新京成電鉄8800形電車

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テンプレート:半保護 テンプレート:複数の問題 テンプレート:鉄道車両 新京成電鉄8800形電車(しんけいせいでんてつ8800がたでんしゃ)は、1986年(昭和61年)に登場した新京成電鉄通勤形電車日本直流1,500V鉄道路線用としては、VVVFインバータ制御を早期に本格採用した。

概要

8000形に代わるフルモデルチェンジ車として1986年昭和61年)に登場した。新京成はもとより、関東地方の直流1,500V鉄道路線での新規製造車両では初めてVVVFインバータ制御を実用した。製造量数は96両で、新京成では最も在籍両数が多い形式となった。新京成で新造した800形と8000形の総集編として[1]、形式は8800形とした[1]

1999年(平成11年)以降、インバータ装置のゲート制御部の劣化のため、部品交換の際にプログラムの更新によりベクトル制御・純電気ブレーキを搭載した(小田急電鉄1000形と同等)。しかし、素子自体は更新されていない。

主要諸元

当初から尾灯・車体側灯ともLED式を採用している。
  • 座席モケットは登場当初、一般席はオレンジ、優先席は灰色だったが後に交換され、一般席は薄紫、優先席は青系の柄入りになり現在は8900形同様の一般席はワインレッド、優先席は青である。

編成表

当初

  テンプレート:TrainDirection  
号車 8 7 6 5 4 3 2 1 製造メーカー 導入時期
形式 クハ8800形
(Tc2)
モハ8800形
(M2)
モハ8800形
(M1)
サハ8800形
(T2)
サハ8800形
(T1)
モハ8800形
(M2)
モハ8800形
(M1)
クハ8800形
(Tc1)
機器 BATT PT
VVVF
VVVF CP
SIV
CP
SIV
PT
VVVF
VVVF BATT
編成 8808 8807 8806 8805 8804 8803 8802 8801 日本車両 1986年2月
8816 8815 8814 8813 8812 8811 8810 8809 1987年2月
8824 8823 8822 8821 8820 8819 8818 8817 1987年3月
8832 8831 8830 8829 8828 8827 8826 8825 1987年7月
8840 8839 8838 8837 8836 8835 8834 8833 1987年12月
8848 8847 8846 8845 8844 8843 8842 8841 1988年3月
8856 8855 8854 8853 8852 8851 8850 8849 1988年10月
8864 8863 8862 8861 8860 8859 8858 8857 1989年3月
8872 8871 8870 8869 8868 8867 8866 8865 1989年11月
8880 8879 8878 8877 8876 8875 8874 8873 1990年3月
8888 8887 8886 8885 8884 8883 8882 8881 1990年6月
8896 8895 8894 8893 8892 8891 8890 8889 1991年3月
  • VVVF:主制御機(VVVFインバータ)
  • PT:パンタグラフ(菱型2基)
  • MG:電動発電機
  • CP:空気圧縮機
  • BATT:蓄電池

改造後

  テンプレート:TrainDirection  
号車 6 5 4 3 2 1 改造元編成 改造時期
形式 クハ8800-6形
(Tc2)
モハ8800-5形
(M)
サハ8800-4形
(T)
モハ8800-3形
(M2)
モハ8800-2形
(M1)
クハ8800-1形
(Tc1)
機器 CP
BATT
PT
VVVF
CP
SIV
PT
VVVF
VVVF SIV
BATT
編成 8801-6
(8808)
8801-5
(8807)
8801-4
(8805)
8801-3
(8803)
8801-2
(8802)
8801-1
(8801)
8808編成 2006年11月
8802-6
(8848)
8802-5
(8847)
8802-4
(8845)
8802-3
(8843)
8802-2
(8842)
8802-1
(8841)
8848編成 2007年2月
8803-6
(8872)
8803-5
(8871)
8803-4
(8869)
8803-3
(8867)
8803-2
(8866)
8803-1
(8865)
8872編成 2006年11月
8805-6
(8816)
8805-5
(8815)
8805-4
(8813)
8805-3
(8811)
8805-2
(8810)
8805-1
(8809)
8816編成 2011年8月
8806-6
(8824)
8806-5
(8823)
8806-4
(8821)
8806-3
(8819)
8806-2
(8818)
8806-1
(8817)
8824編成 2011年9月
8807-6
(8832)
8807-5
(8831)
8807-4
(8829)
8807-3
(8827)
8807-2
(8826)
8807-1
(8825)
8832編成 2011年11月
8809-6
(8840)
8809-5
(8839)
8809-4
(8837)
8809-3
(8835)
8809-2
(8834)
8809-1
(8833)
8840編成 2012年8月
8810-6
(8856)
8810-5
(8855)
8810-4
(8853)
8810-3
(8851)
8810-2
(8850)
8810-1
(8849)
8856編成 2012年10月
8811-6
(8864)
8811-5
(8863)
8811-4
(8861)
8811-3
(8859)
8811-2
(8858)
8811-1
(8857)
8864編成 2012年11月
8813-6
(8880)
8813-5
(8879)
8813-4
(8877)
8813-3
(8875)
8813-2
(8874)
8813-1
(8873)
8880編成 2013年7月
8814-6
(8888)
8814-5
(8887)
8814-4
(8885)
8814-3
(8883)
8814-2
(8882)
8814-1
(8881)
8888編成 2013年9月
8815-6
(8896)
8815-5
(8895)
8815-4
(8893)
8815-3
(8891)
8815-2
(8890)
8815-1
(8889)
8896編成 2013年11月
機器 CP
BATT
Pt
VVVF
CP
SIV
Pt
VVVF
VVVF SIV
BATT
改造元編成 改造時期
編成 8804-6
(8804)
8804-5
(8806)
8804-4
(8844)
8804-3
(8870)
8804-2
(8846)
8804-1
(8868)
8808・8848・8872編成 2007年3月
8808-6
(8812)
8808-5
(8814)
8808-4
(8828)
8808-3
(8822)
8808-2
(8830)
8808-1
(8820)
8816・8824・8832編成 2012年3月
8812-6
(8836)
8812-5
(8838)
8812-4
(8860)
8812-3
(8854)
8812-2
(8862)
8812-1
(8852)
8840・8856・8864編成 2013年3月
8816-6
(8876)
8816-5
(8878)
8816-4
(8892)
8816-3
(8886)
8816-2
(8894)
8816-1
(8884)
8880・8888・8896編成 2014年2月
  • VVVF:主制御機(VVVFインバータ)
  • PT:パンタグラフ(菱型2基)
  • Pt:パンタグラフ(シングルアーム2基)
  • MG:電動発電機
  • CP:空気圧縮機
  • BATT:蓄電池

特色

  • 車両番号の付番方式は、京成津田沼(千葉中央)寄りから8801・8802…となり、第1編成は8801 - 8808、第2編成が8809 - 8816と連続して付番されている。編成は松戸寄りの先頭車の車両番号を用いて(6両化改造前の)「8808編成」などと呼称される。改造で登場した6両編成については後述する。
  • テンプレート:要出典範囲
  • ダイレクトマウント形空気バネ台車は、主流のダイアフラム形ではあるが、緩衝ゴム+軸エリゴバネ方式を採用した独特な形状をしている。
  • 2014年(平成26年)3月現在、8814(旧8888)編成を除いてN800形に準じたドアチャイムの設置、戸開き予告装置と転落防止幌車椅子スペースが設置されている。
  • 8832(現8807)編成では後のN800形で採用された速度センサレス制御採用試験を実施した。これも全編成が改造される予定で、8808編成→8801編成、8848編成→8802編成、8872編成→8803編成は後述する6両編成化の際に改造された。のちに8804編成も改造された。
  • 8801編成・8815編成にはレール塗油装置が設置されている(いずれも8両編成時代の8808編成、8896編成の時に設置)。
  • ローマ字表記がない字幕には「京成津田沼」や「松戸」の表示が二つ用意されている。
  • 登場当時は北総開発鉄道(現・北総鉄道)非乗り入れであったが8832編成は誘導無線 (IR) アンテナの準備工事がなされ、8840編成から8880編成までの各編成は北総乗り入れ車となった。その後、北総乗り入れ廃止後は運転室内の切替スイッチ等の機器類は撤去されたが8000形と異なり車外のIRアンテナはそのまま残されている。なお8880(現8813)編成は塗り屋根化と同時に撤去された。また8832(現8807)編成も6両化改造後も準備工事のままだったが、その後撤去された。
  • 先頭車のスカートは登場当初はなかったが、2001年(平成13年)ごろから全車に取り付けられた。形状は8000形と共通。

改造など

ファイル:Shinkeisei 8804.jpg
8804編成
シングルアーム式パンタグラフを装備

2006年4月時点では8両編成12本計96両の陣容であったが、空気圧縮機などの補機類を積んだ中間の2両(松戸寄りユニットのM2車とT2車)を抜き、補機類を制御車に移せば6両化できることもあり、8808・8848・8872編成について6両編成化改造工事を行われた。その後2011年に8816・8824・8832編成が、2012年に8840・8856・8864編成が、2013年に8880・8888・8896編成が6両編成化改造工事を行った。また、2006年度に改造を行った最初の4編成(8801~8804編成)と8808・8811・8812・8816の各編成が京成電鉄への乗り入れ対応となり、側面の帯もN800形に準じ、8000形と同じ配色となった。同時に誘導無線 (IR) アンテナ急行灯、運行番号表示器を設置した。8848・8864・8872編成に関しては過去に北総開発鉄道線乗り入れ編成だったために無線自体は設置済みではあったものの、アンテナからの既存の配線を撤去して新たに妻面から車両床下部へ降りる形で配線し直している。車両番号は京成津田沼寄りから8801-1、8801-2…のようにハイフン付きとなり、8両編成と同様に松戸寄りの先頭車のハイフンを除いた車両番号を用いて呼称される。2014年2月中旬に(新)8816編成が出場したことにより全車6両編成になった。このうち8804編成は8801編成-8803編成から、8808編成は8805-8807編成から、8812編成は8809-8811編成から、8816編成は8813-8815から外された中間車を集めて京成車両工業京王重機整備日本電装による先頭車化改造工事を施工し、この先頭車に組み込む中間車は他の8800形と同型の圧縮機(C-2000L)及びN800形に準じた東芝製補助電源(IGBT素子静止形インバータ)・東洋電機製造製シングルアーム式パンタグラフが設置された。なお8816編成のみ空気圧縮機がN800形N828編成以降と同タイプの三菱電機製スクロール式コンプレッサーが採用された。

京成乗り入れ対応車の方向幕は「千葉中央」・「普通 千葉中央」・「ちはら台」・「普通 ちはら台」・「普通 松戸」等を追加した上でローマ字併記の字幕に交換された(方向幕は8000形と共通)。京成非乗り入れ車は交換されなかったが2013年8月に出場した8809編成は茶帯のままローマ字併記の字幕に交換された。同形態はこの編成が初めてであり、その後8805・8810編成にも交換された。新京成社内では6両短縮車をA編成、先頭車改造車をB編成として管理している。

8801編成は2006年11月11日に京成千葉線千原線内試運転初列車に充当され、現行の新京成車両としては初めて京成線に入線した。同年12月10日から営業列車での千葉線への乗り入れを開始した。千原線にも入線したのは代走対策または乗り入れ区間拡大に対応したものとされている。

この他、テンプレート:要出典範囲、改造された車両にはN800形と同内容の案内表示装置が千鳥状に配置されているが、N800形は車両1両ごとに組み合わせが逆になっているのに対して、8800形は同じ組み合わせとなっているため、装置の多い面と少ない面ができてしまっている。装置がない側の鴨居部には戸開き予告装置が設置された(従来の「このドアが開きます」というものは撤去)。その後、多くの編成に同様の改造が進み、2014年3月現在では8806(旧8824)編成と8814(旧8888)編成が未改造となっている。なお8814編成は6両化改造後も車いすスペースや転落防止幌の設置は未施工である。

8802編成・8804編成は、改造終了後の数箇月間は京成線直通仕様でなく、その間側面帯が一本帯(茶帯)だった。後に直通仕様に改造され、N800形に準じた帯に変更された。改造されるまで8804編成は茶帯でシングルアーム式パンタグラフでありB編成では唯一だった。

2007年10月に出場した8816(現8805)編成はドア部分の帯を省略している。その後、他の編成にも波及し、2014年3月現在でドア部分の帯が残っているのは8801・8804・8814編成のみである。8896(現8815)編成はドア部は省略しているものの、乗務員室扉の帯は残されていたが、2014年6月に撤去された。

8803・8805・8806・8807・8808・8809・8810・8812・8813・8816編成はドア付近に吊り手を増設(枕木のパイプは新設)、座席付近にはスタンションポールの設置がされている。同様の改造は8900形8928・8938編成、8000形8518編成にも施工されている(8813編成は改造前の8880編成のときに施工)。また、8803・8805・8806・8807・8808・8809・8810・8811・8812・8816編成はN800形、8900形に準じた電子警笛が取り付けられた(N800形、8900形の電子警笛は新造時から装備。8811編成は改造前の8864編成のときに設置)。他の編成も順次、設置予定である。その他8806・8815編成は前面の電球式ライトをLED式ライトに改造を行っている(8815編成は8896編成から改造されるときに設置された)。なお前者と後者で形状が異なっている。

客用扉の劣化が激しいことから扉の交換を一部箇所で行っている。変更点は支持金具の平面化と化粧板の光沢化などである。さらに、2008年以降の8832(現8807)編成、8840(現8809)編成、8896(現8815)編成、8802編成、8808編成、8812編成、8816編成はN800形をはじめとした京成グループ標準車両と類似するステンレス製(車外側は塗装)に交換され、室内側はステンレス無塗装となっている。

8900形で導入されている自動車内放送は、2009年4月1日より採用された。声優は日本語を三浦七緒子、英語をクリステル・チアリがそれぞれ担当している[3]2014年3月現在、8803・8807・8808編成では自動車内放送装置は未設置である。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

参考文献

書籍

雑誌記事

テンプレート:Sister

テンプレート:新京成電鉄の車両
  1. 1.0 1.1 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「dj073-73」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  2. 『私鉄車両編成表 2011』(交通新聞社)による。
  3. テンプレート:PDFlink - 新京成電鉄 2009年3月31日