インゲンマメ
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項目 | 分量(g) |
---|---|
脂肪 | 1.06 |
飽和脂肪酸 | 0.154 |
16:0(パルミチン酸) | 0.136 |
18:0(ステアリン酸) | 0.018 |
一価不飽和脂肪酸 | 0.082 |
18:1(オレイン酸) | 0.082 |
多価不飽和脂肪酸 | 0.586 |
18:2(リノール酸) | 0.228 |
18:3(α-リノレン酸) | 0.358 |
項目 | 分量 |
---|---|
炭水化物 | 57.8 g |
食物繊維総量 | 19.3 g |
水溶性食物繊維 | 3.3 g |
不溶性食物繊維 | 16.0 g |
インゲンマメ(隠元豆、Phaseolus vulgaris)はマメ科の一年草。別名、サイトウ(菜豆)、サンドマメ(三度豆)。
歴史
中南米原産。16世紀末にヨーロッパを経由して中国に伝わり、17世紀に日本に伝わったと言われている。1654年、明からの帰化僧・隠元隆琦が日本に持ち込んだとされることからこの名がついた[5]。実際にはフジマメ(藤豆、フジマメ属)を持ち帰ったという説もある。このためかどうか不明だが、関西ではフジマメをインゲンマメと呼び、インゲンマメはフジマメ、サヤインゲンは三度豆と呼ぶ。
生態
夏に、白またはピンク色の花をつけ、秋に長いさやをつける。つる性の品種とつるなしの品種とがあり、つる性の品種の方が収穫期間がつるなし品種よりも長い。
産地
日本では全国の生産量の約90%が北海道で生産され、その中でも十勝平野が栽培の中心である。 特に、大正金時は、最も人気がある品種である。
種類
金時豆(赤インゲン豆)、うずら豆および虎豆(共に斑〈ふ〉入りの豆)、毛亡(手亡とも)および大福豆(共に白インゲン豆)はインゲンマメに含まれる。キドニービーンズは赤インゲン豆、ピントビーンズはうずら豆のことであるが、主に輸入品がこう呼ばれる。
しばしば混同される、ハナマメ(白花豆)、フジマメは近縁の別種である。
利用・栄養価
インゲン豆は安価で低脂肪、高蛋白の非常に優れた食品で、世界中で主食または主要な蛋白源として利用される。
若いさやを食べる軟莢種(サヤインゲン)と、成熟した種子を食べる種実用種がある。 サヤインゲンは、生のまま天ぷらにするか、塩茹でにして和え物やおひたしにするか、あるいはバター炒めにすることが多い。
成熟した種子は乾燥させて貯蔵し、煮豆や甘納豆、菓子用の餡などに用いられる。フランス料理・イタリア料理では白インゲン豆が煮込み料理に好んで使用される。乾燥重量の2割余りをタンパク質が占める。アミノ酸組成のバランスも良くアミノ酸スコアは100であり、特にリシンを豊富に含み、リシンが不足している主要3大穀物(小麦、トウモロコシ、米)との食べ合わせも良い。ラテンアメリカ諸国の重要な蛋白源でもある。
インゲンマメには、血糖値を抑制する効果のあるα-グルコシダーゼ阻害作用があるポリフェノールが含まれている[6]。テンプレート:Main
毒性
2006年(平成18年)5月6日、TBSテレビで放送された『ぴーかんバディ!』で、白インゲン豆を3分間炒ってから粉にして、ご飯にまぶして食べるダイエット法を紹介したところ、激しい嘔吐や下痢などの健康被害が全国で発生した。
これは豆類全般に含まれるレクチンの一種、フィトヘマグルチニン(PHA)の作用によるものと考えられる。レクチンは蛋白質なので加熱すれば変性し、人体には無害になる。レクチンを無毒化するためには、豆を少なくとも10分は加熱する必要がある(豆を美味しく食べるためには、柔らかくなるまでさらに加熱調理しなければならない)。例のダイエット法の加熱時間は短すぎるのである。なお、フィトヘマグルチニンを最も多く含むのは、種皮の赤いいんげん豆である。
インゲンマメを用いた食品・料理
関連項目
脚注
- ↑ http://ndb.nal.usda.gov/
- ↑ 五訂増補日本食品標準成分表
- ↑ http://www.nal.usda.gov/fnic/foodcomp/search/
- ↑ 『タンパク質・アミノ酸の必要量 WHO/FAO/UNU合同専門協議会報告』日本アミノ酸学会監訳、医歯薬出版、2009年05月。ISBN 978-4263705681 邦訳元 Protein and amino acid requirements in human nutrition, Report of a Joint WHO/FAO/UNU Expert Consultation, 2007
- ↑ インゲン豆をもたらした隠元禅師 - みろくや
- ↑ 豆類ポリフェノールの抗酸化活性ならびにα-アミラーゼおよびα-グルコシダーゼ阻害活性、齋藤優介ほか、日本食品科学工学会誌、Vol.54 (2007) No.12 P563-567