M78星雲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:Pathnav

M78星雲(エムななじゅうはちせいうん)は、『ウルトラシリーズ』に登場する架空の星雲。ウルトラマンらの故郷で、銀河系から300万光年離れた所に存在する設定になっている。

解説

「M78星雲」という言葉がウルトラシリーズに登場したのは、『ウルトラマン』第1話でウルトラマンが自らをM78星雲から来たと紹介する場面である。企画時点では「M87星雲」という名称だったが、脚本印刷時に「M78星雲」と誤記されてそれがそのまま放映され、定着したものであり、もともとは『ウルトラマン』の企画にも関わった関沢新一が脚本と監督を務めた1956年の映画『空飛ぶ円盤恐怖の襲撃』に登場する「M87星雲」に由来するという説がある。また『ウルトラマン』の前作『ウルトラQ』の未発表脚本に、中性子怪獣ミクラーの出身地として「M87星雲」が登場する「M87星雲より!」という作品が存在する。

なお、実在するM78オリオン座にある反射星雲星間分子雲)で、地球からの距離は1600光年である。一方のM87おとめ座にある楕円銀河で、銀河系アンドロメダ銀河などを含むおとめ座超銀河団の中心をなす巨大な銀河で、地球からの距離は6000万光年という距離にある。

ウルトラシリーズでのM78星雲

以降、ウルトラシリーズに登場するM78星雲について解説する[1]

『ウルトラマン』の主題歌にも登場する「光の国」という名は、『ウルトラマン』放映時、M78星雲と同義語として使われることもあったが、『帰ってきたウルトラマン』以降は主に「ウルトラの星」を指す言葉として用いられている。

ウルトラマンタロウ』からは「ウルトラの国」という表現が用いられるようになった[2]。ウルトラの国の街並みは小学館の児童誌の企画として設定が進められ、一部は映像作品にも採用されている[3]。ウルトラタワーやウルトラキーウルトラベルなど映像化されたもののほか、当時の学年誌で紹介されたのみに留まるウラーという通貨なども設定されていた。

映画『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』で語られた設定ではM78星雲は暗黒宇宙の裏側に存在し、その中の6900万個の星の一つが光の国であり、地球の直径の約60倍、300ほどの都市を有し、太陽はない代わりに地下に設置されている900台の原子力発電所で作られているプラズマエネルギーを使用しているとされている。

近年では、星そのものが「光の国」(「ウルトラの星」)と呼ばれるようになり、「ウルトラの国」は光の国の最大規模の都市の名称として扱われるようになった。

光の国/ウルトラの星

M78星雲の中にある地球の約60倍の大きさの惑星。そこに住む人々は、かつては地球人とよく似た生物だった。しかし26万年前、太陽が大爆発して光が失われ、科学者たちは人工太陽「プラズマスパーク[4]」を開発。あるとき発生した事故により、プラズマスパークが発する放射線「ディファレーター光線」に2人の研究員が被曝してしまう。直ちに分析調査が行われたが、悪影響はなかった。だが、ディファレーター光線を浴びたことで彼らの体は強化され、必要に応じて怪力を出せる、体から破壊光線を発射できる、巨大化できる、などの超能力を身につけた体になっていたことが判明する。星を治めていた長老は、人々にディファレーター光線の照射を行い、超人ウルトラ族が誕生した。ディファレーター光線は自然の恒星もわずかながら放射しているが、変化したウルトラ族はディファレーター光線の少ないところでは生命維持にすら支障をきたすため、カラータイマーが開発された。

それから23万年後、エンペラ星人率いる怪獣軍団が光の国を襲撃してきたため、ウルトラの父を始めとする多くのウルトラ族の戦士たちが立ち向かった。長い戦いの末、ウルトラベルの奇跡によって怪獣軍団を撃破し、その勝利を記念してウルトラタワーが建設された。その後、宇宙の平和を守るためにウルトラの父を初代隊長として、ウルトラ戦士たちが集結して結成されたのが宇宙警備隊である。

なお、王女としてユリアンが登場するため、王制があるようだが、誰が王なのかは不明[5]。書籍などでは「ウルトラの父が大統領のような存在で政治が行われている」という記述もある。

気候については『ウルトラセブン』第25話におけるポール星人の発言から冬は存在せず、ウルトラ族は寒さに弱いとされている。だが、冷凍状態になっても活動停止に陥ることはあっても、死ぬことはない。

また、『ウルトラマン80』第3話での矢的猛=ウルトラマン80の発言から、アルバイト制度や通貨の存在、(楽器があることから)音楽の文化があることも判明している。

2009年の映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』ではより詳細な描写がされており、プラズマスパーク・タワーを中心に内側を向いた殻状の大地が球形に重なった構造になっている。エネルギーは全てプラズマスパークに依存しているため、ウルトラマンベリアルによってエネルギーコアを奪われた際にはウルトラの星全体が氷結してしまい、難を逃れたウルトラマンウルトラセブンウルトラマンメビウスも巨体を維持できずに人間体となっている。逆に、地球人にはプラズマスパークの光は強過ぎるため、回復後の光の国を訪れたZAP SPACYの面々は宇宙港に張られた防護シールド=バリア空間の外に出ることができなかった。

『ウルトラ銀河伝説』は舞台が光の国ということで、『ウルトラマンG』『ウルトラマンパワード』『ウルトラマンUSA』『ウルトラマンネオス』『ウルトラマンマックス』『ウルトラマンボーイのウルころ』など、M78星雲出身でありながら光の国シリーズとの繋がりが曖昧とされていた作品のウルトラマン達も総登場している[6]

人口は約180億人ほどいるとされ、その内の約100万人が宇宙警備隊員である。

M78星雲のウルトラ族にはそれぞれ種族があり、銀色のウルトラマンは「シルバー族」(ウルトラマンゾフィーウルトラの父など)、赤いウルトラマンは「レッド族」(ウルトラセブンウルトラマンタロウなど)青いウルトラマンは「ブルー族」(ウルトラマンヒカリなど)と三つの種族が確認されている。

小学館の『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE 超全集』に記載された設定によると、光の国では40万年間の間にウルトラマンベリアル一人しか犯罪者が出ていないため、警察組織は廃止されているという。

漫画における表記

内山まもるの『ザ・ウルトラマン』、かたおか徹治の『ウルトラ兄弟物語』などにはウルトラの国がよく登場した。公式設定における世界観を基に描かれているが、多くは単独の星か複数の星かが不明なまま描かれており、M78星雲の星々が舞台として描かれている。かたおか版で数度、M78星という表記が見られた。

ウルトラマンの故郷

ウルトラ戦士以外にも、『ウルトラセブン』に登場したウインダムがM78星雲メタル星、ミクラスがM78星雲バッファロー星、アギラがM78星雲アニマル星、『ウルトラマンレオ』に登場したセブンガー、映画『ウルトラマン物語』に登場したドックンがウルトラの星と、この星雲が故郷である設定となっている。また、『USA』に登場したソーキン・モンスターもこの星雲内にあった惑星ソーキンが出身地とされている。

光の国の施設

ウルトラの国

光の国最大規模の都市。建造物の数々は空中浮遊・移動能力を持つため、都市の景色はたびたび変わるといわれている。

プラズマスパークタワー
光の国の中心にある一番巨大な建物で、常に空中に浮いている。
室内には人工太陽プラズマスパーク・エネルギーコアがあり、光の国の中核をなす場所である。エネルギーコアが奪われてしまうと他の星に被害が及ばないようにすべての機能が停止してしまい、光の国は凍り付いた極寒の星となるため、コアに触れることはウルトラ族の間では禁止されており、これを破った者は追放処分と「M78宇宙警備法」で決められている。
宇宙警備隊本部
宇宙警備隊の活動拠点である本部基地。『ウルトラマンタロウ』第24・25話ではアルファベットの“I”を模った大型の建造物だったが、映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』以降の作品では、空中に浮かぶ多数の菱形で構成されたものとなっている。
ウルトラスペースポート
宇宙船の発着港。ディファレーター光線に耐えられない身体の来訪者のために、バリヤーも展開されている。
ウルトラコロセウム
宇宙警備隊員を目指すウルトラ戦士たちの訓練施設。光線技の練習に使用するターゲットビジョンや、1対1の組み手訓練用の足場などの設備がある。
ウルトラ小学校 / 宇宙情報センター
『タロウ』第24・25話に登場。小学校と情報センターを兼ねている、当時の光の国の中でも巨大な建造物。タロウは少年時代、ここに通っていた。
ウルトラサインの伝言発信サービスも行われている。
ウルトラタワー
エンペラ星人率いる怪獣軍団との勝利を記念して、ウルトラの父によってウルトラの国からやや離れた場所に建設されたタワー。タワー内部にはウルトラベルが納められている。タワー上部から炎が燃え上がっており、それぞれ悪意ある者を焼き尽くし決して消えることがない『命の炎』・タワー内を通過しようとする者を正しい心の持ち主かどうか試す『正義の炎』・ウルトラベルを保管する『平和の炎』の3つの層に分けられている。

クリスタルタウン

映画『ウルトラマン物語』に登場した、透明感溢れる建造物郡で構成されている光の国の都市。ウルトラ族の人々のための生活空間も存在する。クリスタルタウンの外れにはウルトラの谷があり、少年時代のタロウが訓練に明け暮れ、小型怪獣ドックンと出会っている。 『ウルトラマンマックス』では、瀕死のウルトラマンマックスが故郷であるM78星雲を思い出す際に映像が使用された。

都市の中の主な施設、地名

トレーニングルーム
映像ライブラリーやウルトラ念力を練習する球体などの設備を備える訓練施設で、映画『ウルトラマン物語』では地球を防衛する前のタロウがここで様々な訓練に励んでいた。
メディカルルーム
クリスタルタウンの中で最も高いタワーの最上部に位置する医療施設。負傷したウルトラ戦士をプラズマスパークの力で治療する。戦いで重傷を負ったウルトラの父がここで治療を受けた。
銀の広場
プラズマスパークのエネルギーに最も満ちた広場。映画『ウルトラマン怪獣大決戦』に登場した。

その他の施設、地名

光の神殿
装飾物はもちろん、床や天井まで視認できない光あふれる神秘的な空間。『ウルトラマンメビウス』における光の国は、全話通して光の神殿のみで描写されている。
命の泉
『タロウ』第1話に登場。ウルトラ5兄弟によって運び込まれた東光太郎は、この場所でタロウと合体した。辺り一面が虹色のオーロラに覆われている。
ウルトラクリニック78
『タロウ』第19話で、バードンに敗れたタロウをウルトラの母が治療した医療施設。光の国の医学は全宇宙でも群を抜く程発達しているため、他の星からも患者がやってくるという。メディカルルーム内は負傷したものを収容する『ライブカプセル』以外に地球の医療道具のようなものは一切ない。
第2ウルトラタワー
ウルトラマンレオ』第38・39話に登場。光の国の軌道を司る大型の鍵・ウルトラキーを納めるもう一つのウルトラタワー。ウルトラベルが納められているタワーよりもやや細身かつ直線的な形状で、アストラに化けたババルウ星人の鎖分銅を食らって倒壊してしまった。レオ兄弟によってウルトラキーが奪還された後、再建されている。
神秘の碑
光の国にのみ存在する銀色の宇宙苔の一種・シルバーグラスが生い茂り、病を治す効果を有するオーロラに覆われている草原。『ウルトラマンA』第44話でオニデビルの豆で筋力を失ったエースは、ここでセブンの治療を受けた。
宇宙牢獄
『ウルトラ銀河伝説』に登場。別名「ベリアルプリズン」。光の国唯一の最凶最悪の反逆者・ウルトラマンベリアルを封印するため、かつて「ベリアルの乱」勃発時に降臨したウルトラマンキングが、ベリアルによって破壊された街の瓦礫を集めて作り出した。内部には蟹のような生命体が群れをなして這いずり回っている。戒めとして光の国から見える場所に浮かべてあったが、にせウルトラマンに化けたザラブ星人の侵入によって、ベリアル脱獄を許してしまった。

その他の作品に登場するM78星雲

  • テレビアニメ『ふしぎの海のナディア』の古代アトランティス人はM78星雲から飛来した宇宙人という設定である[9]
  • ウルトラゾーン』のコントコーナー「不良怪獣ゼットン」「怪獣職務質問」の舞台は、M78星雲をもじった「宇宙区星雲七丁目8番地」である。

脚注

  1. ウルトラマンA』第14話では、「M87星雲」と誤って呼ばれている。
  2. テンプレート:Cite book
  3. テンプレート:Cite book
  4. 『タロウ』第25話では「プリズマスパーク」と誤って呼ばれていた。
  5. ウルトラマンキングの“キング”は一種の称号的な名前であり、少なくとも現在は光の国の王ではない。
  6. 当初は登場予定はなかったが「設定上さしさわりないなら出したい」というスタッフの意向で登場するようになった。詳細は大怪獣バトル#世界観を参照。
  7. 漫画『ウルトラマンSTORY 0』では、光の国から発せられたディファレーター因子の影響を受けた惑星とされる。
  8. 映画『ウルトラマン怪獣大決戦』で共演した事から、U40もM78星雲内であるという説が語られる事もあるが、公式に語られたM78星雲とU40の関係は、2011年の時点では漫画『ウルトラマン超闘士激伝』にて両者が友好国であると語られたのみである。
  9. 第31話は『ふしぎの海のナディア絵コンテ全集』テンプレート:Fullの絵コンテではウルトラマンのシルエットであり、そこにはウルトラサインまで登場していた。

関連項目

  • 福島県須賀川市 - 2013年5月5日、「福島県須賀川市」と「M78星雲 光の国」が姉妹都市の提携をして仮想の町「すかがわ市M78光の町」が誕生した。

外部リンク

テンプレート:ウルトラシリーズ