上川支庁

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上川支庁(かみかわしちょう)は、かつて北海道に存在した支庁のひとつ。支庁名は石狩国上川郡に由来する。4市・17町・2村を所管しており、隣接する旧留萌支庁・旧宗谷支庁との結びつきが強かった。支庁所在地は旭川市2010年平成22年)4月1日上川総合振興局に改組。

歴史

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  • 「上川」という名は、アイヌ語の「ペニ・ウングル・コタン」(川上の人々の集落)を意訳したものである。1869年明治2年)、開拓使判官・松浦武四郎によって名付けられた。
  • 1897年(明治30年) - 石狩国上川郡に上川支庁設置
  • 1899年(明治32年) - 空知郡東部の富良野村(現在の上富良野町中富良野町富良野市南富良野町)を空知支庁(後の空知総合振興局)より移管。同年、天塩国上川郡増毛支庁(後の留萌振興局)より編入し、剣淵村他3ヶ村(士別、多寄、上名寄)戸長役場を設置する
  • 1901年(明治34年) - 下名寄村を含む中川郡、増毛支庁から上川支庁に移管、剣淵外3村戸長役場所属となる。
  • 1906年(明治39年) - 室蘭支庁(後の胆振総合振興局)より勇払郡占冠村を編入
  • 1999年(平成11年) - 上川支庁を含めた北海道の6つの機関が、北海道旭川市永山に位置する上川合同庁舎に移転する。
  • 2005年(平成17年)9月1日 - 士別市と朝日町が新設合併し、新市制による士別市が発足。
  • 2006年(平成18年)3月27日 - 名寄市と風連町が新設合併し、新市制による名寄市が発足。
  • 2008年(平成20年)6月28日 - 北海道議会において、留萌支庁を上川支庁に編入する等、14支庁を9地域に再編し、名称を支庁から地域振興局に改める旨の条例案が可決された。
  • 2009年(平成21年)3月31日 - 他の総合振興局への編入対象となった支庁の反発を受け、北海道議会で条例の改正案が可決。これに伴い、振興局は総合振興局と同等の扱い(地方自治法上の支庁)へ改められるとともに、広域で所管することが望ましい業務に関しては隣接する総合振興局の所掌事務とすることが出来るとされた。
  • 2010年(平成22年)4月1日 - 上川支庁が廃止され、上川総合振興局が発足。同時に、旧空知支庁に属した幌加内町を編入。

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地理

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道内における上川支庁の位置

北海道のほぼ中央、東西を山地に挟まれた盆地帯にあり、南北に細長くなっている。内陸のため、は非常に寒く、は比較的高温になる。

地形

山岳

  • 旧上川支庁管内は西を天塩山地夕張山地、東を北見山地石狩山地などに挟まれた盆地帯にある。
  • 特に石狩山地中の大雪山十勝岳は 2000 m を超え、北海道の最高地点も東川町内にある大雪山系旭岳の山頂(標高 2290 m)である。
  • 旧支庁管内も山地帯で隔てられており、中でも北緯44度付近の塩狩峠は北部と南部を二分している。

河川

  • 旧上川支庁管内には複数の分水嶺があり、郡の境界がほぼそれに沿っている。旧支庁管内中部の旭川市や石狩国上川郡の各町は石狩川の流域に当たり、その源流は上川町の石狩岳に求められる。また、かつて旧空知支庁の一部であった南部の富良野市や空知郡の各町は石狩川支流の空知川流域になり、石狩川本流とは緩やかな丘陵地帯で隔てられている。空知川は西隣の旧空知支庁管内の砂川市で石狩川に合流する。塩狩峠以南の以上の区域が石狩国にあたる。
  • 空知川流域とは金山峠を隔てた旧支庁管内最南端の占冠村は太平洋に注ぐ鵡川流域になり、水源は同村内のトマム岳にある。また、南に隣接する旧日高支庁管内との間には日高峠で境界をなしている。同村は胆振国勇払郡であり、かつては室蘭支庁(現在の胆振総合振興局)の一部であった。
  • 石狩川流域の北側には山岳地帯があり、塩狩峠などの北側は天塩川(川の水源は士別市の天塩岳)の流域になる。ここには士別市、名寄市、中川郡、天塩国上川郡が含まれる。この分水嶺の北側が天塩国になっており、かつては増毛支庁(現在の留萌振興局)の一部であった。

盆地と谷

  • 旧支庁管内は河川に沿って盆地が開けている。石狩川流域には上川盆地、空知川流域には富良野盆地があり、それぞれ谷によって石狩平野と分けられている。また、天塩川流域には名寄盆地がある。各平野にはそれぞれ中心都市があり、現在でも経済活動が盛んに行われている。
  • この他、各河川の支流が周囲の山岳地帯から流れ出ているため、その谷間で開拓が進められた。豊かな資源を生かした林業や鉱山開発が行われたが、現在ではその多くが衰退し、急速な過疎化と廃村化が進んでいる。

気象

  • 北海道の中北部にあり、周囲を山に囲まれた地域のため、日本海側気候で併せて内陸性気候となっている。気候は北海道のイメージに反し穏やかで、気象注意報・警報が出ることが少ない。冬も吹雪の日は少ない。
  • 地震がほとんど発生しない地域である。

気温

  • 冬の寒さが極めて厳しい。旭川市の旭川地方気象台(当時の上川二等測候所)は1902年1月25日- 41.0 を観測し、これが現在でも日本国内で記録された公式の最低気温記録となっている。旭川市では、1996 - 2005年の平均で冬日が年155.5日、真冬日が年80.6日である。占冠村は更に寒く、同期間の冬日は年185.6日に達し、- 35.8 ℃2001年1月14日に記録している。この低温は生活上の障害となっているが、観光産業の基盤でもある。
  • 一方、夏は比較的高温になり、旭川市では7月と8月の最高気温が1971 - 2000年の平年値で26度を超える。1996 - 2005年の平均では夏日が年58.1日で、道内の地方気象台設置都市で最多である。この高温が、上川盆地での大規模な稲作を可能にしている。

降水

  • 降水量は日本国内では少なく、旭川市での平年値は 1074.2 mm となっている。1996 - 2005年の平均でも 1077.7 mm で、そのうち4年は降水量が 1000 mm を下回った。梅雨の影響を受けないため、平年値では6月の降水量が5月を下回る 63.8 mm にとどまる。台風の影響は希に受けるが、同支庁を通過する際には勢力が衰え、移動速度が非常に速くなっているため、降水量はさほど増えない。旭川市で最後に1日の降水量が 100 mm を超えた日は1990年までさかのぼる。なお、占冠村での年降水量は旭川より多く、1996 - 2005年の平均で 1367.3 mm になる。
  • 気温が低いため雪が溶けず、積雪量は多くなる。旭川市での平年値では、年間降雪量の合計が 756 cm 、積雪最大値は 96 cm となっている。また初雪は10月23日、最後の降雪は4月30日で、半年近くにわたり雪が降る。

都市雇用圏(10% 通勤圏)の変遷

テンプレート:都市圏Header テンプレート:上川総合振興局管内の都市雇用圏

地域

地域分けをすると、北緯44度付近の塩狩峠以南(石狩国および胆振国部分)が道央に含まれる場合があり、以北(天塩国部分)が常に道北とされる。

塩狩峠以南
金山峠以南
以上の地域で、上川支庁の面積の6割程度であるが、人口の 8 - 9 割弱を占める。
塩狩峠以北
天塩国部分は上川支庁の面積の4割程度と比較的広大だが、人口はわずか1割強と少ない。

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産業

農林業

多種多様な作物が生産されている「食材王国」である。

  • 林業が盛んであったが、現在は他の地域と同様に衰退している。

工業

商業

  • 旭川市が昔からの商業都市である。

交通

空港

鉄道路線

道路

道の駅

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

関連項目

外部リンク


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