リリー・ポッター

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リリー・ポッター(Lily Potter)は、J・K・ローリングの小説『ハリー・ポッター』シリーズ、及びその派生作品に登場する架空の魔女である。

ハリー・ポッターの母親。故人。ヴォルデモートから息子を守ろうとして殺されたが、彼女の自己犠牲と愛情は、ハリーを後々までヴォルデモートから守る「力」となる。

登場巻

1巻(みぞの鏡に映って)、4巻(霊魂として)、5巻(スネイプの憂いの篩の中で)、7巻(霊魂として・スネイプの記憶の中で)

人物

外見

髪はたっぷりとしていて、深みがかった赤毛。目はアーモンド型で緑色の瞳を持つ。美人で、姉妹のペチュニアとは全く似ていない。

息子のハリーの外見は全体的に父親似だが、瞳の色と形は母親と同じである。

略歴

1960年1月30日マグルのエバンズ家に誕生。

9 - 10歳の頃、近隣に住むセブルス・スネイプと知り合い、自身が魔女であることを知る。そしてスネイプから魔法界の知識を得るうち、友人となる。

1971年ホグワーツ魔法魔術学校に入学、グリフィンドール寮生となる。この時、後の夫となるジェームズ・ポッターと出会っているが、在学途中まで幼馴染のスネイプを侮辱する傲慢な態度を嫌悪していた。成績は優秀で、ホラス・スラグホーンフィリウス・フリットウィックのお気に入りの生徒だった。

スリザリン寮生となったスネイプとの交流は続いていたが、スネイプが闇の魔術に傾倒し、後に死喰い人となる連中と付き合い始めたことから徐々に心の距離が開き、やがて「マグル生まれ」への侮蔑で終に愛想を尽かし、交友関係が断絶してしまった。そして7年生で傲慢な態度を改めたジェームズと交際を始め、ホグワーツ卒業後に結婚。20歳の時に一子ハリーをもうける。

ホグワーツ卒業後は不死鳥の騎士団の一員として活動し、三度ヴォルデモートの手から逃れた。シビル・トレローニーの「予言」により、ヴォルデモートに我が子の命が狙われていることが判明して以降、アルバス・ダンブルドアの指示により、「忠誠の術」の庇護のもと、ゴドリックの谷の自宅で生活することになる。この措置は保護という名の軟禁状態に近いものがあったが、彼女自身はそれを苦とせず、軟禁生活に焦る夫を案じていた。

しかし1981年10月31日ピーター・ペティグリューの裏切りによりヴォルデモートが保護魔法を突破し、ポッター家を襲撃。食い止めようとした夫の死を悟った彼女は、ヴォルデモートの前に立ちはだかり、自分の命を差し出す代わりに息子の助命を懇願しつつ、彼の放った「死の呪い」を受けて死亡した。死を目前にした彼女の行為は、一般には知られていない防護魔法の施法であり、息子ハリーは彼女の命懸けの魔法によって護られるようになった。これが、直後にヴォルデモートがハリーへ放った「死の呪文」を跳ね返し、ヴォルデモート失踪の原因となった。またダンブルドアはこの防護魔法を強化し、ダーズリー家をハリーを完全に防護する安全地帯とした。

死後、ジェームズと共に、1995年6月24日のハリーとヴォルデモートの決闘の際には呪文逆戻し効果で霊魂状態でハリーの前に現れ、1998年5月2日のホグワーツの戦いでは蘇りの石で再び霊魂状態でハリーの前に現れている。

性格・才能

正義感が強く、ジェームズとシリウスがスネイプを攻撃するのをやめさせようとしたり、スネイプに彼が自分の学友を傷つけるような仲間とつるむのを批判している。

明るく朗らかな人柄で周囲の人気があった。また心優しい性格で、多くの人物から慕われていたが一方で正義感の強さから人を嫌うことも多かった(もっとも嫌っていた相手は死喰い人になろうとしている生徒や自分の好き嫌いで過剰に人を貶める人間など実際に難のある人間だったが)。

ホラス・スラグホーンのお気に入りの一人で、魔法薬に長けていた。

守護霊は牝鹿で、夫のジェームズと対になっている。「が」(原書では"「g」")の書き文字の癖は、ハリーと同じであった。

人間関係

ペチュニア・ダーズリーとは姉妹。姉妹の長幼の順については、日本語版では2巻以降、リリー=姉、ペチュニア=妹と訳されてきた。しかし、7巻の子供時代のエバンズ姉妹の登場シーンにおいて、原書ではペチュニアを年上と認識している[1]。つまり、リリー=妹、ペチュニア=姉である。邦訳においてこの部分は、先述の日本語版翻訳の経緯から訳されていない。

ペチュニアとは幼少期は仲が良かったが、ホグワーツ入学を境に嫌悪されるようになる(ペチュニアもホグワーツ入学を望んだが、魔力がなく叶わなかった事から来る妬みの感情もあった)。 その後も交流は続いていたが険悪であり、ペチュニアと当時の婚約者バーノン、自身のボーイフレンドのジェームズとの食事では、ジェームズとのやり取りでペチュニアとバーノンが怒って途中退席したことでリリーは泣いており、ペチュニアの結婚式で花嫁付添人を断られたことで悲しんでいる。ハリー誕生の知らせを最後にペチュニアに手紙を送らなくなるが、シリウスに書いた手紙(後述)では、クリスマスにペチュニアから趣味の悪い花瓶をプレゼントされたと書いている。[2]

夫:ジェームズ・ポッターの事は入学前のホグワーツ特急で同じコンパートメントに乗り合わせた際、いきなりスネイプとの会話に口を出し、彼の考えを頭ごなしに否定してきた事がきっかけで嫌っており、在学途中まで彼のスネイプへの悪質な「悪戯」や、見せびらかし癖などを「傲慢でいやなやつ」と嫌悪していた[3]。しかし7年生になりジェームズが素行を改めると、彼との交際を始め、卒業後結婚に至った。

幼馴染:セブルス・スネイプからは好意を寄せられていた。リリーは彼から魔法界のことと自身に魔力があることを教えられ、友人となる。しかしホグワーツに入学後、スネイプが死喰い人となる集団に身を置いたことで徐々に疎遠になっていった。そして彼の傾倒する闇の魔術や、自身と同じマグル生まれの友人達を差別していた事を快く思っていなかった所に、彼がリリー自身のことも「穢れた血」と呼んだことがきっかけで、ついに我慢できなくなり決別を言い渡した。

シリウス・ブラックとはジェームズと同じく入学前のホグワーツ特急で同じコンパートメントに乗り合わせおり、この時シリウスが特に何か失礼なことを言う前からジェームズ同様に「嫌い」という視線を向けている。その後もジェームズと同様スネイプへの悪質な「悪戯」を行っていたシリウスを嫌っていたと思われるが、いつからか親しくなり「パッドフット」と渾名で呼ぶようになった。シリウスはハリーの1才の誕生日に箒をプレゼントし、それに対してリリーが書いたお礼の手紙も登場している。

リーマス・ルーピンピーター・ペティグリューとも後々親しくなり、ピーターのことは「ワーミー」と渾名で呼んでいた。また映画でルーピンはリリーを「偏見を持たない女性で、私のような者にも優しくしてくれた」と述べている。

歴史研究者のバチルダ・バグショットとも交流があった。

マグルではない事は周知の事実だが、ヴォルデモートは侮蔑の意味を込め、リリーを指して「マグルの母親」と呼んでいる。

家族

映画

ハリー・ポッターと賢者の石』から回想シーンや写真などで登場。

ジャラルディン・サマーヴィル英語版)が演じていた。日本語版の吹き替えは田中敦子が担当した。

脚注

  1. 原書7巻33章より抜粋引用「There was undisguised greed in his thin face as he watched the younger of the two girls swinging higher and higher than her sister.“Lily, don’t do it!” shrieked the elder of the two.」
  2. 一部『ポッターモア』からの情報
  3. しかし、作者は「これまで嫌っていたジェームズと、リリーはなぜ結婚したのか」というファンからの問いに、「あなたも女性なら彼女の態度の意味が分かるのでは?」と返しており、リリーは傲慢ささえ無ければジェームズを憎からず思っていたことがわかる。

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