陛下
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陛下(へいか)は皇帝・天皇の敬称。転じて国王の敬称としても用いられる。広義には、皇帝・国王と同等の地位にある皇后・王妃・スルタンなどへの敬称としても用いられ、この場合は例えば英語のYour/His/Her( Imperial, Royal, etc. )Majestyとほぼ互換出来る。
尊敬の対象を直接呼び掛けることを忌むことで敬意を示す敬称であり、「玉座、高御座(たかみくら)の陛(階段)の下においでのお取り次ぎの方にまで申し上げます」程度の意味。
元は秦において採用されたとされ、後漢の蔡邕の説によれば、「陛」とは皇帝のいる宮殿の階段のことであり、皇帝に上奏する者は「陛」の下にいる侍衛の臣にその内容を告げて奏し、侍衛の臣が上奏者に代わって上奏したことに由来したという説を唱えている。
日本では律令法の「儀制令」において天皇に上奏する際の敬称として「陛下」が採用されて以来、天皇に対してのみ使われる敬称であったが、皇室典範 (1889年)の制定以後は、后位(皇后・皇太后・太皇太后)の敬称としても採用される。もっとも大日本帝国成立以来現在に至るまで、単に“陛下”と表記可能な対象は天皇に限られ、皇后の場合は「皇后陛下」となる。