長打率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
長打率(ちょうだりつ、テンプレート:Lang-en-short)は、野球において打者を評価する指標の一つ。
目次
概要
長打率は、打数が記録される打席において打者が打撃によって獲得できる1打数あたりの塁打数の期待値(平均値)を表す指標である。以下の式で求められる。
- 長打率 = 塁打÷打数
日本では歩合(割・分・厘など)で表すことが多い。上記の式で算出された数値の小数第4位を四捨五入して第3位までの値を長打率として用いる。整数部分の0は省略することが多い。
打率などと異なり百分率ではないので、数値の上限が1を超える。最高値は4.000で、全打数で本塁打を打った場合に記録される。ただし、メジャーリーグや日本プロ野球において規定打席に到達した打者が1.000を超える長打率を記録したことはない。
日本プロ野球
年度別リーグ平均長打率
年度 | セントラル・リーグ | パシフィック・リーグ |
---|---|---|
1999年[1] | .412 | .397 |
2000年[2] | .402 | .406 |
2001年[3] | .395 | .427 |
2002年[4] | .394 | .406 |
2003年[5] | .425 | .445 |
2004年[6] | .437 | .440 |
2005年[7] | .411 | .414 |
2006年[8] | .396 | .387 |
2007年[9] | .400 | .384 |
2008年[10] | .391 | .404 |
2009年[11] | .388 | .406 |
2010年[12] | .410 | .403 |
2011年[13] | .340 | .348 |
2012年[14] | .338 | .347 |
2013年[15] | .375 | .376 |
長打率に関する個人記録
通算記録
順位 | 選手名 | 長打率 | 順位 | 選手名 | 長打率 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 王貞治 | .634 | 11 | 長嶋茂雄 | .540 |
2 | A.カブレラ | .592 | 12 | 松中信彦 | .537 |
3 | 松井秀喜 | .582 | 13 | 田淵幸一 | .535 |
4 | 落合博満 | .564 | 14 | 張本勲 | .5339 |
5 | T.ローズ | .559 | 15 | 長池徳士 | .5338 |
6 | ブーマー | .555 | 16 | 福留孝介 | .532 |
7 | 中西太 | .553 | 17 | 掛布雅之 | .531 |
8 | 小笠原道大 | .543 | 18 | レオン・リー | .530 |
9 | レロン・リー | .5419 | 19 | 門田博光 | .529 |
10 | 山本浩二 | .5416 | 20 | A.ラミレス | .523 |
- 記録は2013年シーズン終了時点。通算4000打数以上の選手が対象[16]
シーズン記録
順位 | 選手名 | 所属球団 | 長打率 | 記録年 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | W.バレンティン | 東京ヤクルトスワローズ | .779 | 2013年 | セ・リーグ記録 |
2 | R.バース | 阪神タイガース | .777 | 1986年 | |
3 | 落合博満 | ロッテオリオンズ | .763 | 1985年 | パ・リーグ記録 |
4 | 王貞治 | 読売ジャイアンツ | .761 | 1974年 | |
5 | A.カブレラ | 西武ライオンズ | .756 | 2002年 | |
6 | 王貞治 | 読売ジャイアンツ | .755 | 1973年 | |
7 | 落合博満 | ロッテオリオンズ | .746 | 1986年 | |
8 | 小鶴誠 | 松竹ロビンス | .729 | 1950年 | |
9 | 王貞治 | 読売ジャイアンツ | .725 | 1976年 | |
10 | 王貞治 | 読売ジャイアンツ | .723 | 1967年 |
- 記録は2013年シーズン終了時点[17]
メジャーリーグベースボール
長打率に関する個人記録
通算記録
順位 | 選手名 | 長打率 | 順位 | 選手名 | 長打率 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ベーブ・ルース | .690 | 11 | ロジャース・ホーンスビー | .577 |
2 | テッド・ウィリアムズ | .634 | 12 | ミゲル・カブレラ | .568 |
3 | ルー・ゲーリッグ | .632 | 13 | ラリー・ウォーカー | .565 |
4 | ジミー・フォックス | .609 | 14 | ライアン・ブラウン | .5640 |
5 | バリー・ボンズ | .607 | 15 | アルバート・ベル | .5638 |
6 | ハンク・グリーンバーグ | .605 | 16 | ジョニー・マイズ | .562 |
7 | アルバート・プホルス | .599 | 17 | フアン・ゴンザレス | .561 |
8 | マーク・マグワイア | .588 | 18 | スタン・ミュージアル | .559 |
9 | マニー・ラミレス | .585 | 19 | アレックス・ロドリゲス | .5582 |
10 | ジョー・ディマジオ | .579 | 20 | ウィリー・メイズ | .5575 |
- 記録は2013年シーズン終了時点[18]
シーズン記録
順位 | 選手名 | 所属球団 | 長打率 | 記録年 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | バリー・ボンズ | サンフランシスコ・ジャイアンツ | .863 | 2001年 | ナ・リーグ記録 |
2 | ベーブ・ルース | ニューヨーク・ヤンキース | .847 | 1920年 | ア・リーグ記録 |
3 | ベーブ・ルース | ニューヨーク・ヤンキース | .846 | 1921年 | |
4 | バリー・ボンズ | サンフランシスコ・ジャイアンツ | .812 | 2004年 | |
5 | バリー・ボンズ | サンフランシスコ・ジャイアンツ | .799 | 2002年 | |
6 | ベーブ・ルース | ニューヨーク・ヤンキース | .772 | 1927年 | |
7 | ルー・ゲーリッグ | ニューヨーク・ヤンキース | .765 | 1927年 | |
8 | ベーブ・ルース | ニューヨーク・ヤンキース | .764 | 1923年 | |
9 | ロジャース・ホーンスビー | セントルイス・カージナルス | .756 | 1925年 | |
10 | マーク・マグワイア | セントルイス・カージナルス | .753 | 1998年 |
- 記録は2013年シーズン終了時点[19]
脚注
その他
- TBSで放送された、社会人野球をテーマにしたテレビドラマ『ルーズヴェルト・ゲーム』第1回(2014年4月27日放送)作中において、長打率を「二塁打以上のヒットを打つ確率」と誤って解説したテロップが表示された。TBSはかつて横浜ベイスターズ (現・横浜DeNAベイスターズ)の親会社であったこともあり、この誤謬騒動はTwitterや2ちゃんねるなどインターネット上で話題となった。