新・仁義なき戦い
『新・仁義なき戦い。』(しん・じんぎなきたたかい。)は大阪を舞台にしたヤクザ映画。阪本順治監督。2000年に公開された作品である。
2003年には、新たなキャスト・スタッフによる『新・仁義なき戦い/謀殺』が公開。橋本一監督。(後述)
あらすじ
日本最大の暴力団・佐橋組の組長の死を発端に、組の跡目をめぐって若頭補佐の粟野と、若手実力者の中平の関係が悪化。そんな中、粟野組の門谷は、幼馴染のコリアン実業家の栃野と再会し、組の抗争へと巻き込まれていく。
作品について
深作欣二監督「仁義なき戦い」のリメイクとしながらも、舞台を大阪に移し、抗争も現代的な駆け引きを中心とした全く異なるストーリーとなっている。
深作監督は公開当時の宣伝用コメントや、各媒体インタビューで「自分が撮ったものとは違うが、これはこれでいい」という旨のコメントをしている。
また停電のシーンや蟹を食べるシーンなど、随所に深作版のオマージュとも取れる演出が施されている。
キャッチコピーは、俺は生きざま、こいつは死にざまや。
キャスト
- 豊川悦司(門谷甲子男)
- 布袋寅泰(栃野昌龍(洪昌龍))
- 佐藤浩市(中平淳史)
- 岸部一徳(粟野和市)
- 村上淳(山下鉄雄)
- 小沢仁志(斎木保)
- 松重豊(松田安蔵)
- 大和武士(遠山鯛一郎)
- 哀川翔(韓秀国)
- 早乙女愛(登美子)
- 余貴美子(椿)
- 織本順吉(溝口武雄)
- 曽根晴美(宮松司郎)
- 志賀勝(篠崎正彦)
- 佐川満男(梶原治)
- 川上泳(三つ馬浩)
- 水上竜士(伊田泰治)
- 中本奈奈(君子)
- 俊藤光利(韓建基)
- 康すおん(友田三郎)
- 衣笠友章(高石晋)
- 浜田学(杉孝夫)
- 平井賢治(千藤芳彦)
- 井川修司 (小石彰一)
- 大地義行(粟野幹二)
- 寺尾繁輝(村田)
- 久保田直樹(東)
- 山田武(佐藤)
- 千田孝康(店員)
- 武田一度(不動産業者)
- 山之内幸夫(教師)
- 岩尾正隆(池田順次)
- 谷口高史(黒岩)
- 伊吹友木子(松井友木子)
- 村木勲(田丸厳)
- 野口貴史(島津猛)
- 下祢秀平(門谷の少年時代)
- 梅林亮太(栃野の少年時代)
- 榎田貴斗(虎水)
- 武井三二(国松愛二)
- 福本清三(戸田孝夫)
- 森保郁夫(佐伯)
- 森下桂子(一美)
- 春藤真澄(門谷の母親)
- 細川純一(栃野の父)
- 鈴川法子(栃野の母)
- 本山力(中川)
- 芳野史郎(山本)
- 秋谷まり子(ヤクザの女)
- 大林菜穂子(ヤクザの女)
- 宇口徳治(老父)
- うわぎ喜代子(老婦)
- 壬生新太郎(新聞配達所の主人)
- 浅田祐二(職員)
- 小峰隆司(マスター)
- 杉山幸晴(斎木のボディガード)
スタッフ
映画音楽
テーマ曲と共に挿入曲等、音楽監督は布袋寅泰が行う。その前作のフレーズを活かしたテーマ曲と共に、今作品のオリジナルのテーマ曲「新・仁義なき戦いのテーマ(BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY )」等を作曲。
世界的な映画監督のクエンティン・タランティーノが元々、「仁義なき戦いシリーズ」及び深作欣二監督を敬愛しており、なおかつ今作品のこの曲を大変気に入り、映画「キル・ビル」のテーマ曲としてそのまま使用されたのを機に、世界の各放送媒体、イベント等で使用されるようになった。テレビのスポーツ番組での「対決」をコンセプトとした部分に使用されたり、MLB・ニューヨークヤンキースの松井秀喜選手の打席に向かう際のテーマへの起用、さらに桜塚やっくんの出囃子になるなど、幅広く使われている。
主なロケ地
『新・仁義なき戦い/謀殺』
解説
スタッフ・キャストを一新して2003年に製作された。 阪本順治版とは打って変わって、仁義なき戦いのパブリックイメージにより近いスタイルで、エネルギッシュな人物像とやくざ抗争劇を描く。単独でも鑑賞に支障はないが、物語は阪本版の後日談となっている。
高橋克典 演じる、いわゆる経済やくざと、古いタイプの武闘派極道渡辺謙 の対比が物語の特徴だが、『新・仁義なき戦い。』の「主人公二人が共感しつつも対立し、破滅していく」という図式は、本作も引き継がれている。
また音楽は東京スカパラダイスオーケストラが担当、おなじみのテーマ曲を現代風にアレンジしている。