新京成電鉄8000形電車

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テンプレート:半保護 テンプレート:出典の明記 テンプレート:鉄道車両 新京成電鉄8000形電車(しんけいせいでんてつ8000がたでんしゃ)は、1978年昭和53年)に登場した新京成電鉄通勤形電車

概要

新京成の新造車はこれ以前に1970年(昭和45年)のモハ250形・サハ550形1971年(昭和46年)からの800形があったが、これらの形式は京成電鉄のいわゆる「青電」(210形など)と「赤電」(旧3000形など)を足して2で割った設計だったこともあり、この8000形で初のオリジナル設計になったと言える。

車体はオリジナル設計であるものの室内の構造や冷房装置などは京成3500形に準じている。前面のデザイン・配色から、通称「習志野」または「くぬぎ山の狸」などとも呼ばれる。800形と比較すると全ての面で優れた車両という理由により[1]、形式は0を追加した8000形とした[1]

1978年に製造された1次車(8502編成)のみは当時の新京成の標準色である、キャンディピンク地に前面窓下と側面下部にマルーンのツートンカラーで登場したが、翌年の1979年(昭和54年)に登場した2次車(8504編成)から2代目塗装のベージュ地に前面窓下が茶色、側面には茶色の帯の塗装となり、後に1次車、800形もこの塗装に変更され、これが2014年平成26年)6月コーポレートカラーが制定されるまでの新京成の標準色となった。

また、2006年(平成18年)10月には京成千葉線千葉中央駅までの直通運転(12月10日開始)に備え、最新のN800形に準じた新塗装フィルムへの変更が行われた(8502編成は除く)。この塗装が3代目となる。なお、この新塗装フィルムは「千葉線直通編成のステータス」とされているため、同様の直通改造を施された8800形も千葉線直通編成に対してのみ貼り付けられている。

なお2014年8月以降順次、新京成が保有する全車両に対してコーポレートカラーを用いた新塗装への変更が実施されることに伴い、本形式のうち現存する24両についても4代目塗装への変更が行われることになっている[2][3]

スペック(車両諸元)

編成表

  テンプレート:TrainDirection  
号車 6 5 4 3 2 1 製造メーカー 導入時期 改造時期 廃車時期
形式 クハ8500形
(Tc2)
モハ8000形
(M2)
モハ8000形
(M1)
モハ8000形
(M2)
モハ8000形
(M1)
クハ8500形
(Tc1)
機器 BATT pt
RHEO
CP
MG
pt
RHEO
CP
MG
BATT
編成 テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color 日本車両 1978年12月 2012年1月
テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color 1979年11月 2011年3月
機器 BATT PT
CHOP
CP
MG
PT
CHOP
CP
MG
BATT 製造メーカー 導入時期 改造時期 廃車時期
編成 テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color 日本車両 1982年7月 2012年10月
テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color 1985年6月 2013年2月
機器 BATT PT
VVVF
CP
MG
PT
VVVF
CP
MG
BATT 製造メーカー 導入時期 改造時期 廃車時期
編成 テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color 日本車両 1981年6月 2010年2月 2014年1月
8510 8020 8019 8018 8017 8509 1983年6月 2008年3月
8512 8024 8023 8022 8021 8511 1984年3月 2009年2月
8514 8028 8027 8026 8025 8513 1985年1月 2010年8月
8518 8036 8035 8034 8033 8517 1985年9月 2010年11月
  • RHEO:主制御機(抵抗器)
  • CHOP:主制御機(界磁チョッパ)
  • VVVF:主制御機(VVVFインバータ)
  • pt:パンタグラフ(菱型1基)
  • PT:パンタグラフ(下枠交差型2基)
  • MG:電動発電機
  • CP:空気圧縮機
  • BATT:蓄電池
  • 数字が灰色の編成は除籍された編成

特色・改造

1981年(昭和56年)新造分である3次車(8506編成)から、主回路を界磁チョッパ制御方式に、ブレーキを回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキ (HSC-R) とした。その際に回生ブレーキ時の架線離線対策としてパンタグラフを菱形1基 (PT43) から下枠交差形2基 (PT48) に変更された。パンタグラフ形状の変更については冷房装置設置スペースとの兼ね合いもあった。ただし、この編成のみ以降の界磁チョッパ編成と異なり助士席側のワイパーが設置されていないなど先頭車の仕様が若干異なっている。車体側面の表示灯は電球式である。また先頭車前面には排障器(スカート)を装備した(形状は8800形と共通で8000形は2002年ごろから取り付けられた)。8502・8518編成はレール塗油装置が設置されている。

落成当初は全編成とも側面行先表示器は設置されていなかったが、1990年(平成2年)頃から1992年(平成4年)にかけて全車に設置された。これに関連して一時期、編成替えを行っていた車両もあった。該当編成は松戸方に8518編成、京成津田沼方に8506編成の各3両が組まれた。また8518編成は側面行先表示器が設置されていたのに対し、8506編成は未施工だったため珍しい組成だった。2013年時点では8000形唯一の編成替えとなっている。

該当の編成表  8518-8036-8035+8010-8009-8505

2001年(平成13年)から初代塗装で登場した編成(8502編成)が登場時のツートンカラー(キャンディピンク・マルーン)に復元され、廃車までこの復元塗装で運行された(当初は4年間の限定だった)。この編成の車体には新京成電鉄のキャラクター「しんちゃん」のステッカーが貼られており、座席モケットにも「しんちゃん」が描かれていた。合わせて前面に8800形「アートトレイン」と同様にヘッドマーク装着用の「手すり」が設置された。この編成でのヘッドマーク装着は無かったが、2012年(平成24年)1月に運行終了が決まり、終了時点まで「ありがとうしんちゃん電車」のヘッドマークを装着して運行された。8508編成・8510編成・8512編成にも塗装変更と前後して設置されており、8510編成と8512編成は「アートトレイン」または「謹賀新年」として運行されたこともあった。2014年3月現在では8510編成で「直通運転7周年」のヘッドマークを装着して運行中である。

2006年度には、全編成に京成電鉄乗り入れ準備として誘導無線 (IR) アンテナを設置することとした。かつて8510編成以降の編成には北総開発鉄道(現・北総鉄道)乗り入れの際にIRアンテナを使用していたが、乗り入れ廃止により撤去された。併せて屋根塗装も実施された。ただし8518編成はアンテナの撤去が乗り入れ発表と前後したためか無線本体の台座と助士席側の配線を取り込む配管はそのまま残されており、再設置の際それが生かされる形となった。無線切替えスイッチは北総線乗り入れ時代の速度計ユニット脇[7]と異なり、前面裏に設置された(8800形の京成乗り入れ車も同様)。最初に設置されたのは2006年7月に検査出場した8514編成で、アンテナ設置に際し、急行灯やLED式運行番号表示器の設置も同時に行われた。8月には抵抗制御車の8504編成、界磁チョッパ車の8506編成、8508編成に、9月には抵抗制御車の8502編成と界磁チョッパ車の8510編成に、10月には8516編成に、そして11月には8518編成と8512編成にも設置されたことで全編成完了した。前述したが、京成乗り入れ車は8502編成を除き側面帯をN800形に準じたステッカー式に変更された。また、前面と側面の行先表示器字幕が英字併記のものに交換された。千葉線や千原線への入線は2006年11月12日の8514編成の試運転が最初である。なお、抵抗制御方式の8502・8504編成は一時期乗り入れ運用の対象から除外され、運行番号表示器、IRアンテナは撤去されていた時期がある。このとき撤去された機器類は8800形8802編成・8804編成に転用されている。

8510編成は2007年度にVVVFインバータ制御に改造され、2008年2月から3月にかけて試運転を実施した後、同年3月28日から営業運転に使用されるようになった。改造当初は京成千葉線への直通運用には充当されていなかったが、後に直通運用に復帰している[5]。また、2008年度に8512編成が同様に改造され、自動放送も設置された。2009年度は8506編成が改造され、8508編成はEV装置の設置工事が行われた。2010年度は8514編成と8518編成の2本が改造された。VVVFインバータ改造編成は床材が緑色から茶色に変更され、点検蓋が廃止されている。このうち8512編成は界磁チョッパ車時代に緑色から1両ごとに異なったカラフルな床材に変更されていたが前述のVVVFインバータ改造により茶色に変更された。これらの改造と同時に客用ドアと乗務員室扉の帯も省略されたが8518編成は残された。8508編成は化粧板の取り替えを行われており、この編成のみ禁煙プレートがピクトグラム式に交換されている。8508編成・8516編成もVVVFインバータ制御に改造予定だったが経年による諸事情から中止され、一転して廃車対象になり8508編成は2012年10月2日をもって営業運転を終了した。これにより8516編成が新京成の営業車両で唯一残存する直流電動機搭載車両であったが、2013年2月7日をもって離脱した。

行先表示器の字幕は京成線直通開始前に千葉線の駅名や列車種別の表示が追加された。

2009年度より車内自動放送が開始されたが、8512・8518編成は先行設置されていた。2013年現在は廃車された編成を除く全編成に設置されている。

新京成の車両では客用ドア付近の吊手増設と座席のスタンションポールの設置が行われているが、8000形では2013年に出場した8518編成に初めて施工された。併せてワイパーを空気式から電動式に変更した上で、助士席側のワイパーは撤去された。なお車いすスペースや転落防止幌の設置は行われていない。また客用ドア・乗務員室扉の帯も残されており営業中の8000形では唯一である。その後、8512編成にもワイパーの電動化を施工されたが吊手増設とスタンションポール設置は行われていない。

新京成開業65周年を記念して8510編成を2012年12月14日から2013年3月19日早朝まで「今昔ギャラリートレイン」としてヘッドマーク、ラッピング、車内ポスターでの歴代車両の紹介や駅紹介を設置して運行していた。その後、展示物の一部が2013年3月20日から3月24日までイトーヨーカドー津田沼店で展示された。

廃車

2011年にN800形N828編成の増備により8504編成が8000形として初めて廃車になった。なおこの編成は8000形の客用ドア、乗務員室扉の帯を最初に省略した編成で非VVVF車としては唯一だった。8502編成も2012年1月に営業運転を終了し、末日に廃車された[8]。また8508編成は、2012年10月1日にN838編成の増備により翌2日に営業運転を終了した。その後10月20日にくぬぎ山車両基地にて展示されたあと、10月22日に廃車された。8516編成は2013年2月に廃車となった。これをもって新京成電鉄の営業車両は全車VVVFインバータ制御車になったが8506編成が故障のため2013年12月2日をもって営業から離脱し、保留車になっていたが2014年1月に廃車された。新京成のVVVFインバータ車両では初めての廃車となった。

付記

  • 車両番号は先頭車(制御車)がクハ8500番台・中間電動車がモハ8000番台となり、編成松戸寄りの先頭車の車両番号を用いて「8502編成」などと呼称される。8502編成では松戸寄りから8502+8004+8003+8002+8001+8501と付番されている。
  • 英字表記が入っていない交換前の字幕には「京成津田沼」や「松戸」の表示が二つ用意されていた。京成線直通運転実施前の日中のダイヤでは「京成津田沼」と「松戸」しか使わなかったため、日焼けの軽減を目的としていたのが理由である。
  • 8502編成は前述するように廃車されたが京成津田沼方先頭車8501号車の乗務員室部分のみカットモデルとして保存され2012年のくぬぎ山車両基地のイベントで初披露した。なお方向幕は英字表記のないタイプに交換されている。また北習志野駅ホームの京成津田沼方には同編成を模範とした自動販売機が2012年11月28日から設置されている。

ギャラリー

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

参考文献

書籍

雑誌記事

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テンプレート:新京成電鉄の車両
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  2. テンプレート:PDFlink - 新京成電鉄、2014年7月14日
  3. テンプレート:Cite news
  4. 4.0 4.1 鉄道ファン』1979年2月号
  5. 5.0 5.1 「Topic Photos 新京成8000系VVVFインバータ改造車試運転」『鉄道ピクトリアル』2008年7月号(通巻805号)p105、電気車研究会
  6. テンプレート:PDFlink
  7. この配置は千葉ニュータウン鉄道(北総鉄道)9000形に残存する。
  8. テンプレート:PDFlink - 新京成電鉄 2011年12月26日