住友金属工業

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2012年7月末まで、東京本社が入居していた晴海アイランドトリトンスクエア

住友金属工業株式会社(すみともきんぞくこうぎょう、テンプレート:Lang-en-short)は、かつて存在した日本の大手鉄鋼鉄道部品メーカー(高炉メーカー)であり、現存する鉄鋼メーカーのなかで雲伯鉄鋼合資会社(現:日立金属安来工場)に次ぐ歴史を誇っている。

関西経済界の重鎮(関西財界御三家)であり、住友グループの要として三井住友銀行住友化学と共に「住友グループ御三家」と称された。

2012年(平成24年)10月1日に、旧新日本製鐵(新日鉄)と合併し新日鐵住金が発足、同時に住友グループからは離脱した。

概要

主たる事業は鉄鋼業で、鋼管薄板厚板建材鉄道車両品、チタン、条鋼などを生産する(粗鋼生産量は年間1000万トン)。この中でも「パイプの住金」と言われるように、シームレスパイプと呼ばれる原油発掘用の鋼管は世界的にも上位の地位を確保している。ただ、シームレスパイプの価格は原油価格とリンクするため、1990年代原油価格低迷期にはシームレスパイプも赤字部門として住金の経営の足を引っ張っていたが、2000年(平成12年)以降の原油価格の高騰で収益改善している。

主力の製鉄所は鹿島製鉄所和歌山製鉄所である。鹿島製鉄所は日本国内では比較的新しい製鉄所で生産効率が優れている。さらに2004年(平成16年)には鹿島製鉄所内に大型の新高炉を建設して、さらに費用削減を進めている。和歌山は古い製鉄所のため生産効率が劣っていた。そのため、熱間圧延ミルラインの休止および上工程(製銑・製鋼ライン)の台湾・中国鋼鐵との合弁会社への分離など大リストラ策が実施された。今日では、シームレスパイプの生産拠点として重要な役割を果たしており、海南市の海南鋼管所を含め、新たに設備投資が行われた。この設備投資によりその役割を終えることとなった和歌山第4高炉は1982年2月23日の火入れ以降、2009年7月11日に吹き止めまで実に27年4か月(1万1日)稼働し、稼働日数世界最長記録を達成した。

また、1970年(昭和45年)の新日本製鐵誕生から、鉄鋼業界は長らく大手5社体制で安定していたが、2002年(平成14年)に日本鋼管と川崎製鉄が経営統合して、JFEグループが誕生。これに危機感を抱いた、新日鐵・住金と神戸製鋼所も同年、包括的な提携を結びJFEへの対抗姿勢を示した。

ほかの鉄鋼会社と同様に事業の多角化の一環で、半導体用シリコンウエハーの生産も手掛けていたが、収益が悪化して、三菱マテリアルとの合弁会社(現在のSUMCO)に移管。橋梁エネルギー分野、環境関連エンジニアリングの分野でも事業を展開している。

かつては「柔らか頭してますか、住友金属」というフレーズのコマーシャル(出演:山瀬まみ、ほか)を流していた。

太平洋戦争中、帝国海軍零式艦上戦闘機などに使用された新素材、超々ジュラルミンを開発したのもこの住友金属である。

1989年(平成元年)、プロサッカーリーグ(Jリーグ)設立が具体化した際に参加表明し、当時の住友金属工業蹴球団から鹿島アントラーズとしてJリーグクラブを誕生させた。現在は、オフィシャルスポンサーとして支えている。また、同クラブのホームスタジアムである茨城県立カシマサッカースタジアムの第2ゲートの命名権を取得し、「住金ゲート」としている。

事業と拠点

主要事業所

本社・支社

本社
支社

製造拠点

鹿島製鉄所・和歌山製鉄所の2か所が銑鋼一貫製鉄所である。鹿島製鉄所は鉄鋼・建材カンパニーに属す住金最大の拠点で、各種薄板厚板、溶接鋼管形鋼などを製造している。和歌山製鉄所は鋼管カンパニーに属し、各種薄板、継目無鋼管(シームレス鋼管)などを製造している。継目無鋼管は、同じく鋼管カンパニーに属す特殊管事業所でも製造している。

交通産機品カンパニーに属するのは製鋼所。ここでは、同カンパニーの鉄道車両用品、鋳鍛鋼品製品を製造している。

工場名 所在地 主な生産品目
鹿島製鉄所 茨城県鹿嶋市光3番地(一部神栖市 薄板、厚板、鋼管、建材
和歌山製鉄所 (和歌山地区) 和歌山県和歌山市湊1850番地 鋼板、鋼管、シームレスパイプ
(海南地区) 和歌山県海南市船尾260番地100 鋼管
特殊管事務所 兵庫県尼崎市東向島西之町1番地 鋼管
製鋼所 大阪府大阪市此花区島屋5丁目1番109号 車輪、車軸、輪軸、台車、ブレーキディスク、駆動装置
小倉製鉄所 福岡県北九州市小倉北区許斐町1番地 棒鋼・線材
直江津製造所 新潟県上越市港町2丁目12番1号 ステンレス鋼板、チタン

研究所

  • 総合技術研究所
    • 尼崎地区 - 兵庫県尼崎市扶桑町1番8号
    • 波崎地区 - 茨城県神栖市砂山16番地1
  • ステンレス・チタン研究開発部 - 新潟県上越市(直江津製造所内)
  • 鋼板プロセス研究開発部 - 茨城県鹿嶋市(鹿島製鉄所内)

海外事務所

事業

製鉄事業

主要製品
鋼板建材カンパニー
鋼管カンパニー

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交通産機品カンパニー
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住友金属FS096台車(Sミンデン型、東武8000系電車
エンジニアリングカンパニー
  • 橋梁関連製品
  • 鋼製セグメント

電力事業

製鉄所において石炭を燃料に発電(火力発電)し、独立発電事業者 (IPP)として電力会社への電力の卸供を行っている。2007年、鹿島製鉄所にて住友金属鹿島火力発電所の運用を開始し、約50万キロワットの電力を東京電力に供給している。

沿革

前史

  • 1897年(明治30年)4月1日 - 住友伸銅場が創業。
  • 1901年(明治34年) - 住友鋳鋼場が創業。支配人:山崎久太郎
  • 1913年(大正2年)6月 - 住友伸銅場が住友伸銅所に改称。
  • 1921年(大正10年)2月 - 住友合資会社伸銅所が発足。
  • 1926年(大正15年)7月 - 住友合資会社伸銅所が住友伸銅鋼管株式会社に改組。
  • 1935年(昭和10年)9月 - 住友伸銅鋼管と住友製鋼所(旧・住友鋳鋼場)が合併し、住友金属工業株式会社として発足。
  • 1945年(昭和20年) - 扶桑金属工業株式会社に商号を変更。

住金発足後

歴代社長

  • 廣田壽一(初代、1949年7月就任 - 1962年11月)
  • 日向方齊(2代、1962年11月 - 1974年11月)
  • 乾昇(3代、1974年11月 - 1978年6月)
  • 熊谷典文(4代、1978年6月 - 1986年6月)
  • 新宮康男(5代、1986年6月 - 1992年6月)
  • 中村爲昭(6代、1992年6月 - 1996年6月)
  • 小島又雄(7代、1996年6月 - 2000年6月)
  • 下妻博(8代、2000年6月 - 2005年6月)
  • 友野宏(9代、2005年6月 - 2012年9月)

グループ企業・団体

鋼板・建材カンパニー関連

鋼管カンパニー関連

交通産機品カンパニー関連

エレクトロニクス関連

その他

かつてのグループ企業

住友金属工業が吸収合併した企業を除く

スポーツ

広告

提供番組

関連項目

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脚注

テンプレート:Reflist

テンプレート:新日鐵住金
  1. 住友金属と住友金属小倉および住友金属直江津は、来年1月1日合併し、新たな体制でスタートします 住友金属工業株式会社・プレスリリース2011年12月27日