旭市
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旭市(あさひし)は、千葉県の北東部にある市。人口は約7万人。九十九里浜の最北端に面しており、夏季には海水浴客で賑わう。
地理
千葉県の北東部に位置し、東京都心から80km圏、県都千葉から北東に約50kmにある。南部は九十九里浜に面し、北部に下総台地が広がる。市の中央部を東西に総武本線と国道126号が通る。
統計
- 人口:70,595人(男 34,514人 女 36,081人)
- 世帯数: 24,482世帯
- 面積:129.91km²
- 人口密度:543.41人
(2008年10月1日現在)
人口
隣接する自治体
歴史
- 1911年(明治44年) - 旭農業高等学校開校
- 1951年(昭和26年) - 大利根用水完工
- 1953年(昭和28年) - 旭中央病院開設
- 1954年(昭和29年)7月1日 - 海上郡旭町が市制施行、旭市となる。
- 1963年(昭和38年) - 東総工業高等学校開校
- 1964年(昭和39年) - 旭中央病院付属看護専門学校開設
- 2005年(平成17年)7月1日 - (旧)旭市と香取郡干潟町、海上郡海上町・飯岡町が対等合併し新しい旭市となった。旧市の人口は約4万1000人、面積は50.61km²。
- 2011年(平成23年)3月11日 - 沿岸部に東北地方太平洋沖地震による県内最大7.6mの津波が襲い、飯岡地区を中心に沿岸付近の民家が全壊318棟、半壊850棟、県内最多13人の死者を出した[1]。のちに天皇・皇后両陛下が飯岡地区を訪問した。
「旭」という市名(最初は町名)は、一説には「旭将軍」と呼ばれた木曾義仲の末裔とされ、この地で没した木曾義昌を詠んだ「信濃より いつる旭をしたひきて 東の国にあととどめけむ」から採られたとされる。
この歌は、弘化元年(1844年)木曾氏末裔を称する芦原検校(木曾義長)が、東漸寺において営んだ「木曾義昌公250回忌」において京都の国学者野々口隆正が詠んだ追悼歌で、この時に寄せられた追悼歌400首を収めたのが、市の指定文化財ともなっている「慕香和歌集」である。
行政区域変遷
- 変遷の年表
旭市市域の変遷(年表) | ||
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年 | 月日 | 現旭市市域に関連する行政区域変遷 |
1889年(明治22年) | 4月1日 | 町村制施行に伴い、以下の町村がそれぞれ発足。[2] |
1890年(明治23年) | 10月27日 | 庄内村は改称し中和村になる。 |
1914年(大正3年) | 12月12日 | 浦賀村・足川村が合併し浦賀村が発足。 |
1915年(大正4年) | 10月1日 | 浦賀村は改称し矢指村になる。 |
1954年(昭和29年) | 2月11日 | 旭町・富浦村・矢指村が合併し旭町が発足。 |
3月31日 |
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6月1日 | 豊畑村・共和村は旭町に編入。 | |
7月1日 | 旭町が市制施行し旭市となる。 | |
海上町の一部(琴田の一部)は旭市に編入。 | ||
1955年(昭和30年) | 4月10日 | 古城村・中和村・万歳村が合併し干潟町が発足。 |
7月20日 | 神代村は笹川町・橘村・東城村とともに合併し、東庄町が発足。 | |
海上町の一部(琴田の一部)は旭市に編入。 | ||
1956年(昭和31年) |
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1957年(昭和32年) | 飯岡町の一部(三川の一部)は海上町に編入。 | |
1958年(昭和33年) | 飯岡町の一部(三川の一部)は銚子市に編入。 | |
1960年(昭和35年) | 海上町の一部(琴田、江ケ崎の各一部)は旭市に編入。 | |
1984年(昭和59年) | 旭市の一部(網戸山)を海上町に編入 | |
2005年(平成17年) | 7月1日 | 旭市・飯岡町・海上町・干潟町が合併し旭市が発足。 |
- 変遷表
旭市市域の変遷表(※細かな境界の変遷は省略) | ||||||||||
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1868年 以前 |
明治元年 - 明治22年 | 明治22年 4月1日 |
明治22年 - 昭和19年 | 昭和20年 - 昭和64年 | 平成元年 - 現在 | 現在 | ||||
匝瑳郡 | 太田村 | 旭町 | 旭町 | 昭和29年2月11日 旭町 |
昭和29年7月1日 市制 |
平成17年7月1日 旭市 |
旭市 | |||
海上郡 | 網戸村 | |||||||||
成田村 | ||||||||||
十日市場村 | ||||||||||
中谷里村 | 富浦村 | 富浦村 | ||||||||
仁玉村 | ||||||||||
神宮寺村 | ||||||||||
椎名内村 | 浦賀村 | 大正3年12月12日 浦賀村 大正4年10月1日 矢指村に改称 | ||||||||
野中村 | ||||||||||
東足洗村 | ||||||||||
西足洗村 | ||||||||||
足川村 | 足川村 | |||||||||
匝瑳郡 | 井戸野村 | 豊畑村 | 豊畑村 | 昭和29年6月1日 旭町に編入 | ||||||
泉川村 | ||||||||||
川口村 | ||||||||||
大塚原村 | ||||||||||
駒込村 | ||||||||||
新町村 | 共和村 | 共和村 | ||||||||
鎌数村 | ||||||||||
海上郡 | 上永井村 | 飯岡町 | 飯岡町 | 昭和29年3月31日 飯岡町 | ||||||
下永井村 | ||||||||||
飯岡村 | ||||||||||
行内村 | ||||||||||
平松村 | ||||||||||
横根村 | ||||||||||
岩崎村 | ||||||||||
萩園村 | ||||||||||
塙村 | 豊岡村 の一部 |
豊岡村の一部 | ||||||||
八木村の一部 | ||||||||||
三川村 | 三川村 | 三川村 | ||||||||
権田沼新田 | ||||||||||
琴田村 | 嚶鳴村 | 嚶鳴村 | 昭和29年3月31日 海上町 | |||||||
後草村 | ||||||||||
高生村 | ||||||||||
江ケ崎村 | ||||||||||
清滝村 | 滝郷村 | 滝郷村 | ||||||||
幾世村 | ||||||||||
岩井村 | ||||||||||
松ケ谷村 | ||||||||||
見広村 | 鶴巻村 | 鶴巻村 | ||||||||
大間手村 | ||||||||||
長尾村 | ||||||||||
倉橋村 | ||||||||||
蛇園村 | ||||||||||
香取郡 | 鏑木村 | 古城村 | 古城村 | 昭和30年4月10日 干潟町 | ||||||
万力村 | ||||||||||
秋田村 | ||||||||||
諸徳寺村 | 明治13年 清和村 |
庄内村 | 明治23年10月27日 中和村に改称 | |||||||
松沢村 | ||||||||||
南堀之内村 | ||||||||||
長部村 | ||||||||||
米込村 | ||||||||||
入野村 | ||||||||||
万歳村 | 万歳村 | 万歳村 | ||||||||
関戸村 | ||||||||||
溝原村 | ||||||||||
桜井村 | 神代村 の一部 |
神代村の一部 | 昭和30年7月20日 東庄町 昭和31年 干潟町に編入 |
行政
- 市長:明智忠直(あけち ただなお 2009年7月31日 - 現職 2・3代)
- 歴代市長
- 市役所(本庁):〒289-2595 旭市ニ1920
- 支所:旧旭市役所を旭市役所本庁とし、他3町の庁舎は支所となっている。支所のデータは以下の通り。
- 海上支所(旧海上町役場):〒289-2604 旭市高生1
- 飯岡支所(旧飯岡町役場):〒289-2713 旭市萩園1800
- 干潟支所(旧干潟町役場):〒289-0592 旭市南堀之内10
住所表記
- 旭地区は変更無し。
- 海上地区、飯岡地区、干潟地区は旭市の後に大字名が付く。
- 例1:海上郡海上町大字高生→旭市高生
- 例2:海上郡飯岡町大字萩園→旭市萩園
- 例3:香取郡干潟町大字萬歳→旭市萬歳
警察
- 旭警察署(旭市全域を管轄)
消防
- 旭市消防本部
- 旭市消防署(消防本部内)
- 旭市イ2953-1
- 海上分署
- 旭市高生1
- 飯岡分署
- 旭市萩園1800
- 干潟分署
- 旭市南堀之内17
- 旭市消防署(消防本部内)
県の機関
- 千葉県海匝合同庁舎
- 海匝地域振興事務所
- 千葉県旭県税事務所
- 千葉県教育庁北総教育事務所海匝分室
経済
産業
農業・畜産業
- 飯岡貴味メロン
- 養豚
水産業
ショッピングセンター
スーパーマーケット
ホームセンター
姉妹都市・友好都市
- テンプレート:Flagicon 長野県茅野市(姉妹都市)
- テンプレート:Flagicon 沖縄県中城村(友好交流市村)
地域
病院
教育
高等学校
中学校
- 旭市立干潟中学校
- 旭市立海上中学校
- 旭市立第一中学校
- 旭市立第二中学校
- 旭市立飯岡中学校
小学校
- 旭市立飯岡小学校
- 旭市立嚶鳴小学校
- 旭市立共和小学校
- 旭市立古城小学校
- 旭市立琴田小学校
- 旭市立三川小学校
- 旭市立滝郷小学校
- 旭市立中央小学校
- 旭市立中和小学校
- 旭市立鶴巻小学校
- 旭市立富浦小学校
- 旭市立豊畑小学校
- 旭市立干潟小学校
- 旭市立萬歳小学校
- 旭市立矢指小学校
文化施設
博物館
- 大原幽学記念館
旭市の施設
- 飯岡体育館・飯岡野球場・飯岡庭球場
- 海上体育館
- 海上野球場・庭球場
- 干潟さくら台野球場・庭球場
- あさひパークゴルフ場
- 旭スポーツの森公園
- 飯岡刑部岬展望館~光と風~
- 海上コミュニティ運動公園
- 旭市海上キャンプ場
- 滝のさと自然公園
千葉県の施設
- 千葉県東総文化会館
- 千葉県総合スポーツセンター 東総運動場
- 千葉県立東部図書館
交通
道路
鉄道と駅
路線バス
高速バス
- 犬吠号(旭ルート): 浜松町BT・東京駅 - 干潟・旭・旭中央病院東 - 海上・飯岡・銚子駅・犬吠埼 (千葉交通、京成バス)
- 銚子~千葉・幕張線: 免許センター・海浜幕張駅・千葉中央駅・千葉駅 - 干潟駅前・旭・海上・飯岡・陣屋町 (千葉交通) ※平日1往復
一般路線バス
- 旭市コミュニティバス(千葉交通が委託)
- 千葉交通
観光
名所・旧跡・観光スポット
- 大原幽学遺跡(国の史跡)
- 玉崎神社(本殿、拝殿および狛犬は千葉県指定有形文化財)
- 熊野神社(神事の「熊野神社の神楽」は千葉県指定無形民俗文化財)
- 鎌数伊勢大神宮(神事の「鎌数の神楽」は千葉県指定無形民俗文化財)
- 八坂神社(太田のエンヤーホーは千葉県指定無形民俗文化財)
- 刑部岬:飯岡灯台や飯岡刑部岬展望館~光と風~がある 日の出、日の入り、夜景が美しい。
- 屏風ヶ浦
- 飯岡漁港
- 飯岡風車群 - 丘の上に風力発電の大きな風車が並んでいる。
- 矢指ヶ浦温泉
- 矢指が浦海水浴場
- 飯岡海岸海水浴場 - 海水浴場の横ではサーフィンや釣りが楽しめる。
- 岩井不動堂・キャンプ場
- 東漸寺
- 水神社永代大御神楽(千葉県指定無形民俗文化財)
祭事・催事・イベント
- 飯岡しおさいマラソン大会 - 2月の第一日曜日に開催。
- 飯岡海浜花火大会 - 7月最終土曜日に開催
- いいおかYOU・遊フェスティバル - 7月最終土曜日,日曜日に開催
- 旭市七夕まつり - 8月6日、7日に開催
出身有名人
- 茂木啓三郎(元キッコーマン社長、旭市名誉市民)
- 東京商科大(現在の一橋大)を卒業し、当時の野田醤油(現在のキッコーマン)に入社。手腕が認められ茂木家に婿入り。キッコーマン中興の祖と呼ばれる。勲二等瑞宝章が授与された。
- 加瀬禧逸(元衆議院議員)
- 東京法学院(現在の中央大学)に学び弁護士に。東京弁護士会副会長、中央大学副総長などを歴任した。正六位勲三等。
- 荒井のり子(陸上競技 車いす200m走)
- 3大会連続してパラリンピック(アトランタ、シドニー、アテネ)に出場。
- 石毛宏典(元・プロ野球選手)
- 銚子市立銚子高等学校、駒澤大学卒業後、プロ野球西武ライオンズに入団。同年新人王獲得。西武ライオンズの黄金期の立役者として活躍。福岡ダイエーホークスに移籍後引退。監督としてはオリックス・ブルーウェーブの監督を務めた。四国アイランドリーグの創設・代表者を経て現在は関西独立リーグの最高顧問。
- 片山まさゆき(漫画家)
- 明治大学中退、麻雀マンガを数多く発表している。
- 椎名佐千子(歌手)
- 千葉県立銚子高等学校卒業、2002年に歌手デビュー。
- 高木晃次(プロ野球選手)
- 私立横芝敬愛高等学校卒業、プロ野球阪急ブレーブスに入団。福岡ダイエーホークス、ヤクルトスワローズを経て、現在千葉ロッテマリーンズに在籍中(現スコアラー)
- 高橋順子(詩人)
- 東京大学卒業、現代詩女流賞、現代詩花椿賞、読売文学賞などを受賞。
- 土屋正勝(元・プロ野球選手)
- 千葉県立銚子商業高等学校卒業、プロ野球中日ドラゴンズに入団。
- 富沢祥也(オートバイレース選手)
- 尾上旭(元・プロ野球選手)
- 長澤義明(自転車ビルダー、メカニシャン)
- 中野浩一の世界選手権自転車競技大会プロ・スプリント10連覇時の自転車ビルダー及びメカニシャン。
- 神代明夫(ベーシスト)
- 諸橋芳夫(元旭中央病院長、旭市名誉市民)
- 東京帝国大学(現在の東京大学)医学部を卒業し、昭和27年旭中央病院初代院長に就任。(社)全国自治体病院協議会会長、(社)日本病院会会長を歴任。勲一等瑞宝章が授与された。
- 菅谷哲也(俳優、タレント)
その他
- 市外局番は市内全域「0479」。但し、合併当初は市内局番が「6X」の地域(旧・旭市と旧・干潟町)は「八日市場MA」、市内局番が「5X」の地域(旧・海上町と旧・飯岡町)は「銚子MA」であり、市内でMAをまたがる区域の通話は市外局番からかける必要があったが、2009年11月1日より市内全域が八日市場MAに統合されて問題が解消した。
- 千葉県旭市ロ1番地(郵便番号:289-2516)は日本一短い地名の一つである。
- 2007年9月14日放送のテレビチャンピオン2においてサンドアート選手権の舞台となった。
- 浪曲『天保水滸伝』はこの付近が舞台、登場人物の侠客、飯岡助五郎が縄張りとした。
- 東北地方太平洋沖地震では、市域で最大波高が7.6mとなる津波が押し寄せ[3]、千葉県下の犠牲者数では最大となる13名が犠牲となっている。
関連項目
脚注
外部リンク
- 行政
- 観光