で、近接格闘とマゴロクソード(エヴァンゲリオンANIMAに登場する武器)を用いて大量のエヴァンゲリオンと戦っていた。機体自体は名前の通り8号機、2号機をそれぞれ融合したニコイチ機体となっている。
その他EVAシリーズ
以下は作中未登場又は、映像化されていない。
4号機
- 搭乗者
- 渚カヲル(新世紀エヴァンゲリオン2、パチンコおよびパチスロ新世紀エヴァンゲリオンシリーズ 〜使徒再び〜、〜最後のシ者〜、〜始まりの福音〜に登場 )
- 相田ケンスケ(バトルオーケストラ、碇シンジ育成計画 のみ)
- PS2・PSP用ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』、パチンコ『CR新世紀エヴァンゲリオン 〜使徒 再び〜』、『CR新世紀エヴァンゲリオン 〜最後のシ者〜』では渚カヲルが搭乗。PCゲーム・PS2用『鋼鉄のガールフレンド2』および同名の漫画では相田ケンスケが担当するものの、実際には搭乗せず。またPCゲーム『新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画』『新世紀エヴァンゲリオン バトルオーケストラ』では、相田ケンスケが搭乗する。PS2用『シークレット オブ エヴァンゲリオン』ではダミープラグの実験用機体として登場。
- 搭乗者コード:不明
- 機体色:シルバー
- 眼:双眼(赤)
- コア(魂):不明(新世紀エヴァンゲリオン2では魂が無い設定)
『新世紀エヴァンゲリオン2』においては隠し機体として登場するが、ゲーム版『鋼鉄のガールフレンド2』では本編同様消滅している。機体色以外は3号機と同様の形状。プラモデルやアクションフィギュアが発売された。ちなみに『新世紀エヴァンゲリオン2』では、カヲルと4号機は実は互いに交信しており(カヲルは『彼』と呼ぶ)、NERV本部上空に現れた異空間からカヲルの呼び掛けにより姿を現す。また『シークレット オブ エヴァンゲリオン』では、主人公であるNERV諜報部員剣崎キョウヤの手により、S2機関暴走という理由を捏造してNERV北米第2支部を丸ごと葬り、その影で密かに機体をNERV本部に搬入したという経緯で登場する。こちらもまた、3号機とは塗装以外のデザインは全く変わらない。
『CR新世紀エヴァンゲリオン 〜使徒 再び〜』では、左腕に防御兵装が追加されたオリジナルのデザインで登場。『CR新世紀エヴァンゲリオン 〜最後のシ者〜』及び『CRエヴァンゲリオン〜始まりの福音〜』では、新劇場版の他のエヴァ同様に細部のカラーリングが異なったデザインで登場。右腕に装備した半透明のシールドで第6使徒の加粒子砲を防ぎ、左腕に装備したロンギヌスの槍を投擲している。
エヴァンゲリオン乙型(乙号機)
- 搭乗者:渚カヲル
- 機体色:ライトオーカー
- 眼:不明
- コア(魂):不明
- PS2用『名探偵エヴァンゲリオン』『新世紀エヴァンゲリオン バトルオーケストラ』に登場
ブロッコリー製作のゲームに登場するオリジナル機体。『名探偵エヴァンゲリオン』では乙型、『新世紀エヴァンゲリオン バトルオーケストラ』では乙号機と呼称するが、同一の機体である。他のエヴァンゲリオンにはない翼が装備されており自律飛行が可能。ゲーム『名探偵エヴァンゲリオン』ではゼーレ査察官渚カヲルの専用機。初登場はボウリングのピン型の死徒襲来のとき。死徒と疑われたボウリング場を破壊しようとした。また、虫歯型死徒襲来の際は3号機を死徒と疑い連行しようとした。最後のボスであり死徒として覚醒したカヲルを取り込みターミナルドグマで初号機と対決した。第1形態と第2形態がある。
エヴァンゲリオン甲号機
- 搭乗者:不明
- 機体色:ダークグリーン
- 眼:不明
- コア(魂):不明
- PS2用ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン バトルオーケストラ』に登場
ブロッコリー製作の『新世紀エヴァンゲリオン バトルオーケストラ』エンドレスモードにおいて、41番目の敵として登場する。ゼーレが極秘裏に開発したエヴァンゲリオンで、エヴァンゲリオン乙号機の兄弟機。背部にEVAとしては初となる円形状のビーム兵器を装備している。さらに、この武装は分離することでオールレンジ攻撃が可能。このビットは複数のサイズが存在し、すべてを合体させることで、強力なビーム砲としても使用できる。この武装は、背中に固定された状態でも使用できる。解説書では、雨龍・凱龍等と記されているが、正式名称は不明。第1形態と第2形態がある。
馬型最終決戦兵器 ヱヴァインパクト
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』とJRAのコラボレーションCMに登場した人造サラブレット。
JRAとNERVがJRA補完計画として極秘共同開発され、近代競馬史に残る名馬のDNAとNERVのテクノロジーの融合によって誕生。東京競馬場地下で最終起動実験が行われており、飛来したロンギヌスの槍がトリガーとなり活動を始めている。搭乗者は武豊。
武装
白兵戦用
- プログレッシブ・ナイフ
- EVA各機に標準装備されている近接戦闘専用武装。プログ・ナイフと略称されることが多い。コードネームは「PK-01」。
- 高振動粒子で形成された刃により、接触する物質を分子レベルで分離させることで切断する。通常は肩のウェポンラック内に格納されており、シャムシエル戦において初めて実戦使用された。アンビリカルケーブル分離後の時限戦闘において使徒のコア部を貫き、その近接戦闘における有効性を示した。以降劇中では最も使用頻度の高いEVAの装備品となる。
- 弐号機にはカッターナイフ状の新型「PK-02」(破損しても後ろの刃を押し出すことで再度使用が可能となる)が採用された。替え刃が前提となっている分初号機に搭載されている「PK-01」より強度が劣り、量産機との戦闘では二回ほどで使用不能になっている。
- D型装備に装着していた際には、四隅に固体ブースターノズルを付けたカバーに納めていた。
- 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』ではEVA各機のナイフのデザインおよび肩部ウェポンラック内の格納デバイスが一新。初号機は中折れ式のナイフとなり、コードネームも「PKN-01C」に変更されている。2号機は両刃のナイフに変更され、両肩に装備されるようになった。
- ソニックグレイヴ
- プログ・ナイフと同様に超振動によって相手を分子レベルで切り裂く薙刀。第九話で弐号機が使用し、イスラフェルを両断したが再生され、倒すには至らなかった。第拾九話では使用はされなかったが、ゼルエル戦時弐号機の足元の地面に突き刺さっていた。
- スマッシュホーク
- プログ・ナイフと同様に超振動で敵を分子レベルで切り裂く斧。第拾六話で弐号機が使用。レリエルのディラックの海から逃れるためビルに刺して足場にし、脱出に成功した。
- ニードルガン
- プロダクションモデル(弐号機以降)から装備されることになったもの。プログレッシブナイフとは逆の肩のウェポンラックに収納されている。劇場版第25話で弐号機が使用。7連装で発射後に薬莢が排出される(劇中では2回連射された)。
- 『スーパーロボット大戦α』では、ニードル発射機構として零号機〜3号機の標準装備となっている。
- ビームグレイブ
- ビームの刃を展開する槍状の武器。第九話で初号機と弐号機が使用。前腕装甲板に収納しており伸ばして使う。左右の腕で合わせて2本装備でき、先端からビームの刃を発生させるだけでなく、2本の柄の間にビームスクリーンを展開し相手を両断することもできる。
- サンダースピア
- 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』で登場。中折れ式の突撃用銃剣で、2号機に搭乗したマリが第10の使徒に近接戦闘を挑む際に使用。
(以下は劇中に登場せず)
- マゴロク・エクスターミネート・ソード(マゴロックス)
- 大型の日本刀状の刀。マゴロク・E・ソードと略される。初出はアニメ雑誌『ニュータイプ』1996年1月号表紙の山下いくと画のイラストより。フィギュアなどの立体造形物やゲームでは頻繁に登場し(「スーパーロボット大戦シリーズ」では初号機の必殺武器扱いである。『スーパーロボット大戦α』では居合い斬りのモーション、『第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ』では上段から振り下ろす)、山下が制作総指揮をつとめる『エヴァンゲリオン ANIMA』でも初号機F型装備の武装として登場した。『ニュータイプ』表紙にて発表された当初、鞘先端と柄先端は厳密には設定されていなかったが、後述のカウンターソード共々、詳細に設定画が描き起こされている。なお2タイプがあり、ステージ1は試作品で刀身にA.T.フィールドが発生できず廃棄され、実戦投入されたものは『エヴァンゲリオン ANIMA』に登場したステージ2仕様からである。
- テンプレート:独自研究範囲。
- カウンターソード
- PlayStation用ゲーム『スーパーロボット大戦α』に登場。いわゆる脇差のような形をしているが一種のガンブレードでもあり、刀身の根元上部に銃口がついており、柄にあたる部位に内蔵されたトリガーを引くことで発射可能。刃の峰の後ろに付いている白い円柱状の部分がマガジンとなっている。
- 元々はバンダイのプラモデルLMHGシリーズ『エヴァンゲリオン初号機 輸送台仕様』に前述のマゴロックスを付属させる際、バンダイ担当者から「設定画があるならぜひ欲しい」との要望により設定画が描き下ろされた。山下は当初鞘(ソードパレット)に収めて肩部ウェポンラック後部に装着するように考えていたが、1本では見栄えが悪いとのことで同時に設定が起こされ、マゴロックス共々付属された。
- アクティブソード
- セガから販売されていたセガサターン用ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression』内において使用できる初号機の接近戦用装備。見た目はマゴロックスそのもの。
- プログレッシブ・ダガー
- 従来のプログ・ナイフを大型化し殺傷力を高めている。PlayStation2用ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』『第3次スーパーロボット大戦α』、PSP用ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2 造られしセカイ -another cases-』に登場し、F型装備に搭載される。
- 大型破砕兵器デュアルソー
- チェーンソーが2つ繋がったような形状をした近接戦装備。PlayStation2用ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』での新規武器として登場したのが初出。ゲームから漫画版に逆輸入され、カヲルの搭乗する弐号機がアルミサエル戦で使用。しかし、アルミサエルに物理融合され逆に弐号機が左足を切断される。
- トンファー
- 『新世紀エヴァンゲリオン バトルオーケストラ』で3号機が使用する武器。通常のコンボ技の他、必殺技時には突進しての一撃を繰り出す。
銃火器
- ハンドガン
- プラモデルでは、「専用拳銃」となっている。また、『スーパーロボット大戦F』では「パレットガン」という名称だった。第拾六話で初号機が使用。
- パレットライフル
- 主に初号機が頻繁に使用したアサルトライフルのような銃。レールガンの原理で劣化ウラン弾を高速射撃する。
- 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』では、「エヴァンゲリオン専用大口径209mm小銃 AU Assault Rifle Type MM-99」と名付けられている。
- スナイパーライフル
- 零号機が第拾六話と第弐拾参話で使用した。セミオートマチック。レリエルには(上空のものは影だったため)通用せず、アルミサエルにも通用しなかった。
- ポジトロンライフル
- 陽電子(ポジトロン)が物質中の電子に衝突・消滅する力を利用した武器。第六話ではまだ試作段階だったために使用されず、後述のポジトロンスナイパーライフルが徴用された。実戦での初登場は第九話。第弐拾弐話で弐号機が、アラエルを攻撃するための改良型(ポジトロンライフル20X)を使用している。使用の際は、右肩のウェポンラックを外す必要がある。
- ハンドバズーカ
- 第拾九話で弐号機が使用した小型で取り回しの良いバズーカ砲。弐号機がゼルエルへ使用したが、通用しなかった。
- バズーカ
- 第拾八話で弐号機が携行した大型のバズーカ砲。3号機(バルディエル)には使用されず、威力は不明。
- サブマシンガン
- 本編で武装ビルにクレーン搬入されているシーンがある。きお誠児によってデザインされた。
- EM-226エヴァンゲリオン専用携帯型回転式多砲身440mm機関砲(ガトリング砲)
- 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』において、第5の使徒との戦いで初号機が使用。砲身は6門、弾倉はドラムマガジン。
- 超電磁洋弓銃(クロスボウ)
- 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』で登場した武器。2号機が装備し、第7の使徒殲滅に使用された。矢の射出時に銃口からA.T.フィールドが拡散するような描写がされている。実在のクロスボウとは比較にならない連射速度を持つ。
- ペンシルロック
- 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』で登場した武器。肩のウェポンラックに装備されるニードルガンで、両肩合わせて20本が装備されている。マリが2号機へ搭乗した際に第10の使徒へ使用したが、至近距離で撃ち込んだにもかかわらず全てA.T.フィールドに弾かれている。
- スナイプ・ガン
- アニメ本編には登場せず、『MAGIUS新世紀エヴァンゲリオンRPG』に登場した武器。パレットライフルの銃身を延長し、スナイパースコープを装着した狙撃仕様。
特殊兵装
- ロンギヌスの槍
- 死海(南極大陸跡地)で発見された巨大な赤い槍。長さはEVAの身長を優に超えるほどで、通常は二又の刃先をしているが、状況によりその形状は変化する。A.T.フィールドを無効化する力(アンチATフィールド)を持つ。ターミナルドグマのリリスに突き刺されていたが、第弐拾弐話において零号機が衛星軌道上の第15使徒に対し投擲して使用した。使徒殲滅後は月軌道に達し、加えて人類が宇宙から持ち帰りうる質量を超えていたために回収は不可能とされた。劇場版第26話にて暴走したEVA初号機によって呼び寄せられ、人類補完計画の要の一つとして用いられた(この槍のオリジナルは第1使徒アダム、第2使徒リリスが持つ2本だが、新劇場版では4本になっており、コピーが5号機の右腕に装着されている)。
- カシウスの槍
- 『新劇場版:破』のラストシーンで、覚醒した初号機に対しMark.06が投げつけた槍。サードインパクトを起こしかけた初号機を完全に沈黙させた。穂先が幅広であるにもかかわらず、コア中心部のみを射抜くかのように突き刺さった。以後はMark.06と共にセントラルドグマに安置されていた。ロンギヌスの槍とは対となる槍であり、『新劇場版:Q』において、シンジの望む「世界の修復」のキーアイテムとなりうることがカヲルの発言により示唆されている。
- EVA専用改造陽電子砲NERV仕様(ポジトロン・スナイパー・ライフル)
- ラミエル殲滅のためにNERVがつくばの戦自研から借用したもの。第弐拾弐話で零号機が使用したものは、これをもとにNERVが独自に建造したもの。照準および発射はEVAによって行われる。射撃には1億8千万kW(キロワット)という莫大な電力が必要で、ヤシマ作戦は日本中の電力を全て徴発して実施されることとなった。一度発射すると冷却や再充填、ヒューズの交換などで次弾発射までかなりの時間がかかる。
- スーパーロボット大戦シリーズでは、ヤシマ作戦後も初号機や零号機の兵装として登場する。
- 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』では大出力型第2次試作自走460mm陽電子砲と改称された。デザインはオレンジを基調としたカラーリングの本体に3つの自走用のキャタピラがついている。
- 耐熱光波防御盾
- EVA専用の耐熱光波防御兵器。ヤシマ作戦で零号機が使用。単段式宇宙輸送機(SSTO)の船底を流用したもので正式装備ではない。もともとSSTOの船底は超電磁コーティングされていたこともあり、第5使徒ラミエルの加粒子砲の直撃にも17秒までなら耐えられる強度を獲得している。
- 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』ではエヴァンゲリオン専用単独防御兵装 ENCHANTED SHIELD OF VIRTUEと改称され、正式な専用装備となっている。デザインはV字型の装甲板を複雑に組み合わせた鋭角的なものになっており黄色と白に塗装されている。中央のパーツは取り外して小型の盾として使用可能である。また下部には固定用のアンカーが取り付けられている。
- 専用バッテリーユニット
- アンビリカルケーブル非接続時の稼働時間を30分延長できる外付け式の電池。肩のウェポンラック後部に装着され、容量切れの際は速やかに取り外される。NERV本部全体が停電していたために電力供給がままならない状況下で、マトリエル殲滅のために出撃したEVA3機がこれを用いた。
- N2爆弾
- 第拾九話で零号機がゼルエルに対して自爆攻撃を行ったときに使った爆弾。次世代の戦略兵器である。爆弾タイプ以外に地雷や爆雷などのバリエーションが存在し、劇中で国連軍や戦略自衛隊が使徒に対して何度か使用している。ゼルエルはこれをコアを遮断する形で防御したためダメージは与えられなかった。
- 諸刃の剣
- 量産機が持つ大型の両刃剣で、柄の両端に長い刃と短い刃がついている。ロンギヌスの槍を基に造られたレプリカで、投擲の際にロンギヌスの槍の形に変化して弐号機を貫いていた。オリジナル同様にA.T.フィールドの無効化が可能である。
- インパクト・ボルト
- F型装備の両肩に装備されている。A.T.フィールドにより発生させ、エネルギーチャンバー内で増幅した高出力の指向性電撃を放出する。アニメ本編ではロボットアニメ的な必殺技が無かったエヴァンゲリオン初号機のために設定された兵装であり、『新世紀エヴァンゲリオン2』(PS2版、PSP版)、『第3次スーパーロボット大戦α』に初号機F型装備の最強の攻撃手段として登場する。
- 全領域兵器マステマ
- プログ・ナイフと同様に超振動により物体を分子レベルで切り裂くブレードがついたフレームに、ガトリング砲、2発のN2ミサイルを装着した兵器。「全領域兵器」の名のとおり、近接、射撃、広域破壊に対応できる万能武器である。名称の由来は、ユダヤ教の『出エジプト記』に登場する悪魔、マステマで、ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』での新規兵装が初出である。
- 使徒キャッチャー
- 第拾話にてD型装備の弐号機が使用したフレーム状の兵器。浅間山火口内で繭状で発見された使徒サンダルフォンを捕獲するために用いられた。捕獲時はフレーム内に使徒を収め、電磁膜によって捕獲する。緊急時には爆砕ボルトで切り離しが可能である。
- 垂直式使徒キャッチャー
- ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド』に登場。水中にいる使徒を捕獲するための装備だが、外見はEVAの大きさに合わせたリール式の釣竿である。
特殊装備
- 陸専用A型装備(陸戦装備)
- 企画書に登場する、本編のB型装備と思われる装備。企画段階では、第拾参話にて大破。改造され、敵・使徒から回収された陽電子機関(本編のS2機関)を搭載する予定だった。色は白。
- B型装備(通常装備)
- 第壱話から登場。基本装備であり、登場回数が1番多い。
- なお、「B」とはベーシックの意で、肩部ウェポンラックを装備しただけで特にオプションを装備していない。
- C型装備(飛行用装備)
- 『新世紀エヴァンゲリオンRPG NERV白書』の「死海文章・伝承」のページに登場。
- EVAの飛行を目的に開発された。比較的自由に飛びまわれるものの停止が不可能で、使徒の攻撃を回避しやすくはなるものの、逆に命中率が低くなってしまうという欠点がある。テストの結果、コストの割にはまったく役立たず、完成済ユニットとともに破棄された。
- D型装備(耐熱耐圧耐核装甲)
- 第拾話に弐号機に装着される形で登場。肩部ウェポンラックを取り外して装備する。人間が使う深海作業用の潜水服に似ており、搭乗の際にはプラグスーツも専用の物を着用する。基本的なデザインは普通のものと同一だが、右手首のスイッチを押すことで膨張し、断熱・耐圧機能を持つ。
- F装備(空挺降下戦用)
- 第七話に登場。EVA空輸専用の全翼機に搭載された状態を指す。
- 量産機の運搬方法は既存のEVAとは違い、零〜弐号機がゲージに納められて運搬されるのに対して、下半身、頭部、両腕を固定され、地面に対し背中を向けて吊り下げられる形で運搬されている。
- F型装備(フィールド偏向制御運用実験機AFCエクスペリメント)
- PlayStation2用ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』『第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ』、フィギュア企画『エヴァンゲリオン ANIMA』に登場。第14使徒ゼルエル戦でS2機関を搭載したことにより、無限の動力とより強力なA.T.フィールドを得たEVA初号機に対し、
- それまでの使徒戦の戦訓から従来の汎用兵器としての特性を捨て、「火力の向上」「重装甲化」を施す
- それに伴う重量増を補うための「A.T.フィールドを利用した機動力の上昇」
- などのコンセプトに基づいて、前述のインパクトボルトなどの追加武装を施したとする設定である。この改装により、初号機は他の装備への換装、および従来使用した兵器の使用ができなくなった。後の『エヴァンゲリオン ANIMA』ではコンセプトが若干改められ、マゴロクソードを装備できるように手のデザインが変化している。
- 来るべきゼーレとの決裂を予期した上で、量産機との対決をも見越した改装であり、空挺降下戦用のものと名称が重複しているのは、ゼーレの目を欺くためである。そのためか、機体各部には従来の「NERV」ではなく「NERV JAPAN」とマーキングされている。
- 『第3次スーパーロボット大戦α』で自軍に届くのは人類補完計画阻止後で、想定されていた量産機との戦闘もなかった。一方『エヴァンゲリオン ANIMA』ではロンギヌスの槍の犠牲になった弐号機を救出するべく、量産機との戦いへ出撃している。
- ホビー雑誌の企画として零号機や弐号機のF型装備もデザイン・キット化され、食玩化もされている。このうち零号機F型装備は『エヴァンゲリオン ANIMA』でも登場している。零号機は右腕と右脚を廃して大型の陽電子砲と射撃安定用のパイルバンカーが装備された義足が接続され、自走が不可能なかわりに砲撃戦に特化した仕様になっており、弐号機は長剣の二刀流による近接戦を想定した仕様になっている。
- G型装備(狙撃用)
- 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』におけるヤシマ作戦で使用される。
- 右肩のホルスター部がレーダーアンテナと狙撃用スコープが組み合わされたものに変更されている。使用時にはアンテナとスコープが展開され前述の460mm陽電子砲と接続される。
- 空中挺進専用S型装備
- 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』に登場。『序』終盤の次回予告でも登場しており、これを装備した2号機が空中から降下してくるカットがある。
- 当装備は空中から降下・およびその姿勢制御用のエアボーン装備であるため、飛行能力は持たない。下腕部のフィンが翼状になっている他、肩部ウェポンラックを挟み込む形で減速用ジェットエンジンノズルと安定翼が装着されている。
- S型装備(宇宙空間戦闘用)
- スーパーロボット大戦シリーズに登場。B型装備と外見上の違いは無い。
- V型装備(飛行用装備)
- C型装備と同様に『新世紀エヴァンゲリオンRPG NERV白書』の「死海文章・伝承」のページに登場。
- C型装備とは逆に姿勢の変更を含めた細かい静止運動が可能なものの、その場にホバリングするのが精一杯という欠点がある。テストの結果、C型装備同様コストの割にはまったく役立たず、完成済ユニットとともに破棄された。
その他
命名
EVAを零号機・初号機…と呼称するのは、映画の試写における零号試写(最初の試写)・初号試写(2回目の試写)…に由来する。
デザイン
デザインは零〜4号機をマンガ家の山下いくと、量産機をアニメーター(劇場版メカ作監)の本田雄が手掛けている。2003年に新世紀エヴァンゲリオン企画10周年を記念して発売されたPS2用ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』用にF型装備仕様の初号機やジェット・アローン改、およびEVAの新兵装などが山下いくとの手によって追加デザインされた。なおゲーム本編には登場しないが模型雑誌の企画用にF型装備仕様の零号機と弐号機のデザイン画が描き起こされており、バンダイから商品化もされている。新劇場版では、山下により初号機と零号機の細部デザインと色彩が変更(テレビ版初期デザイン案に回帰し、そこから調整)され、また新規装備のデザインが作られた。次いで主に3DCGとの整合性を図るため、本田により新たに初号機のデザイン画が起こされている。
EVAの身長設定
EVAの身長については、アニメ制作時には明確な数値が設定されておらず、「ウルトラマンと同じ身長」(=40m)とされていた。スーパーロボット大戦シリーズへの出演に当たって決められた設定も「40〜200m」というものである。厳密に大きさを定めないことで、そのシーンにおいて最も演出的に適切な作画を行うことを可能にしている。従って画面上に登場する様々なものを尺度にEVAの身長を求めても、そのシーンごとに全く違う数値が算出される。ウルトラマンにおいても初登場時の設定は40mと定められているが、撮影現場ではそれを厳密に再現していない。新劇場版においては全長80メートルとしたと庵野は雑誌の対談で語っている。
参考書籍
- 週刊 EVANNGELION CHRONICLE (新訂版) 2009年 DEAGOSTINI
- 新世紀エヴァンゲリオンRPG NERV白書
脚注
テンプレート:新世紀エヴァンゲリオン- ↑ ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序_公式サイト_キャラクター相関図より。
- ↑ このシステムは、貞本義行が当時鑑賞していたTV番組『驚異の小宇宙 人体II 脳と心』から着想を得ている。月刊少年エース2002年12月号付録「お貞本」より。
- ↑ この呼称法は庵野秀明の地元に存在するスーパー「マルキュウ」(09)のことを地元の人がオーナインと呼んでいたことによる(『スキゾ・パラノ エヴァンゲリオン』より)。
- ↑ エヴァンゲリオン・クロニクルその他より。
- ↑ TVシリーズ第弐拾参話より。
- ↑ 新世紀エヴァンゲリオンコンセプトデザインワークス それをなすもの 44ページ。
- ↑ 株式会社太田出版『庵野秀明スキゾ・エヴァンゲリオン』(1997)P.161による。
- ↑ プラモデル化の際に設定された。
- ↑ 『THE ESSENTIAL EVANGELION CHRONICLE SIDE B』94ページ。
- ↑ 不完全な再生であった劇場版と異なり、切断された四肢や破壊された頭部も再生している。
- ↑ 海洋堂、映画に先がけてエヴァ2号機の“新型装備”をリボルテック化 - GAME Watchより。
- ↑ 『Q』本編では経緯不明だが、『破』上映時の次回予告では「ドグマへと投下されるエヴァ6号機」という台詞とともにMark.06がドグマ内部を降下するシーンがあった。
- ↑ ドーム状の中で胎動しており、完成すると中から大量の液体を流して引き上げられていた。