ドラコ

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テンプレート:Pathnav ドラコは、円谷プロダクション制作の特撮作品『ウルトラマン』をはじめとするウルトラシリーズに登場する架空の怪獣。別名「彗星怪獣」。

翼はトビウオの胸鰭(むなびれ)にちなむ[1]

『ウルトラマン』に登場するドラコ

初代

ウルトラマン』第25話「怪彗星ツイフォン」に登場。

  • 身長:45メートル
  • 体重:2万トン
  • スーツアクター:池田文男[1]

彗星ツイフォンが地球の近くを通過した際、地球へ飛来した宇宙怪獣。1本の短い角と巨大な翼を持ち、体表は黒いタイルのような皮膚で覆われている。両手の鎌を武器としており、素早い動きで飛翔して敵を翻弄する戦法を得意とする。日本アルプスの山中でギガスや途中から介入したレッドキングと三つ巴の戦いとなり、ギガス相手には互角以上の戦いを繰り広げるも、レッドキングと戦いで一度目は空を飛んで攻撃を回避するが、二度目は足を捕まれ地上に引きずり降ろされ、翼を毟り取られ飛べなくなったことで弱体化。その後は2匹に徹底的に痛めつけられ倒される。

  • 脚本での名前は「レッドドラコ」[2]
  • 第25話に登場した怪獣のうち唯一、新規に着ぐるみが制作された。
  • 当初はバッタ型の怪獣としてデザインされたが、NGとなった。羽や足首の鉤爪にその名残がある。
  • 一般に流布している初代ドラコのスチル写真は着ぐるみ完成後まもなく東京美術センターでマーチャンダイジング用として撮影されたもので、番組に登場したものとは一部が異なっている。こちらは右手が鎌状で左手が円盤形に巻き取られた鞭状になっており、鎖鎌を模している。その後、撮影前に左手も鎌状に改造された。
  • 『ウルトラ怪獣攻げき技大図鑑』では飛行しての体当たりは「コメット超力」と名づけられた。
  • 楳図かずおの漫画版『ウルトラマン』には着ぐるみ作成時の両手で登場し、鞭状の左手を伸ばして水素爆弾を掴み取る描写がある。ウルトラマンの策略でギガスとの戦いになり、最期は冷凍光線を浴びて凍死する。
  • 帯番組『ウルトラ怪獣大百科』のナレーションでは、ドラコの一族の形態は鎌状の右手と鞭状の左手であり、日本に飛来した個体はイレギュラーな個体である旨が語られている。

再生ドラコ

ウルトラマン』第37話「小さな英雄」に登場。

  • 身長:45メートル
  • 体重:2万トン
  • スーツアクター:松島映一[1]

ジェロニモンの力で復活した個体で、頭部の角が新たに4本増え、両手が5本指となり、翼がなくなるなど外見が多少変化している。闘争本能は健在で、同時に復活した再生テレスドンと小競り合いを演じるが、大岩山から響くジェロニモンの唸り声を聞いて大人しくなる。その後再生テレスドンと別々になりながら科学特捜隊と戦う。再生テレスドンが倒された後、ウルトラマンの出現を当てにして助けを求めるばかりで自ら戦おうとしないイデを襲うが、彼の身代わりになったピグモンを叩き潰して殺害する。それを見て激昂したハヤタに一喝されて正気に戻ったイデにより、新兵器「スパーク8」の攻撃を受けて木っ端微塵にされる。

  • 着ぐるみは第25話のドラコの改造で、頭の4本の角は『快獣ブースカ』のイモラのものを鈴木邦夫が勝手に取りつけたもの[3]
  • 脚本段階ではドラコではなくレッドキングの登場が予定されていたが[1]、2代目のレッドキングのスーツが再改造で痛んでおり、撮影に耐えられないとスタッフに判断され、ドラコに変更された。
  • 『ウルトラマン白書』では「ドラコ(2代目)」と記載している[4]
  • 二子玉川園にて1973年に行われた「怪獣供養」ではこのスーツのドラコがイカルス星人と共に進行役を務めているスチールが存在している。

『レッドマン』に登場するドラコ

特撮テレビ番組『レッドマン』第8・11・63・66・73・77・78・128・132・134・135話に登場。

第8話でレッドマンと戦って敗れ、第66話ではグラナダスと組んでレッドマンに挑むが敗れ、第132話ではゼットンと組んで戦うがレッドキックを受け倒される。

  • 着ぐるみは第8・11・128・132・134・135話に登場したもの、第63話から第78話に登場したものの2種類存在する。羽と両手の鎌がなく(後者の着ぐるみは左手に鎌が付いている)、体は再生ドラコ、頭は通常ドラコのような形をしている。
  • 終盤では1対1でレッドマンを大苦戦させる強さを見せる。

『ウルトラマンパワード』に登場するドラコ

特撮ビデオ作品『ウルトラマンパワード』第12話「パワード暗殺計画」(米国版サブタイトル:FALLING STARS SPELL TROUBLE)に登場する。初代と区別するため玩具などではパワードドラコと称される。

  • 身長:60メートル
  • 体重:3万トン

サイコバルタン星人がパワードの実力を測るために送り込んだ怪獣で、かなりの戦闘能力を持つ。以前バルタン星人が乗ってきた物より大型の繭から現れる。目が赤目で体表はピンク色など、初代と比べて外観がかなり異なる。顎も初代が上下に開くものだったのに対し、こちらは顎が左右に開くよう変更され、本作品のバルタン星人やゼットンと同様、昆虫的なイメージに統一されている。

巨大な翼を持つが、威嚇に使われるのみで空を飛んでいない。武器は袋状の両腕から無数に取り出されるナイフで、どこからか現れたレッドキングの喉を掻き切って瞬殺する。このナイフはパワードの体を切り裂くほどの切れ味を持ち、投擲武器としても使用可能で、ストライクビートルを撃墜する。生体反射外骨格で構成された体はあらゆる光線技を跳ね返し、メガ・スペシウム光線を跳ね返して一度はパワードを撤退に追い込む。この戦いでパワードの光線データを母船のゼットンに転送する。その後、夜の市街地で再びパワードと戦い、ナイフでパワードの胸を裂いて大きなダメージを与えるが、ストライクビートルのスティンガーミサイルを同一箇所に連続で撃ち込む作戦で出来た傷にメガ・スペシウム光線一点集中放射版を受けて撃破される。

  • デザインは前田真宏[5]。体色などはレッドキングを擬態したというイメージ[5]。手足の形は道着がモデルとなっている[5]

『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』に登場するドラコ

特撮テレビ番組『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』第2話「レイオニクスバトル」に登場。

  • 身長:45メートル
  • 体重:2万トン

フック星人(RB)に操られ、惑星ハマーでエレキングと対決する。翼を生かした飛翔と両手の鎌による攻撃で戦いを優位に進めるが、レイを援護するために放たれたゴースタードラゴンのミサイル攻撃で怯んだところを反撃される。最後はエレキングとの格闘の末、初代と同様に翼を毟り取られ、放電光線を受けて倒される。

  • オープニングではゴモラと対決する。

ドラコ(再生)

第10話「新たな戦いの地平で」に登場。

  • 身長:45メートル
  • 体重:2万トン

ドラコの再生した姿で、フック星人(RB)に操られる。ゼットン星人(RB)テレスドンと対決するが、突如乱入してきたダイルが操るキングジョーブラックの空中からの攻撃により、テレスドン共々爆死する。

  • 『ウルトラマン』第37話に再登場した時と同じく翼がなくなり両手の鎌が5本指になっているが、これによって格闘能力が向上している[6]

『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』に登場するドラコ

映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』に登場。

  • 身長:45メートル[7]
  • 体重:2万トン[7]

光の国に辿り着いたミライとレイを襲撃し、ベムスターサラマンドラと共にシャプレー星人(RB)に指揮されて三大カプセル怪獣(ウインダムミクラスアギラ)と対決する。新たな武器として口から火球を吐く。主にアギラと戦うが、その素早い攻撃に追い詰められ、空中に突き上げられたところに角攻撃を受けて爆発する。

また、百体怪獣ベリュドラの胴体を構成する怪獣の一体としても登場する。

『ミラーファイト2012』に登場するドラコ

ミラーファイト2012』第2話「怪獣行進曲」に登場。

ミラーマンドリゴラスと共に仲良く行進する。しかし最後尾を歩いていたドラコはドリゴラスの尻尾を踏み、ミラーマンが気付かないまま2匹は取っ組み合いの喧嘩を始める。ドリゴラスが棒を持って応戦しようとするとドラコは手の鎌(鍵爪)で応戦し相打ちになる。一方、行進を続けていたミラーマンは2匹がいないことに気付くと一人激怒する。

『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』に登場するドラコ(SDI)

映画『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』に登場。

ウルトライブシミュレーションで健太がライブし、千草がライブしたテレスドンと戦う。

  • テレスドンとの戦いは『ウルトラマン』第37話を再現しているが、勝敗は異なる[8]

ライブステージに登場するドラコ

  • 『ウルトラマンフェスティバル2003ライブステージ』では光の国に保管されている魔石・コスモクリスタルの前でウルトラマンたちが平和を守り続けることを誓う日の式典を狙い、セミ人間やワロガやゴドラ星人と共に出現する。
  • 『ウルトラマンフェスティバル2004ライブステージ』第1部「激闘!第一の使者~ウルトラマンノア光誕~」では冒頭、ダダを追跡していたウルトラマンAを襲う。第2部「N~もう一つの光~」ではダークザギバキシムゴルザと共に召喚されるがウルトラマンのスペシウム光線とゾフィーのM78光線に敗れる。後半でもゴメスゴルザザムリベンジャーと共に召喚されるが、ウルトラマン、ゾフィーに加えウルトラマンネオスのマグニウム光線を受けゴメス共々倒される。
  • よみうりランドで開かれた「ウルトラマンメビウススペシャルショー1」では冒頭再生ドラコの容姿でメビウスを苦戦させるが、助けに現れたウルトラマンマックスに敗れる。
  • 「メビウススペシャルショー2」にも怪獣が欲しいというダダ少年の願いを聞き入れてバルキー星人に再生ドラコの容姿で召喚される。ダダ少年はドラコを捕まえようとするが捕まえられず暴れまわりウルトラマンメビウスと戦う。
  • 『ウルトラマンフェスティバル2005』では冒頭、ゴモラベムラーと共にウルトラマンマックスと戦う。
  • 『ウルトラマンフェスティバル2010』では冒頭、グドンと共にウルトラマンゼロと戦う。

その他の作品に登場するドラコ

脚注

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参考文献

関連項目

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  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 『キャラクター大全ウルトラマン全調査報告』(講談社、2012年、ISBN 978-4-06-218128-0)
  2. 『別冊映画秘宝ウルトラマン研究読本』洋泉社175ページ
  3. テンプレート:Cite book
  4. テンプレート:Cite book
  5. 5.0 5.1 5.2 テンプレート:Cite book
  6. 小学館『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY超全集』の記述より。
  7. 7.0 7.1 テンプレート:Harvnb
  8. テンプレート:Cite book
  9. テンプレート:Cite book