松平定知

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テンプレート:基礎情報 アナウンサー 松平 定知(まつだいら さだとも 1944年11月7日 - )は、日本フリーアナウンサー。元NHKエグゼクティブアナウンサー理事待遇)、京都造形芸術大学芸術学部通信教育部教授、早稲田大学専門職大学院公共経営研究科客員教授國學院大學文学部客員教授、立教大学21世紀社会デザイン研究科客員教授[1]

人物・経歴

徳川家康の異父弟・松平定勝を祖とする伊予松山藩久松松平家の分家旗本の子孫。外交評論家で元NHK記者の磯村尚徳は従兄にあたる。2008年5月 放送人の会放送人グランプリ特別賞受賞、2010年7月財団法人放送文化基金放送文化金賞受賞[2]

父・松平定堯は旧陸軍大佐で満州国の駐チタ総領事をしていた。国立東京教育大学附属駒場高等学校(現・筑波大学附属駒場高等学校)を経て早稲田大学商学部卒業後、1967年NHK入局(同期に佐々木敦など)。

NHK在籍時の局内でのニックネームは「殿」。

NHKで脚光を浴びるきっかけとなったものが、若手の頃のラジオ第1でのインタビューだった。この若手時代に倒置法を用いた独特の話法を編み出す[3]。これを皮切りに総合テレビ『ひるのプレゼント』を担当して人気を集め、ニュースキャスターを担当するようになる。『NHK紅白歌合戦』の総合司会に抜擢された時期はそのニュースキャスター時代のことだった。その後、「NHKの顔」として各種の講演などもこなしている。

一方1991年、『NHKモーニングワイド』のキャスターを務めていた時に、泥酔してタクシーの運転手に対し車載電話で殴って足蹴りする暴行を働き、その責任を取って『NHKモーニングワイド』を年度途中で降板することになった(同時に局次長級エグゼクティブアナウンサーから部長級チーフアナウンサーに降格)。タクシーの運転手を蹴り飛ばした際には「俺は殿様なんだよ」と絶叫したことが民放のニュースで報じられた。その後は『NHKスペシャル』に不定期出演する程度であったが、1995年に『NHKニュース11』で本格的に復帰した。

退職後は後輩の宮本隆治をはじめとするNHK退職アナウンサー設立による有限責任事業組合ことばの杜において、青少年・児童向けの朗読など社会貢献活動にも携わる。

エピソード

  • 伊予松山藩主の久松松平氏は明治維新を機に名字を松平から久松に戻しているが、その傍流にあたる定知の家系は松平姓を保った。その松平は「つだいら」と語頭にアクセントを置くことが正しい発音だとされる。松平本人もそのことに強いこだわりを持っており、NHK時代には部下が「まついら」などと異なる発音をしようものなら、その場で「『ま』にアクセントを置くように」と訂正することで有名だった、という話がまことしやかに広がっているが、松平本人は、「『ま』にアクセントを付けて、高く強く発音して呼ばないと、返事してくれないんですって?」と言われて吃驚し、「私は一回もそんなことを言ったこともないし、したことも、ありません」と書いている[4]
  • 『NHKニュース11』で携帯音楽プレーヤー文化について特集が組まれた際、製品を説明するにあたり、視聴者への判りやすさを考慮して「1回だけ言います。ウォークマンのことです」と話したことがある。NHKは公共放送の建前上、基本的に特定の商品名を用いることは避けられるが、視聴者への判りやすさを考慮したもので当時としては極めて異例だった。

現在の出演番組

下記番組はNHK退職後も出演を続けている。
2004年度には「私の本棚」などで「藤沢周平を読む」と題した朗読シリーズを担当した。

過去の出演番組

東京異動後
NHK退職後

著書

  • 負けずにキザですが[5] (1985年11月、講談社)ISBN 978-4062020978
  • 歴史を「本当に」動かした戦国武将(小学館101新書)(2009年6月1日、小学館)ISBN 978-4098250387
  • 幕末維新を「本当に」動かした10人(小学館101新書)(2010年2月1日、小学館)ISBN 978-4098250707
  • 心を豊かにする言葉術(小学館101新書)(2011年8月1日、小学館)ISBN 978-4098251148

脚注

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外部リンク

テンプレート:NHK紅白歌合戦 総合司会 テンプレート:連想ゲーム司会

テンプレート:NHKモーニングワイド キャスター
  1. 立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科危機管理学演習13 担当:松平定知客員教授
  2. 財団法人放送文化基金参照
  3. 通常なら「皆さん今晩は」と言うところを「今晩は皆さん」と言う。
  4. 松平定知『ゆったり、まったり、伊予日和』第2回「父・寡黙な明治人」(『accrete』2014.May Vol.134 愛媛新聞社
  5. 題名は従兄でNHK先輩の磯村尚徳が著してベストセラーとなった『ちょっとキザですが』にあやかったもの。